愛機・ホンダCBR250Four(昭和61年式MC14型、新車購入から31年目の現役ワンオーナーバイク)について、「エンジンが(急に)始動しなくなった」 というトラブルをDIYで克服するまでの備忘録です。
今回はその3・「根拠を持って、いよいよプラグ交換の巻」 です。
◎「その1」は こちら →
コネクタ清掃とプラグ点検。
◎「その2」は こちら →
プラグ清掃と電気系交換(故障モードFTA)。
■絞り込みの巻
これまでのFTA(故障モードの解析ツリー)に沿った検証により、エンジンが始動しない原因として、まず 「点火プラグの経年変化」 が真っ先に、次いで 「バッテリーの劣化」 が考えられることになりました。本来、FTAを順番通りに検証しようとするならば、次は(電気系の可能性として)点火コイルを交換して症状が解消するか否かを確認するところですが、次の事実により割愛します。
<確認した事実>
・カブった点火プラグの清掃により、一度は始動した(改善効果あり)。
・レギュレータを交換しても、エンジン始動性の状況に変化なし。
・CDIを交換しても、エンジン始動性の状況に変化なし。
そこで、DENSOのイリジウムプラグを手配する(優先度を上げる)ことにします。型番は IUH27。現状は IUH24 を入れていますが、現時点の純正互換表で IUH27となっていること、および IUH24は品薄である(流通量が少ない)ことから、IUH27 を4本、ヤフオクで調達します。
<DENSO イリジウムプラグ>
・型番 : IUH27
・定価 : 1本あたり2,160円(税込み)
・入手価格: 「落札価格1,000円×4本」+「定形外送料250円」=合計4,250円
こうして 「低価格」 かつ 「年内の発送が可能」 という出品者を選んで、点火プラグを落札したのでした。暮れも押し迫った2016年12月25日(日)のことでした。
■在庫足りず、の巻
ヤフオク!は、時間があってお金のないDIYプライベーターにとって、ありがたい手段です。ところが今回、落札後に出品業者様から 「在庫が3本しか無く、残る1本は年明けに発送となる」 旨のお詫びの連絡がありました。
これにより、年内にバイクを修理する案は崩れてしまい、CBRの復調は必然的に年明けに持ち越すこととなってしまいました。結論として、「年内に先行して在庫の3本口を、年明けに残り1本を分納してもらうこと」、「発送は2回に分かれるが送料は当初の1回分で良いこと」、を相互確認して、手配を進めていただきました。
<↓年末・年始に2度に分けての分納となってしまいましたが、何とか無事にIUH27を4本、低価格で入手>
■新・旧の点火プラグの巻
それでは早速、到着した点火プラグを開梱して中身を確認してみます。
<↓CBRの場合、ターミナル(後端ナット)を取外して使用します。パッケージには締付トルクの記載あり>
<↓先端(中心電極、外側電極)の拡大画像>
<↓さらに拡大した画像>
パッケージには、標準的な締め付けトルクの数値が記載 されており、この点は親切だな・・・と思いました。同時に、イリジウムの融点が2500℃程度(白金が2000℃程度、ニッケルが1500℃程度、金・銀がそれぞれ1000℃前後)などという、あまり役に立たない(?)プチ情報も載っておりましたが。
■いよいよプラグ交換、の巻
FTAに沿ったトラブルシューティングにより、根拠を持って点火プラグを新品に交換します。250ccバイクの4気筒エンジンのプラグ交換は、ショップに依頼すると難易度の高い工賃に区分されてしまうようですが、クルマ・・・例えばBGレガシィのフロントパイプ(通称)やターボチャージャ遮熱板の脱着作業などと較べたら、とても楽な方だと思えてしまいます。
<↓CBR250Four(4気筒)のプラグ交換作業風景。水温センサのハーネス端子でケガをしないように注意>
<↓工具のスペースは狭いものの、工夫すればトルクレンチもちゃんと揺動ストロークを稼ぐことが可能>
<↓こちらは取り外した点火プラグ IUH24 の外観(コロナ汚れ)。約14年間・4万kmの永きに渡って活躍>
■始動テスト(=効果検証)の巻
適切な締付トルク(新品ガスケットをつぶし切る)で点火プラグを装着したあとは、待望のエンジン始動テスト(FTAに沿った対策効果の検証作業)に移ります。ここでは、バイクの車載バッテリの負担を減らすため、あらかじめブースターケーブルでエクシーガのバッテリと接続(エクシーガのエンジンは始動させてオルタネータを作動)させておきます。
<↓CBRのバッテリとエクシーガのバッテリをブースターケーブルでつなぎ、エクシーガのエンジンを始動>
<↓ひとときの静寂を経て・・・>
<↓セルを回してクランキングさせると、ついにCBRのエンジンが無事に始動!アイドル状態も継続する>
これでホッと一安心。
・・・ただし、まだ完全には安心できません(言葉が矛盾しているようですが)。
なぜか?
