![[CAR検] 自動車文化検定・2級試験 受験記 [CAR検] 自動車文化検定・2級試験 受験記](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/carlife/images/UserDiary/6505173/p1m.jpg?ct=0a86a3081b56)
去る2007年10月14日(日)、自動車文化検定(CAR検)の2級を受験したので、その雑感を以下に記す。
(内容的には、「CAR検」 をやんわりと斬るものになっています。)
「CAR検」って何?という方々は こちら。
→
「CAR検」公式サイト
■申し込むまでの話
私が 「CAR検」 なるものを初めて知ったのは、日課にしているネットニュースを拾い読みしている時だった。asahi.com の2007年08月30日付け記事に、「
あなたの「自動車力」試しませんか? CAR検10月に」 というタイトルで紹介されていたのだ。
「自動車力」って何だ? ・・・ということでググって(検索して)みると、すぐに公式サイトにたどり着いた。二玄社などが中心となって主催し、徳大寺有恒氏などが監修した公式テキストまであるという。一体いつの間に、このような企画が持ち上がっていたのだろうか。
失礼を恐れずに正直に書くと、当初 私は 「二玄社」 や 「CG(カーグラフィック誌)」、「徳大寺氏」 などという名前が挙がっている時点で、設問がマニアックというか
外国かぶれ(庶民的ではない)というか、
偏った分野 のうんちくを試すような出題になってしまうのでは? との懸念を持ってしまった。しかしながら、仮にも CAR検 とは 自動車”
文化”検定 と銘打つものであるから、単なる知識を問うのではなく、自動車の”
文化”や
歴史の背景 にあるもの、過去から現在そして未来へと脈々と続いていく
モータリゼーション を広く見渡すような出題になるのかな? とも想像していた。
このときは公式サイトを流し見するだけで終了。
数日が経過し、気になったのでもう一度、公式サイトを見に行ってみた。
この時点で、試験申し込み〆切の1~2日前となっていた。
練習問題があり、試しに解いてみると、10問中10問正解となった。出題レベルは、3級が 「クルマが大好き、運転大好き、クルマを見ると即座に車名が言える初級カーマニア」、2級が 「クルマが大好き、運転大好き、クルマを見ると即座に排気量とサスペンション形式が分かる中級カーマニア」 という。受験資格は、どちらも 「
車を愛する方ならどなたでも。(年齢・経験など制限ははありません。)」 とのこと。
よっしゃ、それじゃ2級を受けてみるか。ということで、〆切直前にネットから申し込んでみた。
・・・今思えば、このへんに実行委員会側の意図が見え隠れしていたようにも感じられる。と言うのも、もしも練習問題があまりにも難しいようなら、その時点で申し込み数が激減するので、実施前からイベント的に
不成功 に終わってしまうからだ。むしろ練習問題のレベルは、「私にもできた!」 とか 「ボクにも解けたよ!」 という難易度にしておいた方が、
参加者の確保 という点で興業的には好ましいハズなのである。
■申し込み後から受験前日までの話
早速公式テキストと問題集を取り寄せた。近くの本屋では入手できないかもしれないので、amazon経由で購入。ちょうどこの頃、会社の仕事が忙しい時期だったので、本屋に行かなくても自宅に配送されるシステムのありがたみを実感した。
その後も公私忙しく、結局、問題集は2回ほど目を通しただけで終了。テキストに至っては、半分・・・いや1/3ほどしか読めなかった。国産車の話はともかく、私は海外のクルマ事情についてはほとんど無知であったことが認識された(汗)。まぁ国産車についても、自分が生まれる前の出来事についてはあまり多くを知らなかったのだが・・・。結局、普段通りの地力で受験することに。
後に、試験当日(10月14日)は群馬の富士重工業(株)・矢島工場で 「
スバル大感謝祭」 が開催されることを知る。こちらも1年に1度の大きなイベント。
今年のゲストはお笑い芸人の長州小力氏 だという。今まで毎年のように参加してきたから、今回参加できないのは非常に残念だが、まぁ仕方がない。
■試験当日、会場入りするまでの話
東京地区の受験会場は國學院大學。受験票には、「渋谷駅から徒歩約13分」 とある。渋谷駅からバスによるアクセス方法も併記されていたが、歩いて会場入りすることにした。
受験票に記載の案内地図(渋谷駅から会場までのルート)は分かりやすかったが、実際に渋谷駅から降り立って表の雑踏に出ると、どっちが東やら南やら、方角が分からない・・・周囲を見渡しても360°人混みとビルだらけ・・・そう、私は田舎者(しかも電車に乗ったことがあまりない)なのだった。
