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調布市のKAZのブログ一覧

2005年09月15日 イイね!

ランエボ・ワゴンを総括する

ランエボ・ワゴンを総括する今回のブログは「三菱ランエボ・ワゴンの試乗記と雑感」の総集編です。
   ◎(その1/接客編)は → こちら
   ◎(その2/走行性)は → こちら
   ◎(その3/積載性)は → こちら
   ◎(その4/見積編)は → こちら

【結論】
ズバリ、「エボとしての走りの性能には納得できるが、
ワゴンとしての機能には不満が残る
」。この一言に尽きる。

以下、その結論に至るまでの過程について、順を追って説明する。

          + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

まず最初に、今回の試乗を通して確認できたことをまとめてみよう。すでにお伝えしている通り、グレードはGT(6MT)で、感想はあくまで私的なものである。なお、ここに触れられていないこと(例:ブレーキフィールなど)は可もなく不可もなく、別段特記することはなかったと捉(とら)えていただきたい。

【静的評価】
<良い点>
◎インパネフードが低く抑えられており、前方視界が良い(デザインが古いという声もあるが)
◎リヤのシートベルトが長いため、ISO-FIX 未対応 のチャイルドシート
  やベビーシートでも、容易に固定が可能(他車種の中にはシートベルトが
  短く、ベビーシートをうまく固定できない(長さが足りない)モデルもある)。
<要改善点>
◎シフトの中立がやや甘め。ストロークはもう少し短い方が節度感が出る。
◎ゲート入りしたあとの1速位置がやや遠い。

【動的評価】
<良い点>
◎フル乗車でも、2000rpm以上であればどのギヤからでも即座に加速開始する
  フレキシビリティをもっている(いわゆるトルクバンドが広い)。
◎乗り心地は良い。市街地でもサスペンションの硬さは感じなかった。
<要改善点>
◎3400~3500rpm以下の加速は(アクセルの反応に対する食い付きは早いが)
  際だったものではない。これは、6MTで1500kg という車重に起因しているかも。
  ちなみに、BP型レガシィワゴン・tuned by STI (ブレンボ付き)はMT車で1450kg、
  AT車で1480kgだ(ランエボ・ワゴンのAT車は1540kg)。
     ・レガシィ tuned by STI 諸元 → こちら。 ・ランエボワゴン諸元 → こちら
◎4000rpm以上の領域での加速には、実用上不満はない。
◎リヤシートの人からは、排気音がうるさいとの声があった。
  (運転席の私は気にならなかったが。)

【積載性評価】
<良い点>
◎未使用時はトノカバーを床下に収納できる。
◎フロアボードが3分割になっており、積載状況に応じて開閉できる。
<要改善点>
◎コンビニフックなどの工夫がない(オプションでは、ユーティリティフックの設定がある)。
◎小物収納スペースが限られている(場所がウォッシャータンクなどに占められている)。
◎切り立ったテールゲートのデザインの割には、リヤウィンドウ付近の天井高さは
  それほど高く感じられなかった。

【その他】
<良い点>
◎この手のクルマにしては、オプションパーツが豊富。特に良いな、と思ったのは
  「重量調整式シフトノブ」。何と、内蔵するウェイトの量を任意に調整することで、
  ノブ重量を 92g~170g の範囲で可変できるのだ。操作性とシフトフィールの両立
  に役立つアイテムになるだろう。

【私見】
「セダンと同等の 走り」 に重点を置く人に向いている。つまり、普段は荷物を積んで走ることは無いが、イザとなったら、かさばる荷物も積むことができる ポテンシャル心の余裕 として持っておきたい客層にジャストフィットする。積載性を重視する(実際に普段から荷物を積んで走るような)客層には、走りの部分での不満は出ないだろうが、ワゴンとしての使い勝手には多少の不満が出るかもしれない。エボとして見ると不満は少なく、ワゴンとして見ると煮詰めの甘さが出る ということだ。ワゴンのヘビー(ベビーではない)ユーザーには向かないかも。

「荷物も積めるランエボ(ワゴンボディを身にまとったランエボ)」ととらえるか、「エボ的な走りもできるワゴン(セダン同様の走りが期待できるワゴン)」ととらえるかによって、評価は真っ二つに分かれると思う。前者ととらえた者は(動力性能に大きな不満が出ないだろうから)納得のいくクルマだと評価し、後者ととらえた者は(ワゴンの使い勝手に小さな不満が残るだろうから)購入を躊躇するかもしれない。その意味では、ランエボ・ワゴンは「エボありき」のワゴンであった(ワゴンとしての仕様を改善する余地はまだ残っている)。

