一部で話題になっていたのだが、2014年を頭に下がり続けていたドル円レートが、上昇トレンドに変化したのではないかというのだ。
少なくとも、これまでの下降トレンドラインをしっかりした足取りでうわ抜けつつある。これは月足なので、このまま31日まで持ちこたえれば月足が確定し、陽線で上抜けと言うことになる。
1月からの上昇が結構しっかりした動きに見え、今週の動きもしっかりしていたので、力強い上昇に見える。
このまま110円を超えてくると勢いがつくのかもしれない。
ドルと円の金利差を考えればドルが高くなって当然であるし、円は安くなる要素が多そう。
円が安くなると言うことは、円の価値が安くなる、日本人がもつ円や円と紐付いた資産の価値が低くなると言うことである。
同じものを海外から買うときに、以前より多くお金を支払わないと買えなくなる、つまり、輸入物価が高くなる。日本は資源がなくエネルギー源も輸入に頼っているので、電気もガスもガソリンも高くなる。生産コスト、流通コストが上がり、あらゆる物価が高くなる。
日本人の収入は富裕層、超富裕層を除けば下がっている。一方で世界の物価は2%程度ずつ上昇を続けていて、さらに円安によって物価が高くなる。
物価上昇はコストが高くなっただけなので、国内の誰にもメリットはない(円安は輸出企業、グローバル企業にはメリットがあるが、そのメリットは国民に殆ど派生してこなかった。物価が上昇すれば消費税収は増えるので、国家予算を食い潰す政治家と企業にはメリットがあるが)。当然給与に反映しない。むしろ、これまで同様人件費を削ることでコスト上昇を吸収しようとしたり利益を捻出する可能性があり、ますます貧しくなるかもしれない。その中で、貯蓄があったり収入に余裕があるものも先行き不明でお金を使わず、貧困層はどんどん倒れていくだろう。
日銀はこんな『悪い円安』も容認するのだろう。日本の中央銀行は海外の中銀と違って、物価の安定に責任を持つが、雇用の安定には責任を持たない。
ワクチン効果で経済成長期待が膨らむ主な先進国に対し、ワクチンの手当てもできず、新型コロナ蔓延不況で、世界からさらに置いて行かれる可能性がある日本。そこに円安が覆い被さる。こここれがしばらく続いて行く可能性がある。
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Posted at
2021/03/27 09:36:40