家族と一緒に東京モーターショー2019を見に行った際の、個人的な雑感を綴るブログの後編です。
◎前編はこちら →
[TMS2019] 東京モーターショー2019雑感(前編)
前編では、主に会場入りするまでの状況やスバルブースでの様子をお伝えしましたが、この後編では「働くくるま」や「カワサキブース」を中心に、当方の目に付いたものを記していきます。
■働くくるま に触れてみる
青海会場から有明会場まで、OPEN ROAD を通って徒歩で移動したその先に、「働くくるま」の屋外展示場がありました。明確な目的に特化したクルマについて、子供たちにその姿を見せながら触れさせることのできる、良いチャンスです。
<↓有明会場に向かって OPEN ROAD を行くと、「働くくるま」の展示場にたどり着きました>
今、このブログを書いていてふと思ったのですが、子供たちにとって難しいであろう「働く」を漢字で書きながら、比較的やさしい漢字の「くるま」をひらがなに崩すのは正解なのだろうか?
「働くくるま」と「はたらく車」。
子供たち(想定ターゲット:小学校低学年)にとっては、どちらが分かりやすい表現になるだろうか。まぁそんなコトはここでは置いといて。どうやら自衛隊で使用されている車両が多く展示されているようです。
<↓最初に目に付いたのはこの車両。装甲車??車名もスペックもよく分かりませんが・・・(^^;)>
<↓上記車両の各部の様子。フラットボトムだったり太いコイルスプリングだったり、印象的な仕様>
リヤに付加されたプレートを良く見ると、コマツ製のようですね。
そのとなりにはバイクも用意されており、自由にまたがって記念撮影させていただけました。
<↓ヘルメットを借りて記念撮影>
このバイクをよく見ると、フロントフェンダーの先端に五角形のような花びらのマークが付されています。ヘッドライト&ウィンカーガードも、部位によってガードパイプとメッシュガードで使い分けられています。リヤキャリアの両サイドにも、上下方向に走る太めのパイプあり。リヤホイールのスプロケット近傍には、駆動チェーンの下側(緩み側)にはガイドが、上側(張り側)にはガードが付いています。
次に触れることのできた「働くくるま」は、以下の車両です。
<↓ハマーのような出で立ちの車両。荷台には対面シートが設けられており、自由に座れました>
<↓下回りを覗くと、まさにヘビーデューティ。設計上の(損傷に対する)安全率Sfはかなり高そう>
余談ですが、日本車で「ヘビーデューティ」という宣伝文句を初めて使ったのは、日産のブルーバードだったように記憶しています(TRY HEAVY DUTY というカタログ表現で)。
■働く人々に成り切ってみる
自衛隊ブース(と、呼んでも良いのかな)では、貸し出し衣装を身にまとって記念撮影できるサービスが供されていました。子供たちも、早速「成り切って」みます。
<↓「自衛隊 東京地方協力本部」の旗が立つテントにて、試着やVR体験などが可能でした>
<↓試着コーナーで成り切り撮影。衣装は、サイズが合えば好きなものを貸していただけました>
「働くくるま」はその他にも展示されていましたが、普段、目撃することはあってもじっくり見る機会の無かった自衛隊車両について、触れることができたのでした。
■いよいよ有明会場へ
この時点で、けっこうな時間となってしまったため、急いで有明会場に入ります。向かうはカワサキブースです。そう、250ccで4気筒(クオーターマルチ)のNinja ZX-25Rをこの目で確かめるのです。
<↓この「エコの時代」にクオーターマルチが復活するだなんて!>
で、シリンダヘッド直後のエキパイは、確かに4本出ている様子が確認できるのですが、(上記画像からも分かるように)気筒間の各パイプがサイドブランチで連結されているように見えます。
カウルに隠れてしまって全容が見えないのですが、どうも#1#2#3#4が相互に連結されているように見えてしまいます(※実際にそうなのかどうかは不明)。4気筒の点火順序が不明なのですが、仮に#1→#3→#2→#4だとした場合、排気干渉を避けながら効率アップするように連結するサイドブランチ(連結パイプ)は集合部までの間で2本でも良いような気がします。でも4本あるように見える。
ここで比較のため、ホンダブースのCB系エキパイを見てみます。
<↓大排気量から中排気量モデルまで、ホンダの4気筒にはエキパイに連結パイプの設定は
無し>
ちなみに私が今なお維持して乗っているホンダCBR250Four(1986年式MC14型)も、シリンダヘッドから出たエキパイは集合部まで完全独立(4 into 1)構造です。
ZX-25Rの排気系には、(情報未公開のため)さらに不明な点があります。
<↓車両の左側から見たショット。赤線で囲った膨らみは一体、何なのか?>
上下方向(天地方向)に異様に長く、ボリュームのある容積室。これが触媒内蔵のマフラーなのだろうか? ターンテーブルでゆっくりと回転するZX-25Rが右サイドを向けるタイミングで観察してみると。
<↓他車の異形断面マフラーと較べても、極端に短すぎるマフラーエンド(テールパイプ)>
マフラーエンドがリヤのスイングアーム(ホンダで言うところのガルアーム)の「へ」の字型の直下までで終わっており、そこから先はアップマフラーになっていない。
<↓むむむ? テールパイプは単なるパイプのみで、あの四角い容積室が従来のマフラーに相当か?>
<↓マフラーガードは車体の前後方向に装着されるのに対し、パイプの出口角度は異なっている>
車体の右サイドから真っ直ぐに見たときのマフラーガード(が前後方向で装着されていること)にダマされる?ところでしたが、どうやら重量のかさむリアルマフラーは直方体で成形した上で、ホイールベースの中央にマウントしてマス集中化と静粛性を狙っている模様。容積室が直方体ならば、内部のラビリンスは自由に設定できるので、意図するエキゾーストサウンドの創成にも有利になるのでしょう、きっと。
なお、同じターンテーブルに載っていた Z H2 (スーパーチャージャー搭載モデル)の排気系の取り回しは、現在の主流に則ったタイプでした。
<↓まぁ、過給器モデルは必然的にこのような排気系レイアウトになってしまうのかもしれません>
話をZX-25Rに戻すと、フロントキャリパはモノブロックでラジアルマウント、リヤサスはホリゾンタルバックリンク方式、さらにはクイックシフターやトラクションコントロールなどまで満載。これがそのまま市販されるなら、恐らく90万円前後になってしまうのでは?
