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調布市のKAZのブログ一覧

2018年06月25日 イイね!

[CBR250Four] 前編・「走行時にエンジン水温がHOTに」の点検→通常整備へ

[CBR250Four] 前編・「走行時にエンジン水温がHOTに」の点検→通常整備へ昭和61年に新車で購入して以来、現役で使用し続けて32年目に突入した愛車・ホンダCBR250Four(MC14型)。

先日、通常走行時に 「エンジン水温計の針がHOTレンジに突入しそうな勢いで上昇する現象」 が発生しました。何か特別な異常でも起こったのか? と心配しましたが、最終的には通常のメンテナンス範囲で収まりそうです。今回のブログは、その備忘録です。


■春から夏へ
東京に雪が降ったのも、もう数ヶ月前。季節も春から夏へと移りつつあります。東京地方では、先月、日中の最高気温が(まだ5月だというのに)28℃ほどまで上昇する日が続いたことがありました。

外気温度(≒エンジンの吸入空気温度)が上がっても、CBRはキャブの調子が狂うこともなく、快調に走っていました。ところが、街中の短距離走行では問題ないのに、郊外を20~30kmほど走るとエンジン水温が思いのほか上昇する傾向が散見されるようになりました。

より正確に表現すると、一般走行中は水温計の針は適正範囲内にあるが、信号待ちなどラジエターに走行風が当たらない状況下では、無負荷(アイドリング状態)であるにも関わらず、みるみるうちにHOTレンジ近くまで上昇するのです。


■放熱量は多め
私のCBR250は現代のCBR250とは異なり、4気筒エンジンで放熱量が大きめです(レッドゾーンも高い)。標準仕様はハーフカウルですが、マーレーのフルカウルキットを装着してからは、実感としてラジエターの熱気がカウル内にこもり気味となり、エンジン水温が(若干ですが)上昇した点でバランスされるようになった記憶があります。

<↓マーレーのフルカウルキット(社外品)を装着したことで、ラジエターの熱気抜けが悪化気味>


つまり、CBR250Four(MC14型)のラジエターは必要十分なコンパクトサイズであり、決して放熱量(熱交換の容量)に余裕があるものではない、という印象を持っています。そんなCBRの水温計の針がHOTゾーンに突入する勢いで上昇するのですから、本当に注意が必要です。

■最悪はガスケットの噴き抜けの恐れも
エンジン水温の過度な上昇により、真っ先に懸念されることはオーバーヒートによるヘッドガスケットの噴き抜けです。いわゆる 「空焚き」 状態ともなれば、冷却水通路に潤滑油が混ざり込んだり、あるいは排ガスが冷却水通路に侵入したり、あるいはシリンダヘッドの熱変形によりクラックが生じたりなど、エンジンにとって致命的な症状になりかねません。

空焚きはマズイので、ラジエターの水量を点検したいところですが、あいにくMC14型CBR250Fはガソリンタンクを取り外ししないとラジエターキャップにアクセスできません。つまり点検(とトラブルシューティング)のためには、ある程度のまとまった時間が必要になります。

平日だけでなく土日もあまり時間を取れなかったため、次の2段階に分けて確認することにしました。
 (1)工具を使用しない外観チェックのみ
    ・ラジエターがホコリなどで詰まっていないか?
    ・高水温時にラジファンが回っているか?
 (2)工具が無いとできない項目の点検
    ・ラジエターキャップを外して水量を確認
    ・リザーバータンクの水位の確認
    ・その他


■ラジエターコアの清掃
インプレッサが世界ラリー選手権(WRC)に参戦していた頃、ラジエターに泥が詰まったことが原因でオーバーヒート→リタイヤしたステージがあったように思っています。次元は異なりますが、原因追及(トラブルシューティング)ができないうちは、我がCBRにもラジエターの詰まりによる冷却性能の低下・・・というストーリーも、まったく考えられないワケではありません。

<↓改めてラジエターを見てみると、フィンが泥で詰まっている部分があることを確認>


そんなときは、「つまようじ」 の出番です。
フィンのひとつひとつ、地道に泥をつついて、はじき出していきます。
その後にホースで水圧をかけて(or パーツクリーナーのノズル噴射で)洗い流します。


<↓こんな感じで、フィンを変形させずに泥だけ(ほじって吹き出して)かき落としていく>


素直な印象としては、意外に泥が詰まっていたな・・・という感じ。
ただし、冷却効率面では間違いなく良化する措置ですが、これだけで 「水温計の針がHOTになる」 症状の対策になり得るかどうかは不明です。


<↓(参考画像)左:つまようじによるピックアップ前  右:つまようじで泥をピックアップ中の風景>
 

次に高水温時にラジファンが回っているか? については、実際に水温計の温度が高い表示のときにサイドカウルから のぞき込めばよいのですが、エンジンにそのようなストレスはあまりかけたくありません。もしも・・・高水温状態になったのにラジファンが作動していなかったときは、(工具を使わない点検なので)昭和のオヤジ作戦(※)をかまそうか?

# 昭和のオヤジ作戦・・・ブラウン管TVの写りが悪いとき、
# TV本体をたたくことで写りが回復することがあった、という荒技。
# ここではラジファンのモータをたたくなどの強制振動を与えてみる手段。

あるいは冷間時にモーターのハーネス端子に直接 DC12[V] を印加して作動を確認すれば良いのですが、それにも工具が必要なので、結局 次の機会に確認、ということに。

<↓ラジファンのハーネスコネクタの接続状態確認も、工具がなければできない作業であろう>
 

その後、実際に長距離走行を要する機会がやってきたのですが、結局、ラジエターフィンの泥の清掃(フィンの目詰まり改善)だけでは、エンジン水温計の針がHOTゾーンに入ってしまうことの対策にはならないことが分かりました。やはりトラブルシューティングの本道の、冷却水回路を確認しなければならないようです。


後編に続く
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2018-06-26(Tue.) : 更新
[CBR250Four] 後編・「走行時にエンジン水温がHOTに」の点検→通常整備へ をアップロードしました。
2018年03月09日 イイね!