【雑感】
ランエボ・ワゴンの開発を担当した三菱自動車・岩田プロジェクトマネージャーは、日経産業新聞の取材に対して次のように述べている(情報ソース:2005年9月8日付け同紙より)。

<ランエボ・ワゴン誕生までの背景>
  ・「ランエボでワゴン」の構想は、実は2001年に一度あった。
  ・しかし、当時は時期尚早との判断でお蔵入りしてしまった。
  ・ところがリコール問題で苦況に陥った2004年5月ころ、
   「限られた資源の中で造れる新車はないか」の議論が出た。
  ・そこでエボワゴンの再提案に対し、「絶対に赤字を出さない」
   という条件付きでゴーサインが出た。

<赤字を出さないためのクルマ造り>
  ・「ランサーからランサーワゴン」を開発した時に較べ、開発費を3割に抑制
  ・ランエボやランサーワゴンとの 部品共用化率を95%以上 とした。

<開発にあたって>
  ・「ランエボの走りの部分については妥協しなかった。」
  ・「ワゴン車ではなく、ランエボのワゴン型ということを強調したい。」

ここまで読んだ読者はハッと気がついたことだろう。再建途上にある三菱は、イチから丸々の新型車を起こすだけの企業体力が無かったのだ。リコール問題は、開発部門にもそれほど深刻な陰を落としていたのだ。とは言え、企業が 競争社会で生き残る ためには新型車の開発が必要だ。となると、「限られた資源の中で造れる新車はないか」という議論 になるのは 至極当然 の至りだ。そう、 短期間でコストをかけずに造れるもの・・・ランエボ・ワゴンの 正体 は、まさしくこれだったのだ!だが、経営陣のこうした判断は会社を存続させるためには正しいと私は思っている。私が「良くやった!三菱」と応援する所以(ゆえん)である。

三菱が「持てる力の全てを注ぎ」ながら、しかし、「時間やコストの制約に縛られて」苦悩の上に生み出されたクルマ。コストの制約さえ無かったら、三菱自身ももっと ワゴンとしての品質 を造り込みたかったに違いない。その点で「ランエボ・ワゴン」は 悲運なクルマ だ。私が冒頭の 【結論】 で述べた、「エボとしての走りの性能には納得できるが、ワゴンとしての機能には不満が残る」 とは、そういう意味なのだ。そしてその結論は、上記で紹介したプロジェクトマネージャーの発言:「ランエボの走りの部分については妥協しなかった。ワゴン車ではなく、ランエボのワゴン型ということを強調したい。」という言葉によって、密かに裏打ちされている。

このランエボ・ワゴンは、国内では12月末までの2500台限定販売とされている。その理由は、三菱自動車・益子社長によると「プレミアム感を出したいから」だそうだ。その割には、9月7日の記者会見で社長は「英国などの欧州やアジア諸国への輸出を検討している」とも述べた。国内で限定販売としておきながら、輸出で台数を稼ぐとは、いかがなものか。「台数が少なければプレミアム」とする考えは、私に言わせれば旧態依然の思考回路だ。ユーザーはそのような市場操作に安易に乗ってはいけない。

だが、誤解してもらっては困る。ランエボ・ワゴンそのものは良いクルマだ。ワゴンのヘビーユーザーではない限り、その機能に不満を抱くことは少ないだろう。そして多くの人々は、そのオールマイティな性能に舌を巻くことだろう。ランエボ・ワゴンは、多様性を内に秘めた、紛れもない「ランサー・エボリューション」の進化形であることに変わりはないのだ。

以上、ランエボ・ワゴンの総括でした。私の一連のブログが、何らかの形で皆さんの参考になれば幸いです。

          + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

【あとがき】
私は試乗記のいちばん最初に、
  > なにぶん 素人 の試乗記と雑感ですので、「そうした物の見方をする
  > 人もいるのだ、という軽い気持ちで読み流していただければ幸いです。
と述べたが、連続4回(今回の総括編を含めると5回)に渡る試乗記を読んで下さった方々の中には、「調布市のKAZって何者?」と疑問に思われた方々もいらっしゃるかもしれない。

だが、私は私であって私以外の何者でもない。人よりちょっとだけ苦労した人生を送っているかもしれないが、単なるクルマ好きの一青年である。クリスマスには愛車を前にして、こんな衣装こんなポーズ を決めながら記念撮影を断行するような者だ。あるいは ゲゲゲの鬼太郎ネタ を書くこともある。「調布市のKAZ」の中に、一体、何人の「調布市のKAZ」が潜んでいるのかは、実は誰にも不明である。

ということで、今後もヨロシクです>ALL。
2005年09月14日 イイね!

