![[ABS警告灯・消灯せず] の疑問を検証する(まとめ) [ABS警告灯・消灯せず] の疑問を検証する(まとめ)](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/carlife/images/UserDiary/972320/p1m.jpg?ct=ec3becf294b6)
左右ブレーキランプの同時玉切れに端を発した、
ABS警告灯に関する疑問点の追及話(その5・最終話)。
◎「その1(確認編)」 は →
こちら。
◎「その2(客相編)」 は →
こちら。
◎「その3(ディーラー編)」 は →
こちら。
◎「その4(考察編)」 は →
こちら。
GDA-Cインプレッサ(WRXのAT車)における 「左右ブレーキランプの球切れ+ABS警告灯の点灯」 について、当初は断片的な情報しか無かった。
しかし疑問点を追求していく過程で、最終的に さまざまな情報を得ることができた。それらの情報ソースを列挙すると、次のようになる。
(A)ディーラーのフロント責任者の説明
(B)富士重工業(株)・お客様相談室の説明
(C)ディーラーのメカニック(実務対応者)の話
(D)私の実車疑似確認(強制球切れ試験)の体験
(E)知人の実車疑似確認(強制球切れ試験)の話
(F)サービスマニュアル
・電子制御トラブルシューティング
・電気配線図集
・新型車解説書
これらより得た情報を総合的に組み立てると、現時点での私の見解は次のようにまとめることができる。
------------------------------------------------------------------------------
(※番号について)
数字の小さな方が時間的に上流(以下、シーケンシャル)
太字 : [事実] または [実際に確認された現象]
細字 : [推定] または [想像]
------------------------------------------------------------------------------
(0)根本的な環境要因(主原因)・・・後述(★1)
↓ (+使用履歴付加、経年劣化促進)
(1)ブレーキランプの一方の球切れ
↓
(2)ブレーキランプの他方の球切れ
↓ ((1)とほぼ同時)
(3)ストップランプ回路の抵抗値、電気負荷の変化
↓ (+バッテリ、エアコン、ナビ、オーディオ、ヘッドライト など車輌個体としての背景要因もアリ)
(4)ストップランプ回路の電圧または電流または負荷変動の発生
↓ (+ストップランプSW 端子の 一時的な接触不良 も可能性としては否定できない)
(5)ストップランプSWがOFF時の電圧、またはON時の電圧が閾値を越える
↓ (サービスマニュアル記載の条件より推定)
(6)「ストップランプSW回路に異常あり」とABSコントロールユニットが判断
↓ (∵ABSユニット への入力信号に ストップランプSW が含まれているため)
(7)ABS警告灯が点灯
↓
(8)「ストップランプSW系の異常」 のエラーログがメモリされる
↓ (エラーコードは ”系” 全体の異常を示す=SW本体の異常とは限らない)
(9)「ストップランプSW系の異常」 のエラーログを確認(@ディーラーでの診断)
↓
(10)ストップランプSW までの配線や SW本体には異常なし(@ディーラーでの診断)
↓
(11)ブレーキランプ不点灯を確認(@ディーラーでの診断)
↓
(12)ブレーキランプ直前(ソケット)までの配線で導通を確認(@ディーラーでの診断)
↓
(13)ブレーキランプの球切れ(フィラメント切れ)を確認(@ディーラーでの診断)
↓
(14)応急処置として中古ランプを補充(@ディーラーでの判断)
↓
(15)エラーログ消去(@ディーラー)
↓
(16)他に異常ないことを確認(@ディーラーでの診断)
↓
(17)左右ブレーキランプを抜き取り、擬似的に左右同時球切れ状態を作り出してみる
↓ (エンジン停止状態では ABS警告灯は点灯せず)
(18)エンジン始動する
↓ (エンジン始動状態でも ABS警告灯は点灯せず)
(19)家の前を走行してみる
↓ (走行状態でも ABS警告灯は点灯せず・・・ただし上記(4)とは電気負荷は全くの同等ではない)
(20)ストップランプSWがOFF時の電圧、またはON時の電圧が閾値を越えず、正常範囲内にとどまる
