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2022年12月29日

旧北陸本線 若水隧道を探索しました(1)

2022年11月26日土曜日、新潟県糸魚川市の親不知海岸に残る旧北陸本線 若水隧道を探索してきました。

当日は自宅を朝5時に出発。若水隧道の最寄りとなる国道8号天険トンネル近くの駐車場へ11時10分頃到着しました。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

実は、車を停めてから探索に持参する物を準備していたところ、重大なミスに気が付きました。愛用しているLEDの懐中電灯を持ってくるのを忘れていたのです…。仕方がないので、スマホのライトと車載している安物のLED灯を併用して対処することにします。

せっかくなので、若水隧道へと向かう前に、この駐車場の真下にある旧北陸本線 親不知隧道へ立ち寄ることにします。

遊歩道を下っていくと、最初に目に留まるのは旧北陸本線 風波隧道。


そして、沢を挟んだ反対側に親不知隧道があります。こちらは糸魚川市により整備されて、現在は遊歩道となっています。




今回はこのトンネルがメインではないので、そこそこ写真を撮りながら、足早に通過します。


反対側の坑口へと出てきました。


ここから急坂の遊歩道を登り、旧国道へと向かいます。


歩き慣れない急坂に息が切れましたが(笑)、国道8号天険トンネルの旧道へと出てきました。こちらも現在は遊歩道となっています。


さらに国道8号天険トンネルへと出てきました。1966年(昭和41年)に開通した延長734mのトンネルです。


トンネル前から一旦駐車場方面へと戻り、傾斜の緩やかそうな斜面から(それでも相当厳しいです…。)旧北陸本線の廃線跡へと下ってみることにします。


雨が降ったせいもあるのでしょうが、地面が予想以上にぬかるんでいたため、急斜面なのと相まって、ずっとヒヤヒヤしながら下る羽目になりました…。

線路防護のための擁壁へとたどり着きました。この時点ではまだ廃線跡へと出られるのかわかりません。


どうやら直に廃線跡へと出られそうです。


「それじゃ、ここから若水隧道へ向かってみるか。」と進み始めたところ、すぐにこの緑のジャングルに遭遇。凶悪に絡み合っていて、さすがにこれでは突入する気になれません…。この場は素直に撤退することにします。


代わりに、擁壁の山側にある隙間を通って進んでみることにします。


無事に擁壁の末端まで来て海側へと出てみると、そこは橋台の真上でした。




橋台は、古い路線でよく見かける石積みのもの。


橋台の先には石積みの橋脚が見えています。




しかし、今居る橋台から先へと進むのはあきらめました。まず、直前の凹地が急傾斜で足場が悪く、私では容易に渡れそうにないこと。仮に渡れたとしても、この先には深い沢が流れているので、そこを渡れる保証もないことが理由です。

斜面をよじ登って、また旧国道へと戻ってきました。


ふたたび天険トンネルの前へと来ました。


トンネル前から眺めていて、この先にあるロックシェッドの手前の海側に階段があるのを見つけたので、ひとまず行ってみることにしました。


階段の先には草刈りされた細い徒歩道がつながっていて、何だか海岸まで下っていけそうな感じだったので、そのまま進んでみることにしました。






労せずしてふたたび廃線跡へと戻ることができました。


廃線跡に合流してから進むこと50mから100mほどでしょうか、ようやく若水隧道と出会うことができました。


カモフラージュ度がめちゃくちゃ高いです。これは晩秋から春先にしか近寄れないかも(笑)。


「カーテン」をくぐり中へ入ると、古レールで組まれた華奢なロックシェッドが見えます。


あらためて若水隧道です。若水隧道がある区間は1912年(大正元年)10月15日に開通しており、当然、当トンネルも開通当時のものとなります。


このトンネルの反対側の坑口は、国道8号の改良工事の際に封鎖されてしまったので(何年前のことかは不明ですが。)、閉塞地点との間を往復することがすでに決定しております(笑)。