[CBR250Four] フロントブレーキスイッチの給油(ブレーキランプ不点灯対応メモ)

[CBR250Four] フロントブレーキスイッチの給油(ブレーキランプ不点灯対応メモ)新車購入時からワンオーナーで乗り続けているバイク、ホンダCBR250Four のメンテナンスメモです。昭和61年(1986年)式ですので、今年で32年目の現役選手です。

今回は「フロントブレーキ作動時にストップランプが点かない」という症状への対応ですので、メンテと言ってもごくごく軽い内容ですが、調べた内容をメモ的な備忘録として記すものです。

■リヤブレーキは点灯、フロントブレーキで不点灯
クルマにしか乗らない方々には分かりにくいかもしれませんが、通常のバイクは自転車と同様、前輪のブレーキと後輪のブレーキが独立しており、それぞれ単独で制動させることが可能です。現代的なバイクの中には、前後ブレーキが連動して作動するタイプや、ABSが標準装備されているバイクもありますが、私の昭和61年式 CBR250Four は前後独立作動タイプです(ABS無し、フロント:ドリルドタイプのダブルディスク、リヤ:ドラムブレーキ)。

先日の日常点検時、リヤブレーキ操作時にはブレーキランプが点灯するものの、フロントブレーキ操作時には点灯したりしなかったりする現象があることを認知しました。


<↓リヤブレーキ(右足)を操作すると・・・>


<↓ブレーキランプが点灯するが・・・>


<↓フロントブレーキを操作してもブレーキランプが点かないことがある>


■ブレーキレバー周辺の確認
フロントのブレーキレバーの根元を確認すると、凸状の樹脂ピンが経年により摩耗しているようでした。正常時はブレーキレバーの操作(握る)に応じて凸状のピンが飛び出すことで、ブレーキランプがONになるのですが、摩耗してピンの径が薄肉になってしまった分、垂直に動かずに若干揺動する(斜めに飛び出てしまう)ため、動きが悪くなって通電せずに不点灯となるようでした。

<↓樹脂ピンを調べると、摺動抵抗が大きく、動きが悪いことを確認>


<↓取り急ぎ、電気スイッチである樹脂ピンに給油して、滑りを良くすることに>


<↓まずは樹脂ピンと、それが接する部分を脱脂洗浄する(画像はイメージ)>


■給油しても動きがイマイチ
余計な部分に潤滑スプレー(今回は取り急ぎ、KURE CRC5-56 を使用)が飛散しないよう、ウエスでくるんでから、当該部に給油します。ブレーキランプが不点灯となる頻度が減り、状況はかなり改善されたものの、ブレーキ操作をしてもまだ点灯しない場合が時々発生します。

実走行時は、前後のブレーキを同時に作動させるため、後続車に対して 「ブレーキをかけて車両を減速させているのに、ブレーキランプが点かない」 という危険な事態は回避できます。しかし、これはあるべき姿ではないため、次なる対応策を考えることにします。


■旧車の部品確保はヤフオク!確認から
新品のメーカ在庫はすでに無いでしょうから、この際、ヤフオク!で中古のブレーキマスターシリンダー一式の手配を検討しようかな・・・と考えます。そこでまず、出品の有無とおおよその価格(相場)を調べます。以下はその例です。

<↓手っ取り早く調べたところ、安いもので2500円程度からの出品あり>


<↓こちらは4900円での出品例>


<↓こちらは6600円の価格設定>


・・・何だ、いくら中古とは言え、案外(値段が)高いじゃねーか。「せっかくの機会なので」 ということで、ブレーキマスターシリンダにまで手配範囲を広げてしまうと、(私にとっては)思いのほか高額になってしまうことが分かりました。

手持ちのパーツリスト(当時物)で、部品構成と価格を調べてみます。実は今回の対応としては、本当に必要な最低限の部品は 「電気スイッチ」 だけなのです。


<↓調べ事をするとき、純正パーツリストは強力な武器(資料)となります>


■必要な部品はスイッチのみ
パーツリスト(第7版)によると、あくまで平成元年当時ではありますが、型式:MC14、適用:CBR250FGYA向け、のフロントブレーキスイッチについては、次の事実が情報として得られます。

 ・名称 : フロントストップスイッチAssy
 ・部番 : 35340-MA5-671
 ・価格 : 670円(H1年当時)
 ・備考 : CBR250RH(MC17)、RJ、RK、RK-2(MC19)向けと同一部番

<↓ブレーキスイッチAssyのみの場合、純正で670円(H1年当時)であることを確認>
 

ということで、今度はスイッチAssy(単品)のみで、ヤフオク!で出品有無と価格を調べることにします。

<↓数は極端に少ないものの、純正新品の出品例もありました(ただし価格は2倍強)>


30年の時を経て、価格が2倍以上に上昇していますが驚くほどではありません(このような事例はザラにあるため)。まぁ、デッドストックが存在していることをむしろ喜ぶべきでしょう。しかし、さらによくよく調べてみると、どうやらこの手の部品にはサードメーカ製の汎用(互換)品もあるようで・・・。

<↓汎用スイッチの出品例(税込み302円)>


<↓別の互換SWの出品例(税込み216円)>


純正から一気に価格が1/7(ななぶんのいち)ほどに下がりました。

そうだよな-。
言ってみればただのスプリング内蔵のON-OFFスイッチだもんなー。
大抵のバイクも、同じような構造を取るもんなー。
消耗品として、純正互換部品があっても不思議ではないなー。