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その4・見積編)

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その4・見積編)三菱ランエボ・ワゴンの試乗記と雑感(その4・査定額&見積もり編)です。
  ◎(その1/接客編)は → こちら
  ◎(その2/走行性)は → こちら
  ◎(その3/積載性)は → こちら

セールスマン : 「所長と相談して決めました!おいくらになったと思います?」
私       : 「(見積書を見て)おお!これは!」

まず最初に、BGレガシィ(平成8年式、BG5B、グレードGT-B、走行8.2万km)の 査定額は15万円 であった。私自身、9年落ちのクルマなので査定額が付かない(ゼロ)か、あるいはせいぜい5~10万円の世界だろうな、と想像していたので、予想よりも良かったことになる。三菱ディーラーは「(処分に困りそうなクルマを)15万円で引き取っても良い」と判断したことになるので、これは大変 頑張ってくれた結果 だと思う。
でもまぁ、処分されるくらいなら個人売買を検討してしまうのだが・・・。
                BGレガシィは学生さんあたりに買い手が付きそうだ。

そう言えば、以前乗っていた レガシィセダン(平成1年式、BC5A、グレードRS)は、7年落ち・走行7万km時点での査定額は10万円が限界だった(←これは後に個人売買で28万円で売ったけどね)。今回のBGはそれよりも経過年数が2年分・走行距離も1.2万km増えているにもかかわらず、逆に査定額は5万円アップしているので、まさに「ワゴン人気・様々」だと言える。

ちなみに、これくらいの年式(9年落ち)になると「社外パーツを付けたままであってもノーマルパーツに戻した場合であっても、どちらも 査定額は変わらない」 とのこと。初年度登録から5年を過ぎてしまった時点で、パーツによる加点/減点はあまり関係なくなるそうだ。だから社外パーツは取り外して単品で売り、車輌はノーマル状態に戻してから売却した方が、トータルでは損失を抑えられるだろう。

次に、ランエボ・ワゴンGT(6MTモデル)の見積りの際、どんなオプションパーツを選択したのかについて書いておこう。アクセサリーカタログの中には、「おいおい!ランエボよ、お前もか!」と思わず叫んでしまいそうな流行パーツ(いわゆる 痛いパーツ逝ってヨシ的なパーツ) もあったが、世の中にはそういったパーツが好きな人々もいると思うので、ここではあえてそれには触れないでおく。

<見積もりの際に選んだオプションパーツ>
●寒冷地仕様            12,600円
◎ブレーキ冷却導風板       17,430円
◎マッドフラップ(カーボン調)   38,430円
◎リヤハイパフォーマンスバー  26,250円
◎E/Gルームアクセントプレート  14,700円
◎ノースモーカーBOX         1,260円
◎空気清浄機              8,610円
◎パーティションネット        15,225円
-----------------------------------
左上画像参照   小計(1) Σ(1)=134,505円

寒冷地仕様がオプション・・・というのは、スバルユーザーにとっては新鮮だ。なぜか?レガシィやインプレッサは、もともと全車が寒冷地仕様相当になっているからだ。三菱の場合、多分バッテリサイズやオルタネータの発電容量が標準モデルに較べて一格アップされることになるのだろう。ところで見積書を良く見てみると、何だか知らないが依頼していないオプションまで含まれている。単に気を利かせてくれたのか?あるいはオレが言い間違えたのか?それとも用品値引きの帳尻を合わせるために、適当なパーツを便宜上追加したのか?

