モニター当選したfcl.さんの新型LEDライトのレポートブログ(その3、最終話)です。適用車種はスバル・エクシーガ、適用部位はフォグランプ(型式:HB4)。
商品到着後の開梱から実際に装着して使用するまでの状況を、「1.開梱&確認編」「2.装着作業編」「3.インプレッション編(純正との比較)」 の3つのブログに分けて、レポートしています。
◎レポートブログ「その1」 は こちら →
製品の開梱&各部確認 編
◎レポートブログ「その2」 は こちら →
地下ピットでの装着作業 編
■純正HB4バルブとfcl.LEDとの照射特性の比較
前回ブログ(その2)で既述ですが、fcl.さんのLEDライトは、エクシーガtS(YA5E型、2012年式ターボ5AT)の純正フォグランプの筐体に無加工でポン付け可能でした。また、車両の周辺構造物とのクリアランスも保たれています。
以下、まずは 「純正のフォグランプ(HB4)」 と 「置換したfcl.さんのLEDライト」 のそれぞれについて、照射特性を画像で比較してみます。撮影した場所や時間帯、アングルなどについては、なるべく条件が同等になるように配慮しています。
なお、各画像で次の各項は共通です。
・撮影機器 ニコンCOOLPIX S9900(標準搭載レンズ)
・フラッシュ 無し(強制)
<↓例1-1: 純正フォグランプ点灯。運転席横、右前輪の後方より前方を臨む>

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撮影日時 2017-12-24 21:08
絞り値 f/3.7
露出時間 1.00秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
<↓例1-2: fcl.さんのLEDを点灯。運転席横、右前輪の後方より前方を臨む>

↑
撮影日時 2018-01-05 21:09
絞り値 f/3.7
露出時間 1.00秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
<↓例2-1: 純正フォグランプ点灯。運転席の右横に約1mの地点から前方を臨む>

↑
撮影日時 2017-12-24 21:14
絞り値 f/3.7
露出時間 1.00秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
<↓例2-2: fcl.さんのLEDを点灯。運転席の右横に約1mの地点から前方を臨む>

↑
撮影日時 2018-01-05 21:09
絞り値 f/3.7
露出時間 1.00秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
これらの記録を1枚にまとめて、視覚的に理解しやすいようにしたのが次の画像です。
<↓fcl.さんのLEDランプをフォグランプに適用したときの、純正HB4との配光特性の比較>
ここまでの特徴をまとめると、次の3点に集約されると考えます。
<小まとめ>
・配向特性(光束の境界線、照らす部分と光りが届かない部分
の境目)は、純正のパターンが踏襲されている。これは、リフ
レクター不変で焦点距離も純正比で同等であるためと考える。
・その上で、照らし出される路面が明るく(色温度が高く)、さらに
より遠方まで光りが届いている(光束が減衰しずらい印象)。
・特に、フォグランプ本来の役割である 「路面の左右端部(照射
角度の端)」 を明るく照らし出すという性能が優れている。
■その他の撮影アングルでの比較
上記は、フォグランプとしての光束範囲が分かる画像でした。次は、撮影アングルを変えて観察した場合も載せます(ナンバープレート近傍からの撮影、対向車目線を模擬しての撮影)。
<↓例3-1: 純正フォグランプ点灯。フロントナンバープレートの位置から前方を臨む>

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撮影日時 2017-12-24 21:13
絞り値 f/3.7
露出時間 0.77秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
<↓例3-2: fcl.さんのLEDを点灯。フロントナンバープレートの位置から前方を臨む>

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撮影日時 2018-01-05 21:09
絞り値 f/3.7
露出時間 0.77秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
ここで特徴的なことは、左右それぞれのフォグランプの照射角が交わるところ(左右の光束が重なる部分)が、一段と白く、かつ遠方に伸びている点です。実用上の 「明るさ」 確保に寄与していると言えるでしょう。
次は、フォグランプを点灯(機構上スモールライトT10も点灯、ヘッドライトは非点灯)させた状態で、対向車から自車を見たときを模擬した場合の比較画像です。
<↓例4-1: 純正フォグランプ点灯。前方に立って車両を撮影。対向車の目線を模擬>

