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2023年01月03日

旧国道156号 内ヶ戸第二号隧道へ立ち寄りました

2022年12月3日土曜日、旧北陸本線 若水隧道を探索後、岐阜県大野郡白川村内ヶ戸に残る旧国道156号 内ヶ戸第二号隧道へ立ち寄りました。

場所はこちら。国道156号新内ヶ戸トンネルの旧道区間にあり、内ヶ戸第一号・第二号の2つのトンネルが存在しています。過去にこの旧道区間を探索した方のレポートを読むと、内ヶ戸第二号隧道から先、第一号隧道へと向かう区間が崩落斜面の連続地帯となっており、踏破するのが著しく困難な廃道のようです。

※地理院地図(電子国土Web)に加筆。

内ヶ戸第二号隧道へつながる旧道区間の入口となる、国道156号 椿原橋のたもとへとやって来ました。時刻は15時25分。周囲はすっかり夕暮れ時の雰囲気になっています。


椿原橋と新内ヶ戸トンネル。東海北陸道が開通するまではなかなかの交通量があったこの付近の国道156号ですが、現在は時折通過する車があるだけで、すっかり閑散とした様子になっています。




新内ヶ戸トンネルの銘板。銘板によると昭和55年(1980年)1月の完成とあります。しかし、隣接する椿原橋を含め、白川村から富山県側との間の国道156号の道路改良は昭和54年(1979年)内には全線完成したようす。なぜ時期がずれているのか理由はわかりません。


それでは旧道区間へと入っていきます。


ダム湖を挟んで眺める東海北陸道椿原橋と椿原ダム。


ネットを検索すると2009年と2010年にこの旧道区間を探索したレポートが見つけることができますが、どちらも椿原橋から内ヶ戸第二号隧道までは容易に辿り付けたと記述しています。今のところは、その記述のとおりの平穏な様子です。




あれ?トンネルにまだ着いていないのに豪快に崩落してますね。まあ、2010年から12年も経過していますからね。こんなこともあるでしょう。


様子を見るために崩落斜面の上に登ってみます。これは…。行けそうな気がしないでもないですが、なんか嫌な雰囲気です…。


崩落斜面上からの写真を撮影した時刻から「34分後」、斜面の反対側へとようやく通過しました。


ここからの写真は、トンネルから車へと戻る際に撮影したものですが、どのようにこの崩落斜面を越えたのかという説明を少しいたします。

最初にそのまま真っ直ぐ斜面へと入り込んでみると、土や石が全然引き締まっておらず、体重をかけるとすぐに崩れてくること、かつての路面からダム湖側が一気に落ち込んでいることからくる高度感に、一度はそのまま横断することを断念。すこしでも余裕がある場所でと、崩落斜面上部での高巻きを試みました。

しかし、斜面上部も脆い状態に変わりがなく、横断する前に反対側の状態が確認できないことと、さらに高い場所でダム湖まで一直線に見える状況に恐怖を感じ、結局、高巻きも断念。

最初に踏み込んだ場所から崩落斜面を横断するルートを造ることに決め、靴と枯れ木で地道に斜面を削り、踏み固めて前進することにしました。




両足を置けるように階段状にルートを造って、なんとか斜面の中央部まで前進。




この先がまた難所で、絡み合う倒木をどのようにして通過しようかと何パターンも思案。最初の倒木は跨いで、その次の倒木は幹と幹との間をくぐって通過することに決めました。




身を任せることになる最初の倒木に何度も思い切り体重をかけて、簡単に揺れるような動きをしないことを確認。とは言っても、全体重をかけた途端に倒木が抜け落ちる可能性もあります。そこは揺さぶって確かめている間に次の足場をしっかり確認したうえで行動をシミュレート。

最初の倒木を馬乗りに跨ぎ、つづいて二股の倒木の間をくぐります。そして、その先の斜面へと足を掛けて、「よしっ、やった。」と思った瞬間、足を置いた斜面がいきなり崩落。体を思い切り前のめりにして駆け足で路面へと着地。冷や汗ものでしたが通過できました。


この時、ダム湖へと土と石が「ザーッ…、ドボン、ドボン、ドボン」と落ちていく音を聞きながら、しばらく体が震えていました…。

「帰りも無事に通過できるかな…。どこか迂回路がないかな…。」などと考えながらも、気を取り直して廃道を進んでいきます。




トンネルが見えてきました。


内ヶ戸第二号隧道です。延長は56mで、竣工は昭和23年(1948年)とのこと。その当時からコンクリートトンネルだったのかは不明です。




扁額です。


トンネル内へと入っていきます。2009年・2010年の探索レポート内の写真にも写っている資材がそのまま残されています。もはや運び出すことは不可能ですが。






トンネルの先から内ヶ戸第一号隧道へと続く崩落区間。こちらは逆に12年の歳月を経たことで、安定してきているようには見えます。慎重に進めばある程度の距離は進めそうな雰囲気ですが、時間的にも精神的にもそのような気分にはなれませんでした…。


反対側の坑門と扁額です。




それではふたたびトンネルを通って、車へと戻ることにします。






トンネルからこの崩落斜面までの道中、迂回路は見い出せませんでした。帰るためにはあの斜面を越えていくしかありません。

まずは崩落した部分を確認。もろい表層部が崩れたことで、しっかりした面が表に現れて、かえって良い足場になっています。往路と逆の手順で倒木を通過していきます。


6~7分ほどかかって難所を通過。これで無傷のまま帰れる見込みが立ちました。


新内ヶ戸トンネル前に駐車している車まで戻ってきましたが、そのまま国道を横断して、その先へと続く旧道区間へと進んでいきます。


この先に架かっている廃橋 馬狩橋を見るためです。


馬狩橋も国道156号の旧道。銘板には昭和27年(1952年)に岐阜県により建造されたものとあり、親柱にある銘板では、竣工は昭和28年(1953年)とあります。その後、椿原橋が開通する昭和54年(1979年)まで利用されたわけです。






16時40分、ようやく探索が終了しました。気楽な廃トンネル訪問のつもりが、崩落斜面の登場でとんだ事になってしまいました。あらためて、無茶をしないよう見極めが大事ですね…。
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Posted at 2023/01/03 13:16:18

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