2025年5月4日日曜日、国道292号「草津志賀高原ルート」の「雪の回廊」を見に行ってきました。
姉から「せっかくのゴールデンウィークだから遠出しよう。希望がないなら『雪の回廊』という所へ行ってみたい。」との要望があり、姉弟3人で出かけてきた次第です。
今回は、自宅から東海環状道、中央道、長野道、上信越道と経由。信州中野ICからは国道292号を走行して現地へと向かいました。
草津白根山を望む駐車帯へとやって来ました。周囲にはまだまだ多くの残雪があります。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
駐車帯から右下方を眺めると、国道の両側に雪の壁がある場所が見えています。どうやら、あれが「雪の回廊」のようです。
せっかくなので間近まで行ってみることにします。ちなみに、言い出しっぺの姉は「ここ(駐車帯)から見えてるからいいわ。」とのことで来ませんでした…。
「雪の回廊」までやって来ました。「草津志賀高原ルート」の除雪が完了して開通したのが4月23日。訪れた時点で12日間が経過していますが、想像していたよりは高い雪の壁が残っていました。
車やバイクがけっこう通行していたので、周りに注意しながら撮影しました。
さて、この後はそのまま国道292号を草津温泉へと下っていくつもりでしたが、山田峠を越えた先の交差点で、「草津温泉方面は雪崩のために通行止め。」となっていました。
仕方がないので迂回ルートの案内に従って万座温泉へと下っていきます。
万座温泉まで下りてきたところに駐車場を見つけたので、ちょっと立ち寄ります。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
この場所に火山ガスを噴出する斜面があったので見物します。
この辺りからは硫化水素ガスが出ているようです。どおりで卵が腐ったような臭いがするわけです。
駐車場の奥にも噴出場所があるようなので行ってみます。
斜面の上部に噴煙が見えます。地形図によるとこの沢は「殺生沢」と記されていますが、この有り様だとそのように名付けられるのも当然ですね。
殺生沢の流れ。側壁も河床も石組みとなっています。石の色がまだらになっているのはガスや酸性の水が原因なんでしょうかね。
万座温泉から先は「浅間白根火山ルート」を通り、万座・鹿沢口駅前で国道146号へ。ひとまず渋川方面へと進みます。
国道脇に滝があるのを見つけて停車します。「瀬戸の滝」だそうです。
場所はこちら。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
滝の前に残る旧国道の橋。
「大滝橋」とあります。
さて、滝の説明板に「崖の中腹に不動明王が祀られている」とあったので探してみたところ、確かにありました。コンクリートで固められた崖には、崖道らしき段差が国道脇から不動明王像まで続いていましたが、とても行く気にはなりません…。
スマホでの撮影では、これが限界でした。
次は八ッ場ダムへと立ち寄ってみました。
八ッ場ダムの周辺図です。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。
ダム湖の湖面は鮮やかな青色をしています。
八ッ場ダムの堤体を歩いてみます。
ダムの下流を眺めます。ダムの直下から下流側は「吾妻峡」と呼ばれています。
八ッ場ダムはこれくらいにして、「吾妻峡」へ行ってみることにします。
ダムの下流側へと移動。駐車場に車を停め、旧国道を歩いて吾妻峡・八ッ場ダムへと向かいます。
けっこう深い渓谷ですね。そして、川の流れがダム湖と同じ鮮やかな青色です。てっきり、もっと青色が薄まっていると思っていました。
吾妻側へと流れ込む滝がありました。
旧国道の崖上には、八ッ場ダム建設により付け替え廃止されたJR吾妻線の旧線が残っていますが、ここで鉄道ファンには有名な物件を確認。
かつて、日本で最も短い鉄道用トンネルだった樽沢トンネルです。延長は7.2m。実際にはロックシェッド的な役割の物件だったのでしょう。
反対側から見上げます。トンネルの周りが樹木に覆われていて、全体がしっかり見えないのが少々残念です。
前方にトンネルが見えてきました。
「松谷トンネル」だそうです。銘板には「1989年12月」と記されていますが、竣工年から考えるとトンネルの幅が狭い気がします。
全然通ったことがない場所で理由がわからず、気になってネット検索してみたら、どうやら狭隘箇所へ新たに一車線幅のトンネルを造り、上下車線を分離することで通行を容易にしたという改良のようでした。
トンネルの傍らには「吾妻峡」の看板が立てられています。
ここからは旧下り車線を進んでいきます。山側の壁面には微妙にオーバーハングした部分が残っていて、かつては壁面がもっと迫り出した「片洞門」だったのかもしれません。
この辺りも深い渓谷が続いています。
松谷トンネルの反対側へと来ました。
前方に大きな岩山が見えています。
旧長野原町へ入りました。
八ッ場ダムが見えてきました。
駐車場から歩くこと約40分、八ッ場ダムの真下に到着です。
やはりダムは下流側から見上げるほうが迫力があって良いですね。
「八ッ場もみじ橋」を渡って、対岸へと進みます。
ダム堤体を見上げます。
吾妻線の廃線を利用した自転車型トロッコの駅「吾妻峡八ッ場駅」。
駅からダム側を眺めると、吾妻線が途切れた場所が見えています。
さて、帰り道は旧国道ではなく、吾妻川を挟んで対岸にある遊歩道を歩いていきます。
吾妻川の急流をより間近で見ることができます。
旧国道を見上げます。旧国道が崖の中腹を掘削して造られた道であることがよくわかります。
遊歩道と言いながらほぼ山道のような行程でしたが、吾妻川の鮮やかな青色の渓流を楽しみながら車へと戻りました。