・・・ということが確認できただけでも、大きな収穫でした。
(これならメール便や定形外郵便など、送料も安くて済むかと。)


■しかし落札せず・・・その理由は
でも実際には、スイッチAssyを落札せずに今に至ります。なぜか? その理由は、「冬→春」 に向かっているため、外気温度が上昇しているから。

つまり 「気温が上がったことにより → 給油した潤滑スプレーの効果が十分に現れて → 当該部の摺動抵抗が減って → 凸状の樹脂ピンの滑りが良くなったため → ブレーキレバーの操作に対して確実にブレーキランプが点灯するようになった」 からです。


<↓その後、レバー操作に対して安定してブレーキランプが点灯することを確認し、今に至る>
 
(※一人でフロントのレバーを握りながらリヤの点灯状態をカメラに写しているので、ピンボケはご愛敬。)

樹脂のガイド(穴)の奥深くにも、十分に潤滑成分が浸透したのでしょう。次に気をつけないとならないタイミングは、気温が下がってブレーキスイッチの凸ピンの摺動抵抗が増すであろう、今年の秋から来年の冬にかけて・・・となることでしょう(あるいは摩耗によるピンの傾き発生時)。

それまでに、ゆっくりと 「どういった恒久対策がベストか?」 を考えることにします。もちろん、日々の日常点検は続けますけどね。自分が乗る自分のためのバイクですし、貴重な 「250ccで4気筒16バルブの45psモデル」 ですので、今も(恐らく今後も)ホンダでも後継機種が出ないでしょうから。


以上、私的なメモ(メンテにまつわる備忘録)でした。

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2020-03-28(Sat.) : 更新
[CBR250Four] フロントブレーキスイッチの交換(純正品→ヤフオク品) をアップロードしました。
2017年11月05日 イイね!

[TMS] 2017東京モーターショー雑感(その1・バイク編)

[TMS] 2017東京モーターショー雑感(その1・バイク編)去る11月3日、家族と一緒に東京モーターショーを見に行きました。限られた時間の中での見学でしたが、思ったこと・感じたことなどを、数回に分けてブログアップしたいと思います。

まず初回(その1)はバイク編からです。


「その2」 以降は、クルマ編、部品用品編、会場で目についたもの編、を記すつもりです。

■会場入りまでの状況(立て看板に注意)
クルマ(エクシーガtS)で自宅を8時20分ころ出発し、10時開場の約30分前に無事ビッグサイトに到着。会場周辺に近づいた際、交差点の至るところで 「駐車場 満車」 の看板が立っていたため、当初は係員の誘導に従って臨時駐車場へと向かいました。

・・・が、臨時駐車場に向かうと、そこは隣接したビル内のフツーの有料駐車場。聞くと、一日駐車で料金上限無しの時間貸し駐車場とのこと。ふと考えてみると、ビッグサイト周辺の交差点に立っていた 「駐車場 満車」 の看板はペイント文字の固定看板で、駐車場の状態を時々刻々とリアルタイムで表示している電光掲示板ではありません。

恐らく、最初から終わりまで、朝から晩まで、いつまでも 「満車」 と表示しているだけの看板ではなかろうか・・・開場30分前に来て、すでに満車はないだろう、と判断。ビッグサイトの東側駐車場に向かう列の最後尾に並ぶと、ほどなくして無事に駐車場に入場できました。しかも会場の東出入口の間際に駐めることができました。


# 意味のない 「駐車場 満車」 の立て看板はやめてほしい。

■ホンダブースにて
前売り券を持っていましたが、周辺の人々もみんな前売り券を持っている人々ばかりだった(むしろ当日券を買い求める人々の列の方が少なかった)ため、10時15分頃にようやく東出入口から入場できました。

会場入りすると、最初のブースはホンダでした。


<↓バイク単体だけでなく、それを操るライダーを模したモデルも併設することで、臨場感が出ますね>


ふと見ると、「Let's touch(触ってみよう)」 と題された展示物があります。そこには競技用のカウルやマフラーが置いてあり、自由に手で持って 「レーシングパーツの軽さ」 を実感することができるようになっていました。私も(恐らくチタン製の)マフラーを持ってみましたが、とにかく軽い!超軽量! 数百[g] 程度・・・恐らく800~900[g] にも満たないのでは?と思われるような軽さでした。

<↓(左)驚異的な軽さのレーシングマフラー(片手で楽々) (右)>MotoGP(マルケス選手)のFダンパー>
 

MotoGP(マルク・マルケス選手)では、ホンダは最終戦(バレンシアGP)を待たずして2017年のコンストラクター・チャンピオンに決定しましたが、そのマシンのレプリカを見ると、フロントダンパーは別体タンク構造を持ったオーリンズ製でした。果たしてダンパーオイルの粘度は、レース(季節、外気温)ごとに変えているのでしょうか?