理由は、FTA(故障解析ツリー)上では、「エンジン始動せず」 の可能性として 「バッテリ電圧の低下」 がまだ原因として残っている からです。
■暫定処置の巻
「点火系については、新品プラグへの交換で処置済み」 であるが 「電気系として、バッテリ電圧は様子見が必要」 であるとの認識です。
ただし、CBRのバッテリは全自動充電器につないで充電開始すると、充電容量(進行度)は約80%から始まって100%(FULL)で停止します。開始時点の進行度が30~40%からのスタートであったり、あるいは充電しても100%(FULL)に満たない場合は、ほぼ寿命でしょうけど、そのような状況までには至っていません。
そこで、点火プラグ交換後の 「しばり事(>個人的に設ける使用上の制約条件)」 として、次の項目を自己設定して、バッテリの状況(余寿命)を様子見 することにしました。
<バッテリの状態を様子見するための、個人的な決め事>
◎外気温度が 0[℃] 未満(=マイナス温度)でエンジンを初始動する場合は、
ブースターケーブルでエクシーガのバッテリと接続(ジャンピング)させる。
◎走行中は、エンジン回転速度を 6000[rpm] 以下となるように保つ。
その理由は、
◎外気温度が低くなるとバッテリの能力も低下するので、
起電力不足によるエンジン始動の失敗リスクを避けるため。
◎エンジンが高回転速度になるほど、点火プラグに対する
要求電圧(電流)が高くなると推定されるため。
(※CBR250Fourでは、6千回転もあれば十分に交通の流れに乗ることは可能。)
<↓外気温度がマイナスとなるような寒い日の朝のエンジン始動は、他車からの救援下で行うこととした>
さらに出先での 「イザというとき」 に備え、バイクで外出するときには、手持ちの 「ZELLA V12マルチチャージャー」 を携帯することとしました。この 「ZELLA V12マルチチャージャー」 は、以前、みんカラのモニタープレゼントに応募して当選したときのものです。
<↓万が一、車載バッテリが弱まって始動困難になったとき用に「ZELLA V12マルチチャージャー」を常備>
<ZELLA V12マルチチャージャー>
◎応募当選モニターレポート(当時)は、
こちら →
後編・ブースター機能&使い勝手確認の巻(2015年12月09日付けブログ)。
・・・こうしてバッテリの様子見をすべく、方針を決めた だけでなく、バックアップ策 としてポータブル電源も備えたわけですが、「落とし穴」 はあるものです。バッテリの余寿命が意外に早く尽きてしまい、すぐに出先で苦労する事態が待ち受けているとは、このときはまだ、夢にも思っていなかった のです・・・。
「その4(最終話)」 に続く。
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2017-02-03(Fri.) : 更新
[CBR250Four] エンジン始動せず!を解消する_最終話・バッテリーも交換で完治 をアップロードしました。
Posted at 2017/01/31 03:00:47 | |
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