↓
(21)左右ブレーキランプを新品に交換
↓ (ブレーキペダルとの連動性に問題なし)
(22)一応の完治
↓
(23)今後の同様なトラブルへの対策として、予備バルブを車内に常備
↓
(24)更なる対策として、LEDハイマウントストップランプを追加予定・・・後述(★2)
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以上が、トラブル発生から一応の完治までの、私なりの一部推定を含むメカニズム(ストーリー)である。
ここから先は私見であるが、冒頭の
◎「(A)ディーラーのフロント責任者」 においては、
上記 (10)→(13)→(14) のように、要点のみを かいつまんで(他を省略して)私に説明していただき、
◎「(B)富士重工業(株)・お客様相談室」 においては、
上記 (6)→(7) のように、システムとして確立されている作動条件を私に説明していただき、
◎「ディーラーのメカニック(実務対応者)」 においては、
上記 (9)~(16) の、実際に行った一連の故障診断手順を私に説明していただき、
◎「知人 (
&さん) 」 においては、
上記 (17)~(20) についての 補強情報(レガシィでの試験結果)をご提供いただいた、
ということになるかと思う。
このように、たったひとつのトラブルであっても、それぞれの
立場や経験や職務が異なると、その説明が異なってくる恐れ (=木を見て森を見ず状態に陥る可能性)
がある ということだ。もちろん、上記のメカニズム(ストーリー)は私の一部推定を含む考えであるから、これで全てを完璧に網羅できているとは断言できない。まだまだ私の考えの遠く及ばない事柄が潜んでいるかもしれない。そのことは、今後も忘れないようにしたい。
さて最後に補足しなければならないことが残されている。
上記のメカニズム(ストーリー)に付した、(★1)と(★2)についてである。
その後、私なりに再考してみたことがある。実は上記 (1)~(24) だけでは、「本当の原因」・「真の原因」 が表に出てきて
いない 。そこで登場するのが、左上の画像に示す 「ストップランプシステム」 の回路図だ。この回路図をよ~く見直して、ハタと気がついたことがあった。それは、ブレーキランプ回路だ。図面では、向かって右側がワゴンの、左側がセダンの回路になっている。
純正(ノーマル)状態では、ワゴンもセダンもともに、ブレーキランプは 「車両左側ブレーキランプ」+「車両右側ブレーキランプ」+「ハイマウントストップランプ」 の
3系統が並列になって 回路を形成している。つまり、ブレーキペダルを踏むことでストップランプSWが作動し、形成された直流回路上で
電流は3方向に分岐して 流れることになる。ところが我が家のインプレッサは、純正のリヤウィング(ハイマウントストップランプ内蔵)を取り外し、代わりにオプション設定されていた STI の カーボンリヤウィングを装着しているのだ。STI の カーボンリヤウィングには、もちろんハイマウントストップランプは内蔵されていない。
このことは何を意味するかというと、我が家のインプレッサでは、ブレーキONで 「車両左側ブレーキランプ」+「車両右側ブレーキランプ」 の
並列2系統 にしか電流が流れない、ということになる。純正で3系統に分岐して流れていた電流が、現状では2系統にしか流れておらず、このことが、結果的に電球の寿命を縮めた原因になってはいないだろうか? とふと思ったのだ。
流れる電流が3系統から2系統に減ったことにより、本当にバルブ(電球)にかかる負荷が増大するのかどうかは、私には分からない(いや、にわかには
信じがたい)。が、純正状態(ハイマウントストップランプ付き)と我が家のインプレッサの現状(ハイマウントストップランプ無し)の電気的な差異は、それくらいしかないことも事実である。だから、上記 (0)番 と (24)番 の考えは 同じところに起因しているのだ。ハイマウントストップランプを追加することで純正状態との差異を無くし、さらにそれをLED化することで球切れも防ぐという一石二鳥の対策を狙ったのが、今回のトラブルから私が至った現時点での最終結論なのである。
(長文にて失礼しました。また、ご協力いただいた方々には、この場を借りてお礼申し上げます。)