<見積もりの際に選ばれていたオプションパーツ>
◎セット価格             48,300円
   ・フロアマット
   ・L型バイザー
   ・アルミホイールロックナット
   ・ナンバーロックボルト
◎ストラットタワーバー       41,790円
◎スカッフプレートカバー     13,020円
-----------------------------------
           小計(2) Σ(2)=103,110円

フロアマット類は、いわゆる「愛車セット」として一緒に販売する方針のようだ。今回は単なる見積もりのため、セットをそのまま含んだ形での金額となっている。が、もしも本当の購入予定者ならば、注文していない商品を「抱き合わせ販売」されそうになったら、ハッキリ指摘してキッパリ断わるべきである。ということで、上記(1)と(2)の合計Σ(ALL)=237,615円 をオプションパーツとして選んだ場合の「乗り出し価格」は、結局次のようになった。

<レガシィ下取りでの「乗り出し価格」>
車両本体価格        346,5万円
車両値引き額    ▲○○.○万円(ここには書けません)
オプションパーツ    約 23.8万円
オプション値引き額   ▲○.○万円(ここには書けません)
諸経費          約 34.0万円
レガシィ下取り      ▲15.0万円
-----------------------------
乗り出し価格 = 389.3万円-(車両値引き+オプション値引き)

結局、諸経費とオプションパーツを含めても、「もともとの車両本体価格+α」程度に収まることが分かった。値引き額はここでは示せないが、メーカーの公式発表 からわずか4日しか経っていない新型車とは思えない。正直なところ、「乗り出し価格」は400万円ほどになるのでは?と思っていたのだが、レガシィの査定額が効いていることもあり、大台に達するようなことはなかった。このへんにもディーラーの「やる気」が見て取れるような気がした。・・・もっとも、明らかに「冷やかし」と思われる来場者には、そのような金額は提示しないのだろうけどね。

商談テーブルでは、今回のランエボ・ワゴンの試乗を通じて私が感じたこと(良いと思う点、悪いと思う点)を、素直にセールスマンに伝えた。現場のセールスマンにとっては、「お客様が何を感じ、どう思っているのか」を 気にしている と思ったからだ。いや、誠意を持って接してくれたセールスマンに対し、少なくとも自分の気持ちを伝えるくらいのことはしておかないと失礼だ。これは単なる私見だが、セールスマンにとっては、無反応で何を考えているのかまったく分からない「のれんに腕押し」状態のお客様は、困るのではないか?たとえ購入を見送るお客様であったとしても。

特に私の場合、精一杯の接客、精一杯の査定、精一杯の値引き・・・を提示していただいたのだから、お客様の立場で感じたことをセールスマンにフィードバック しなければ、(大げさに言うと)いつまで経っても 三菱が変わる ことにはならないと思うのだ。まぁ、これはスバルディーラーに対しても同じだけどね。

その後、セールスマンとは以下のような雑談をした。商談の場でこんなことを聞くのはオレくらいかもしれないが、私が真剣に聞くものだから、セールスマンも真剣に答えてくれましたよ、えぇ。
   ・メーカーから販社にニューモデル情報が降りてくるのは、発表の何ヶ月前か?
   ・近い将来、新型車が出ることが分かっていながらそれを伏せて在庫車を
    売ると、告知義務違反になるか?
   ・アウトランダー(10月登場)やアイ(来春登場)に関する情報はあるか?
   ・商品知識は、自己学習で覚えるのか、あるいは集団教育の場があるのか?
   ・ランエボワゴンに関する 他のお客様の反応はどうか?
   ・レガシィが下取車として入った場合の処理ルートはどうなるのか?

雑談を終えたあと、見積書をカバンの中に入れ、丁寧にお礼を言って三菱のディーラーを後にした。対応していただいたセールスマンは、私のBGレガシィのバックミラーの中で、いつまでも頭を下げて私を見送っていたが、やがてその姿は小さく消えていった。

          + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

以上、これまで4回に分けて三菱ディーラーでのやりとりやランエボワゴンの動的評価・積載性評価、レガシィの査定・見積りについて述べてきました。次回は最終話として「ランエボワゴンを総括する」を述べる予定です。
2005年09月13日 イイね!

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その3・積載性)

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その3・積載性)三菱ランエボ・ワゴンの試乗記と雑感(その3)です。

(その1)ではディーラーに着いてからのやりとりを、(その2)では実際に走らせた際のインプレッションを述べました。今回(その3)はカーゴルームの積載性に関する感想を、そして次回以降はレガシィの査定とエボワゴンのオプションパーツ込みの見積もり、そしてエボワゴンに関する全般的な評価(総括)について述べる予定です。
   ◎(その1/ディーラーでのやりとり)は → こちら
   ◎(その2/走行性に関する私的評価)は → こちら