■CBR250RR
ホンダブースで次に見たのは、CBR250RRのカスタマイズモデルです。CBR250RRのご先祖様に相当する、CBR250Fourユーザーである私にとって、RRは気になるモデルではあります。でも4気筒の250Fourに対し、現代のRRは2気筒。末裔とは言っても、系譜は異なると認識した方が良いかもしれません。

<↓いかにも現代的な構造(特に異形断面マフラーやRブレーキディスク)が分かるショット>


<↓個人的に機能美を感じるのは、このあたり>


しかしながら、ただでさえ高価なCBR250RR(参考:標準車で75.6万円から。ABS装着車だと約80.7万円から)。それをカスタマイズすると、かなり高価になってしまいます。「どこで手を打つ(カスタマイズに見切りを付ける)か」 が、ユーザーの関心事となるような気がします。

# いや~、250ccで80万円超(ABSモデル、カスタマイズ無し)って・・・。
# 昔のナナハンよりも高価だ。

■モンキー125
次はモンキー125。実は、私はモンキーRも所有しています。中古のモンキーRを買って、エンジン全バラシ。武川80ccボアアップキットと上野のバイク街で買ったツインクラッチキットを組み合わせてカスタマイズした仕様にしています(現在は保管中)。

ですので、モンキー125(のほか、グロム125)にも興味はあります。


<↓歴代のエッセンスを保ちながら現代的なアレンジが施されており、いつ市販されても不思議ではない>


ふとエンジンを見ると、「あれ?コレは何だろう?」 という部品に目が留まります。エンジンの左右両側に、排気系のセンサーとおぼしきパーツが追加されていることが分かります。

<↓まずは右サイド。黒い板金製のガードで囲まれている奥の部品は何だ?・・・ということで覗き込む>
 

<↓左サイドにも目をやると、やはりセンサーが装着されている(こちらはシリンダー筒内に付いている)>
 

形状から判断すると、A/Fセンサ(LAFセンサ)やO2センサのように思えます。が、触媒の前後に付いておらず、右側のセンサはシリンダヘッドの燃焼室側に、左側のセンサはシリンダ筒内に付いているように見えます。排気温度センサにしては太いので、恐らくは 排ガスマネジメント(燃焼制御や浄化性能)に関わるセンサ ではないか、と思います。

このあたりからも、従来のモンキーの50ccカテゴリーでは(コスト的に)成立させることが難しい環境性能を、125ccクラスにシフトさせることでトータル性能での解決(バランス)を図ったように思えます。


■PCX HYBRID
二輪のハイブリッド、という意欲作。恐らく、ホンダ社内でも 「メリット(売り)は何か?」 を議論した上での開発展示になったのだろう、と思われます。ホンダ用語で置き換えると、「PCX HYBRID の A00は何か?」 になるかと思います。

<↓(個人的には)色々な意味でチャレンジングに思える PCX HYBRID>


ここで 「A00(エー・ゼロ・ゼロ)」 とは、ホンダ社内で用いられる用語で 「本質的な目的」 を意味します。元々は、アメリカ軍隊の指令書の中で 「任務の目的」 を表す言葉だったとのこと。

話をPCXに戻すと、eSPエンジンを積んだPCXは燃費が良い。それをハイブリッドにすると、重量がかさむ。そもそもバイクをハイブリッド化するメリットは何なのか。ユーザーメリットは果たして何になるのか。市場で理解されるのか・・・そんな 「A00」 のワイガヤ(社内議論)を経て、TMS2017 での展示になったのだと(個人的には)想像しています。


# ちなみに家族は現PCXユーザーですので、今後の動向を見守りたいと思います。

■スズキ・GSX-R125 & GSX250R
ホンダブースの次に立ち寄ったブースは、スズキです。個人的には、125ccクラスが面白いと思っています。

<↓ブランニューのGSX-R125>


スズキの場合もバイクの車名には命名法があるのですが、最近はGSXのあとにハイフン(-)が付いたり付かなかったり、排気量を表す数字の前にRが付いたり、Rのあとに排気量を表す数字が来たり、RじゃなくてSが付いたりなど、なんだか混沌としている気がします。

<↓フロントディスクは大径シングルプレート。コントロール性と制動力の両方に優れると思われる>


フロントディスクはかなり大径ですね。個人的な経験上、小径のダブルディスクよりも大径のシングルディスクの方が、はるかに扱い易いですね。具体的には、前者はCBR250F、後者はVTR250などです。

ところで上記画像で、フロントディスクの内側にさらに小さな円盤があるので、「これはABSの回転センサ用のプレートですか?」 と 技術説明員に尋ねた ところ、「はい、その通りです。」 との回答でした。さらに 「最近では、このクラスでもABSを標準装備させないと、ワールドマーケットでは商売にならないのです。」 と教えていただきました。バイクでもスポーツABSが(小排気量車にも)積極採用される時代なのですね。


<↓GSX250Rにまたがってみた子供。子供も免許を取れば、母娘2代でライダーになるのですが・・・>
 

次はGSX250R。GSX-250R(ハイフン入り)でもなく、GSX-R250(いわゆるジスペケの250)でもなく、「GSX250R」。よく分かりませんが、新環境対応のオールラウンダーという扱いなのでしょうか。

ちなみに妻はかつて「GSX-R250」に乗っていました。もちろん4気筒のね。確か、3000rpm未満はタコメータの目盛りが無かったですね。アイドリング調整が面倒になると思うのですが、当時はそれすら 「レーシー」 ということで売りになる時代でした。クオーターマルチと2スト250は、もう出ないでしょうねぇ・・・。


■ヤマハ、八千代工業、MSソリューションズ
ヤマハは、時としてエポックメーキングな製品をリリースするメーカーという印象があります(例:RZ250、FZ250フェーザー、トリシティなど)。楽器メーカーのYAMAHAと発動機のヤマハがコラボして共同研究を発表したことも、記憶に新しいです。

<↓LMW(Leaning Multi Wheel)で独自の境地を切り開いたヤマハの、現時点での集大成モデルの一つ>


上記モデルは、実際の市販化を視野に入れた場合はまだまだ色々なゲートウェイが残っていると思いますが、技術的にはすでに耐久信頼性を確保できているのではないか、と思っています。今後に期待です。

