• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2005年05月27日

「ツライチ」は本当にカッコ良いのか?

「ツライチ」は本当にカッコ良いのか? 価値観の違いの話(その2・「ツライチ」編)。
まず最初にお断りしておきますが、今回は私的な仮説が
含まれているので、”話半分” で読むことにして欲しい。
(参考:その1・「ローダウン編」は → こちら 。)

スバル車ユーザーに限らず、「タイヤ&ホイール」は、いつの時代もドレスアップの筆頭アイテムであると思う。例えばその昔、鉄ホイールが主流だったころには「アルミホイールにしたい」と 考える 人々が多かった。アルミホイールが標準装着されるようになると、「インチアップしたい」と 思う 人々が増えた。そして純正で17~18インチ(中には19インチ)といった大径アルミホイールが標準装着されることも珍しくなくなった現在、今度は「ツライチにしたい」と 言い出す 人々が増えた。

クルマにあまり興味が無さそうな人をして「ツライチにしたい」とまで言わしめる その背景は、一体何に由来するのだろうか? それを解くカギは、そのような人々の口から発せられる次の言葉に隠れているように思う。・・・曰く、「純正のままだとカッコ悪いから」・・・。

「純正のままだとカッコ悪い」とする価値観は、一体どのようにして生じたのであろうか? 多くのユーザーが最初から共通して持っているものなのだろうか? あるいは(言葉は少々悪いが)そのように外部から意識付けされてしまった結果なのだろうか? 私見だが、「ツライチ」に関してもまた、昨日のブログ で述べたのと同様、
  > こだわりを持って愛車をモディファイしている人々よりも、むしろ
  > 初めて新車を買ったというような新卒者や ごく一般的な人々・・・(★)
の方が、強い指向というかあこがれ?を持っているように感じられる。

このようなメカマニアでもない一般的な人々に対する影響力が強い存在としては、自動車雑誌 などの媒体と、インターネット上の WEBサイト が挙げられると私は考えている。つまり、一般的な人たちこそ、雑誌やネットの影響 を受けやすい存在だと言えるのではないか。

たとえば、自動車雑誌には「読者投稿」や「愛車拝見」といったページが少なからずあるのだが、そういった「読者が主役」のページにおいて、編集部でそのドレスアップに対するコメントを誌面に小さく入れる必要があったとする。なかなか適当な誉め言葉が見あたらず、たまたま装着していた社外品のホイールに注目し、「ボディと連続するようなツライチ感がイイですね~」などと場当たり的な評価をしたとする。すると上記(★)のような人々は、「そうか、純正からツライチに変えるとカッコ良く見えるのか!」と思うようになる。たとえそれが、適切な設定値が無く たまたま仕方なしに選んだようなオフセットのホイールを履いたことによる偶然の副産物だったとしても。このようなことが自動車雑誌で繰り返されると、結局、記事に影響される人々も多く現れることになる。

ネットにおいても、フェンダーの ツメ折り加工 をしたり、あるいはホイールに キャンバー角 を付けたりしないと収まらないような (本来は不適な) ホイールを、(さも何事も無かったかのような口調で)自慢げに公開するようなWEBサイトが台頭するにつけ、それを閲覧する人々の中にも、「ホイールはツライチで決めなくっちゃ!」などという、半ば 強迫観念 めいた価値観が芽生えてしまう者が現れかねない。

わざわざタイヤがフェンダーに擦(こす)ってしまうホイールを履いたり、あるはツメ折り加工やキャンバー角の変更をしないと入らないホイールを履くことは、一体どこがカッコ良いと言えるのだろうか? しかもそういったホイールを 安易に他人に勧める 人々が多いのは、一体どういうことなのか? そしてまた、他人が安易に勧めるホイールを自分でよく検討せずに購入しておきながら、「ホイールがフェンダーに干渉するのは、クルマの 個体差 のせいだ!スバルは個体差が激しいなw」などと思いこむ人々が多いのは、一体どういうことなのか? すべてはユーザー自身に責任があるのではないか。