果たしてエボ・ワゴンの積載性はどうか?納得できるものがあったら、BGレガシィの買い換えはグッと現実性を帯びてくる。急いでリヤゲートを開けてみると・・・。

ううぅ、奥行きが狭い(第一印象)。

いや、気を取り直して 細部を観察 してみよう。フロアボードは中央と左右で3分割の開閉式となっており、小物だけでなく、トノカバーも未使用時には丸ごと収納できるようになっている点が好ましい。とは言っても、他銘柄ですでに当たり前の装備になりつつあるので、ことさら驚くほどのものではない。

さてそのトノカバーであるが、リヤシートバックがリクライニング式なので、リクライニング機構を生かすためにはシートバックと干渉しない位置までトノカバーの支点を後退させる必要がある。ところがトノカバーの支点は左右 差込式 のため、いったん取り外してから荷室左右の側面に設けられた固定用の穴(前後方向に3箇所ほどある)に 入れ直す という手順を踏まなければならない。ちなみに、BH型以降のレガシィではトノカバーの両支点は スライド式 で、そのまま容易に後退させることができる簡便さを備えている。

中央のフロアボードを開き、成型加工されたラゲッジフロアBOXを持ち上げると、スペアタイヤ類が鎮座している。洗車用具などの小物類はここにも収納できることを確認し、持ち上げていたラゲッジBOXを下ろそうとするが、どこかに引っかかって下ろせない。結局、最上段のフロアボードを(全開ではなく)半開きにしてからラゲッジBOXの先端を押し込むことで事なきを得た。何だか建て付けが悪いようだ。試乗車に限ったものなら良いが・・・。

次に荷室手前の左右側面(リヤフェンダーの後端)にあるトリムポケット(フタ)を開けてみた。レガシィならば、同じ場所にはカーゴルームファン(換気扇)や音響用サブウーハが設置されるスペース(非装着車は小物収納スペース)に相当する。フタを開けてみると、何とそこにはウィンドウウォッシャータンクが顔を覗かせていた。

「このウォッシャータンクは、リヤワイパー専用でしょうか?」と私が尋ねると「いえ、フロント用と兼用です。」とセールスマン。タンクが荷室に設置してあると、いかにもクリーンなイメージを与えるが、実際にはウォッシャー液補充の際には 積んでいる荷物を寄せなければならなかったり、あるいはユーザーが自分で補充する際にウォッシャー液を荷物に こぼしてしまう恐れ があると思う。どうせなら、ウォッシャータンクもボンネット内に設置して、油脂類の上下限レベル確認などと いっしょに点検できた方が好ましい のではないか。まさか前後重量配分適正化のための措置でもあるまいに(ホイールベース外のオーバーハング部分だし)。

ちなみに左右あるうちの反対側のトリムポケット(フタ)の奥にはオイル補給口が設置されており、要するにタイヤハウスの後端には小物収納スペースが無く、またトリム化されている分だけ本来のラゲッジスペースとしての有効荷室幅も狭くなっているということだ。ラゲッジフックも4箇所しか無いので実用性は不透明だ。セダンからの乗り換え組は気にならないかもしれないが、他社ワゴン(私の場合はレガシィ)からの乗り換え検討組にとっては、荷室の絶対的な容量だけでなく使い勝手の面でも 要改善点 が目に付いてしまう。

その割には、ラゲッジルームランプには 「減光機構付き」 が標準装備となっている。荷室ランプの減光機構って何だ?「ドアを閉めると徐々に光が消えていく」というヤツか?だとすると、それは一体 何の意味 があるというのか。第一、テールゲートを閉めてしまった後には荷物を照らし出す必要は無いし、もちろん荷室には人が乗ることも無い。もしも人が乗る客室のルームランプと連動させて「光の一体感、連続感」の演出を狙ったものだとすれば、荷室ランプはトノカバーより下に位置しており、カバーに隠れてしまうのでまったく意味無しだと思う。もっと 他のことにコストと気を遣うべき だろう。

最後に、荷室のフロアに軽く腰をかけてみた。荷室の上下高(天井高さ)を見るためである。2005年9月8日付けのブログ (ワンちゃんのためのクルマ選び?) に基づき、自分が犬になったつもりでランエボ・ワゴンの荷室に乗ったなら・・・(← これこれ、そこの読者、笑うでない)・・・広さ感が改善されるどころか、逆に狭さ感が募るのではないかと思った。まぁ、私は犬ではないので本当の犬の気持ちは不明だが。