あたかも、自宅登録をしていないカーナビで 「自宅へ帰る」 ボタンを押したときのような・・・いやいや、GPSが自車の現在地を認識していない状態で目的地へのルートを案内しろと操作されたときのような状態か?(>何じゃ、そりゃ)。もしも太陽が出ていれば、その方角がおおよそ南と判断できるので、現在地からどちら方向に進めば良いのか即断できるのだが、当日はあいにくの曇り空。自分にとっての目印がない状態。速攻で交番で道を尋ねましたよ、えぇ。それが確実ですから。
渋谷駅から明治通りに沿って歩いていくと、ペンを片手に新聞に見入りながら歩く人々の多いこと。予想屋とおぼしき人もいた。近くに競馬場か競輪場か競艇場でもあるのか? 「おいおい、頼むから前をちゃんと見て歩けってば!」
他にも、人混みの中を平気でたばこを吸いながら歩いている人の多いこと多いこと。火種が周囲の通行人の服に触れそうだ! 直後を歩くとケムい。中にはポイ捨てする人も。「おんどれ、他人の迷惑を省みんかいボケ~!!」 と
心の中で小さく 叫ぶ。小市民か?>オレ。
「東交番前交差点」 を過ぎたあたりで、受験生とおぼしき人々の姿が現れ始める。一見、大学生風の出で立ちで、みんな肩から手提げカバンを提げている。その人々の進む方向に目をやると、歩道に点在していた影が次第にハッキリとした人列を形成するように変化していっている。ほどなくして私もその列の一員となり、会場に入門。会場内には至る所に 「CAR検」 の案内表示があり、順路に迷うことはなかった。ガクランに身を包んだ応援団の旗持ちさんが団旗を高々と掲げている脇を通って、ついに受験教室に到着した。試験開始の約30分前である。
廊下では、みんな公式問題集を読み返している。階段では、息子(中学生?)と母親とおぼしき二人組もいた。いいねぇ、こういう風景は。受験番号が記された席につくと、二玄社の出版物を紹介するパンフレットが置かれていた。あぁ、このへんに
商業主義 が見え隠れしている。
■試験問題について
実際に受験してみての感想を素直に書くと、2級は難しかった(※3級の難易度は併願していないので不明)。いや、より正確に書くと 「難しい」 のではなく、「知らないので分からない問題が多い」(※注:私の場合)。1時間で100問(4択)のマークシート式だが、時間が足りなくなることはない。むしろ十分余る、といった印象。ただ、公式問題集に関連した出題はほとんどなかったので、まじめに問題集ばかりを反復学習していた人々は
肩すかしを喰らった のではないか?と思えるほど。
まぁ、サービス問題(例:36秒間に1km進むときの時速は?といったものなど)もあったが、総じて地力が試されることとなった。・・・とはいえ、私に言わせると、自動車の 「文化」 を問うような設問はあまり
ない ように感じた。単に知識として 「知っているか/知らないか」 で終わるような単発問題が多かったように思う。公式テキストで、徳大寺氏があれほど熱弁をふるっていた国産車の創世記に関する設問もほとんど無し。引っかけ問題?は2~3問あったかな(初の高速道路、国産初のターボ車、国産初のGPS搭載車、に関する問題など)。
余談だが、マークシートの記入は通常は
縦長 の楕円系を塗りつぶすタイプだが(予備校の模擬試験や大学入試、TOEICなど)、CAR検 では
横長 の楕円を塗りつぶすタイプで、心理的に少々やりにくかった。まぁ実害は無いけどね。
翻って、CAR検 は今回が記念すべき第一回開催だ。
恐らく企画段階では、クルマ好きの人々に対し、あまねく自動車文化を伝えて
啓蒙 しよう、という
崇高な目的 も多少はあったハズだ。そしていざ企画を実行する段になると、きっと運営側でも、どのへんに設問の難易度ラインを設定するか、相当に迷ったと思う。
だが一人の受験者として まったくの私見を述べさせていただくと、
現時点で CAR検 を 自動車”文化”検定 と呼ぶには、少々難がある ように思う。
あるクルマが登場したときの時代背景とか、ある技術が発表されたときの開発思想とか、以前は もてはやされた けど今では廃れてしまった装置・装備の歴史とか、技術の進歩に伴いデザインの流れはどのように変遷していったかとか、クルマを時代の鏡と見立てたときの人々の生活トレンドとか、そういった要素が希薄に感じられたからだ。
掘り下げた問題が少なく、表面的な ”雑学” に終始してしまったような感がぬぐえないのが残念に思えた。このぶんだと、来春実施予定とされている1級試験は、どんなピンポイント問題になってしまうのか?・・・と、先が読めない不安を感じてしまう。
なお今回の問題と回答例は、11月末~12月頭にかけて発売されるNAVI誌とCG誌に掲載されるそうだ。合格率が果たして何%程度となってしまうのか、興味のあるところである(もしかすると合格率は発表されないかも?)。