2018年11月24日土曜日、奥羽本線赤岩-板谷間の環金トンネル付近に残る廃線跡を歩いてきました。
前日金曜日は碓氷峠の廃線跡をちょこっと歩き、そのまま上信越道、北関東道、東北道と時々仮眠を取りつつ進み、土曜日早朝、福島市へとやって来ました。
しかし、目的地へ行く前にまた寄り道。福島市内の奥羽本線庭坂駅付近にある築堤です。
今回、この築堤に4か所ある煉瓦暗渠の名称を確認して、「同業者」の方へお知らせすることがオマケの目的。疲れる前に済ませておくわけです。
その方が今夏に訪れて薮で見えなかったものも含めて、4か所とも銘板で名称を確認できたので、その方の掲示板に名称を書き込み再出発です。
ひとまず国道13号で奥羽本線板谷駅を目指しますが、またまた寄り道。廃村になっていますが万世大路の大滝宿へ行ってみます。
行ってみたところ、廃屋が点在しているだけ。飯田市の大平宿みたいなものを想像していましたが、そこよりも荒れていました。
集落の奥へと進んでみたところ、昭和11年架橋のコンクリート橋を発見。胡桃橋という名称。
万世大路を自動車道として改修した時期のものでしょうか。今は林道同然となってしまってます。
再び国道13号に戻り、雪が積もる東栗子トンネルを通過。トンネルを抜けた所で左折し、山形県米沢市板谷へとやって来ました。
集落を通り抜けて、車を県道154号の板谷橋のたもとに駐車。ここから廃線跡までの2~3kmを徒歩で向かいます。
時折、頭上から雪の塊が落ちてくる中、一人林道を下っていきます。
付近を流れる松川を渡り、奥羽本線が通る山腹へと斜面を登り、ようやく廃線跡に到着です。
第一天狗山隧道。板谷駅側坑門です。
実は、下調べして到着を予定していたトンネルとは違いました。まあ、廃線跡に到着したことには間違いないので、探索を始めることにします。
トンネル内に入っての印象は、「側壁の石積みが高いなぁ。」というものでした。
天井の煉瓦が抜け落ちています。
損傷がひどかったのか、コンクリートブロックに積み換えられています。
退避坑の周りを環状に石積みしないで、側壁の石をカットしただけのものは初めて見た気がします。
コンクリートブロックが抜け落ちているトンネルも初めて見た気が。
反対側へと通り抜けました。
第一天狗山隧道の赤岩駅側坑門です。日当たりが良いためか明るい印象です。
少し離れた場所から坑門を振り返ります。右側のコンクリート擁壁は多分雪崩留めでしょうか。山の斜面との間に大きく空間が取られています。
赤岩駅側へと廃線跡を進みます。この辺りは薄く積雪していたにもかかわらず、鮮明に踏み跡が残っていました。
築堤の先にトンネルが見えてきました。
第二大日向隧道です。
トンネル前の長いロックシェッド。あらゆるところにひびが入りボロボロです。
このトンネルも側壁の石積みが高いです。
数字が書かれた板がぶら下がっています。
天井部分に元々の煉瓦アーチと改修後のコンクリートアーチで段差があります。
退避坑に石が詰め込まれています。
閉塞地点が見えてきました。新しい環金トンネルを建設した際に埋められたそうです。
壁面が割れたのか、わざと割ったのかよくわかりません。
天井まで土砂が詰め込まれています。
天井にぶら下がって冬眠中のコウモリさん。
板谷駅側の坑口まで戻ってきました。
ロックシェッドの外観です。
ここからは第二大日向隧道を迂回する川沿いの道を進み、現行線の環金トンネル(下り線用)の赤岩駅側坑門へ向かいます。道の右手側は、はるか下を流れる松川まで崖になってます。
現行線の環金トンネル(下り線用)の赤岩駅側坑門まで来ました。このトンネルは1970年(昭和45年)の開通。坑門部分の一部に石積みがありますが、第二大日向隧道の赤岩駅側坑門を転用したためだそうです。
このプレートを見て、初めて「かんかね」と読むことを知りました。
この2,082mのトンネルで、旧線にあった第二大日向、第一天狗山、環金、戸澤の4か所のトンネルと戸澤橋梁を回避しています。
第二大日向隧道から第一天狗山隧道へと戻る途中、カモシカと遭遇。50mくらい離れていたためか、逃げもせずにこちらをジッと見つめていました。
戻ってきた第一天狗山隧道の板谷駅側坑口から、この駅間最長の旧環金隧道を望みます。
※その2へ続きます。