ここまでを確認できたところで、試乗時間がタイムアップ。
次の試乗者へとバトンタッチする。

私は、ランサーがもともとインプレッサクラス(レガシィよりも一回り小さいボディサイズ)だということは 知っている。それを 承知の上で、ランエボ・ワゴンの積載性や使い勝手が今のBGレガシィに較べて 許容範囲内なのか否か? をこの目で確認することが、今回の試乗の大きな 焦点の一つ だった。が、この時点で私の判断は半ば下ったようなものになってしまった。私は店内の商談ルームに戻った。次は見積もり書の作成依頼である。

セールスマンが「GT(6MTモデル)の見積もりをさせていただくにあたり、希望のオプションをお選びください」というので、手元の アクセサリカタログをじっくり吟味 する。その中から「これは」と思うものをいくつかを選び、欲しいと思えるボディカラーの無い中から何とか色を選択したところで、セールスマンは店の奥に消えていった。しばらく空白の時間が流れたあと、セールスマンは満面の笑みを浮かべながら商談ルームに戻ってきた。どうやらレガシィの下取り査定額とエボワゴンの値引き額が決まったらしい。

セールスマン:「所長と相談して決めました!おいくらになったと思います?」
私:「(見積書を見て)おお!これは!」

予想以上にどうだったのか・・・については、長くなってしまったのでまた次回(その4・見積編)とさせていただきます。
2005年09月12日 イイね!

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その2・走行性)

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その2・走行性)BGレガシィの買い換え候補としての三菱ランエボ・ワゴンの試乗記と雑感(その2)です。くどいようですが、なにぶん 素人 の試乗記と雑感ですので、「そうした物の見方をする人もいるのだ」という軽い気持ちで読み流していただければ幸いです。
   ◎(その1・接客編)は → こちら

ほどなくして、試乗車が戻ってきた。いよいよ私の番が回ってきた。運転席に座ってポジションを調整し、左右ドアミラーやルームミラーの角度を調整。シートベルトをして準備が整ったところで、助手席のセールスマンに「運転上の 注意点 がありましたら 説明 をお願いします。」と声を掛けた。

セールスマンは一瞬 驚いた ようだった。どうやら、今までの試乗者たちは、シートに座ると すぐに走り出そうとする者たちばかり だったようだ。セールスマンは、シフトノブに触れながら「リバースの時にはこのリングを引き上げてください。」とだけ言い、逆にあとの説明は省いて試乗ルートの案内に入った。

「それでは発進します。」リヤシートの人々に聞こえるように、私は声を出した。そう、私はあらかじめ試乗前に 「フル乗車(大人5名相当)で試乗をしたい。」とセールスマンにお願いし、それを 承諾 してもらっていたのだ。世の中には「一人で運転したときには印象が良かったのに、仲間や家族、あるいは荷物を乗せ/載せて走ってみると印象が変わってしまうクルマ」が、ままある。私の使い方だと、ランエボ・ワゴンはカーゴルームに荷物を載せる機会が多いことになる。だから試乗の際にも、なるべく普段通りの状況を再現させたかったのだ。
(まぁ、さすがに荷室を荷物でいっぱいにすることは出来なかったけど。)

試乗ルートは1周約1~2km。案の定、ディーラーの周囲をグルッと回って来るだけのものだ。道幅も狭い。「たった 1回、しかも 短時間 の試乗でランエボ・ワゴンの 何が分かる?」 とお考えの方々もいらっしゃるでしょうけど、「多くを感じ取ることが できる か/何も感じ取ることが できない か」は、その人次第 だと思うのだ。自分なりの 基準 を何か持っていれば、短い試乗時間の間でも確認できることは ある。極端な話、ドアを開けてシートに座る瞬間から「試乗」は始まっているのだ。

駐車場から細い道に出て、まずはワザと早めのタイミングでシフトアップを繰り返す。フル乗車でもスルスルと加速する。先の信号が赤に変わるので順にシフトダウン。ここまでのところ、スバル車で言うところのニュートラルセットスプリング荷重(要するに中立位置)が甘いような気がするが、まぁこんなものか?シフト/セレクトの各ストロークは、もう少し短い方が節度感は向上するだろう。

発進後は「一定速 からのアクセル 踏み増し加速」 を試す。例えば4速40[km/h] キープなどといった状態から、ギヤをホールドしたまま、アクセルのみでの加速性を見る。それを速度とギヤ段を変えて試すのだ。要するに実用域でのエンジンの 粘り を見るというワケだ。

