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小林あにのブログ一覧

2022年06月04日 イイね!

「カンバンタ山道」を探索しました

2022年4月9日土曜日、愛知県新城市四谷の山道、「カンバンタ山道」を探索してきました。「カンバンタ山道」は、旧海老街道仏坂峠道と現在の新城市海老の街を結ぶ間道です。仏坂峠の峠道から分岐して、カンバンタ(地形図に記載が無いため、具体的な場所は不明。)、川売と経由して海老へと向かう経路だそうです。

カンバンタ山道が通過する地域の旧自治体である旧鳳来町が発行した「鳳来町誌」には、同山道に関する記述はありません。存在が確認できる資料と言えるのは、「愛知県の峠」という本に「カンバンタ峠」として地図無しの短い記述があることと、仏坂峠の峠道に立てられている道標くらいでしょう。

旧海老街道(ふりくさ道)仏坂峠への新城市四谷側入口へとやって来ました。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

ここからしばらくは、旧海老街道を歩いていきます。


「カンバンタ山道」との分岐点に来ました。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

ここからカンバンタ山道へと入り込みますが、まだしばらくは先週4月2日土曜日の夕方に歩いた区間となります。


なかなかの急坂を登っていきます。


細い道ながら、所々の路肩に補強のための石垣が積まれています。


細い沢筋を進んでいきます。


先週に確認した石積み橋台の跡まで来ました。


場所はこちら。


黄枠で囲った部分が石垣になっています。


橋台跡の写真です。






さらに奥へと進んでいきます。


この付近も石垣で路肩が補強されています。


明確な道跡が残る区間の最終地点へと来ました。


場所はこちら。


この周辺は、四方から小さな沢筋が集まってくる地形になっており、比較的なだらかな地形をしていますが、その表面は多くの岩石で埋め尽くされてしまっています。

先週訪れた時は、この地点から直線的に奥へと進んでみましたが、道跡は見い出せませんでした。

今回は、この地点から左側の斜面を登っていってみることにします。


こちら側も道跡を見つけることができません。それでも何か痕跡があることを期待して、斜面をどんどん登っていきます。


枯れ滝にぶつかりました。


場所はこちら。


この周辺の山は、尾根まで上がろうとすると必ずこのような岩盤が露出した場所へと遭遇してしまいます。このような岩場を越えて山道が通っていたならば、細いなりにも道を開削した跡が残っているはずです。ですが、どこにもそのような痕跡が発見できません。

あきらめずにさらに上へと斜面を登っていきます。


斜面に石垣が築かれているのを見つけました。確認してみるに山道の普請のために造られたものではなさそうです。斜面の土留めのためか、田畑の造成のためのものでしょう。


この辺りで斜面に道跡を探すことはあきらめ、尾根へと登ることを優先します。一気に尾根まで登り、地形図で峠と推定される鞍部を目指すわけです。


大きな岩壁の下へと取り付きました。尾根へと登っていけそうな場所を探し回ります。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

上へ上へと登り詰めていきましたが、岩壁が険しく、尾根へとたどり着く前にこれ以上登れなくなってしまいました。


一旦引き下がり、土砂崩れを起こした後の沢を横断して、右隣の山筋へと移ります。


峠と推定した内で、一番東側の鞍部へと到着しました。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

なだらかな地形で悪くないですが、肝心の山道と思えるような踏み跡がありません。せいぜい獣道レベル。その獣道も、鞍部を越えた先の急傾斜地で消えてしまいます。


仕方がないので、次の推定地へと向かいます。

646mピークへと一旦登り、ここから西側の急斜面を一気に下っていきます。


2か所目の推定地へと来ました。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

探索を始める前に推測した際には、この鞍部がカンバンタ山道が越える峠の最有力候補と考えていました。しかし、この鞍部に付いている踏み跡は、間道だったとは言え、人がそれなりに往来した道の跡とはとても思える状態ではありませんでした。

普通、地形が険しければ険しいほど、道を通せる場所の選択肢は狭まるので、おのずと答えは見つけやすくなるものです。それがアプローチしやすそうな(それでも疑問符だらけでしたが。)鞍部が2つありながら、どちらもカンバンタ山道が峠越えをしていた場所だととても断言できない状況だったわけです。

「一体、『カンバンタ山道』はどこを越えていたんだ?」

3つ目、最後の推定地へと来ました。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

鞍部の両サイドは一気に切れ落ちるような地形で、ここもとても「峠」として使えそうな地形ではありませんでした。

2つ目の鞍部へと戻ってきました。尾根に凹みが付いてますが、人工的に掘削した「切り通し」ではありません。鞍部へと連なるような道跡も見出せません。




この場所の斜面を少し下っていくと岩場の上へと出ます。岩場に道跡と思しきものなく、徒手空拳のまま下っていけるような場所ではありません。


足場・手がかりのある斜面をもう少しだけ強引に下ってみましたが、そこも最後は10mぐらいの崖地になり万事休す。仕方なく鞍部まで登り返しました。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

完全にお手上げです。久しぶりに成果無しの探索となってしまいました…。

さて、ここまで登ってくるのもけっこうハードでしたが、今度は安全に下っていけるルートを探さないといけません。元来たルートを帰れば一応は安全に帰れますが、646mピークへと登り直すのがとてもきついので…。

地形図を頼りに少しでも緩そうな傾斜地を進んでいきます。

下へ行くほど急傾斜になる沢の上を横断。沢へ滑り落ちて止まらなかったら、最後は岩場の枯れ滝でダイブですね。


ようやく安心して降りられそうな沢へと出てきました。


場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

岩の隙間に足を落とさないよう、足元を確認しながらゆっくりと沢を下りていきます。


旧海老街道まで出てきました。


無事に仏坂峠の峠道の入口へと帰ってきました。


今回探索したルートはこちら。


以前に設楽町内で探索したグミンタ峠の里道跡は、峠からのルートを確認することで里道跡全体のルートも特定することができましたが、今回は峠の場所が特定できず、結果、峠へ向かう山道の確認もできませんでした。

正直、すぐに再アタックするだけの価値が見い出せないので、当面はこのまま放置案件ですかね。

もし再アタックするとなれば、今度は峠の南側である川売地区からしかないですね。それでも、峠直下のルートが発見できるかわかりませんが…。
Posted at 2022/06/04 16:28:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 旧海老街道 | 日記

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