今日は父から毎度の「どこかドライブに連れて行ってくれ!」コールに合わせて、もともと行く予定をしていた静岡市大崩海岸にある東海道本線旧石部隧道へ出かけてきました。
途中、久しぶりに焼津市内の「小川港魚河岸食堂」でお昼を食べようと思い立ち寄ったところ、お店からはみ出すほどの行列のため早々に退散。コンビニでお昼を済ませます。
国道150号新日本坂トンネルからぐるりと回り、石部海上橋のたもとに車を停めます。父は車でお留守番。一人さっそくトンネルへと向かいます。
東海道本線旧石部隧道
私が訪れるようになってからの間では、トンネルや周囲の状態には特に変化はないように思います(気づかないレベルで崩落や浸食は進んではいるのでしょうが。)。
最初に訪れた時はまだ「住人」の方がいて、声かけられたりとかトンネル内を埋め尽くす猛烈な量のゴミがあったりしましたが、今は「住人」の方は見当たらず、ゴミもほぼきれいに片づけられています(あるブログさんによると、どうもゴミはトンネル内で燃やされたらしく、その時の煤でトンネルが汚されてしまったと憤っておられました。)。
さて今回はトンネル内がメインなので、ヘッドライトをつけてさっさと潜っていきます。まずは山側のトンネルへ。
入る前にちょっと見上げます。坑内アーチ部分背面の裏込め部分、煉瓦を雑に詰め込んでますね。
ライトを点けて、キョロキョロと見渡しながら奥へと進みます。
大きな退避坑です。
割とすぐにトンネルの埋め戻し部分に着きます。この奥は現行トンネルに続いています。電車が通過すると通過音とわずかな風を感じます。
坑口方向を見ます。
次に海側のトンネルに潜ります。
開通時の坑内部分の煉瓦と複線化時の延長部分の煉瓦の大きさの違いがよくわかります。
側壁はフランス積み(煉瓦が一列に長手・小口・長手・小口の順で並ぶ。珍しい。)です。時々おじゃまさせてもらうサイトさんで知るまで全然気が付きませんでした…。
一つ目の退避坑にはなぜか水が貯められています。ここを手入れしている人が設置したのでしょうか?
白華した煉瓦と煤に覆われた煉瓦の白黒模様が鮮明です。
こちらは外へとつながる横坑です。トンネル側はきれいに煉瓦で巻かれていますが、海側は素掘りのままです。
ここの側壁も白黒がはっきりしてます。
横坑の先で側壁の積み方がフランス積みからイギリス積み(長手・長手の列と小口・小口の列が交互に積まれている。この積み方が一般的。)に変わります。
フランス積みは装飾的な意味合いもあるらしいので、目立たない奥側は一般的な積み方にしたというところでしょうか。といっても、トンネル坑内自体が人目に触れる場所ではないですけどね。
ここから先の退避坑はアーチ部分だけ煉瓦巻き立てで、壁面は岩盤が露出しています。
トンネル奥の埋め戻し部分まで来ました。意図不明の太い杭(柱サイズ)が並んでいます。
退避坑も上部がかろうじて見えるだけです。
埋め戻し部分の突き当りまで来ました。
戻るために振り向いた際、ヘッドライトで天井をこすってしまい、SLの煤が襟首に入ってしまいました…(払った手が真っ黒け…。)。
坑口方向を眺めます。
ようやく外へ出てきました。
一番海側に転がるかつての坑門。今日は強風で海が荒れていて、何度も波をかぶっていました。
波しぶきでよく濡れています。
ここで父から「もう40分も経つけど、いつ戻ってくるの?」との電話があり、見物終了。石部海上橋の車まで駆け足で戻りました。

Posted at 2016/03/20 23:21:55 | |
トラックバック(0) |
東海道本線 鉄道・廃線跡 | 日記