さて、会場を歩き回っていると、二輪メーカ以外でも二輪車の展示がありました。その中で、目についたものを紹介します。


<↓ホンダS660で知られる八千代工業は、バイク関係の展示もしていた(ただし市販予定なし、とのこと)>


<↓こちらはMSソリューションズの「notte」。ガソリンエンジンを搭載せず電動モーターを搭載するバイク>


電動バイクの notte。その名の通り、「乗って!」 なのですが、開発費同様に宣伝費もかけて、知名度を向上させないと苦しいでしょう。世間に知らしめないと選択肢にも上らない。でも宣伝費を掛け過ぎて、量産が受注に間に合わなくなっても、また課題。この手のものは、インフラだけでなく販売網の確保も。商業ベースに乗せるためには、(素人が考えただけでも)色々と難しそうなことが分かります。ガンバレ!>関係者殿。

■カワサキ
最後はカワサキのバイクです。カワサキのバイクは、特撮番組(例:人造人間キカイダー)や漫画(例:あいつとララバイ)などにも多く登場してきました。人生の中で、(マツダのロータリーエンジン搭載車とともに)一度は乗ってみたいバイクメーカーです。

<↓全面刷新した新型 Ninja250 (39ps/12,500rpm)で CBR250RR(38ps) に追い込みをかけるカワサキ>


<↓個々の要素はコンベンショナルに見えるけど、車両全体としては新しくかつカッコ良く見えるカワサキ>
 

カワサキブースでは、モーターショーのカタログをいただこうとしたのですが、「申し訳ございません。紙で印刷したカタログはございません。QRコード(2次元バーコード)をお渡ししますので、そちらにアクセスしてダウンロードしてください。」 とのことでした。

札幌の義兄がカワサキユーザー(@1200cc)ですが、おいそれと上京できないことから、私が記念にモーターショーのカタログを送付して喜んでもらおうと思っていたのですが、その意図はもろくも崩れ去りました。残念ですが、これも時代の流れですね。



以上、TMS2017 の中で、個人的に目が向いたモデル(バイク編)に個人的な雑感を添えて紹介させていただきました。雑感ですので、他意はございません。思った通りに述べさせていただきましたので、悪しからず。

「その2」 に続く。
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2017-11-11(Sat.) : 更新
[TMS] 2017東京モーターショー雑感(その2・スバル編) をアップロードしました。
2017年02月03日 イイね!

[CBR250Four] エンジン始動せず!を解消する_最終話・バッテリーも交換で完治

[CBR250Four] エンジン始動せず!を解消する_最終話・バッテリーも交換で完治昭和61年式・ホンダCBR250Four(現役31年目のワンオーナーバイク)について、「エンジンが始動しない」 というトラブルをDIYで克服するまでの備忘録です。
今回はその4(最終話)・「FTAに沿ってバッテリも交換、完治の巻」 です。


◎「その1」は こちら → コネクタ清掃とプラグ点検
◎「その2」は こちら → プラグ清掃と電気系交換(故障モードFTA)
◎「その3」は こちら → 根拠を持ってプラグ交換

■落とし穴の巻
これまでのブログでは、「エンジン始動せず」 という事象をトップに据えたFTAを作成し、故障原因についてのトラブルシューティングを行う様子を紹介しました。要因を潰し込んでいく過程で、最終的に 「点火プラグの劣化」 と 「バッテリ起電力の低下」 の2つが、原因として挙げられることを述べました。

結果として 「点火プラグ」 を4気筒とも新品に交換することで、エンジンは息を吹き返したものの、まだ 「バッテリ」 が未交換であるため様子見を行うこととしていました。当初考えていた、その様子見(余寿命までの確認)の条件を再掲すると、次のようになります。


◎外気温度が 0[℃] 未満(=マイナス温度)でエンジンを初始動する場合は、
  ブースターケーブルでエクシーガのバッテリと接続(ジャンピング)させる。
◎走行中は、エンジン回転速度を 6000[rpm] 以下となるように保つ。

自ら決めた、これらの 「しばり事」 は、確かに 「エンジン始動の失敗リスクを避ける」 という点では成功でした。ところが、これは同時に原因究明する点では 「落とし穴」 にもなっていたことが、後から分かったのです。つまり、こういうことです。

(1)外気温度がマイナスのときは、エクシーガのバッテリで始動時の救援をする。
  → 環境条件が悪くなるほど、CBRのバッテリの弱さを
    エクシーガのバッテリの強さがカバーすることになる。
    逆に言うと、「CBRのバッテリの真の弱さ(実力値)」 が
    発現しにくく(認識されにくく)なってしまう。

具体的なシーンに当てはめて考察してみると、もしもエクシーガの救援バッテリーが存在しなかったら、「外気温度が低くなるとエンジンが始動しにくくなる」 現象が現れることにより、「CBRのバッテリが弱い状態であること」 を知ることができたハズ。

ところが実際には、「外気温度が低くなってもCBRのエンジンが始動する」 ため、果たして 「CBRのバッテリが弱って いない からエンジンが始動できた」 のか、あるいは 「本来はCBRのバッテリが弱って いる のに、エクシーガのバッテリが強いからエンジンが始動できた」 のか、切り分けをできなくしてしまっていた のです。同様に、


(2)走行中は、エンジン回転速度を 6000[rpm] 以下となるように保つ。
  → 高回転域ほど点火プラグを着火させるための要求電圧が高まる
    と考えると、実際にエンジンが高回転域までムラなくキレイに
    吹け上がるかどうかを試すことで、CBRのバッテリが弱まって
    いるかどうかを知ることができたハズ。

ところが実際には、そのような運転条件そのものを避けていたので、バッテリの状態判別が付かなくなってしまっていた のです。リスクを回避するという実用上は正しい措置は、原因を追及するためのトラブルシューティング上では遠回りをする選択肢でもあったのです。

