2018年11月24日土曜日、奥羽本線赤岩-板谷間の環金トンネル付近に残る廃線跡を歩いてきました。
前回(2)で旧環金隧道を通過。
旧環金隧道から100~200mくらい歩くと次の遺構である戸澤橋梁及び戸澤隧道が現れます。
強者はこの鉄橋の上を歩いて対岸へと渡るようですが、私にはそんな技量も度胸もないので、素直に沢へと下りていきます。
まずは橋梁の右手側の斜面を登ってみましたが、雪で水分を含んだためか、斜面の土が泥化していて長靴がグリップせず、もう一息のところで近づけません。
橋梁の下をくぐり左手側へ回ったところ、こちらはガレ場だったので幾分マシな状況。何とか橋台のアーチまでたどり着きました。
戸澤橋梁の全景です。この辺りの地形に慣れてくると、何かこの程度は穏やかな立地に見えてきます(笑)。
戸澤隧道の赤岩駅側坑門の真下に取り付きました。坑門が山体から突出しています。
ここから坑門の下部にある幅20cmくらいの出っ張り部分に乗っかり、さらにトンネル前の橋台にしがみついてよじ登りました。
戸澤橋梁をトンネル側から眺めます。高いし、雪で濡れてるし、渡るのは絶対無理です…。
あらためて戸澤隧道の赤岩駅側坑門。シンプルで端正な感じが好印象です。
それではトンネル内へと進入です。ここも内部はコンクリートで補修されています。
153mと短いトンネルなので、もう反対側の光が大きくなっています。
路盤には枕木が残っています。
短いながら、このトンネルもアーチ部をコンクリートで巻き立て直してありました。
板谷駅側の坑口に来ました。こちらは煉瓦アーチのままです。
坑口の先はロックシェッドが取り付けられています。
右手側の擁壁は布積みで古そうです。開通当時からのものでしょうか。
板谷駅側の坑門です。こちら側も山体から突出するように造られています。
ロックシェッドの坑口です。
現行線との合流部、環金トンネルの板谷駅側の坑口に来ました。
実際には、現行線と交差してもう一つ廃橋梁を渡り廃線区間終了となりますが、線路を渡ることになるので、廃線跡の探索はここで終わりとします。
ここまで飲み食いもせずに歩き詰めだったので、持ってきていたピーナツバターのコッペパンをほおばり、麦茶をがぶ飲み。
一息ついたところで戸澤隧道を戻ります。
今度は山側から戸澤橋梁と戸澤隧道をパチリ。
さて、ここから素直に環金隧道をくぐり、もと来た道を戻ればよかったのですが、ここで悪い虫が…。
「ここから沢を下って松川へ降りて、川辺を上流へと歩いていけば早いんじゃないか?」。
急峻な沢なら大人しく戻ったところが、足場が豊富で廃線歩きに慣れている人間にとっては苦にもならないレベル。
結局、沢を降り始めていきました。
難なく下を流れる松川の河原へ。
川辺を歩けるうちはよかったのですが、そのうち淵に突き当たってしまいました。対岸へも渡れそうでなかなか渡れず、結局、奥羽本線が通る山腹へと登り直す羽目に。
松川を離れて、小さな沢の傾斜の緩い源頭部を詰めていき、最後は雪で濡れた杉木立の急斜面を登っていきます。獣道すらなかったので、木立ちの並びに合わせて少しづつ上へ上へと進んでいき、ようやく奥羽本線の路盤の下まで復帰。この時点で体力的にはボロボロ…。
線路敷地内に入らないように注意しながら歩き、ようやく廃林道を見つけて転がり込み、板谷の集落の外れに戻ることができました。
戸澤隧道を後にして車に戻るまで約1時間。安易な判断による時間と体力のロスでした。
最後にケチをつけてしまいましたが、総じて気分の良い快適な廃線歩きでした。特に第一天狗山隧道から第二大日向隧道は周りの景色も良くて、ハイキングに来ているような感覚。そういう意味では、なかなか良い物件でした。
この後は、へとへとになった体を癒すために福島市内のあづま温泉へ。
今回も無事に目的達成できました。
