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2021年08月08日

東海道本線 関ヶ原~柏原間の煉瓦アーチ群を巡る(2)

2021年7月24日土曜日、東海道本線 関ヶ原~柏原間にある煉瓦アーチ群を巡ってきました。(1)からのつづきとなります。

さて、妙応寺の駐車場をあとにして関ヶ原駅方面へと進み、次に車を停めたのは東海道本線山中踏切の近くの路肩。


ここから振り返って歩き、東海道本線の今須トンネルを見にいきます。


今須トンネルです。開通は1899年(明治32年)で、当初から複線規格のトンネルとして竣工しました。線路が複線化されたのは、1901年(明治34年)とあります。


その後、1955年(昭和30年)の東海道本線米原電化の際に、そのまま複線で使用するにはトンネル内部の規格が小さかったため、やや離れた並行する場所に新たに新今須トンネルを掘削して、本トンネルは下り線専用となりました。


ついでなので、そのまま中山道の今須峠まで登りました。




説明板の傍らに残る「從是東不破郡山中村地内」の石碑。


今須峠から戻ってきました。東海道本線が通る堀割りの部分は、おそらく元の地形から深く掘り下げたものでしょう。


それでは、煉瓦アーチ巡りを再開します。

山中踏切から関ヶ原駅側へ少し歩くと、1か所目となる登里橋梁があります。




あまり大きくない暗渠ですが、潜ってみます。


煉瓦アーチの途中に切り欠きが造られ、そこから水が流れ込んでいます。濡れたくないので、それ以上は進みませんでしたが、新線部分はコンクリート造りになっているのが見えます。


もう少し先へと進んだところに2か所目となる向太郎川橋梁があります。普段は人が通らないのか、草むらに覆い隠されています。


草むらをかき分けて通り抜けると姿を現しました。




反対側です。スパンドレルの部分は石積みとなっています。


内部は、川の流路の脇に歩道を設置する形態です。誰かが置いていった材木が積まれています(以前に来た時と様子が変わっていない気がする。)。


3か所目、北谷川架道橋です。蔦に覆われて、スパンドレルやアーチ環、銘板が見えなくなってしまっています。




北谷川の名のとおり、道路の下に暗渠となって川が流れています。この煉瓦アーチの内部もモルタルがにじみ出てしまい、全体が白色になっています。


反対側です。こちら側は、石積みのスパンドレルに煉瓦のアーチ環が確認できます。


4か所目は、黒血川橋梁。黒血川とは穏やかではない川の名前ですが、これは672年の壬申の乱の際に、この辺りが戦場となり、兵士の流血で川が黒く染められたことが由来だそうです。


ここもガード内の道路の下にある暗渠を川が流れています。スパンドレルには、補強のための鋼材があてがわれています。






反対側です。全体を赤茶色の苔が覆っています。


5重のアーチ環を持っています。


5か所目、了願寺橋梁です。黒血川橋梁からやや関ヶ原駅寄りの所にありますが、中山道からやや奥まった場所にあるため、まずわかりません。






内部は、縦長の細長い形状となっています。




この煉瓦暗渠も、反対側はコンクリート造りで延長されています。


流路の部分には、左右に各1列だけ煉瓦が並べらています。


最後となる6か所目、藤古川橋梁です。大きな築堤の下にある3連の巨大な煉瓦アーチ橋です。この区間の建設工事が行われた際は、今須トンネルと共に難工事であったそうです。




上流側の各アーチの根元には、橋脚を保護するため、石積みによる水切りが設けられています。


関ヶ原駅側のアーチへと入っていきます。


内部には藤古川橋梁のすぐ上流で取水されている用水路が設けられています。


石積みの側壁と煉瓦アーチ。ここもモルタルの浸み出しがひどいです。


藤古川橋梁のすぐ下流には、並行して国道21号の橋梁が架けられています。


下流側からのアーチの眺めと銘板。




川の水量を計るための物差しが取り付けられています。


真ん中のアーチも流路となっています。




対岸に渡ってからの眺め。


柏原駅側のアーチをくぐって帰ります。このアーチは通常は水が流れることはないようです。


ただ、河底には大きな石がゴロゴロと転がっていて、増水時の凄さを物語っています。


上流側へと出てきました。


以上、東海地方では珍しい煉瓦造3連アーチ橋である藤古川橋梁でした。


なお、京都府長岡京市内の東海道本線には、七反田橋梁という6連アーチ橋が現役で使用されています(未訪問)。

さらにかつては、京都市内の桂川の河原を渡る東海道本線に、25連アーチを誇る下津林避溢橋が存在しました(写真が現存する。避溢橋は、増水・洪水時に鉄道の築堤で滞留した水を下流へと流すことを目的に、あらかじめ「排水口」として架けられた橋のこと。)。

それでは藤古川から急斜面を登り、廃れた果樹園のなかにある廃道(近くの踏切跡へとつながる道。)を抜けて車へと戻っていきます。




さて、当たり前のことですが、川や水路の煉瓦アーチは完成後に人間が利用することを想定していないので、現場を確認するにはなかなか難儀します。それでも興味があれば、できる限り無難な方法で実見したいのが人情なので、試行錯誤しつつ、今後も巡っていきたいと思います。
ブログ一覧 | 東海道本線 鉄道・廃線跡 | 日記
Posted at 2021/08/08 22:01:22

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