今日は、母と弟を誘って、岐阜県郡上市白鳥までドライブに出かけてきました。
最初にやって来たのは、長滝白山神社・白山長瀧寺。
白山信仰における旧美濃国側の拠点となっていた社寺で、江戸時代までは神仏習合の寺院として「白山中宮長瀧寺」と称していましたが、明治時代の神仏分離令により、現在のように神社と寺院に分かれたそうです。
さっそく、鳥居をくぐり、参道を歩いていきます。
参道の階段を登りきると正面にあるのがこの石灯篭。
鎌倉時代の正安4年(1302年)に寄進されたと銘記されているそうで、国の重要文化財に指定されています。
こちらは拝殿です。ここの社寺の建物群は、明治32年(1899年)の大火により全焼してしまっており、多くは大正年間に再建されたものだそうです。
拝殿の内部です。
拝殿の天井に1か所だけ天井板が外されて、滑車が見えている所があります。
毎年1月6日に行われる「六日祭」の中で行われる「花奪い(はなばい)」の際に、花笠を吊るすためのものですね。毎年、天井から吊るされた花笠の花を奪い合う光景がニュースとして流されています。
こちらは、拝殿の奥にある本社のうちの白山大御前社です。
こちらは白山長瀧寺です。明治の大火の前は、さらに大きな建物であったそうです。
神仏分離令の影響を受けた社寺は、寺院が破却されたり、移転させられたりしていますが、ここの社寺は今も同じ敷地内に神社と寺院に分かれながらも存立しています。
あとは、境内にある「白山瀧宝殿」を見物したかったのですが、入場券売り場で何度も声をかけても誰も出てきてくれず、あきらめて車へと戻りました。
さて、次にやって来たのは、長良川鉄道北濃駅。長良川鉄道の終着駅です。
開業は昭和9年(1934年)。現在は、終端の駅ながら無人駅となっています。
ホームは1面2線ですが、写真左側の線路は使用されていません。
駅名標です。落書きされてしまっているのが残念です。
駅舎と反対側の構内に転車台が残されています。手動で転回させる方式で、国の登録有形文化財に指定されています。
主桁にある銘板です。現地の説明板によると、明治35年(1902年)アメリカ製で、元々、岐阜駅で使われていたものを北濃駅の開業に合わせて移設したものだそうです。
今度は、駅の先にある線路を追っていきます。現在はホームの先に車止めがあり、列車はそれ以上進めませんが、レールは奥へと続いています。
駅構内からの線路が集合する地点からホーム側を振り返ります。
この先は草に埋もれながらもレールが続いています。
やがて行き止まりとなり線路は終わりました。
予定では、この先、石徹白地区を経由して福井県側へと山越えをしていく計画だったそうですが、着手された様子は感じられません。この先の地形は険しく、ある意味当然と言えるかもしれません。
駅周辺を歩き回っているうちに列車がやって来ました。
ナガラ500形502号 観光列車「ながら 川風号」ですね。到着したばかりなので、行き先表示が「北濃」となっています。
折り返しで行き先表示が「美濃太田」に変わりました。
車体側面のエンブレム。
乗客のみなさんも折り返しまでの間、車両や駅構内を見て回っています。
ホームを離れて、美濃太田方のポイントまでやって来ました。保線小屋でしょうか?古い小屋が線路脇に建っています。
建物財産標と思しきものが見えたので、望遠で撮ってみたところ、なんと昭和17年(1942年)3月の登記!少なくとも築77年以上は経っている小屋ということです。
小屋の中には、わずかながら物品が置かれているのが見えますが、戸は開き、ガラス窓もガラスが外れてひしゃげたままなので、もう利用はしていないかもしれません。
駅構内への出入りを振り分けるためのポイントですが、転轍機自体は撤去されてしまって、一方向に固定されてしまっています。
さらに進むと勾配標がありました。「L」は水平を表すので、腕木も水平にしてあるのが普通ですが、垂れ下がったままになっています。
駅直近の踏切。警報機はありますが、遮断機はありません。
線路沿いを歩くのはこれくらいにして、駅へと戻ります。途中にある72キロポスト。北濃駅の位置は、始点である美濃太田駅から72.1kmの地点となります。
ホームまで戻ってきました。ふたたび移動を開始します。
最後にやって来たのは、阿弥陀ヶ滝。北濃地区から石徹白地区へ向かう途中にあります。
滝へと向かう散策路の途中にある阿弥陀堂。
滝が見えてきました。山深いので、お約束の「熊出没注意」。
阿弥陀ヶ滝です。落差が約60mあるそうです。
最近は雨の日が続いたためか、なかなかの水量。近くにいると水しぶきと風圧がけっこう来ます。
いろいろなアングルで写真を撮ってみましたが、当然ながら水しぶきを浴びて水滴だらけの写真ばかりになり、あきらめました。
帰り道の途中で撮った無名の小滝。
このあたりで14時といい時間になったので、翌日は仕事もあることだし帰ることにします。
ただ、小腹も減ったので、近くの道の駅「白山文化の里長滝」へ立ち寄り。
併設されている「白山文化博物館」も見学しました。
帰り道は、白鳥ICから東海北陸道に上がりましたが、美並IC-美濃IC間で事故渋滞ということで、郡上八幡ICから美濃ICまでは国道156号へ迂回。
東海北陸道ができてからは全然通らなくなった国道156号ですが、久しぶりに長良川沿いの快適路をのんびりと走ることができました。