↑
撮影日時 2017-12-24 21:08
絞り値 f/3.7
露出時間 1.00秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
<↓例4-2: fcl.さんのLEDを点灯。前方に立って車両を撮影。対向車の目線を模擬>

↑
撮影日時 2018-01-05 21:08
絞り値 f/3.7
露出時間 0.62秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
光軸をしっかりと調整していれば、相手車に対して 「まぶしい」 という印象を与えることはないでしょう。なお、夕暮れ時に相手車から 「自車の存在の発見のされやすさ(披視認性)」 という点では、もともとフォグランプは下向きですので、電球色のHB4も白色LEDもあまり変わらないような気がします(※濃霧が発生した場合など、悪天候下では披視認性に差が出るかもしれません)。
■ヘッドライト(HID)を同時点灯させた場合
それでは次に、「スモール+フォグ」 だけでなく、ヘッドライト(HID)も同時点灯させた場合の比較画像を載せます。純正のときには、HIDとHB4とで、光束境界線の前後で色温度の差が激しいものでした。
<例5-1: 純正ヘッドライトLOWビーム(HID)+純正フォグランプ点灯。両者の色温度差が顕著>

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撮影日時 2017-12-24 21:09
絞り値 f/3.7
露出時間 1.00秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
<例5-2: 純正ヘッドライトLOWビーム(HID)+fcl.さんのLEDを点灯。境目がなく連続的な照射>

