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調布市のKAZのブログ一覧

2018年08月04日 イイね!

[CBR250Four] その5・シールテープで暫定処置の巻(水パイプからのクーラント漏れ)

[CBR250Four] その5・シールテープで暫定処置の巻(水パイプからのクーラント漏れ)新車で購入以来、今年で32年目のつきあいとなる愛機・ホンダCBR250Four(MC14型、昭和61年式)。
経年劣化によるクーラント漏れに対し、原因を追及しながらDIY修理で完治させるまでの備忘録ブログの「その5」です。


◎「その1」 は こちら → 緊急点検の巻
◎「その2」 は こちら → 漏れ起点の再確認の巻
◎「その3」 は こちら → 部品取り用エンジンで確認の巻
◎「その4」 は こちら → 原因究明の巻

■水パイプのサビ落とし
前回のブログ では、水パイプのO-リングが想像を絶するほどの経年劣化を起こしていたことを記しました。そのO-リングについては、後ほど(メーカの在庫があれば)取り寄せ注文するとしても、入荷までには何日間かが必要になります。その間、バイクがまったく使えなくなると困るため、「部品取り用のエンジンから取り出したO-リング」 を流用してしのぐことにします。あまり勧められたものではありませんが。

# あくまでも新品のO-リング(在庫があれば)が入荷するまでの暫定処置。
# もしもメーカ在庫が無ければ、恒久対策を施すためのサーベイ。

そのためにも、まずは 「ウォーターパイプB」 の主要部位についてサビ落としをしてみます。具体的には、代替O-リングが装填される部分と、反対側の水ホースの挿入口になります。

<↓とりあえず、O-リング装填部と水ホース挿入口を(やり過ぎないように)軽くサビ落とし>


今回は、番手#1200 の耐水ペーパーで水研ぎしました。
が、腐食による影響度合いは 決して小さくない ことが分かります。


<↓表面サビを落とした状態。腐食によりパイプ外壁面に凹穴ができてしまっていることが分かります>


ただ不幸中の幸いとして、O-リングが接する部分のパイプ壁面には大きな腐食孔が見受けられないことです。上の画像に示す通り、凹穴が生じているエリアはO-リング装填位置から先の部分なのです。

■エンジン内部(冷却水通路)の洗浄
次に、垂れ落ちた冷却水(クーラント)が予想以上に茶色かったことから、水道水でエンジン内部の冷却水通路のフラッシングをします。

エンジン内部の状態が思いやられますが、今は 「できる限りのことをする」 ようにします。水ホースの開放端から水道水を圧送させて注入し、ドレン側から排出される水の色に茶色が感じられなくなるまで、フラッシングを繰り返します。


<↓エンジン冷却水通路からドバドバと排出されるクーラント。サビによる茶色への変色が激しい>


# 圧送注水によるドレンは、結局5~6回、繰り返しました。
# このような状態になってしまっていたことを反省します。

ついでなので、エンジンの外観上、汚れの目立つカムカバー(アルミ)と、シリンダヘッド壁面の浮き出し文字(DOHC CAM GEAR TRAIN)についても、#1200耐水ペーパーで水研ぎしました。多少は見栄えが良くなったかな。

<↓今回の主目的ではないので、あくまでも気になる表面汚れをサッと落とす程度の軽作業>


<↓カムカバーは、やり出すとキリが無くなりそうなので、適度な状態で見切りを付けて終了>


# 時間があればピカピカに研磨したい気持ち(をグッと抑える)。

■シール性をどのように確保するか
エンジン内部の冷却水通路の簡易フラッシング(エンジンを下ろさず、あくまで車載状態で実施できる程度の作業)が済んだので、いよいよ代替O-リングの出番です。部品取り用のエンジンから取り外したO-リングも、手で触った感じでは、硬化が多少は進んでいます。でも、工夫をすれば何とか使えるかもしれません。

「経年劣化32年の水パイプ(私のバイク)」+「(放置してあった)部品取り用エンジンから取り出したO-リング」 という組み合わせが成り立つような、そんな暫定処置を考えます。

前者のパイプについては、前述した通り、表面のサビ落としをした分だけ外径(φ)がミクロン単位で細くなって痩せた、と考えた方が無難。不可避ですが。そして後者のO-リングについても、弾力性に欠けるので密封効果が低下しているハズ。そして、そんな両者の組み合わせでは、「シール面の微少な凹穴を完全に塞ぐことは難しい」 と判断すべき。

