経年13年のBP5D型レガシィのチェックエンジンランプが点灯。部位は左前輪のABSセンサー&ハーネスAssyの断線と推定される。・・・というところまでが、前回の話のあらすじです。
今回は、新品のABSセンサー&ハーネスAssyを交換した上で、真因を究明するための仕込みをするところまでのお話です。
◎前回までのお話 →
ABS警告灯への対処・(1)原因調査
■ABSセンサーは高価・・・(^^;)
ディーラーで注文していたABSセンサー&ハーネスAssyは、(私にとっては)非常に高価でした。定価で 税抜き12700円 もします(@2019年9月時点)。
<BP5D型レガシィ用・左前輪ABSセンサー&ハーネスAssy>
◎部品番号 : 27540AG111(SENSOR SUB AY FT LH)
<↓発注・受け取りが9月だったので、消費税はまだ8%(それでも13716円もする)>
<↓これがABSセンサーとハーネスが一体になった、今回の交換部品(左前輪用)>
思うに、これはそのほとんどがセンサー代(メーカー:BOSCH製)なのでしょう。板金ステーや素線の原価はそんなに高くないはず。個人的には、センサー単品とハーネスに部品を分けて欲しいところ。そうすれば、今回の私のように(恐らくはセンサーが生きていて)断線したハーネスのみ交換する場合に、ムダな出費を抑えられます。その逆パターンの場合も同様。
自動車メーカーさんには、そのようなユーザー配慮もお願いしたいところ。
(そのぶん、在庫管理は大変になりますが。)
■センサー交換の作業準備
ディーラーで受け取って持ち帰りしたABSセンサー&ハーネスAssyは、もちろんDIYで交換します。車両をジャッキアップする前に、まずは車両側のハーネスの引き回し状態を確認します。
<↓ABSセンサーハーネスの車両(エンジンルーム)内でのロケーションと引き回し>
<↓上記の拡大画像(矢印で示したハーネスが、今回の交換ターゲットとなる部品)>
ハーネス(カプラー含む)のロケーションが確認できたので、早速、左前輪のジャッキアップに取りかかります。最初に後輪に「クルマ止め」をあてがいます。
<↓ギヤをリバースに入れてパーキングブレーキを引いた上で、車輪止めを後輪に設置>
<↓今回は「ウマ」を使用しない代わりに、サイドシルの下にタイヤ&ホイールを置く>
■リングブラケットの取り外し
純正のビルシュタインダンパー(+オプションのSTIコイルスプリング:かつての仕様)から圭オフィス車高調に換装したことにより、ABSセンサーハーネスの固定点が失われたことに対する措置は、市販のリングブラケットで対応しています。
<↓純正ABSセンサーハーネスと市販のリングブラケットと社外品の圭オフィス車高調>
実はこのリングブラケットは、かつてディーラーに点検整備で入庫した際(約10年ほど前)に、ディーラーのメカニックさんがわざわざスーパーオートバックスで購入・調達した上で、「このような市販品がありますのでいかがですか?」と私に装着を提案していただいたものでした。
ですので、リングブラケットの発掘も装着も、当時のディーラーのメカニックさんに実施いただいたもの・・・という経緯がある品なのです。社外品(車高調)に対しても前向きに対処いただけるディーラーさんは、大変ありがたいものですね(今は年々厳しくなっているようですが)。
<↓そのような感謝の思いを胸に抱きながら、リングブラケットを取り外しします>
■ABSセンサー&ハーネスの取り外し
そのままABSセンサー&ハーネスAssyの取り外しに移行します。ハーネス固定用ステーのボルトを緩めます。
<↓このステーの固定方式は、M8ボルトの1点止め(ステーは回り止めのフック付き)>
タイヤハウス内のハーネスをフリー状態にする作業と前後して、エンジンルーム内のコネクタ取り外しと樹脂クリップの取り外しも行います。
<↓コネクターの位置は先ほど事前確認済み。樹脂クリップもツメを畳んで押せばOK>
<↓グロメット(ゴム)も外し、無事にハーネスをエンジンルーム側から引く抜く様子>
次はABSセンサー本体の取り外しです。
本来は、ABSセンサー(今回の取り扱い部品の中では「大物」になります)から先に取り外すべきでしょう。理由は、固着して取り外せない可能性があるためです。同様な理由で、コネクターも先に外しておいた方が無難(樹脂が固くなって外しにくい可能性があるため)。
したがって、もしも万全を期すなら
「ABSセンサー本体」→「コネクター」→「樹脂クリップとステー」
