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調布市のKAZのブログ一覧

2005年05月03日 イイね!

MTのシフトストロークのショート化

MTのシフトストロークのショート化改造にはメリットとデメリットがあるという話。

BGレガシィ(GT-BのMT車)では、原始的な方法でシフトレバーのシフト&セレクトストローク(※)をショート化している。原始的な方法とは、ズバリ、シフトレバーそのものの短縮化だ。シフトレバーを上端から 80[mm] ほどの位置で切断し、ダイス[M12×1.25] を用いて新たに切断口にネジ加工を施し、シフトノブを従来と同様に装着する。要するに、シフトノブの位置が下方に 80[mm] ほど移動することに伴って、そのぶんだけシフト&セレクトストローク(※)が短縮化されることになるのだ。

(※)シフトストロークとは、ノブ上で縦方向に動く距離(1速←→2速方向、3速←→4速方向など)。セレクトストロークとは、MT車の場合、ノブ上で横方向に動く距離(ニュートラルを基準にすると、1・2速方向への倒し込み、5速・R(または6速)方向への倒し込み)。

STi などからリリースされている、いわゆるクイックシフトの場合は、シフトリンケージのレバー比を変化させることによってノブ上に現れるシフト&セレクトストロークをショート化しているのに対し、私の採った方法は、レバー比を変えずにノブ上に現れる(見かけの)シフト&セレクトストロークをショート化するものであるので、根本的には異なるものである。・・・が、得られる体感効果としては、似たようなものになると思う。

ところで私がなぜシフト&セレクトストロークのショート化を行ったかというと、ズバリ、剛性感の改善を狙ってのことだ。分かりやすく言うと、シフト時の「くにゃ」っとした感触を「カチッ」としたものに変えたい、ということだ。実はリンケージブッシュの硬度をアップさせるだけでも同様な効果が得られるのは百も承知なのだが、あいにく私が剛性感の改善を図った当時は、アフターマーケットにはそのような硬度アップ品がレガシィ用の製品としてラインナップされていなかった。つまりブッシュのチューニングを狙うとDIYによるワンオフとなってしまい、仮にハードシフト時の変形量を抑えるような改造をすると経年劣化の恐れがあり、ブッシュそのものの材質変更は私のような個人では製造上ムリがある。

・・・それ以外の方法としては、王道とも考えられるレバー比の変更だが、それは結局、市販のいわゆるクイックシフトそのものとなってしまうため、非常に高価である。だから同等な効果を安価に得るために採った選択肢は、冒頭で示した通り、シフトレバーそのものの短縮化となるのである。金ノコで切断してネジを立てるだけなので、費用は格安で済む。また万が一 元に戻したくなった場合は、市販のシフトレバー延長ロッドを買えばよい。

さて、実際にシフトレバーを短縮化してみると、思いのほか大きな効果が得られた。その主なものは、
  (1)操作のダイレクト感、剛性感が格段に向上。
  (2)腕を使わず、「手首の返し」でシフトが可能。
  (3)助手席にどんな脚の長い人が股を広げて乗っても、その右ヒザ
     にシフトレバーが(1~2速シフト時に)ぶつかることが無い。
などがある。欠点としては、
  (4)ノブ位置が遠くなる。特に、ステアリングから遠くなる。
  (5)シフト時の要求操作力が増す(シフトが重くなる)。
などが挙げられる。もちろん私はそれらの特性を理解した上で、トータルとして私の望む特性を得るためにシフトレバーを短縮化したのであって、単なる思いつきでシフトレバーを短縮化したのではない。ところが、サイト上にシフトレバーの短縮化を記事として載せたところ、同様に施行する方々が現れ出し、曰く「ギヤの入りが良くなった」などという感想を持たれる方もいたようである。が、(私が言うのもナンだが)レバーの短縮化とギヤの入りが良くなることには、メカニズム的に何ら因果関係は無いはずだ。それどころか、運転手の体格によっては、上記(4)などは致命的な改悪にもなりかねない。

要するに私が言いたいこととは、インターネット上で氾濫している情報・・・特にクルマの改造に関する情報・・・には、その人のクルマの用途・使い方・頻度などを含め、目的や背景を十分理解したうえで参考にしないと、改善どころか改悪になってしまうものが多いと思うのだ。それにもかかわらず、単にメリットのみに気を取られ、安易に「○○さん(←ネット有名人)が装着したので、私もそのパーツを装着しよう」などとマネをする人々が多いように感じられるのは、私だけであろうか? さらに言うと、こうしたことは個人がDIY的に発信した情報のみならず、いわゆるチューニングショップやアフターパーツメーカーの発する情報にも言えることで、利用者はメリットばかりを鵜呑みにしてはいけないのだ。クルマは走る凶器にもなりかねない。

2005年4月22日付けのブログ(車高を調整しない車高調ユーザー)の文中で、私は「世の中の行為は「人それぞれ」で、価値観も「人それぞれ」であることを、私は否定しない。」と述べた。その見地からすると、「他人のモディファイを参考にして自分のモディファイをする」ことも大いに結構だ。しかし、単に得られるメリットだけに目を奪われるのではなく、失われるデメリットも最低限考慮できる選球眼を、常に持ちたいと私は考えている。
Posted at 2005/05/03 23:59:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | 【BG5Bレガシィ】 | クルマ

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調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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