<暫定対策>
(1)液状ガスケット、あるいはシリコンの類でスキマを埋める。
(2)パイプやO-リングをシールテープで巻き付けて、密封力をアシストする。

上記2案から選択することにしました。


■暫定対策とその判断
暫定対策の2案を画像で示すと、以下の通り。

<↓暫定対策案(1):液状ガスケットの類を使う手法。画像は信越シリコンの場合>


<↓暫定対策案(2):シールテープを使う手法。1/8 PT油圧センサなどで実績あり>


結論として、暫定対策としては 「後者を選択」 しました。判断理由は次の通り。

・液状ガスケットは、硬化するまで時間がかかる。また、もしもパイプを取り外す
 ことになった場合、エンジン内壁面にこびり付いたガスケット片の撤去が困難。
・その一方、シールテープはエンジンの冷却水通路の中には入り込まず、
 また不要になった際の撤去(清掃)も楽である。やり直しも容易。


<↓上記の判断理由により、今回の暫定対策はシールテープで実施する方針に決めました>


<↓ただしパイプだけではなく、弾力(反発力)低下したO-リングごと、全体も丸ごと巻き付け>


<↓これでパイプ表面の凹穴をなるべく平坦化しつつ、O-リングにも緊迫力を持たせる方案>


これなら失敗しても、すぐにやり直しが利きます。
(例:シールテープの巻き数を増やせば、パイプをシリンダヘッドに
   挿入するときの緊迫力=タイトさ加減をアップさせる調整が可能。)


<↓パイプに巻いたあと、O-リングにも巻くという2重構造にした上で、シリンダヘッドに再挿入>


<↓パイプをボルト止めして、ホースも(サビ落としをしたニップル先端に)再挿入してクランプ>


■暫定対策の効果
このようにして、パイプAssyをエンジンに取り付け(復元)しました。次は冷却水の補充です。またガソリンタンクの固定ボルトを緩め、タンクを浮かせた状態でクーラントをこぼさないように入れてます。暖機運転してエア抜きまで実施。

<↓フラッシングした冷却水通路にクーラントを補充し、暖機運転とエア抜きまで実施>
 

さて、この暫定対策の効果はどうだったか?
結果は、完璧ではないが大きな改善効果あり!

当初の漏れ症状を認知した状態を 「ダダ漏れ」 だとすると、暫定対策仕様は 「完全暖機後に若干にじむ」 程度の軽微と言える状態まで、症状を大幅に緩和させることに成功しました。試運転も繰り返しましたが、「垂れる」 までには至らないことを確認できました。

当面は、この仕様で注意深く様子見することにします。

・・・とは言っても、これはあくまで暫定仕様で仮の姿。流用したO-リングも部品取りエンジンからの中古品。「クーラント漏れ」 については恒久対策を織り込んで、一刻も早く安心・安全を得なければなりません。純正のO-リングなどについて、今でもメーカ在庫があるかどうかを念のため確認し、あれば発注をかけることにしました。



「その6」 に続く。
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2018-08-07(Tue.) : 更新
[CBR250Four] その6・純正O-リング入荷(クーラント漏れ修理)&マフラー防錆準備の巻 をアップロードしました。
2018年08月02日 イイね!

[CBR250Four] その4・原因究明の巻(水パイプからのクーラント漏れ)

[CBR250Four] その4・原因究明の巻(水パイプからのクーラント漏れ) 昭和61年式のMC14、通称名:ホンダCBR250Four。乗り続けて今年で32年目の現役選手です。

そんな愛機がクーラント漏れを起こし、DIY修理で完治させるまでの備忘録ブログの「その4」です。


◎「その1」 は こちら → 緊急点検の巻
◎「その2」 は こちら → 漏れ起点の再確認の巻
◎「その3」 は こちら → 部品取り用エンジンで確認の巻

■作業性を確保しよう
CBR250Four の 「ウォーターパイプB」 を取り外すため、整備作業性を確保します。パイプの脱着を容易にするため、周辺部品を取り外しします。

まずはエンジンハンガープレートLHから・・・かな。
エンジンを目の字型メインフレームに吊しているハンガーですが、RH(右側)のハンガーで吊されていれば、片側(今回はLH:左側)を取り外ししても問題はないでしょう。排気系(エキパイ~マフラー)でも支えられているし。


<↓3カ所のハンガーボルトを緩めます。相手部材にめねじが切られておらず、ナット止めでした>
 

内六角ボルトに14mmのナットで締結する、という構成でした。抱きつく相手部材がバカ穴となっているのは、恐らくAssy時の公差(組み立て位置のバラツキ)吸収のためでしょう。ハンガーに対するボルトの相対位置(組み合わせ)を間違えないように注意して、取り外しします。

<↓(左):固着もなく無事に取り外ししたハンガー (右):やはり場所によりボルトの長さが異なる>
 

もしも単なるハンガーボルトだと油断していたなら、取り外ししたあとで 「あれ?ボルトの長さが同じじゃないぞ?」 と戸惑うところでしたが、事前の想定通りだったため、復元するときにもボルトを刺す場所を間違えないで済みます。