の順番で取り外しにかかる方が望ましいかと思います。もしも簡単な部品から取り外しにかかり、一番最後に大物部品が固着して外れずに作業中断を余儀なくされた場合に、それまでの工程がムダになるからです(今回は勝手知ったる自分のクルマですので、私がやりやすい順番で作業しました)。
<↓ABSセンサーもM6ボルトの1点止め。センサーのフランジ部の凹みを利用して外す>
ABSセンサーのフランジ部には凹みがあり、ちょうどマイナスドライバーの先端を差し込んで「てこの原理」でセンサー本体を引き抜けるようになっています。
果たして、「作業整備性を考慮してそのような形状設計となっている」のか、はたまた「軽量化と材料費削減のため肉抜きしただけ」なのか不明ですが、とにかくこの凹みを利用しない手はありません。実際、素手で慎重にセンサーを引く抜こうとしましたが、固くて断念しました(マイナスドライバーを使うとあっという間に取り外しできました)。
■取り外したハーネスの観察
こうして、いとも簡単にABSセンサー&ハーネスAssyの取り外しができました。想像していた以上に作業の難易度は低かったです(車両から取り外しただけで、まだ新品の取り付けをしていませんが)。
<↓ABSセンサー&ハーネスAssyの新・旧の比較(全景)>
<↓この部位で内部断線していた可能性がありそう(※検証していないので、あくまで推定)>
■新たなハーネスの引き回しの考察
さて、新品のABSセンサー&ハーネスAssyを取り付けする際に、「純正の引き回しの踏襲で良いのか?」を再考する必要があります。なぜなら、その引き回し状態で断線が生じているから。
もっと具体的に言うと、「社外品の車高調に交換している状態に見合った」引き回し状態を自分で探る必要があると思うのです。
純正の引き回しは、「純正部品の組み合わせ」を前提とした場合にベストな状態となるはずです。社外品(固定点の喪失→リングブラケットの追加)という物理的な変化点が生じていることに対して、断線リスクをより低減できる引き回しを考えます。
<↓配線がよじれたり突っ張ったりしないよう、あえてステーを逆向きに装着しました>
<↓さらに、ステーからステーまでのハーネス長を調整するため、巻きステーを緩めます>
こうして仕上げた状態が以下。
<↓「ねずみ返し」の部分を設けつつ、なるべく配線がストレスフリーとなるように再設置>
■更なる暫定策
こうしてABSセンサー&ハーネスAssyを新品に交換する際に、引き回しを現状の車高調(+リングブラケット)に合わせて変更した上で設置したわけですが、ここで念押しの意味として暫定策も追加しておきます。
そもそも今回の断線は、リングブラケットが車両の外側方向に回転してしまったためにハーネスが引っ張られて生じた経緯がありました。そのため、リングブラケットが外側に回転しないよう、針金でリングブラケットの揺動を抑制する暫定策も織り込むことにします(あくまで暫定策です)。
<↓暫定策として、リングブラケットの揺動を抑制するための針金も織り込む>
ハーネスの引き回し変更に加えて、これで多少の保険をかけておきます。しかし実際には、「どうしてリングブラケットが外側に回転してしまったのか」についての 謎解きと根本対策が必要 です。センサー&ハーネスを新品に交換したからOK、とはなりません。
■真因の究明に向けて
「リングブラケット外転」の真因究明に向けて、直巻スプリング(swift)・スプリングロアシート・アッパーロックシート・ダンパー本体(圭オフィス)・ロアロックシート・保持外筒、のそれぞれに、ペイントで「合いマーク」を入れておきます。
各部品間で「相対動き」が生じた場合に、マーキングのズレ有無を確認することによって、その部品とイレギュラーの程度が目視確認可能となるからです。
<↓真因の究明に向けて、脚周りを構成している各部品に合いマークを入れて様子見する>
この状態でしばらく様子見して、何か真因だったのかを探っていくこととしました。
<↓備考:今回の作業で使った主な工具類(ほか、画像に写っていないものはトルクレンチなど)>
「その3」に続く。
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2019-10-23(Wed.) : 更新
[BPレガシィ] チェックエンジン→ABS警告灯への対処・(3)真因究明と根本対策 (シリーズ最終話)をアップロードしました。
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Posted at
2019/10/20 09:38:19