これが、故障原因という真実に近づく際の 「落とし穴」 ・・・の意味なのです。


■困窮の巻
上記2つの措置(この場合は方針でもあります)により、CBR250Fourは、バッテリの実力を露呈することなくエンジン始動できていました。ところが ある日の夜のこと、出先での所用を済ませて帰宅しようとメインキーをひねったところ、ウンともスンとも言いません。IG-ON状態で、ウィンカーもヘッドライトも点きません。

「しまったー!」
「これでは帰宅できない。押し掛けだ!」

夜の22時頃、ダッシュで勢いを付けて押し掛けを試みたものの、さっぱりエンジンがかかりません。ポータブル電源をつないでみても、始動できず。1月末の寒空の中、約30分間、汗だくになりながら押し掛けを試みる男ひとり。だがついに、エンジンが弱々しく、本当に 「息も絶え絶え」 という感じで始動しました。


■2気筒しか点火せず、の巻
押し掛けにより、息も絶え絶えにエンジン始動したものの、タコメータの針は6千rpm~1万2千rpmあたりをハンチングしています(※実際の回転速度は、体感上、おおよそ600rpmくらいの感じ)。その状態でスモールランプは点きますが、ヘッドライトをONにすると瞬時にストールします。そしてまた、押し掛け。

弱々しくエンジンがかかったとき、エキマニに手を触れてみます。CBR250Fourの排気系は、4into1タイプ。各気筒ごとに独立したロングパイプが、エンジン後方で初めて1つに集合する方式です。そのため、シリンダヘッド直後のエキゾーストパイプに触れてみて、表面温度が熱かったら燃焼しているので点火プラグへの着火あり。冷えたままだったら失火している、と判断できます。


<↓4into1方式のCBR250Fourのエキマニ(エキゾーストパイプ)>


※エキマニのサビ取りをして耐熱塗料を塗って、美観向上させたいが・・・。

結果、#1と#4のみ着火。#2と#3の気筒は失火していることが分かりました。しかし、この状態で帰宅するしかありません。交通量の少ない裏通りを選んで、慎重に走らせます。車速は、おおよそ10~20[km/h] くらい。これ以上は、スピードが出ませんでした。

■検証の巻
それでも、何とか無事に自宅まで帰着。家に着くなり、CBRのエンジンを切らずにそのまま不整点火状態をキープさせます。ぜひとも、試したいことがある からです。

<↓息も絶え絶えに、ようやく自宅までたどり着いた瞬間>


推測が正しければ、「この電圧不足の状態を保ったまま、ブースターケーブルでCBRのバッテリにエクシーガのバッテリを接続させれば、印加電圧の上昇により #2と#3の気筒にも火が入るとともに不整爆発も収まるはず。」

<↓結果は、もくろみ通り。エクシーガのバッテリをつないだ瞬間、復調した


これにより、エンジン不調の原因は 「CBRの車載バッテリについて、電圧の実効値不足が原因」 であることが明らかとなりました。バッテリ充電器で充電すると、見かけ上、充電率100%まで表示されますが、「起電力(=イザというときの瞬発力)」 に関してはNG だった、ということです。

<↓「おれは・・・・・・反省すると強いぜ・・・」>


私見ですが、バッテリには 「瞬発力」 と 「持続力」 の両方が必要だと思っています。前者はエンジンの冷態始動など大容量が必要なシーンでの性能、後者はその運転を安定的に継続させるための性能、ととらえています。今回のバッテリは、充電により後者の要求性能は補えたものの、前者の要求性能までは回復できなかった(寿命を迎えていた)のだと考えます。

トータルで判断すると、このバッテリは もはや寿命で間違いない、と判断しました。また、今回の 「エンジンがかからない」 という事象に対する原因は、「点火プラグの劣化」 と 「バッテリーの寿命」 の組み合わせによるもので、いわば単独犯ではなく複数犯であった、と最終判断しました。


■バッテリ(YTX9-BS)落札の巻
速攻で、ヤフオク!でバッテリ(型式:○TX-9BS。○部分には、メーカやブランドによってYやXやAなどのアルファベットが入ります)を落札しました。「落札価格+送料」 のトータル金額に加えて、出品者の評価内容も吟味してから入札します。

◎参考データ
<CBR250Four用バッテリ>
・型番    : YTX9-BS(台湾ユアサ)
・落札金額 : 2,970円(税込み)
・送料   :  700円(税込み)
・合計金額 : 3,670円(税込み)
(運送会社:佐川急便)

<↓いろいろ調べた結果、今回も台湾ユアサ製の正規YTX9-BSを落札(寿命を迎えたバッテリと同じ)>
 

<↓箱に印刷された注意書きの類>
 

<↓「充電済みのため落札後すぐに使えます」 とありましたが、私は低電圧でフル充電させてから供する>
 

■バッテリ交換&新旧比較の巻
初期充電(高電圧×急速ではなく、低電圧×ゆっくり、で充電)が済んだら、いよいよバッテリ交換作業に入ります。

<↓点火プラグ(IUH27)に次いでバッテリ(YTX9-BS)も新品交換。バッテリボックスの底面も清掃します>
 

<↓車載端子(バッテリターミナルとの接続部)も適時、清掃しておきます(左:清掃前、右:清掃後)>
 

<↓取り外した劣化バッテリと、落札した新品バッテリを並べてみる、の図(左:新品、右:劣化品)>


<↓新旧バッテリの外観比較。基本デザインは同じ(バッテリ背面のステッカーが異なる程度)>
 

<↓新旧ターミナルボルトの外観比較。可能であれば導通製グリスを塗りたい?ところ(必須ではない)>
 

<↓新品バッテリをバッテリボックスの中に挿入します>
 

<↓新品バッテリの筐体に使用開始年月日を記載したテープを貼り、寿命算定時の判断の一助とする>


■完全復調の巻
バッテリを新品化したあとは、細部の状態を確認してエンジンを始動してみます。IG-ONしてセルのスターターボタンを押した瞬間・・・。押した瞬間、本当に押した瞬間から初爆が来てエンジンが力強く始動 しました!いや本当に、タイムラグなく始動する さまと言ったら・・・(驚)。

<↓新品バッテリでのエンジン始動性の素早さを例えると・・・>


 ズ キ ュ ウ ウ ゥ ン !
 ↑ ↑ ↑
 セ 初 も
 ル 爆 う
 押    完
 し    爆

 |←→|
この間、約0.4秒
(※体感値)

こうして始動性が激烈に改善されたことを確認できたあとは、試走に出ます。試走と言っても、町内を流す程度ですが、「これが 元々のCBRの加速品質 なのだ」 と思い起こすのに十分なものでした。

<↓思わず、のけぞってブラボーと言いたくなるような復調具合。あるいはスゲーッ爽やかな気分だぜ>
 

<↓完全復調した昭和61年式・MC14型CBR250Four。不調の原因は、点火プラグとバッテリの複合要因>


■まとめ
CBR250Fourに発生した 「エンジンが始動しなくなった」 という事象に対して、

<得られた成果>
(1)吸気系、燃料系、電気系、点火系などという具合に、自分なりに
  機能上からFTA(原因究明のための故障解析ツリー)を作成した。

(2)作成したFTAをベースに、原因の潰し込みを行って範囲を狭めていき、
  最後は優先順位を決めてトラブルシューティングを実施した。

(3)原因が単独ではなく、「点火プラグの経年劣化」 と 「バッテリの起電力
  低下」 という、組み合わせによる複合要因 であることをつかんだ。

<反省点>
(4)実用上のリスク回避措置は、時として純粋な故障診断を遅らせることがある。

(5)バッテリの寿命(限界)判断には注意が必要であることを、改めて認識した。
  ↓対応案
  (5-1)エンジンスタートから完爆までの時間が、いつもより長引いてきたら要注意。
  (5-2)外気温度の低下時(バッテリ起電力も低下する&フリクションも増大
     する環境下)に、エンジン始動時間が長くなったと感じたら要注意。
  (5-3)アイドリング状態でウィンカーを作動させたとき、ウィンカーの点滅周期に
     合わせて電圧計の針が振れたり、ライトの明かりがゆらぐときは要注意。
  (5-4)ヘッドライト、ウィンカー(orハザード)、ブレーキランプなど電気負荷を
     最大に保った状態でセルスタートさせてみる。そのときの始動性はどうか。
     あるいは、電気負荷が軽いときと比較して始動時間が明らかに長引く
     (負荷に対する変動率が大きい)ようであれば、耐力低下ありで要注意。

一連のブログをお読みいただき、ありがとうございます。新車購入から31年目を迎えた愛機・ホンダCBR250Fourを、まだまだ大切に使い倒していこうと思います。

物事を知れば知るほど、逆に自分の知識の無さを実感してしまいますが(日々是勉強)、私の体験事実や、体験に基づく考え方などが、皆さんにとって何らかの形で役に立てば幸いです。今後とも、よろしくお願いいたします。
2017年01月31日 イイね!

[CBR250Four] エンジン始動せず!を解消する_その3・根拠を持ってプラグ交換

[CBR250Four] エンジン始動せず!を解消する_その3・根拠を持ってプラグ交換愛機・ホンダCBR250Four(昭和61年式MC14型、新車購入から31年目の現役ワンオーナーバイク)について、「エンジンが(急に)始動しなくなった」 というトラブルをDIYで克服するまでの備忘録です。
今回はその3・「根拠を持って、いよいよプラグ交換の巻」 です。


◎「その1」は こちら → コネクタ清掃とプラグ点検
◎「その2」は こちら → プラグ清掃と電気系交換(故障モードFTA)

■絞り込みの巻
これまでのFTA(故障モードの解析ツリー)に沿った検証により、エンジンが始動しない原因として、まず 「点火プラグの経年変化」 が真っ先に、次いで 「バッテリーの劣化」 が考えられることになりました。本来、FTAを順番通りに検証しようとするならば、次は(電気系の可能性として)点火コイルを交換して症状が解消するか否かを確認するところですが、次の事実により割愛します。

<確認した事実>
・カブった点火プラグの清掃により、一度は始動した(改善効果あり)。
・レギュレータを交換しても、エンジン始動性の状況に変化なし。
・CDIを交換しても、エンジン始動性の状況に変化なし。

そこで、DENSOのイリジウムプラグを手配する(優先度を上げる)ことにします。型番は IUH27。現状は IUH24 を入れていますが、現時点の純正互換表で IUH27となっていること、および IUH24は品薄である(流通量が少ない)ことから、IUH27 を4本、ヤフオクで調達します。

<DENSO イリジウムプラグ>
・型番   : IUH27
・定価   : 1本あたり2,160円(税込み)
・入手価格: 「落札価格1,000円×4本」+「定形外送料250円」=合計4,250円

こうして 「低価格」 かつ 「年内の発送が可能」 という出品者を選んで、点火プラグを落札したのでした。暮れも押し迫った2016年12月25日(日)のことでした。

■在庫足りず、の巻
ヤフオク!は、時間があってお金のないDIYプライベーターにとって、ありがたい手段です。ところが今回、落札後に出品業者様から 「在庫が3本しか無く、残る1本は年明けに発送となる」 旨のお詫びの連絡がありました。

これにより、年内にバイクを修理する案は崩れてしまい、CBRの復調は必然的に年明けに持ち越すこととなってしまいました。結論として、「年内に先行して在庫の3本口を、年明けに残り1本を分納してもらうこと」、「発送は2回に分かれるが送料は当初の1回分で良いこと」、を相互確認して、手配を進めていただきました。


<↓年末・年始に2度に分けての分納となってしまいましたが、何とか無事にIUH27を4本、低価格で入手>
 

■新・旧の点火プラグの巻
それでは早速、到着した点火プラグを開梱して中身を確認してみます。

<↓CBRの場合、ターミナル(後端ナット)を取外して使用します。パッケージには締付トルクの記載あり>
 

<↓先端(中心電極、外側電極)の拡大画像>


<↓さらに拡大した画像>


パッケージには、標準的な締め付けトルクの数値が記載 されており、この点は親切だな・・・と思いました。同時に、イリジウムの融点が2500℃程度(白金が2000℃程度、ニッケルが1500℃程度、金・銀がそれぞれ1000℃前後)などという、あまり役に立たない(?)プチ情報も載っておりましたが。

■いよいよプラグ交換、の巻
FTAに沿ったトラブルシューティングにより、根拠を持って点火プラグを新品に交換します。250ccバイクの4気筒エンジンのプラグ交換は、ショップに依頼すると難易度の高い工賃に区分されてしまうようですが、クルマ・・・例えばBGレガシィのフロントパイプ(通称)やターボチャージャ遮熱板の脱着作業などと較べたら、とても楽な方だと思えてしまいます。

<↓CBR250Four(4気筒)のプラグ交換作業風景。水温センサのハーネス端子でケガをしないように注意>
 

<↓工具のスペースは狭いものの、工夫すればトルクレンチもちゃんと揺動ストロークを稼ぐことが可能>
 

<↓こちらは取り外した点火プラグ IUH24 の外観(コロナ汚れ)。約14年間・4万kmの永きに渡って活躍>


■始動テスト(=効果検証)の巻
適切な締付トルク(新品ガスケットをつぶし切る)で点火プラグを装着したあとは、待望のエンジン始動テスト(FTAに沿った対策効果の検証作業)に移ります。ここでは、バイクの車載バッテリの負担を減らすため、あらかじめブースターケーブルでエクシーガのバッテリと接続(エクシーガのエンジンは始動させてオルタネータを作動)させておきます。

<↓CBRのバッテリとエクシーガのバッテリをブースターケーブルでつなぎ、エクシーガのエンジンを始動>


<↓ひとときの静寂を経て・・・>


<↓セルを回してクランキングさせると、ついにCBRのエンジンが無事に始動!アイドル状態も継続する>
 

これでホッと一安心
・・・ただし、まだ完全には安心できません(言葉が矛盾しているようですが)。

なぜか?
理由は、FTA(故障解析ツリー)上では、「エンジン始動せず」 の可能性として 「バッテリ電圧の低下」 がまだ原因として残っている からです。


■暫定処置の巻
「点火系については、新品プラグへの交換で処置済み」 であるが 「電気系として、バッテリ電圧は様子見が必要」 であるとの認識です。

ただし、CBRのバッテリは全自動充電器につないで充電開始すると、充電容量(進行度)は約80%から始まって100%(FULL)で停止します。開始時点の進行度が30~40%からのスタートであったり、あるいは充電しても100%(FULL)に満たない場合は、ほぼ寿命でしょうけど、そのような状況までには至っていません。

そこで、点火プラグ交換後の 「しばり事(>個人的に設ける使用上の制約条件)」 として、次の項目を自己設定して、バッテリの状況(余寿命)を様子見 することにしました。


<バッテリの状態を様子見するための、個人的な決め事>
◎外気温度が 0[℃] 未満(=マイナス温度)でエンジンを初始動する場合は、
  ブースターケーブルでエクシーガのバッテリと接続(ジャンピング)させる。
◎走行中は、エンジン回転速度を 6000[rpm] 以下となるように保つ。

その理由は、
◎外気温度が低くなるとバッテリの能力も低下するので、
  起電力不足によるエンジン始動の失敗リスクを避けるため。
◎エンジンが高回転速度になるほど、点火プラグに対する
  要求電圧(電流)が高くなると推定されるため。
 (※CBR250Fourでは、6千回転もあれば十分に交通の流れに乗ることは可能。)

<↓外気温度がマイナスとなるような寒い日の朝のエンジン始動は、他車からの救援下で行うこととした>
 

さらに出先での 「イザというとき」 に備え、バイクで外出するときには、手持ちの 「ZELLA V12マルチチャージャー」 を携帯することとしました。この 「ZELLA V12マルチチャージャー」 は、以前、みんカラのモニタープレゼントに応募して当選したときのものです。

<↓万が一、車載バッテリが弱まって始動困難になったとき用に「ZELLA V12マルチチャージャー」を常備>


<ZELLA V12マルチチャージャー>
◎応募当選モニターレポート(当時)は、
  こちら → 後編・ブースター機能&使い勝手確認の巻(2015年12月09日付けブログ)


・・・こうしてバッテリの様子見をすべく、方針を決めた だけでなく、バックアップ策 としてポータブル電源も備えたわけですが、「落とし穴」 はあるものです。バッテリの余寿命が意外に早く尽きてしまい、すぐに出先で苦労する事態が待ち受けているとは、このときはまだ、夢にも思っていなかった のです・・・。


「その4(最終話)」 に続く。
 ↓
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2017-02-03(Fri.) : 更新
[CBR250Four] エンジン始動せず!を解消する_最終話・バッテリーも交換で完治 をアップロードしました。

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「[整備] #CBR250FOURフォア [CBR250Four] リフレッシュ済みテールカウルの装着 (2)タンデムグラブバーの ... https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/28623/8345255/note.aspx
何シテル?   08/26 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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