もちろん私は、むやみやたらとツライチ化を否定する気はない。有効トレッドの拡大により、「コーナーで安定する」といった動的なメリットがもたらされる可能性があるのは事実だと思う。そしてまた、かつてクラウンやセドリックのタクシーで良く見られたような、ボディは新型になって 拡幅 しているのにリヤデフは キャリーオーバー(仕様変更無しの部品踏襲) のために後輪のトレッドは従来型そのまま・・・つまり、後輪がタイヤハウスの中に 埋没 しているかのように見えるクルマ・・・に対しては、その見た目の アンバランス感を解消 するという効果もあるだろう。

だがひとくちに「ツライチ」とは言っても、その形態は様々だ。ザッと考えてみるだけでも、次のようなパターンがある。
  (1)ホイールをそのまま使い、スペーサの追加のみでツライチとする場合。
  (2)ホイールのリム幅を変えずに、オフセットを変更してツライチとする場合。
  (3)ホイールのオフセットは変えないが、リム幅拡大によりツライチとする場合。
  (4)リム幅もオフセットも変更して、とにかくツライチとする場合。

上記ではホイールやタイヤの外径について触れていないが、(2)~(4)それぞれについて、インチサイズを変更しないこともインチアップすることも(可能性としてはインチダウンすることも)選択肢として考えられる。さらには、同サイズであってもホイールメーカーによりビッグブレーキキャリパへの対応可否があったりするから、単に「ツライチにしたい」とは言ってもその実現方法は千差万別で、車種やユーザーによって大きくその内容が異なることが分かる。・・・(※)

ところがそうした事実には目をくれないで(いや、正確には「気づくことができず」)、ひたすら「純正のままだとカッコ悪いから」という理由のみでツライチ化を図ろうとする人々は、後を絶たない。スバル系のQ&A掲示板においても、ホイールのツライチ化に関する質問は もはや定番化した項目(FAQ)になりつつある。ホイールに関する 質問数は多い のに、それに対する 回答が少ない のは、上記(※)で示した背景が大きいと思う。まぁ、質問者が「回答に必要な情報」をまったく書かず、身勝手に尋ねる「教えて君」であることも多いのだろうけど・・・。

仮にそういった「教えて君」が現れなくても、現実的には、純正品・社外品を含めたすべての部品同士の組合せでマッチングを試したホイールメーカーはまず無い。ましてや、そういった可否判断を実際に個人レベルで確認した者は、もっといないだろう。だから、たかが「ツライチ」(>失礼!)においても、どこまでだったら機能性や快適性が損なわれない許容範囲で、どこから先になると条件付きで実現可能で、どこから先はやめたほうが良いのか・・・といった主体的な判断が要求される「チューニング」の一つととらえるべきものではないか、と考える。

「社外品のポン付け」が「チューニング」と称される世の中(媒体を含む)なので、そういった価値観にとらわれた人々は案外、自己満足しているようでありながら、実はうわべの情報に踊らされているだけなのかもしれない。


「価値観の違い」 について考えるシリーズの最後(その3)として
次は 「4ドアセダン」は本当にカッコ悪いのか? に続きます。
ブログ一覧 | 毒吐き・主張 | クルマ
Posted at 2005/05/27 23:59:17

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

おはようございます!
takeshi.oさん

AKG 北関東TRG 参加してきま ...
RA272さん

🎙️彼の命日 渋谷クロスタワーに ...
ババロンさん

昼飯✨
とも ucf31さん

自己満足撮影会〜‼️
PHEV好きさん

GW、安全運転で
闇狩さん

この記事へのコメント

2005年5月28日 0:22
車高の話になったらこの話も出てくるだろうと思ってました(笑)

平安時代にはふっくらした顔が美人とされていたように、今は「ツライチ=かっこいい」なんでしょうね。
だって、ぶっちゃけ私もかっこいいと感じる一人ですから。それが雑誌の見すぎなのか人の話を聞きすぎてそうなったのかは分かりませんが。
とにかく今は「落としてツライチ=完璧」という図式が出来上がってるわけで、この流れは止まらないでしょうね~。しかも落としつつ乗り心地も良くetc.なんて時代ですから消費者の悩みも多様化してきたというかムチャクチャというか(笑)
そりゃ私もガッチガチでも良いとは言いませんが、やっぱり代償は覚悟しないと・・・。

そのうち、空を飛びたいと言い出すかも?それはないですね、失礼しました(爆)
コメントへの返答
2005年5月28日 0:50
昨日のブログで今日のタイトルを下手に予告してしまったので、なんだか長文の割には歯切れの良くないブログになってしまいました・・・スミマセン>ALL。

