グッドイヤーのフラッグシップタイヤ 「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 のモニターレポート(通算8回目)です。製品の受け取りから、実際に使用してみてのインプレッションまで、複数回に分けてレポートさせていただいております。
今回のブログは、4/29(金)~5/8(日)の指定期間内に報告する使用レポートの2回目:「ロングドライブ編」 です。
<ご参考 : モニター応募ブログ>
◎こちら →
グッドイヤーの最新タイヤは実際どうなのか?
<既報のレポート>
(1) 「受け取り報告」 の巻 →
第1回 報告
(2) 「タイヤで遊ぼう」 の巻 →
第2回 報告
(3) 「トレッドパターンのナゾ」 の巻 →
第3回 報告
(4) 「エクシーガへの装着報告」 の巻 →
第4回 報告
(5)
使用レポート1回目(4月1日~4月10日 の間) →
こちら
(6) 「高速道路で初ドライブ」 の巻 →
いちご狩り
(7) 「トレッド面の観察」 の巻 →
東京→札幌 帰省準備
(8)
使用レポート2回目(4月29日~5月8日 の間) ← 今回のブログ(通算8回目)
■まず結論から
レガシィで 「東京~札幌」 間の往復 2368kmを自走した際のロングドライブを通じて、「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 で新たに感じた点やトータルでのインプレッションは、次の通りです。
<特筆すべき点>
(1)走行速度が高くなっても、タイヤのパターンノイズ悪化があまり感じられず、
総じて静粛性が保たれる点は美点だと感じました。
下記 (2)(3)(4) と合わせて 「疲れにくい」 タイヤである、と評価します。
<特長>
(2)エクシーガでのレポートで既報ですが、評価車両をレガシィに代えても、
「転がりの良さ」 と 「直進性の良さ」 が両立していることを体感しました。
(3)今回、一般国道で雨天によるヘビーウェット状態を走行しましたが、
路面のうねりやワダチによる影響を受けにくく、排水性の高さを感じました。
(4)ステアリングの切り始めの初期反応が過敏でないため、直進性の良さと
相まって疲れにくい。それでいて、コーナリングの最中で舵角に見合った
横力の立ち上がりを見せるので、狙ったラインをトレースしやすいと感じます。
<その他(※私見を含みます)>
(5)グリップとして、比較的 「踏ん張る」 タイヤのため、素人の私には滑り出しの
タイミングというか限界(=どこまで行けるのか)が分かりにくい印象でした。
特にウェット路面の下りコーナーで、そのように感じました。
(6)他メーカーのタイヤと較べると、いわゆる 「皮むき(初期慣らし)」 に
要する距離が長めのような気がします。
(7)これは組み合わせるホイールとの関係になりますが、当方(純正STI ホイール)
の場合、走行距離で3000km超に達するまで、4輪とも空気圧が徐々に抜ける
スローパンクチャーの症状がありました。「定期的な補充 or 高めの補充」、が
必要でした。現在は症状が治まっていますが、当面は様子見を続けます。
■ロングドライブの準備
使用レポートの1回目 では、メインレポート車種として 「エクシーガ(3列シート・7人乗り、AWDターボAT)」 での街乗りインプレッションをレポートさせていただきました。今回は、グッドイヤーさんの 「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 を、サブレポート車種の 「レガシィ(AWDターボ・6速MT)」 にホイールごと履き替えして、ロングドライブを通じて見えてきたことを 時系列で お伝えしようと思います。
<ロングドライブの中身 : 「東京~札幌」 の自走帰省>
・往路…東京→(外環道、東北道)→青森~(フェリー)~函館→(下道)→札幌
・復路…札幌→(下道)→函館~(フェリー)~青森→秋田→(秋田道、東北道、外環道)→東京
・総走行距離=約2368km(東京~札幌の往復)
エクシーガからレガシィに 「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 を履き替えしたあとは、ガソリンの満タン補給とタイヤ空気圧の確認をします(他の事前車両整備はここでは割愛します)。第一印象で 「転がりの良さ」 を体感したので、長距離走行時の燃費向上にも期待がかかります。
