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2017年03月20日

JR常磐線の廃トンネル群を見てきました(2)

2017年3月19日は朝7時に行動開始。常磐道四倉PAを出発します。いわき市街地を通り抜けて、まずはいわき市久之浜町内へとやって来ました。

鞍掛山隧道と向山隧道という2つのトンネルを見に来ましたが、双方へ行けるポイントとなる踏切周辺の道路が舗装工事中で人が一杯…。何も3連休中に工事しなくてもいいのに…。

一旦、四倉側へ旧国道で戻り、南側から鞍掛山隧道へ行けないか探ってみましたが、接近できそうな道がありません。仕方なくもう一度久之浜町へ行き、海岸近くの旧国道へ車を停めました。もう一つある向山隧道へ行くことにします。

進入路がある踏切側からは工事のため入れないので、まずはトンネルのある山に鎮座する神社の境内に向かいます。境内から山の斜面を北側に巻きながら、トンネルの北側の坑門を目指します。

けもの道を使い、うまくトンネルの上に出ることができました。


向山隧道です。第一・第二耳ヶ谷隧道を彷彿とさせる西洋城塞風の坑門です。




場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

SLの煤煙が塊となってこびりついています。


水抜き穴か点検用の穴でしょうか。


現在も保線用道路として使われているようなので、剥落した煉瓦が脇に片付けられています。


トンネル全面がコンクリートブロックと場所打ちコンクリートの組み合わせで改築されています。煉瓦の剥落がひどい状態だったのでしょう。


南側の坑門はコンクリートで改築され、特徴のない一般的なデザインものに代わっていました。


この先は踏切工事の現場へと出てしまうので、トンネル内を引き返し、また山の中の斜面を歩き、神社の境内へと戻りました。

ついでにトンネルの北側で築堤をくぐる煉瓦暗渠に立ち寄ります。








車に乗り込み、国道6号へと合流して久ノ浜駅前を通過。国道の原見坂トンネルは通らず、旧道へと向かいます。

いわき市久之浜町金ケ沢広畑にある煉瓦ガード






付近の路肩に車を駐車して、徒歩で国道6号原見坂トンネルの北口を目指します。原見坂トンネルの北口からは、線路に向かって山の斜面を伝い、廃トンネルへとやって来ました。

原見坂隧道の北側坑門です。枯れ草の絡みが酷いですが、初春なのでまだ近寄れる状態。真夏に接近するのは厳しそうです。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

原見坂隧道の名称と延長が書かれたプレート。かろうじて「原見坂」という文字と「223」という数字が読み取れます。


トンネル内部は全面煉瓦巻き立て。


退避坑の周りの煉瓦が風化して、粉が下に積もっています。こういう光景はあまり見かけません。


退避坑の壁に穴が開いて、地山の岩が見えています。


南側の坑口へと近づいたら水没しています。トンネル延長の3分の1くらいでしょうか。取りあえず、長靴で行けるところまで進んでみました。






デザイン的にこのトンネルは南側の坑門がメインなので、そのまま外へ出るつもりでしたが、トンネルの外にある笹薮から「カサカサッ、カサカサッ」という、いかにも何かが居そうな物音が全然消えなかったので、トンネル外へと出るのは断念…。

あらためて南側へと回り、トンネル手前の湿地帯を抜けて、木々越しに南側坑門を撮りました。


続いては久ノ浜駅-末続駅間に残るトンネル4つを回ります。各トンネルの位置図にです。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

末続駅から南の台地の上にある住宅地に車を置いて、手始めに簡単に行けるトンネルへ。

館ノ山隧道です。新しいフェンスでガッチリガードされてました。








ついでに隣にある現行線トンネルも撮影。


館ノ山隧道から次のトンネルに向けて線路沿いを南下するのは人目を憚るので、トンネル二つ分程を車で山越え。「ここから行けるだろう。」と思う場所から木立ちの斜面を下って廃線跡へ赴き、そこから末続駅方向へと逆戻りしてやって来ました。

深谷沢隧道です。














天神沢隧道です。




ここはなぜか煉瓦製の退避坑の設置が無く、代わりにこれでもかというくらい短い間隔でコンクリートブロック製の退避坑が設置されています。






南側坑門の上部には赤煉瓦と焼過煉瓦をフランス積みにして装飾を施しています。


天神沢隧道からさらに2~300mくらい歩くともう一つトンネルがあります。

大沢隧道です。坑内はコンクリートでアーチが補修されていますが、全体的にボロボロな感じが漂っています。
















坑門上部には装飾目的なのか珍しく矢筈積みが用いられています。


これで予定していたトンネルをほぼ回り終えました。

山歩きばかりになったので手でも洗おうかと近くの末続駅に立ち寄ってみましたが、なぜかトイレの水道は使えませんでした。


最後にもう一度、金山隧道へと行ってみます。日曜日なので工事が休みかもしれません。

最寄りの細い道を通ってみたところ、工事車両は駐車したままになっていますが誰もいません。さすがに工事現場の中を通り抜けるわけにはいかないので、国道6号の駐車帯に車を停めて、そこから小川伝いに直接廃トンネル前に行くことにします。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

駐車帯からきつい急斜面を木々を頼りに降りて、谷底を流れる小川の中をトンネル方向へ歩いていきます。そして、土手が低くなった所から廃線跡へ顔を出してみました。しばらくの間、現行線側の工事現場の様子を窺ってみますが、やはり工事は休みのようです。

金山隧道です。








現行線・廃線跡とも周囲の樹木・薮がきれいに伐採されています。おそらく復旧に向けての除染作業によるものでしょう。


せっかくなので坑門脇の排水路を伝い、トンネル前に降り立ちました。






各種サイト・ブログで多くの人が紹介しているトンネルですが、図らずもここまできれいに整備された状態で見ることになるとは思っていませんでした。

金山隧道の管理用手書きプレートも残っています。


少しだけ中に入ってみました。




延長1.6kmの緩くカーブしたトンネルなので、反対側の光は見えませんでした。

復旧工事中の常磐線が運行再開されれば、かえって落ち着いた気分で訪問できるかもしれません。ただ、これを機会にトンネルが封鎖されるようなことがあると残念ですが…。

※フォトアルバムにも訪れた各トンネルの写真があります。
ブログ一覧 | 常磐線 鉄道・廃線跡 | 日記
Posted at 2017/03/20 23:21:57

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この記事へのコメント

2017年3月24日 19:06
常磐線探索お疲れ様でした!
あるとは多少は見聞きしておりましたが、そんなにあるとは驚きです!しかも意匠がかなり凄いですね!旧山陰本線の嵯峨野観光鉄道線並かそれ以上ですね。煉瓦暗渠もありますね~。これは見たいです。しかし関東圏は全くの手つかず状態ですので、何年後かには…
コメントへの返答
2017年3月24日 23:47
どうもお疲れさまです。。
「鉄道構造物探見」で特徴的なトンネルの写真を見て、「いつか行ってみたいな。」と何気に思っていましたが、ようやく行ってみた次第です。
明治30年代の開通ですし、丘陵の谷間を高い築堤で越える箇所も多いので、未開拓の煉瓦暗渠も十分期待できそうです(遠くて気軽に行ける場所でないのが残念ですが。)。

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