今日は、福井県と石川県の県境、牛ノ谷峠にある北陸本線の廃トンネル「牛ノ谷隧道」へと出かけてきました。
現行線のトンネル名称は「熊坂トンネル」ですが、旧トンネルは牛ノ谷隧道とも熊坂隧道ともあり、どちらが正しいのかいまいちわかりません。記述としては「牛ノ谷」が多いので「牛ノ谷」としました。
まず、やって来たのは国道8号牛ノ谷峠の石川県側にある駐車帯。
現存しているのか不明な大聖寺駅側の坑門を探してみようと思ったからです。
雨が降りしきる中を2時間以上、国道沿いに道路の山側にある谷筋や地形の凹みを探し回ったわけですが、まあ、結果から言うと失敗でした。そもそも探し回った場所が間違っていたようでした。
もし探すのであれば、国道8号に沿って残っている旧線跡からアプローチすべきだったようです。車を停めていた駐車帯からほんの少し峠寄りの路肩一帯を当たるべきでした。
服をずぶ濡れにしてアタックしていた大聖寺駅側の探索は、全くの徒労に終わりました(一時迷子状態にもなってしまった…。)が、体を動かして日常の毒気が抜けたせいか、気分的には割とすっきりしてました(笑)。
大聖寺駅側は日を改めて再探索してみようと思います。
次は、場所が明確な牛ノ谷駅側の坑口へと移動します。
牛ノ谷駅から先、北陸自動車道の側道沿いにさらに奥。北陸本線熊坂トンネル横の斜面上に出ます。さすがに現行路線の線路沿いを歩くわけにはいきませんからね。
雨でぬかるんだ急斜面を木立ちを頼りに滑り降りて、ようやく廃トンネル前に着きました。
牛ノ谷隧道。牛ノ谷駅側坑口です。
まだ落葉していない木々に遮られてしまい、トンネルの全景は撮れませんでした。
トンネル前のぬた場を越えて、トンネル内へと入ってみます。
何かまあ奇妙なものが天井から垂れ下がってますね。
坑口に土砂と廃材が積まれているため、トンネル内部は水没しています。靄も濃いです。
ここはそんなに高い峠ではないのですが、鉄道にとっては難所だったのでしょう。SLからの煤で灰色に染まってます。
「目地劣化」のペイント。目地から土が浸み出しています。
天井にキラキラしたものが見えるのは、白華現象によるものでしょうか。
溜まっている水はきれいに澄んでいます。
ふたたび煉瓦の状態についてのペイント。煉瓦造トンネルの経年調査に使われているのかもしれません。
ようやく一つ目の退避坑にたどり着きました。
行けども行けども灰色です。
入ってきた坑口を振り返りました。ややカーブしているのがわかります。
まだまだ先は続きますが、そろそろ長靴では限界だったので、この地点で引き返しました。
帰りは坑門のすぐ横からトンネル近くを通る林道へと登りました。
雨天、急斜面に杉木立・雑木林と深い笹薮に阻まれながら、久しぶりに疲労感が強く残る廃線探索となりました。まあ、安全には留意しつつ、たまにはクタクタになるまで体を動かすのも良いものです。
Posted at 2018/10/28 22:15:31 | |
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北陸本線 鉄道・廃線跡 | 日記