とすると、例えば装備を省いて価格を抑えた4気筒ベーシックとして「ZX-25」を、装備てんこ盛りのフルスペックを「ZX-25R」として、2グレード体系で市販する可能性もあるのでは? 1980年代のクオーターマルチの生き残りユーザーである私としては、今後の成り行き(他メーカーの動向も)を見守っていこうと思います。
■部品メーカーブースへ
カワサキブースを見たあとは、部品メーカーのブースへも、チラッとだけ足を運びました。最初にNSK。日本精工さんです。次にニッシン。バイク乗りでNISSINと聞くと、ブレーキキャリパのイメージが強いと思います。
<↓ふと見ると、NISSINのブースが。思わず引き寄せられる>
<↓当初のイメージ通り、ブレーキ関連の部品の展示がメイン>
<↓ところがその中に、リヤのロアアーム(しかも薄肉鋳造)の展示が・・・>
失礼ながら、アルミ鋳物の薄肉化の開発をされていましたっけ?
試作品とおぼしき展示品の横には、次のような説明表記がありました。
<↓数値を載せて具体的な効果を説明しているが、肝心の技術解説には
なっていない(>失礼!)>
そこで思わず、その場にいた説明員さんに質問してしまいました。
私:「単に従来材のままでは薄肉化はできませんよね?
例えば、添加剤(SiとかMgとか)の配合率を変化させること
によって、強度を確保しつつ展延性を改善したのでしょうか?」
係:「そのへんは企業秘密です。」
係員さんにとって、私の質問が専門外だったのでそう回答したのか、あるいは本当に企業秘密なのか計りかねましたので、質問を変えてみました。
私:「一口にアルミと言っても、いろいろな材料がありますよね。
従来の技術に対して、どこをどのように変えることができたから、
その結果として薄肉化が可能になったのか。その過程を知りたい。」
係:「確かにアルミには○○材などがあり、添加材もその規格の公差内
でチューニングすることで、鋳造性を変えることができるのです。」
私:「とすると、鋳造後の冷却速度など鋳造方案にも工夫をしている、と?」
係:「う~ん、まぁその・・・(モゴモゴ)。」
どうやら材料特性をアルミ規格を逸脱しない範囲内で変化させること、その材料特性に応じた鋳造方案を確立すること、によって薄肉化のメドを立ててきたようです(規格内に納めるのはコストを見越してか?)。回答ありがとうございました。
■余談
ここから先は、モーターショーの会場で目に付いた(または気になった)ことをランダムに記します。例によって他意はございませんので悪しからず。
<↓スバルブースのすぐとなりあたりで。anythingとあるので、いかなるモノも置いちゃダメ、と>
# 看板に気を取られ、その「枠」が何だったのかを
# 見過ごしたのは、ここだけの話。
<↓スズキブースにて。「ドアなどの開閉時には気をつけて」という注意喚起のステッカー>
「不特定多数の来場者さんに、自社ブースでケガでもされたらたまらん。」
というのを、あくまで柔らかい表現で「お願い」するステッカーかしら?
<↓同じスズキブースにて。今度は、ドアの開閉行為そのものの制限措置を示すステッカー>
「乗ってもいいけどケガしないでね」に代えた強行策?
「トラブルを避けたいから乗るのやめて!」の意味かしら。
<↓次はホンダブースにて。新型フィットでは逆に「閉めないで!」というお願いステッカー>
「見て触れて納得して!」
「そのためにゲートは なんびとたりとも閉めるんじゃあない!」
・・・ってのを柔らかく「お願い」するステッカーかしら。
「頭上注意」を同時掲載するところが、ソツがありません。
最後に。
義兄(歴代パジェロユーザー)のために、パンフレットを三菱ブースにもらいに行きました。
<↓画像ではタイミングが悪く、うまく捉えられていませんが、キレイなお姉さんでした>
# クルマやバイクの画像を写すのと同じくらいの熱意を持って
# お姉さんも躊躇なく写せるような、そんな達観を持ちたいものですな。
# (若い頃は「お姉さん、クルマを撮りたいからどけて」と思っていたので。)
以上、自由放言気味の「東京モーターショー2019」の雑感ブログ(前編&後編)を終わります。視点はあくまで私個人によるもので、繰り返しになりますが、他意はございません&交わした会話は事実ですので念のため。
Posted at 2019/11/04 02:24:28 | |
トラックバック(0) |
【クルマ関係(スバル以外)】 | クルマ