ラリー系の方々の中には、車高を上げる方向のセッティングも試す方々も多いので、「ファッション」ととらえるか「走り」と捉えるかで、アプローチの仕方も大いに変わるのでしょうね>車高とツライチ。で、ユーザーの欲張りな要望をいつまでも「欲張りだ」と却下していると技術の進歩は無いわけで、むしろメーカーに対しては積極的に要望を伝えた方が私は良いと思いますよ。「ユーザーのナマの声がメーカーを育てる」ってこともあるでしょうし。
8輪電気自動車(現:エリーカ、旧名:KAZ)がF1並の速度で走る時代なので、将来はクルマも空を飛んでいるかも??

ではまた。こちらこそ失礼しました。次は短文ブログに挑戦しましょうかね。
2005年5月28日 1:00
毎度でございます。
ワイドトレッド化は大好きですが、ツライチ化は嫌いですね。

理由1:ボディーサイドへの泥跳ね&石跳ねが非常に気になる。
理由2:同様に、後続車への水跳ね&石跳ねが非常に気になる。
理由3:どちらかと言うと、オバフェンが出てる方が好き(笑)。

フェンダーはフェンダーとして機能しなけりゃダメでしょ。富士重工もブレーキ冷却の為にフェンダー後部絞ったり、スプラッシュガードやフラップを無くす方向にどんどん向かっていますが、出来れば導風ダクトなりアンダーガードなりで解決して欲しい所です。

ローダウンの方も、出来ればしたく無い派です。今回の車についてはむしろ上げたいとすら思っています。今日もかなり削ったし(汗)。
自分の車に適合する某サスキット発売になる度に、「純正同等の車高でイケるなら買いますよ?」と言って毎回嫌がられています(笑)。解答は「それじゃあ商品になりませんぜ~」でした。確かにそうでしょうねぇ。
コメントへの返答
2005年5月28日 1:19
毎度さまです。

おいらもオバフェンの方が好みですね。「フェンダーはフェンダーとして機能すべし」・・・については、2輪ライダーの私からすると確かにその通りですね。ちなみにバイクでは、リヤタイヤ本体をすっぽり覆うエアロフェンダーもあれば、単にタイヤ丸出しでタンデムシート(の裏側)がフェンダーの代用みたいなモノまであります。両者の泥はね性は雲泥の差です。

>それじゃあ商品になりませんぜ
う~ん。。そこを何とか商売にして欲しい。(^_^;)
2005年5月28日 9:01
ツライチ化・・、
これもあまり好きではありませね。

スバルの4potキャリパーを入れたとき
当時不勉強で素人の私はホイールとキャリパーのクリアランスが1cmは欲しいと考えたので5mmのスペーサーを入れたことがありました。
へたれ脚だった当時1,2cmは車高が下がってましたが下手なコーナリングでロールさせただけでフェンダーに干渉しましたもんね。
結局スペーサーを外しても5mmの感覚を確保できていたのでそれまでどおりスペーサーは使わず走っています。

ほんの少しのツライチ化方向へのセッティングで失うものが大きすぎるきがしますね。ボディーへの泥はね、フェンダーへの干渉。

しかもツメ折加工のフェンダーってどうでしょう、歪み易くなるって話も聞きます。

見た目重視でそこまでしようとは思いませんね。
コメントへの返答
2005年5月28日 21:39
コメントありがとうございます。

そうですね、おっしゃるように「ほんの少しのセッティング(の変更)で失うものが大きすぎる」場合もありますよね。私自身は、メーカー純正のセッティングが万人に対してのベストだとは思っていませんが、ユーザーがそのセッティングを変更するということは、うまくバランス点を(上方に)移動させることになる場合もあれば、逆にそれを下方に大きく崩(くず)すこともあると思っています。いやむしろ、後者の場合の方ががほとんどのような気も・・・。(^_^;)

> ツメ折加工のフェンダーってどう
> でしょう、歪み易くなるって話
私見ですが、もともとフェンダーはシャシに対してフローティングマウントされていることが多く、路面からの入力荷重をダイレクトに受けて負担する部位では無いと考えられますので、ツメ折りしてもしなくても、クルマの構造体としてはあまり差がないように思っています(仮に構造体だったとしても、開放端なので差異は少ないはず)。