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撮影日時 2018-01-05 21:10
絞り値 f/4
露出時間 1.00秒
ISO速度 ISO-200
露出補正 0step
焦点距離 4mm
最大絞り 3.8
35mm焦点距離 25
フォグランプをfcl.さんのLEDに変えてからは、純正HIDとの境目が感じられずに連続的な前方照射になっており、これによって運転時の 「ドライバーの疲労(目の疲れ)軽減」 につながることも考えられます。画像を良く見ると、HIDの照射部分よりもむしろ、LEDの照射部分の方が 「より白く」 見えているようにも感じられます。
■気になる点(要改善点)について
fcl.さんのLEDに置換して、気になる点もあります。それは、照射範囲(光束)の中で、明らかに影となる部分ができてしまっている点 です。前述の画像を再掲して説明します。
<↓純正HB4バルブとの比較で、明らかに影となっている部分が生じています>
<↓純正フォグランプ筐体に装填したfcl.さんのLED。軸先端にはLEDチップは搭載されていない>
<↓照射範囲の比較的手前側に影ができる原因を推定。LEDチップ搭載軸のシェードが影響か?>
純正HB4バルブでは、フィラメントは360°の範囲で発光します。それに対し、モニター品はLEDチップが左右方向に対向してマウント(2面幅方向に照射)されています。
取説の注意書きにもある通り、LEDチップを水平方向に調整した場合であっても、軸の先端にLEDチップが搭載されていない(トップマウントLEDが無い)ため、軸そのものがシェードとなってしまい、純正リフレクターの設計限界(もともとLEDに最適化された設計ではない)と重なって、影ができてしまったものだと推定します。
このような影を改善させるため、いちユーザー視点からは、軸の先端(正面)にもLEDチップを載せた、トップマウントLED方式の採用を期待します。
■LEDの影は、実用上は問題となるか?を検証
前章で、fcl.さんのモニター品には(純正比で)影が形成されてしまうことを要改善点として指摘させていただきましたが、「それではその影が、実用上、問題になるか?」 を検証してみます。
結論としては、実用上の問題にはならない と判断します。
その理由を一言で集約すると、「今回に限っては”フォグランプだから”」 となります。
画像で順に説明します。
<↓まず、運転席から見た 「純正フォグランプHB4点灯時」 の照射範囲(ドライバーの視界)>
<↓次に、「fcl.さんのLEDに置換してフォグランプ点灯」 した時の照射範囲(ドライバー視界)>
純正HB4、fcl._LED のどちらであっても、車両のボンネットに遮られて 「手前の照射範囲」 は見えないのです。換言すると、ボンネットフードの稜線(見切り線)よりも前方に照らされた範囲のみ、運転手の視界に入ってくるため、「ボンネットフードの稜線よりも手前にある影」 は、実用上の問題とはならない ことが分かるのです。
<↓路面を低位置から照らすフォグランプでの適用のため、LEDの影は実用上問題とはならない>
ただし、この結論は 「路面を低い角度から照らす」 というフォグランプ本来の特性によって問題とはならなかっただけであって、もしもヘッドライト用LEDでも同様な影ができてしまうのであるならば、要改善点として認識するべき でしょう。
■まとめ
スバル・エクシーガtS(YA5E型ターボ、2012年式)の純正フォグランプについて、HB4から → fcl.さんのLED(ファンレスタイプ)に置換した際の 「優れている点」 「要改善点」 をまとめると、以下のようになります。
<優れている点>
(1)LEDチップの搭載位置は、純正のリフレクターの配光特性を
踏襲する(効率を低下させない)ように設計されていること。
(2)ファンレス構造であり、構成部品がシンプルであるため、それに
起因する効率低下や故障などのリスクが低いと考えられること。
(3)その上で、照らし出される路面が明るく(色温度が高く)、
さらに より遠方まで光が届くこと(光束が減衰しずらい印象)。
(4)特にフォグランプ本来の役割である 「路面の左右端部(照射
角度の端)」 を明るく照らし出すという性能に優れること。
(5)純正ヘッドライトがHIDの場合、「HID+LEDフォグ」 の同時点灯
の際、路面に色温度差が生じにくく連続的な明るさを得ること。
(6)したがって、夜間の
運転手の疲労(目の疲れ)軽減 につながること。
(7)対向車に眩しさを与えるものではないこと(光軸調整次第ですが)。
<要改善点>
(8)LEDチップが2面幅の水平対向マウントのため、軸そのものが
シェードとなることが原因と見られる
「影」ができてしまう こと。
(9)フォグランプでは実用上の問題には至らなかったが、ヘッド
ライトでは「影」は問題となる恐れがある。これを解消させる
ためには、
軸先端にもLED搭載(トップマウント)を期待 する。
<その他>
(10)付属品で結束バンドが5本、イモねじが2個、同梱されている
点は、エンドユーザーに対してメーカとして良心的である。
(11)連続使用の際、ヒートシンク(放熱板)の
表面温度が最高で
何℃ほどに上昇するのか、参考数値として取説に記載して
ほしい(∵純正の樹脂ケースと接触する場合、熱変形に
よるトラブル防止のため、削る必要性有無の判断材料としたい)。
<まとめ>
総じて言うと、fcl.さんのLEDライト(@HB4置換のフォグランプとして)は、「明るく、白く、光がより遠くまで届く」 という優れた機能を有し、安全面のみならず 「夜間のドライバーの疲労低減」 にもつながる優れた製品だと判断します。
ただ個人的には、私は冬場に 「東京~北海道(片道約1100km)」 の自走往復など、雪道(降雪、吹雪もあり)を走る機会があるため、LEDの黄色バージョンのフォグランプを試してみたい と思っています。すでにfcl.さんの広告(@みんカラ)では、イエローバルブバーションの存在が告知されており、LEDチップもトップマウントされているようです(・・・とすると、モニター品に対して更なる改善仕様なのでしょうか? 製品シリーズ自体が異なるようですが)。
<↓みんカラに記載のfcl.さんの広告。クリックすると、バリエーションと価格ページに飛ぶが・・・>
<↓詳細を知ろうと型番をクリックしても、そこから先のページは無し(@2018-01-09時点)>
まぁ、いずれ詳細ページが用意されるでしょう。
今回のみんカラでのモニターキャンペーンは、当選者が300名にも及ぶ大規模なものですから、ブログやパーツレビューを通じて、実際のエンドユーザーの 「ナマの声」 がfcl.さんにも届くことでしょう。
私が一連のブログ(その1~その3)で発信した情報も、fcl.さんのLEDを検討されている方々だけでなく、メーカさんの製品開発部門にとっても、何らかのお役に立てましたら幸いです。
以上をもちまして、当方のレポートブログとさせていただきます。シリーズで3話、かつ それぞれが長文であるにも関わらず、最後までお読みいただいた方々に感謝いたします。また、モニターキャンペーンを担当された みんカラスタッフの方々や、fcl.(= future car's light、未来の自動車用ライト)さんのすべての方々にも お礼申し上げます。