ロックシェッドがトンネルに連続して設置されているので、トンネル坑門の上部の様子はわかりません。


それでは、トンネル内部へと入っていきます。SLの煤煙により、トンネル全体が灰色に染まっています。


当然ながら、レールも枕木もすべて撤去され、バラストだけが残されています。


普段だと、トンネル内の状況に目立った変化が無くても、記録としてこまめに写真を撮っていきますが、前述のとおり光量の乏しい照明しか持っていないので、真っ暗闇なトンネル内でピント合わせができるレベルで照らすことができず、この後はシャッターを切れないことがたびたび繰り返されることになります。

トンネルの全面が白黒写真のように灰色になっています。この場面では、煉瓦の赤色は全く見えません。


大型の退避坑。アーチ部・側壁部もコンクリート製なので、後年に追加設置されたものでしょう。


同じ大型の退避坑でも開通当時からあるものは当然煉瓦積み。煉瓦の目地が爪を引っ掛けるのに都合がよいのか、このような退避坑にはコウモリがよくぶら下がっています。


この辺りは湿気が高く、靄が写真に写り込んでいます。


ここまで退避坑は進行方向に対して右側に設置されています。ところが、この退避坑だけ左側に設置されています。アーチ部・側壁部がコンクリート製なので、これも後年に追加設置されたものとわかります。退避坑内にコンクリート製の台座?があるので、何かの機器を設置するために造られたのかもしれません。


ようやくトンネルの閉塞地点が見えてきました。


閉塞地点の手前に土砂があります。天井が崩落しているわけではないですし、コンクリート塊らしきものもあるので、人為的に積まれたものでしょう。


閉塞部分の写真は、全体像の写真がピンボケだったので、上部のアップ写真のみです。上部はコンクリートの型枠や型枠を締め付けるボルト類がそのまま放置されています。




煉瓦アーチとコンクリート部分の接合部。きれいに仕上げられているのに、どうして型枠の一部だけは取り外して回収しなかったのでしょうかね。


それでは坑口へと戻ることにします。


20分ほどで閉塞地点から戻ってきました。距離は地形図で測定してみたところ、推定900mほどと思われます。


ロックシェッドの外へ出たら雨が降っていました。この日の天気予報で午後から雨になることは知っていましたが、車を出発した時にはこんなに手間取るとは思っていなかったので、傘は車へと置いてきてしまいました。


雨でずぶ濡れになりながら旧国道を戻っていきます。駐車場付近には数名の観光客がいましたが、濡れネズミになった人間が突然現れて、どう思ったでしょうかね。まあ、こんなことには慣れてしまいましたが…。


新潟県糸魚川市の親不知海岸にある旧北陸本線の廃トンネルの内、親不知、風波、大崩の3つのトンネルは、昔からその所在地を知っていて、トンネル内を歩いたこともあるわけですが、長らく若水隧道だけがいまいち所在地がわからず、他の方の探索記録を見るだけでした。

取り立てて特徴のある廃トンネルではないですが、久しぶりに自分にとって新規となる煉瓦造りの廃トンネルを踏破できました。惜しむらくは、懐中電灯を忘れたばかりに、トンネル内をくまなく撮影することができなかったことだけが悔やまれます。

そこで、次週天気が良ければ、今度は懐中電灯を持参して、もう一度トンネル内を往復したいと思います。「片道5~6時間もかかるのに、踏破した場所をまた訪れるのは無駄じゃないの?」と思われるでしょうが、これは自分が納得できるかどうかという話なので良いのです(笑)。なので、タイトルには(1)と付けてあります。

という訳で、そのうち同じようなトンネル内の写真がたくさん貼られた(2)をアップする予定です。
ブログ一覧 | 北陸本線 鉄道・廃線跡 | 日記
Posted at 2022/12/29 00:26:50

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