ただ、下取りの際、お店によってはツメ折りを事故車扱いとして減点査定評価する場合もあると聞きますので、できることなら(防錆上=サビ止め処理からも)避けた方が良いと思います。いずれにしても、誤った知識や思いこみで、純正のもつポテンシャルを台無しにはしたくないですよね。ではまた。
2005年5月31日 21:33
どうもはじめまして
ローダウンは結構気にしてやってますね
けど踏み切り斜め走行とかコンビニ2台止めはしません

それとツライチですが私個人はNGですね
フェンダーにタイヤが被ってる方がアメリカンな感じなので
コメントへの返答
2005年5月31日 21:57
はじめまして、コメントありがとうございます。

私自身は、旧・圭オフィス車高調で(調整範囲で最大限に車高を上げても)ベタ落ちしてしまい、街中で大変気を遣って走っていたことも一時期ありましたので、車高を落とされている方々の苦労も多少は分かっているつもりです。今の現・圭オフィス車高調に換えてからは、走行シーンに応じてノーマルより低くも高くもセッティングできるようになり、かなり楽になりました。

ツライチの件は・・・なるほどそういったご意見もあるんですね。車種やモディファイ(改造)の方向性によっては、「フェンダーとタイヤの位置関係」の見せ方にもこだわりがありそうで、そう考えると奥が深そうです。
2005年6月26日 8:27
面一セッティングも痛し痒しですね。私自身、リアはともかくフロントはノーマルから変える気持ちが起こりません。そのあたりのことを、かつて整備手帳に書いたことがありますが、なかなかスクラブ半径の話をしても分かってもらえる方は少ないようで、、、、
コメントへの返答
2005年6月26日 10:11
こんにちは!
コメントありがとうございます。私はいろいろな方々からコメントをいただけると、その分、いろいろな視点や考え方に触れることができて有益だと考える方です。

さて、かばくん(さん)のサイトを改めて訪問させていただきましたが、「整備手帳(155)」のページが充実していますね。本当にご苦労さまです。さてツライチ化もスクラブ半径とかに話が及んでしまうと、普通の人々にはなかなか見て(読んで)もらいにくくなるかも知れませんね。私のブログでも、「私が他の人々に読んで欲しい記事」と「実際にPV(アクセス数)の多いページ」とは、往々にして異なることもあります。そのへんは割り切るしかないかも (^^;) 。

でも、仮に少数であっても「興味を持って読んでいただける方々」も存在するでしょうから、今後も自分の意見をしっかりと持ちながら、クルマやパーツ類に接していきたいです。

プロフィール

「[整備] #モンキーR [モンキーR改] 路上復帰への道28_花咲かG でサビ取りの巻(その10・浸漬3回後のドレン) https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/28696/8203723/note.aspx
何シテル?   04/27 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

  12345
6789101112
13141516171819
20 212223242526
27282930   

ブログカテゴリー

リンク・クリップ

[自作] タイヤ空洞共鳴音の低減・ハンコックV12evo2を静音タイヤにする 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/10/02 20:28:55
 
[近況報告・その1] 長女の初レガシィの巻  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/11/09 22:23:24
 
「”個体差” について考える」 の巻 
カテゴリ:なぐり書き
2010/08/13 19:26:31
 

愛車一覧

スバル レヴォーグ VNHCレヴォーグ STI Sport# (スバル レヴォーグ)
・注文日: 2023年01月26日 ・納車日: 2023年07月16日 ・車高上げ:20 ...
ホンダ CBR250 FOUR (フォア) CBR250Four SE (ホンダ CBR250 FOUR (フォア))
学生の頃に新車で購入して以来、ずっとワンオーナーで乗り続けているバイク、CBR250FG ...
スバル エクシーガ エクシーガtS (年改区分:Eタイプ) (スバル エクシーガ)
YA5A型エクシーガGT(年改区分:Aタイプのターボ車)からの乗り換えです。2012年8 ...
ホンダ モンキーR モンキーR改(2種登録) (ホンダ モンキーR)
レッドバロンで中古のモンキーRを購入後、エンジン全バラシ。 ◎武川88ccボアアッ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation