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2006年03月11日 イイね!

ヤマハ・パフォーマンスダンパーの開発(S204に採用)

ヤマハ・パフォーマンスダンパーの開発(S204に採用)スバル・インプレッサS204にも採用された、
ヤマハ発動機のパフォーマンス・ダンパーに関する開発談話。

クルマがきちんと走り、曲がり、止まるためにはボディ剛性が重要だと言われる。極論すれば、クルマの各部はすべてバネ系だ (剛体ではない、の意味)。そこでいかに効果的にボディ剛性を高めるかが問題になってくる。

新型車開発の際、自動車メーカー自らがボディ剛性を高めるための設計手法を採ることもあるし、あるいはアフターパーツメーカーが後付用の補剛品を発売することもある。そうかと思えば、強度・剛性のことが何も分からないような 「社外品のポン付け大好きヲタ」 を商売ターゲットにしたような怪しいオカルトグッズまである。

補剛グッズはどこにでも付ければ良いというものではなく、理論的にそこに付けなければ効果が無い、という最適な設置箇所があるはずだ。・・・いや、補剛製品(=機能部品) ではなく単なる補剛グッズ だとしたら、どこに付けても同じか。オカルトグッズは単にオーナーの気持ちを高めるためのものだろうし。・・・と、久々の 毒吐き をしてみる。

さて今回紹介するのは、そんなオカルトグッズではない。最近何かと注目を集めているもので、その名もズバリ 「パフォーマンス・ダンパー」 だ。以下、2006年3月6日付けの日刊自動車新聞の記事から拾ってみる。なかなか興味深いことが書いてある。

<ヤマハ発動機、パフォーマンス・ダンパーで新機械振興賞会長賞を受賞>
◎ヤマハはエンジン以外にも車体部品の開発に取り組んでおり、例えば REAS(リアス)
  いう四輪車用の 相互連結ショックアブソーバー を開発し、アウディに納入した実績がある。
   ↓
◎しかし REAS(リアス) だけではまだ技術的なカベがあると感じ、更なる開発を別方面から続行。
  テストコースを時速200km超で走ると、微妙な車体の揺らぎが気になってくるが、1mm以下でも制振
  できれば十分効果があると判断。その振動を減衰できれば、操安性・振騒に利くと仮説を立てた。
   ↓
◎左右からのタワーバーをエンジンルーム中央で重ね合わせてゴムを挟んでみたところ、効果あり。
  しかしゴムでは温度変化や大入力に対応できず、オイルダンパーに変更。さらに改良テストを続行。
   ↓
◎そのうち、ストラットタワーよりもフロア下部にセットする方が効果があると判明。初採用は、2001年
  のトヨタ・モデリスタ・インターナショナルのクラウンVX。その後は国内と欧州・北米向けのカローラ
  にも採用。富士重工業のインプレッサS204にも採用され、月間 1千本を生産するようになった。
   ↓
◎さらに国内メーカーへの採用も決まっており、将来はもっと生産台数を引き上げたい。付いている
  部品を取り替えるのではなく、新たに付けるので効果も分かりやすく、アフターパーツ市場にも向く。

個人的な感想だが、記事を読んで圧巻だったのは、「時速200km超で走ると、微妙な車体の揺らぎが気になってくるが、1mm以下でも制振できれば十分効果があると判断」 という部分だ。時速200km超 とか 揺らぎ という部分に驚いたのではなく、1mm以下の制振でも効果がある・・・と 具体的な数値目標 を掲げることができた点に感心したのである。

車体の揺らぎとか安定感・安心感などといった官能評価の領域にもまたがる項目は、数値による定量化や評価基準の算定が難しいはずだ。記事の中で示された数字は、例えば 「コンマ数mm」 などというものではなく 「1mm以下でも」 というように、少々ラフな表現になっていたが、その数値目標が達成された場合は操安性・振騒に利くと仮説を立てたことも素晴らしい。

何を(課題)-どうすれば(達成手段)-どうなる(目標)」 というストーリー、シナリオをその時点からちゃんと描いていたことになる。

私自身は、ヤマハのパフォーマンス・ダンパーを装着した車両にまだ乗ったことが無いのだが、もしも試乗する機会があったなら、そのへんのことを念頭に置きながら試乗してみたいと思う。果たして街中の走行でも感じ取れるかな。ちなみに、この記事の中で開発者は 「(効果は)エンジンをかけなくても分かる。ドアの閉まる音も変わるし、エンジンをかける前に ハンドルをちょっと触った感触で付いているか付いていないか分かる。(原文のまま)」 と述べている。

一見すると、にわかには信じがたい言葉だが、一歩引いて考え直すと、「極めれば、そこまで感じ取れることができる」 ということだ。普段我々がクルマに乗るときは、ただ何となくクルマを走らせてしまいがちになるが、無意識の領域を減らし、上記開発者が述べた 「感覚の鋭さ・感性の豊かさ」 といった領域にも近づきたいものである。いやぁ、クルマを運転するってことは、奥深いなぁ。

# ところで、ヤマハのヤマハ・パフォーマンスダンパーと較べた場合、トヨタ・カルディナに採用されて
# いた 「パフォーマンス・ロッド」(タワーバーの真ん中にスプリングが入っている)ってのは、どうよ?


※2006-03-30 追記↓

◎(その2 : 2006年3月27日付けブログ) は こちら
[ヤマハ] パフォーマンスダンパーに標準規格を設定

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「CBR250Fourが高スロットル開度にて#4が失火気味。要求電圧が高くなるときに3気筒になってしまう模様。低中回転速度でth開度が低いときは失火は発生しない。原因の切り分けのため、#1と#4の点火プラグを入れ替えて様子見します。」
何シテル?   06/13 18:56
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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