結果は2000rpm台でも即座に加速開始・・・ただし、この低回転領域での加速自体は大したことはない。スムーズではあるが、単に加速が始まったという感じ(>失礼)。ミッション形式が異なるので単純比較はできないが、この状況下では家にある涙目GDA-CインプレッサWRX(AT)の方がピックアップは速い感じがする。一部の人にしか分からないバイクでの例え話で恐縮だが、4気筒16バルブDOHCで45ps(後期は40ps)を発揮するホンダCBR250系エンジンよりも、馬力もトルクも劣るVT系(VTZやスパーダやVTRなど)2気筒エンジンの方が低回転速度域では速いことと似ているかもしれない。

ただし、3500~3600rpmを過ぎたあたりからランエボ・ワゴンは(本来の)加速性を示し始める。と、先の信号が赤に。そこで、次のゼロ発進加速では1~2速で引っ張ってみる。やはり低ギヤでも3500~3600rpmを境に加速(トルク)に段付きが感じられた。BGレガシィは、シングルターボ領域からツインターボ領域への段付きが酷評されたモデルであり、一方三菱の4G63系は低回転域からのフラットトルクに定評があったが、実際にエボワゴンに乗ってみると、そうした 先入観 (世間一般では 「予備知識」 と呼ばれることも多いが) を差し引いても、4000rpm以下では私が想像していたほどの低速トルク感は感じなかった。ちなみに、高回転域は残念ながら諸般の事情により試していない(注:それでは 一番おいしい 領域を試して いない コトになるじゃないか、というご指摘もあるが、街中で常に全開走行するワケではないので、今回は割り切った試乗で良いのである)。

試乗途中で雨が降り出す。ディーラーに戻る。駐車場での取り回し性(最小回転半径が5.9mと大きめ)は気にならなかった。ボンネットを開けてエンジンルームを観察。久しぶりの横置きエンジンだ。バッテリーサイズが小さい(B区分)ことに驚く。部品同士のスキマで広いところと狭いところの差が大きい気がするが、メンテナンス性は良さそう。次の試乗者たちが待っているだろうから、最後にカーゴスペースの確認へと進む。果たしてエボ・ワゴンの積載性はどうか?納得できるものがあったら、BGレガシィの買い換えはグッと現実性を帯びてくる。

急いでリヤゲートを開けてみると・・・。

以下、(その3・積載性)に続く。
※スミマセン、引っ張る意図はありませんが、今回も長くなってしまいましたので区切らせていただきました。m(_ _)m
2005年09月11日 イイね!

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その1・接客編)

ランエボ・ワゴン試乗記&雑感(その1・接客編)BGレガシィ の乗り換え候補?として、「ボルボは脱落、プジョーは萌え~、ランエボ・ワゴンはダークホース」であることは、2005年9月8日付けのブログ (ワンちゃんのためのクルマ選び?) でお伝えした通り。今回はその続編である。

本日(9/11(日))予定通り、三菱ディーラーでランエボ・ワゴンの試乗をしてきました。以下、試乗記と雑感です。・・・なにぶん 素人 の試乗記と雑感ですので、「そうした物の見方をする人もいるのだ」という軽い気持ちで読み流していただければ幸いです。

家の近所のディーラーに着いたのは、午後1時過ぎ。お客様駐車場にBGレガシィを乗り入れたが、駐車場はガラガラに空いている。実は前日通りがかった時にはエボワゴンの実車が見あたらず、また渋谷の営業所でも実車が置いていなかったので、もしかすると試乗車がまだ間に合っていない可能性もある。

レガシィのドアを開けて降りるとセールス氏が近づいてきた。「ランエボ・ワゴンの実車はあるでしょうか?」「えぇ、ございます。」「試乗はできるでしょうか?」「はい、できます。」ということで、まずは一安心。そこで早速、本日の来店の目的が以下の項目であることを伝えた。
   (1)アクセサリーカタログを含めたカタログが欲しいこと。
   (2)ランエボ・ワゴンの実車を見たいこと。
   (3)ランエボ・ワゴンを試乗したいこと。
   (4)BGレガシィの査定をして欲しいこと。
   (5)GT(6MTモデル)の見積もりが欲しいこと。

すると、改装されたばかりの店内のうち、パーティションで区切られた一番奥のスペース(商談ルーム)に案内された。ちなみに、店内にはパーティションで区切られていない商談テーブルの方が多い。他銘柄で乗り付け、開口一番ついでに「査定をお願いします。」では、VIP待遇されてしまっても仕方がないか・・・。(^^;)