いずれにしても、これで可視範囲と工具隙が広がりました。


■比較してみよう
部品取り用のエンジンから取り外ししたパイプとO-リングについて、自分のバイクの部品と同一のものかどうか、現品確認します。

<↓脱着作業性を確保したあとの状態>


<↓部品取りエンジンからのパイプを、車両のオリジナルパイプと較べてみます>


<↓目視確認上は、同じように見える>


<↓パイプステーの構造も同じようです>


パイプが同じならO-リング(のスペック)も同じはず。
最悪の場合は、これらの部品取りエンジンからのブツの活用も視野に入れたいところ。
(↑廃盤などで代替部品が入手できない場合)


■取り外してみよう
ということで、いよいよ漏れの生じたパイプを車両から取り外してみます。部品取りエンジンでパイプを外したときは、先にパイプのみ外れてO-リングは 「置いてこい」 したからなー。その作業が事前サーベイになったなー。・・・などと思いながら、慎重に作業を進めます。

<↓こぼれる冷却水の受け皿を用意>


<↓あっさりと抜けたパイプ(やはりO-リングはパイプに付いてこない)>


# 「パイプのみ」・・・が車両から外したパイプ。
# 「ホース付き」・・・が部品取りエンジンからのパイプ。

<↓不具合現品(車両オリジナル)と検体品について、改めて比較する>


この時点では、前回のブログ で既述のように、想定原因として 「ウォーターパイプ自体」 が 「サビによる腐食→板厚を貫通する穴あき→クーラント漏れ」 という図式を描いていましたので、引き続き、パイプの簡易リークチェックをすることにしました。

■リークチェックしてみよう
「リークチェック」 と言っても、単なる簡易版です。パイプの両端を塞いだ状態で水没させて、気泡が生じるか否かを目視確認する・・・というものです。もちろん、コンプレッサなどで加圧したエアを吹き込むわけではありませんので、ピンリークなどの微少な漏れは検出できないでしょうけど、少なくとも、もしも深刻な孔空きがあったなら直ちにその場所が分かるはずです。

<↓容器に水をためます>


<↓パイプを水没させましたが、気泡は発生せず(リークは見当たらず)>


パイプをclosed回路にした上で加圧水を印加して、外漏れするかどうかを試しても良かったのですが、密封エアによるリークチェックが一番手間いらずでしたので、この簡易チェック法に頼ったわけです。パイプに明らかなリークは見当たらないことの確認ができたので、次はエンジン側に残っているであろうO-リングの摘出作業に移ります。

■O-リングを見てみよう
すでに予行演習した形となった、O-リングの抽出作業です。以下、順に画像で説明します。

<↓抜き取る前のO-リング。接続ボスの内壁面に、何やら黒い帯のようなものが見えます>


<↓ピックアップしてビックリ! うぉ?! O-リングが一部、欠損しているではありませんか!>


<↓シリンダヘッドから取り出ししたO-リング。これが犯人(原因)だったのか・・・>


O-リングの外観を、改めてよく見てみます。

<↓劣化の著しいO-リング。よく今まで何ともなかったな、と驚くとともに、逆に感心してしまう状態>


<↓ひっくり返した状態。これでは弾力も反発力も得られない。シール機能の喪失にも納得します>


いやー、すごいものを見てしまいました。
「昭和61年→平成30年」 の正味32年間、クーラントにさらされ続けてきたO-リング。環境温度は 「-10℃くらい~100℃+α」 程度でしょうか。


個人的には、貴重な実環境下でのリアル劣化サンプルとして、ホンダ技研工業(株)さんに引き取っていただきたいくらいです。

ホンダの 「中の方」、いかがでしょうか? この 「クーラント浸漬32年間モデル!」 を引き取って調査されてはいかがでしょうか。単なる 「評価条件を厳しくした促進試験」 とは異なる 「リアル劣化サンプル」 ですよ! ご連絡は当方のメッセージ宛てでお願いします。

(ホンダさんに限らずO-リングメーカさんでも可。先着順にて。)

「その5」 に続く。
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2018-08-04(Sat.) : 更新
[CBR250Four] その5・シールテープで暫定処置の巻(水パイプからのクーラント漏れ) をアップロードしました。

プロフィール

「CBR250Fourが高スロットル開度にて#4が失火気味。要求電圧が高くなるときに3気筒になってしまう模様。低中回転速度でth開度が低いときは失火は発生しない。原因の切り分けのため、#1と#4の点火プラグを入れ替えて様子見します。」
何シテル?   06/13 18:56
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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