<↓BP型レガシィのターボ車はハイオク指定。満タン給油して、車載トリップメータをゼロにリセットします>
次いでタイヤの空気圧を確認します。
エクシーガに初装着した際には、まずは素性把握のため、暫定空気圧としてフロント:230[kPa]、リヤ:240[kPa] としていました(その後、エクストラロードであることと合わせて、空気圧を再調整した際にどのような体感変化が得られるのか否か、を試す意図もあったため)。今回、レガシィでは前後とも230[kPa] に仮合わせしようとしたところ、前後ともかなりエアが抜けていたことが判明。
<↓単純にエクシーガからレガシィに履き替えしただけですが、4輪ともエアの補充が必要な状態でした>
注意していたつもりでしたが、エアゲージで定量的な測圧はしていなかったため、新品タイヤを手持ちのホイールに組み替えした直後の数週間は、空気圧の点検が重要であることを再認識した次第です。
■往路(東京→札幌)での印象
往路は、外環自動車から東北道を通って青森まで一気に北上するルートです。約700km超のほとんどが高速道路での移動になります。
<↓走行時間帯は、東京を昼過ぎに出発して夜中に青森に着くという計画。大きな渋滞はありませんでした>
タイヤの直進性の良さは、微少なステアリング修正操作(の繰り返し)が不要になることから、特に長距離を一気に走行するようなシーンでの疲労軽減につながる可能性があると思います。また、初期ゲイン(ステアリングを中立状態から少し切ったときの、旋回の立ち上がり)が急なタイヤですと、街乗りや高速道路では過敏さ(味付け?や演出?)がアダとなって疲れがちになる恐れがありますが、「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 ではそのような過敏さは感じませんでした。
また、エクシーガで関越自動車道を、今回レガシィで東北自動車道を走って認識したのですが、車速が上がっても 「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 ではパターンノイズの急激な悪化が認められず、これは隠れた美点であると思いました。ただし、すべての路面で静粛性が高いワケではなく、荒れた路面やコンクリート路面では 「並」 の静粛性である点が惜しまれます。
<↓津軽海峡フェリーに乗船。早朝に函館に着く便に乗りました>
<↓函館フェリーターミナルに到着。この日の外気温度は、日中で8℃~10℃ほど>
<↓国道5号線を函館から札幌を目指して北上。直線区間が長めだが、路面のうねりは多め>
国道5号線は、ダンプトラックなどの輸送車も通ることや、積雪による損傷の補修があるため、ストレート区間は長いものの、微妙なうねりや補修段差は多めです。そのような路面をクリアして北進します。
<↓通り慣れている中山峠。今年は積雪の影響で、走行路面はクリアだが両脇に残雪がありました>
上りの中山峠。R(曲率半径)が大きく、タイトなコーナーはそれほどありませんが、比較的重量のあるレガシィ(ワゴンボディ+AWD+ルーフBOX装着)でも、安定したグリップ感で登って行くことができました。路面はドライでした。
■スローパンクチャー
東京から青森まではほぼ高速のみ、函館から中山峠(ニセコ近辺)までは直線区間の多い一般国道(5号線)を走行してきたため、遠心力は別とすると、ここまではタイヤには大きな負担がかからない移動区間だったと思います。
そこで、中山峠を越えたあと、コンビニに立ち寄ってタイヤの外観をチェックすることにしました。あくまで目視点検です。すると、意外な事実に気がつきます。出発前(=この時点から1日前)にエアを補充していたのですが、見た目でも、エア抜けの懸念が生じていたのです。
<↓中山峠をニセコから札幌方面に抜けたあと、コンビニの駐車場に停車してタイヤ外観チェックをしてみると>
<↓あくまで目視レベルではありますが、リヤタイヤが若干のエア抜け状態に感じられました>
<↓比較用にフロントタイヤも同様なアングルで撮影(軸荷重に差はあるが、初期セット圧は同じ)>
走行には大きな支障はないと判断し(札幌市内まであと数十km)、目的地に到着したあと(タイヤが)冷間状態でGSに立ち寄り、セルフで空気圧を補充させていただきました。補充する際に現在圧を確認すると、約200[kPa] まで低下していました。たった1日で30[kPa] も減るものなのか?
