愛車のホンダ・CBR250Four は1986年式。ワンオーナーで乗り続けて今年で35年目になります。
走行には(今のところ)支障はないエンジン異音を認知しており、まだ解決には至っていませんが、おおよそのアタリは付けています。
今回のブログは備忘録を兼ねた「自分用のメモ」として、自分で集めた情報の集約版として記します。
■これまでの経緯(おさらい)
エンジン始動後に「ガラガラ」「カラカラ」といった異音を認知したのは、2020年の春ごろ。アイドリング中だけでなく、低速走行中にも不規則に聞こえます。
・いつも異音が聞こえるわけではない。
・音の大きさは、エンジン回転速度[rpm] にも車速[km/h] にも比例しない。
いちばん最初はベアリング破損の可能性も疑ったが、次のことなどから違うと推定。
・クランクベアリングはプレーンタイプのメタル(コンロッドメタルも)。
→ ボールベアリングの類ではない、の意味。
・エンジン負荷(スロットル開度[%])に依存しているようでもなさそう。
・音質は、金属的な軽い打突音(ガラガラというよりカラカラとした感じ)。
あたかも「エンジン内部で脱落したボルト(や何かの破片)が、回転体にぶつかって発するような音」のように聞こえます。そこで、まずは音源を探るべく「サウンドスコープ」を入手(パーツレビューは → こちら )。
それを使って「どうやらクランク系から音が(伝播して)聞こえる」という自分なりの判断に基づき、まずは車体左側のクランクケースカバーを分解・点検したものの、SST(特殊工具)が無いこともあって直接的な原因の特定には至りませんでした。
<関連ブログ>
◎2020年06月18日
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[CBR250Four] 5~6月のメンテ(聴診・ブローバイ・thケーブル・添加剤・清掃編)。
◎2020年06月21日
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[CBR250Four] 5~6月のメンテ(異音調査・左クランクケースカバー脱着編)。
その後、車体右側のクランクケースカバーを開けた際に、動力伝達系のオーバーホールとして各種ベアリングを含めたクラッチ系一式を新品に交換しましたが、異音は解消せず。現在に至ります。
<関連ブログ>
◎2020年07月05日
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[CBR250Four] メンテ状況の続報(#2気筒失火とエンジン異音の件)。
◎2021年02月15日
→
[CBR250Four] クラッチ系のオーバーホール(ホーネット250などの新品移植)・その1。
◎2021年02月24日
→
[CBR250Four] クラッチ系のオーバーホール(ホーネット250などの新品移植)・その4。
■スターティングクラッチ
ショップのメカニックさんからのアドバイスで車体右側のクランクケースカバーを開けたものの、自分としては車体左側から異音が伝播してるように思えます。
<↓MC14型CBR250Fourの左クランクケースまわりの部品構成図>
いったんは、実際に自分で左側のクランクケースカバーを分解・点検してはいるものの、単にカバーを開けて外観上から(スターティングクラッチを回転させて)点検したに過ぎない状態で終わっています。
上の構成図で言うと、スターティングクラッチ・アウターCOMP(6番)の中身を構成している部品群(7番、8番、19番)については、直接的な確認が取れていないままでした。
・ 7番: スターティングクラッチ ローラースプリング
・ 8番: スターティングクラッチ ローラースプリングキャップ
・19番: ローラー10×10
そこで「何か参考になる事例はないか?」とネット検索。すると、大変興味深い事例を発見することができました。
<↓他機種ですが、ローラースプリングやスプリングキャップが破損した事例あり>
スターティングクラッチアウターCOMP(6番)の内蔵部品(7番、8番、19番)に、実際に破損が生じている事例がありました。とすると、これらはクラッチの回転にともなって「カラカラ」と金属的で軽い不規則な打突音の原因となっていても、不思議ではありません。
関連して、冬場(冷間時)のセルスタートで「セルが空回りする」場合において、スターティングクラッチが噛み合う相手側の部品(上記構成図で言うと5番)が段付き摩耗を起こしている事例も見つかりました。
<↓同系列エンジンを積む機種で、クラッチの相手部品が段付き摩耗を起こした事例>
そうこうしてるうちに、実は私のCBRにも、この冬場に「スターターが空回り」する事象が発現してしまいました。セルモーターを何度か回したり、いったんギヤを1速に入れて車体を前後に動かすなどしてから、再度(または再々度)のトライでエンジンが始動します。
…とすると、クラッチアウターCOMP(の中身)だけでなく、相手部品(スターティング・ドリブンギヤCOMP(44T))も交換対象部品として検討しなければなりません。
■パーツリストの確認
スターティングクラッチ・アウターCOMP、およびその周辺部品について、メーカーであるホンダパーツセンターでの在庫有無を確認します。ショップに行って、備え付けのパーツリストで部番を確認すると・・・。
あれ?
