経年13年のBPレガシィに、チェックエンジンランプの警告灯が点灯しました。事前の兆候は無し。具体的な症状は、「エンジン始動時にクランキングを6~7秒ほど持続させないと、なかなか始動しない」というロングクランキング症状。
修理のためのディーラー入庫予約まで済ませたが、ふと自分の過去ブログを読み返すことにより、DIYで格安にトラブル解決できた・・・という話です。
■唐突なチェックエンジンランプ点灯
2020年2月9日(日)。この日の朝、買い物に出かけるためレガシィに乗り込んでエンジンを始動させようとしていました。私のBPレガシィ(6MTのターボ)はプッシュエンジンスタート式ではなく、イグニッションキーをコラムに差し込んでひねるタイプの始動方式です。
いつものようにクラッチペダルを踏み込んでギヤをニュートラルに入れ、キーをひねります。ところがなかなか初爆が来ません。
通常は、季節(外気温度)やバッテリー(印加電圧)にもよりますが、だいたい0.8~1.2秒(感覚値)もあればエンジンが始動するところ、この日に限っては、おおよそ6~7秒間ほどクランキングを継続させたあと、やっと初爆が来ました。
まるでキャブ車のラフアイドルっぽいようなエンジンの掛かり方なので、アクセルペダルを若干あおって様子見。この操作でエンジン回転速度は(アイドルアップ状態で)安定化しましたが、同時に「チェックエンジンランプが点灯」。点滅ではなく点灯です。
<↓インパネ警告灯の「チェックエンジンランプ」が点灯。症状はロングクランキング>
■1次判断
いったん始動した後は、エンジンの状態は安定しています。電圧(インフォメーター・タッチ)や油圧・インマニ吸気圧など(Defi BFメータ類)の表示値に異常はありません。その間、インパネの表示は「エンジンシステム点検」と「無理な運転を避け販売店へ」を交互に繰り返しています。
表示が「無理な運転を避け販売店へ」となっていることから、少なくとも自走ができる程度の故障(ただちにエンジン停止が必要な、クリティカルな故障ではない)と考えられます。
仮にこのまま買い物に出かけたとして、出先でエンジンが始動できなくなっても困るので、試しに自宅前でエンジンを停止させた上で再度、始動を試みてみました。すると、症状は先ほどとまったく同じ。チェックエンジンランプの点灯もまったく同じ。つまり「再現性あり」が確認できたことになります。
へたにECUをリセットしてエラーログを消去させてしまうと、今度はトラブルシューティングに差し支えてしまうと考え、レガシィの使用を控えて現状維持することにしました。
■ディーラーに入庫予約へ
翌日、バイクでディーラーを訪問。まず「(1)ディーラーさんの都合の良い日に、現車の症状を確認していただきたい」「(2)その上で、診断結果に基づいて対応策と次回の入庫を相談させてほしい」旨の打診をしました。
バイクで訪れた理由は、いきなりレガシィに乗って行っても、サービス工場がいっぱいで(飛び込み客に対して)手が回らない可能性があると考えたためです。
するとやはり、2月は(東京スバルさんの中で)メカニックさんに対する教育研修が組まれており、実働人数が少ない。加えて、「働き方改善」活動によりメカニックさんの残業時間も限られた運営としているため、今すぐの対応は困難とのこと。・・・私の「読み」の通りでした。
「我が家にはエクシーガもあるので、ディーラーさんの都合に合わせて入庫いたします」と再度、申し出た結果、月末近くの2月23日(日)(のメカニックさんの残業枠)に入庫することになりました。
<時系列>
・02月08日(土) : 問題無くクルマを使用。車庫入れ。
・02月09日(日) : この日の最初の始動時にロングクランキング。
チェックエンジンランプ始動。症状に再現性あることを確認。
・02月10日(月) : ディーラー訪問し入庫を2月23日(日)に決定。
<↓入庫前の見積書。修理前の点検診断料として、4400円が必要となるとのこと>
■自分の過去ブログの読み返し
エンジンは始動するものの、ロングクランキング症状。さてはA/FセンサかO2センサの故障か・・・すると、工賃は別として、部品代がバカにならない(高額な)んだよな・・・との考えが頭をよぎります。
が、ちょっと待てよ。
以前にも、同じようなことがあったな。
ということで、自分の過去ブログを読み返してみます。
キーワード:「チェックエンジンランプ」&「始動」で検索します。
すると、すぐに関連ブログがヒット。ありました、ありました。
<過去の関連ブログ>
◎2014年04月24日 →
[BPレガシィ] チェックエンジンランプ点灯、始動不調に→意外な箇所が原因(前編)
◎2014年04月29日 →
[BPレガシィ] チェックエンジンランプ点灯、始動不調に→意外な箇所が原因(後編)
上記の (後編) を読むと、
・原因は、ヒューズ切れによるECUへの入力電源の遮断
・エンジンルーム内ヒューズボックスの7.5Aの交換で復旧
とあります。
確かに今回の症状も、約6年前に発生した症状(過去ブログ)に酷似しています。これは、ディーラーに入庫する前に、DIYで確認する価値がありそう です。
■ビンゴ!