渡された本カタログとオプションパーツカタログに目を通す。余談だが、私は本カタログがもらえなくてもアクセサリーカタログをもらえたら、それでも満足できるタイプの人間である>DIY&他車パーツ流用好きなので(主要スペックはすでにWEBサイトから印刷してあった、ということもあるが)。本カタログを見る限り、ランエボ・ワゴンの印象は悪くない。いやむしろ、よくぞここまでの仕様を量産ラインに載せたものだと感心する。

店内は来客がそれほど多くなかったのだが、エボワゴンの試乗待ちの人々が私の前にも何組かいるということで、先にBGレガシィの査定をしていただくことになった。クルマのキーを渡す際、あらかじめ私から以下の項目を説明する。
   (1)BGレガシィ購入時、ディーラーの協力の下で特種用途自動車登録したこと。
   (2)現状で車検に通らないパーツは何一つ無いこと。
   (3)ボンネットダンパー装着などに伴い、フェンダーボルトの脱着履歴があること。
     (→ 事故車の疑いをかけられる前に、あらかじめ該当ボルトの脱着履歴アリを宣言する。)
   (4)ノーマルパーツはすべて取り置きしてあること。
     (→ 社外パーツ付きの現状とノーマル戻しをした場合とで、査定額が変わる可能性があるため。)

査定をしていただいている間、ショウルーム内に置いてあったランサー・エボ(セダン)の運転席に乗ってドラポジを確認しておくことにする。運転席ドアを開ける。と、その瞬間、私は(危険を感じて)思わず上半身を大きく 仰け反って(のけぞって)しまった・・・

何と、ランサーのドアには、窓枠があった のだ! 長らくスバル車の サッシュレスドアに慣れ切っていた 私は、自分でドアを開けておきながら、不用意に自分の顔・・・特に目の辺り・・・に迫り来たそのドアサッシの角(エッジ)に顔をぶつけそうになって、思わず身を仰け反ってしまったというワケだ(← これこれ、そこの読者、笑うでない)。スバル車 以外 ではごく当たり前に存在するドアウィンドウの窓枠だが、スバル車に慣れ切った者にとっては、窓枠の、特にエッジ部分が、大げさではなく、乗降時に非常に圧迫感を与えていることを図らずも認識することとなった(左上の画像参照のこと)。
(※窓枠がブラックアウトされていることも、開ける直前までその存在を目立たなくしてしまっている。)

このことから、スバル車以外のユーザーは、ぜひとも試しにレガシィなどサッシュレス車のドアを開けて運転席に着座してみて欲しい。「窓枠が無い」ことは、他車と隣り合った狭いファミレスの駐車場などで、ドアの開口角度が十分得られない状態で乗り降りする場合だけではなく、ごく日常的な乗降時においても乗員に無意識の開放感を与える効果があったことを、認識できるかもしれないからだ。

話をショウルームのランエボに戻す。

シートに深く、尾てい骨をバックレストにこすりつけるようにしながら、背筋を伸ばして座ってみる。ABCペダル(アクセル、ブレーキ、クラッチ)との間合いを調整し、バックレスト角度も通称「おむすび(=三角形のリクライニング・レバーのこと)」で微調整すると、1速ゲートに入れたあとのシフトノブ位置が思った以上に遠いことが分かった。私(長身ではない・・・脚が短いとはあえて言わないでおく)のように、比較的シートを前に出して運転する者がそのような印象を持ったのだから、より万人向けにはシフトレバーがもう少しだけドライバー寄りにあった方がベターなのではないか。

シフトストローク(ニュートラルから各ギヤ段にシフトしたときのノブ移動量)はやや大きく感じたが、これは単に慣れの問題だろう(注:私のレガシィのストロークが相場よりも極端に短いだけのことだ)。なお、シフトの縦横比(シフトストローク/セレクトストローク)は気にならなかった。このへんは単に 静的な印象 であるから あまりアテにならず、あとで実際に試乗して 動的な印象を確認する必要 はあるだろう。

ほどなくして、試乗車が戻ってきた。いよいよ私の番が回ってきた。

以下、(その2・走行性)に続く。

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「今日は器械体操の練習後のスキマ時間で、(以前から仕込んでいた)モンキーRのマフラーのサビ取り確認と、耐熱黒スプレー塗装を行いました。CBRもモンキーRも、出来ることを少しずつ、でも確実にメンテを続けています。」
何シテル?   06/08 18:06
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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