2021年9月25日土曜日、三重県亀山市加太にある煉瓦造りの水路トンネルとJR関西本線 蛇谷川橋梁を訪れました。
この日は、まず和歌山県紀の川市の旧池田隧道を訪問。そこからの帰路の途中、まだ時間に余裕があったので、名阪国道を下りて立ち寄りました。
車を国道25号猪本橋のたもとに停めます。
この猪本橋、実は橋脚が煉瓦積み。それもただ煉瓦を積み上げただけでなく、石材による隅石も設けられていて、なかなか見栄えがします。
本当は河原に下りて間近で撮りたかったですが、堰堤に付いている梯子を使わないと河原へ下りられないので、今回は止めときました(笑)。
猪本橋を渡り、しばらく国道を歩き進めると、写真の場所が現れます。
コンクリートの擁壁をよじ登ると、そこに煉瓦造りの小さな水路トンネルがあります。
トンネル部分は三重の欠円アーチ。そして、小さな構造物にも関わらず、笠石と帯石を表す焼過煉瓦の列と笠石の下段に煉瓦を斜めに並べた「雁木」の装飾。凝っています。
中を覗くと奥まで煉瓦積みで造られています。
さして長くもないトンネル部分の反対側へと回ってきました。こちら側はコンクリート造りになってしまっています。
階段と擁壁の隙間の水路部分に体を入れてトンネル内を覗き込むと、こちら側も煉瓦積みで造られています。
もしかしたら、コンクリート造りに改築する前はこちら側も煉瓦造りの坑門があったのかもしれません。
煉瓦構造物が多い関西本線(建設当時は私鉄の関西鉄道。)の影響を受けたのか、この周辺にはあちらこちらに煉瓦造りの水路トンネルが残されています。
さて、さらに国道を歩き進め、ちょっと強引に斜面を下り、並行して流れる加太川の河原へとやって来ました。ここから対岸へと渡ります。
加太川は流れが浅いので、長靴でも何とか渡渉することができます。
とは言っても、深い淀みがあったり、石に苔が付いていて滑りやすい所もあるので、慎重に歩いていきます。
対岸にある沢へと取り付きました。ここからは、この沢を奥へと進んでいきます。
この沢は流路部分の浸食が深く、わずかな距離を入り込むだけですが、歩き進めるのも一苦労です。
流路部分から上の段によじ登り、もう一つの表題の場所に到着しました。JR関西本線の蛇谷川橋梁です。
ここへ来るのは3回目か4回目ですが、いつも他所へ行ってからの寄り道で夕方に来ることが多く、周囲が鬱蒼としているため、いつも暗い写真しか撮れません…。
複数回訪れているのは、単に写真を取り直すためと言ってもいいでしょう(笑)。
この橋梁は、笠石部分に煉瓦をひとつおきに突出させて並べるティンディル(歯飾り)と呼ばれる装飾を施しています。
アーチ環は四重巻き。ちょっとわかりにくいですが、一番内側と外側は焼過煉瓦が使われています。
内部は側壁部分もアーチ部分も全て煉瓦積みとなっています。
アーチ内部も、側壁部分の下段に焼過煉瓦が3段挟み込まれていて、アクセントになっています。
沢の上流側に出ました。デザインは下流側と同じです。
橋梁付近の沢の地盤は、天然のものなのか、人工物なのか、いまいちよくわかりません。
流路部分をコンクリートで塗り固めたものが、水の浸食で抉れたようにも見えるんですが、抉れた部分を見るとこぶし大の礫がたくさん混じっているので、礫交じりの砂岩なのかという気もします。何にしろ知識が無いので謎です。
雨が降りだしてきたので、これくらいにして引き上げることにします。
猪本橋のたもとに停めた車まで戻ってきました。
蛇谷川橋梁は現在も現役で使用されている煉瓦アーチ橋梁で、もう少し紹介されていてもいい気がしますが、接近するのが難儀なためか(猪本橋から加太川の河原を延々と歩いてくるか、国道から急斜面を降りて加太川を渡渉して最短距離で接近するか、上流側の林道から架橋されている沢を辿って下ってくるか。)、あまり訪れる人はいないようです。
私はたまたま何度か訪れていますが、今回でそこそこレベルの記録写真は撮れたので、これで当分は来なくても良いかなというところです。
Posted at 2021/10/18 22:07:38 | |
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関西本線 鉄道・廃線跡 | 日記