2019年5月19日、三重県伊賀市から亀山市にあるJR関西本線の煉瓦構造物群を見に行ってきました。
新名神の三重県内新規開通区間をドライブして、そのままUターンして戻るのも何なので立ち寄った次第です。新名神を甲南ICで下りてからJR草津線油日駅辺りに出て、県道4号、国道25号と走ってきました。
最初に鳥谷川橋梁に立ち寄り、次に立ち寄ったのが関西本線加太トンネルに関連する遺構です。来るたびに外観をくるくると見回る程度ですが、今回はちょっと突っ込んで見てみました。
まずはトンネル掘削時に使用され、現在は封印されている竪坑の跡。
竪坑跡の近くには煉瓦製の塔があります。
その煉瓦製の塔から竪坑跡に向かって煉瓦製の溝があります(途中で途切れていますが。)。
落ち葉や苔を払いのけると煉瓦が現れます。
周辺にも苔に覆われた煉瓦の塊が転がっています。
溝の一部には蓋が残っています。
覗き込んでみると蓋の部分は煉瓦でアーチ状に造られていました。
煉瓦の塔は二辺に穴が開いています。
まずは溝とつながっていたと思われる穴から覗いてみます。
続いて、もう一辺にある穴から覗いてみます。
塔の中はこんな感じ。煤らしいものが煉瓦に付着しています。
上方を見上げてみます。
塔の周りをぐるりと回ります。
「雁木」という装飾技法ですね。
塔の上部にはボルトが突き出ていたので、本来はさらに上部にも構造物があったのだと思います。
さて、この煉瓦の塔の用途についてよく見かけるのは、加太トンネルで使用するための煉瓦を焼いた窯の跡だというものです。一方でこの塔の規模ではトンネルで使用する膨大な量の煉瓦を製造することは無理だとか、そもそも煉瓦を焼成するための窯ですらないという話もあります。
私はSLの煤煙を排気するための排気塔という説に賛成しています。
竪坑跡を排気口とし、そこから煉瓦の溝(本来は地表に造られたミニ煉瓦トンネル。)で塔まで導いて煤煙を放出した。というものです。
まあ、それも仮説の一つなわけですけどね(わざわざ離れた場所に塔を建てなくても、直接竪坑から排出すればいいわけで。)。
これだけの構造物なので、本来は建設時の工事誌などに記載がありそうなものですが、未だに用途が判明しないということはそのような資料が現存していないのかもしれませんね。
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関西本線 鉄道・廃線跡 | 日記
Posted at
2019/05/20 23:07:00