私が自宅で持っているパーツリストと記載内容が異なります。
具体的には、ショップ備え付けのパーツリストの方がより新しい(改訂版)のですが、私のパーツリストに対していくつかの部品の記載が割愛されている(省略されて消えている)ではありませんか。
<↓改訂版のパーツリストでは、クラッチアウターCOMPを構成する内部部品の記載が消えている>
あれ? 次の内蔵型の3部品はどこへ行った?
・スターティングクラッチ ローラーSPR
・スターティングクラッチ ローラーSPRキャップ
・ローラー10×10
パーツリストの欄外をよく見ると、#1001391号機を境に、アウターCOMPの部番が「28120-KT7-000」から「28120-KT7-010」に「互換性を保ったまま」追番で変わっています。恐らく初期型は分解可能で中身の交換ができるタイプ、後期型は非分解でCOMP丸ごとでの交換が推奨されるタイプ…の可能性がありそうです。
ちなみに、CBR250Four の後継にあたるホーネット250のパーツリストを確認すると、もはやクラッチアウターCOMPは1つの部品としてしか扱われていませんでした。
<↓MC31型ホーネット250のパーツリストより。クラッチアウターCOMPは1種類しか存在しない>
■メーカー在庫の確認
めげずに、当方のCBR250Four(MC14型)、そのマイナーチェンジモデルであるCBR250R(MC17型&MC19型)、最後まで生産されていたホーネット250(MC31型)について、スターティングクラッチ周りのメーカー在庫有無を確認します。
すでにCBR用の部品は廃番で在庫なしの場合が多いので、後継となるホーネット250用の同等品について、「互換性がありそうか?」「周辺部品とセットで交換しなければならないものはないか?」を推察します。
純正部品の在庫状況、(まだ分解できていませんが)実物の摩耗状態が許容値以内か以上か、互換性的にセットで変えた方が良い部品群は何か…といった諸々の情報を検討し、対応策とその優先順位を判断した結果が、以下の一覧表になります。
<↓部品名、品番、在庫、症状に応じた対応策、その優先順位などをリスト化した自分用の資料(クリックで拡大)>
上記は「エンジン始動後に異音がする」ことに加え、「寒冷状態での始動時にセルモーターが空回りする」ことに対する対応策についての「自分用のメモ」ですが、その補足資料が以下となります。
<↓必要となる部品の判断チャート(クリックで拡大)>
■無いものは探す
廃盤となって もはやメーカー在庫がなく、しかも他機種との互換性が無さそうな(より正確には、物理的には互換性があるかもしれないが、そもそも世の中に存在しない「組み合わせ」となるため予期せぬリスク(※)が生じる可能性のある)部品については、ヤフオク!などでの出品を吟味して、程度の良さそうな中古品を引っ張ってくることにします。
(※)リスクの例
スターティングドリブンギヤCOMPは、CBRが44Tでホーネットが51T。
ところがリダクションギヤCOMPはどちらも56T/10Tで共通スペック。
サイズ同等で相手部品の歯数が変わらないのに44T→51T化は成立する
のか?とか。逆に回転速度が下がった分、始動性が良くなるのか?とか。
机上では判断できないリスクあり(外周[φ]変わらず厚み[t]が違う、なども)。
<↓CBRのクラッチアウターCOMPやドリブンギヤCOMPを、クランクシャフトごと落札して予備部品とした>
・・・と、ここまではオーナーである私自身が独力で集めることができた諸情報と、その諸情報をもとに独力で推定してたどり着くことのできた判断内容です。
<次回メンテのターゲット部品候補>
・異音への対応として: スターティングクラッチ・アクターCOMP(または内部構成部品)の交換
・セルの空回り対応として: スターティング・ドリブンギヤCOMP(44T)の交換
この先、実際に交換作業(ショップへの作業依頼)に出すかどうか? は、もう少し検討を深めてから(何か抜け・漏れが無いかどうか)決めたいと思っています。
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【ホンダ・CBR250Four と四半世紀】 | クルマ
Posted at
2021/03/07 18:56:40