先日業者の方と話をしていて、「インドの学生は2桁の九九が出来るぐらい数字に強いので、日本の学生はインドに負けている。」という事を言われていました。
その話の時に、「自分は2桁の九九が言えるんですよ。」と言って、何個か2桁の九九を言うと、「凄いですね!」と言われてのですが、実は中学生の時に2桁の九九を覚えていました。
ただ全て言える訳ではなくて、自分に興味のある数字の並びの部分だけで、好きこそものの上手なれではありませんが、それが必要な数字だから覚えていました。
自分が小・中・高校生を過ごしたのはこんな山奥で、この辺りに住む中学生は昼間は勉強に励み、放課後は運動部で頑張って、教員になる確率がほぼ50%という極端な地域で、私立大学の学長になった人や市長になった人など、あまりに田舎過ぎて勉強とスポーツだけをして、全く娯楽の無い地域でした。
自分が中学生の時は運動部に入っていない帰宅部で、家に帰ればハンダ付けしたりコイルを巻いたりして、中学生の後半の時はアマチュア無線の144MHzに凝っていて、当時は無線機に水晶発振素子を足して使える周波数を増やすという時期で、学生にとって数千円もする水晶を買うお金が無いので、コイルとコンデンサと水晶発振素子を使って、逓倍という方法を使って自由に周波数を変えられるVFOを自分で組み立てようと少ない小遣いで電子部品を買ってVFOを作る実験をしていました。
その実験で掛け算が必要で、それで色々な方法で希望の周波数を出せる様にしたいとあれこれやっていたら、その時に2桁の掛け算が頭の中に浮かぶ様になりました。
自分の持っていた無線機はアイコム製で、送信と受信で別々に2個水晶が必要な機種だったので、結局受信用のVFOしか出来ず、これがパンナソニックの無線機なら送受信が1個の水晶で出来たので問題無かったのですが、結局高校生になってから土木作業員のアルバイトをしてVFO付きの無線機を買いました。
ただ中学生の時に作ったVFOは素人仕事ですから146MHzまできちんと受信出来て、アマチュア衛星の電波が受信出来たのですが、シールドなどが不十分なので短波放送も混じって聞こえてしまうという変な物で、この短波放送が混じって聞こえるというのも倍数で起きている現象なのですが、そんな実験ばかりをしていた学生時代でした。
そんな事のために2桁の掛け算を覚えていたのですが、これが50歳を過ぎてから役に立ちだして、それは歌っている本人に会って生の声に近い音を表現しようと思えば、オクターブなどの倍音というか逓倍に関する感覚が必要とされて、頭の中で暗算しながら「この音の何倍の音が景況しているから、ここの周波数の原因を処理して・・」みたいな事をする様になりました。
音や電気はある倍数のリズムで影響を受けて良くなったり悪くなったりするので、中学生の時に夢中になってやっていた実験が無意識のうちに役に立っていました。
そんな普通の勉強をしない変な学生でしたが、今はここに帰った時には「この里から出た人の声がラジオから聞こえて嬉しかった!」と言われています。
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世間話 | 日記
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2025/03/24 16:20:52