この時になって改めて思い起こしてみると、タイヤをホイールごとエクシーガからレガシィに移植した際(=ロングドライブ前の準備時)にも、エアがけっこう抜けていたことを思い出しました。スローパンクチャーなのか? とりあえずの様子見として、今回は4輪とも少々高めの 260[kPa] でエアを補充調整することにしました。
<↓片道1000km超のロングドライブ出発前に調整した空気圧が、翌日には若干低下していたのは事実>
■復路(札幌→函館→青森→秋田→東京)での印象
復路は往路の逆順ですが、青森に渡ったあとは、秋田経由(秋田自動車道)で東京入りする点が往路と異なります。まずは国道5号線を通って札幌から函館に向かうのですが、天候は雨天でした。
<↓復路も中山峠を経由して札幌から函館に向かいます(峠の途中から雨天に)>
<↓途中から天候が崩れて雨天に。路面は一部、ヘビーウェット状態(水たまりもあり)>
雨天の市街地での走行はエクシーガで体験済みですが、今回レガシィでは、路面のうねりや補修の多い幹線道路(R5号)をウェット状態で走り続けるという機会を得ました。結果、何事もなく排水性の高さを実感することになりました。ただ、安定している分だけ逆に、峠のウェットの下り(コーナリング)で車線変更を要した際に、「このグリップ感はどこまで保たれるのだろうか?」 と若干不安に感じられました(※私見です)。
一気に 「スパーン」 と来てしまうのか。あるいは 「ズルズル」 と行くのか。恐らく後者なのでしょうけど、その領域が広くてあいまいなような気がします。・・・サーキットでコンマ数秒を競うとかではない限り、実用上は そのような心配は取り越し苦労に終わる 可能性もあるのですが、「最終的に(グリップが)破綻するときの挙動」 は 事前に察知できておいた方が不安は解消される と思うのです。
が、今回の(私のような素人ユーザーの)ロングツーリングでは、まるでそのような兆候が感じられず、これを 「さすがグッドイヤーさんのプレミアムタイヤだ、限界は(通常では手の届かない)高いところにある」 と捉えるか、あるいは 「滑り出しの限界の兆候が(グリップ領域が広い分、逆に)分かりにくく感じられてしまい、緊急回避時にどのような挙動になるのか察知しにくい恐れ」 と捉えるかは、ドライバー次第となるかもしれません。
<↓秋田自動車道でもタイヤの外観チェックをしましたが、目に見えて分かるような変化はありませんでした>
■ロングツーリング、その後
今回の 「東京~札幌」 自走往復の旅、を終えたあとの燃費は、11.3km/Lでした(@3人乗車)。
<↓総走行距離2368kmで、平均燃費は約11.3km/Lでした>
過去データとして、「東京~札幌」 往復で同様な走行ルートを取ったときの比較燃費は
・2015年(8月)
東北道往復 平均10.8km/L(総走行距離2361km)、5人乗り、ハンコック・Ventus V12evo
・2013年(8月)
東北道往復 平均10.3km/L(総走行距離2279km)、4人乗り、ダンロップ・ルマンLM703
という記録が手元にあります。ただし、これらは外気温度が高い夏場の8月で、乗車人数も1~2名多いため、直接の比較はできません。もしも同じ条件で走ることができる場合、ポテンシャルとしては 「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 は転がりが良い分だけ、燃費も期待できると言って良いでしょう。
なお、東京に戻ってからも様子見を続けていた空気圧は、今のところ抜ける兆候は見られず、なじみがついたのか症状が解消されたのかもしれません。
<↓手持ちのエアゲージで定量計測していますが、現在までにスローパンクチャーは解消された模様>
以上、複数回に渡ってグッドイヤーさんのモニタータイヤ 「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 をレポートさせていただきました。私なりに 「EAGLE F1 ASYMMETRIC 2」 の特徴をまとめると、次のようになります。
「ハイグリップでありながら転がりと直進性に優れ、
高速域になっても静粛性が保たれる疲れにくいタイヤ。
(ただし、空気圧管理はしっかりしてネ。)」
購入検討者だけでなく、今までグッドイヤーさんのタイヤに興味が無かった方々や、メーカー様にも一連のレポート(合計で8回の関連ブログアップ)が 何らかの参考になれば幸いです。
Posted at 2016/05/08 23:59:39 | |
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