2月20日(木)。ようやくレガシィに触れる時間が取れた日に、早速ヒューズボックスを確認してみます。
<↓BPレガシィのボンネットを開けて、点検作業を開始>
<↓黄色の囲みが点検部位(自分の過去ブログからの情報)>
<↓7.5Aのヒューズが見事に切れていた!!>
この時点で、期待値が高まります。
が、油断や即断は禁物です。
あいにく予備の7.5Aヒューズの在庫をちょうど切らしていたため、仮措置として10Aヒューズを代わりに装填して、チェックエンジンランプの点灯が解消するかどうかを試してみることにします。
<↓とりあえず通電を確保させて、チェックエンジンランプが消灯するかどうかを試します>
<↓結果は見事に消灯!チェックエンジンランプは点かなくなりました>
この時点で、エンジンキーのON←→OFFの繰り返しにより、ロングクランキング症状も回復することを確認。予想はビンゴ だったことになります。が、喜ぶのはまだ早い。ここで終わらせないのが、DIYプライベーター です。
■「故障品→健常品→故障品」での再検証
故障品を健常品に交換して終了、としても良いのですが、DIYの場合は再現性や再検証を重ねて、結果が明らかに不動の事実であることを確認するようにしたいものです。
<A→B→A検証>
故障品をA、健常品をBと呼ぶことにすると、
・A→B の措置は普通の修理
・A(故障)→B(解消)→A(故障再現)まで
念押し確認を実施して、事実が確定できる。
今回の場合、再度、断線ヒューズを元のヒューズボックスに装填し直してみた際に、「やっぱりロングクランキング症状とチェックエンジンランプの点灯」が間違いなく再現するならば、自信と確証を持って解消させることができます。
<↓念のため、再び溶断したヒューズを元のホルダーに装填し直し、症状が再現するかどうかを確認>
<↓イグニッションキーをACCの位置に回す>
<↓BPレガシィ純正のイグオンスイープ儀式>
<↓結果は、ロングクランキング(6~7秒)とチェックエンジンランプの点灯が見事に再現しました!>
A→B→A検証の結果は、見事に予想通り となりました。
そのあと、ヒューズをまた健常品(切れていないもの)に装填し直してみると、症状が解決したのは言うまでもありません。
そしてその日のうちにディーラーに訪問して、次のことを行いました。
(1)入庫予約のキャンセルを申し出ました。
(2)担当いただいたサービスフロントの係員さん
に対し、キャンセルのお詫びの意を伝えました。
(3)同時に、当方の過去ブログをお見せしながら、
当時の状況を詳細説明。
(4)さらに今回の状況について、A→B→A検証
結果も交えて報告(情報の共有)。
5年前に対応いただいたディーラーのサービスフロントさんと、今回対応いただいたサービスフロントさんは別の方ですが、
「そうですね、確かに印加電圧が途切れると
チェックエンジンランプ点灯になりますね。」
「事例を報告いただき、大変参考になりました。
当店でもBL/BPレガシィユーザーが多くいらっ
しゃるので、何かあったら今回の事例からの
アドバイスとして活用させていただきます。」
とのコメントをいただきました。個人的には、今回の事例は、ユーザー(私)とディーラーさんの「情報共有」のあり方の一つの姿 だと思っています。
■規定ヒューズに交換
さて、ここまでは暫定10Aヒューズでの検証結果でした。対策には規定の7.5Aヒューズを実装する必要があり、さっそく近所のホームセンターで予備分も含めて調達してきました。
<↓ホームセンター・コーナンにて、ミニ平形ヒューズを2個140円(税込み)で調達>
<↓当該部位に規定の7.5Aヒューズを実装して対処完了>
<↓さらに念押しとして、予備ヒューズのほか「予備の予備」も備えておくことにします>
これで万全の措置になったかな。近頃は、自分の過去ブログに助けられることが多くなってきたような気がします。
■あとがき
実はヒューズ交換は対処療法であって、真因(なぜヒューズが飛んだのか?)については、依然として不明なままです。
恐らくエンジン始動時に、当該直流電源回路に突入電流が流れたためではないか?と想像するのですが、走行中のエラーではなくエンジン始動時のエラーですので、停止状態から回転し始めるオルタネータの発電異常(=過電圧)は考えにくいのでは?とも思います。
なお、当時の関連過去ブログ((後編))の中では、
> 再発時は有償で詳しく原因追及いただくこと、で
> ディーラーのサービスフロントとは合意しています。
と書かれていましたが、今回の症状が再発するまでには、約6年弱の歳月が流れている ことから、仮に今回、ディーラーに車両を預けたとしてもヒューズ切れを再発させることは現実的には不可能。かつ、再現させることができる瞬間に、計測器とパソコンをつないでデータ波形をファイルに保存できる体制が整っていなければ、真因究明は事実上は不可能・・・と考え、預けることはしませんでした。
<↓(参考):BP5Dレガシィ(ターボ6MT)のエンジンルーム内のヒューズボックスの構成回路>
<↓(参考)今回の一連の措置を、1枚の画像にまとめると次のようになります>
残念ながら真因が不明とはいえ、このブログで紹介している事例は まぎれもない事実です。セルを回しているのに、エンジンのかかりが悪いときは、排気系のセンサー故障を疑う前に、このブログを思い出してみてください。
当方の一連のブログが「将来の私自分」だけでなく、BL/BPレガシィなど同系列のスバル車ユーザーさん(に限らないかもしれませんが)に対して、何らかの参考になれば幸いです。
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2020-03-23(Mon.) : 更新
[BPレガシィ] その後の「チェックエンジン点灯、始動不調→意外な箇所が原因」 をアップロードしました。
Posted at 2020/02/23 22:58:14 | |
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