放射能という言葉

　放射能という言葉は、私はかなり以前から避けていて、当然このブログでも避けている。

　というのも、本来の意味と、慣習的な意味とがあるからだ。

　本来の意味は

●放射線を出す能力

のことで、放射能が漏れているというなら、放射線を出す物質、すなわち放射性物質が漏れ出ていることをさす。

　一方、慣習的には

●放射線そのもの

をさすこともある。

　一般にはこの２つを区別せずに放射能という言葉が使われてしまっている。であるから、放射能と言ってしまうと、物質のことを言っているのか、放射線のことを言っているのか非常にわかりにくくなり、混乱の元になる。

　そこで、放射能という語を避け、

●放射性物質
●放射線

を使い分けてきた。


　放射線は生物の遺伝子を傷つける有害なものだが、遮蔽できるし、距離のの２乗に反比例して弱くなる。
　放射性物質は放出されても拡散して濃度が薄くなるが、風向きの影響を受けて運ばれ、たどり着いたところで放射線を出しながら壊れていく。たまたま離れていても集まって濃くなることもある。


■フジテレビでやっていた上手な解説

　今日１１：００ごろやっていたフジテレビの解説では、（放射能の語を使っていたが、言い換えると）放射性物質を蛍にたとえていた。蛍が出す光が放射線である。

　蛍が虫かごの中にいても光は外に出る。これが放射線漏れ。
　一方、蛍が逃げ出して光っている。これが放射能漏れ（すなわち放射性物質もれ）。

　言葉の意味を正しく知ることは重要だ。