エクシーガtS(年改区分E型)のリヤサスペンション系に他のスバル車(WRX&レヴォーグ)の純正部品を流用、同時に社外製の補強パーツも装着しました。
リフレッシュを兼ねた仕様変更をDIYで実施した際の様子を、一連のブログでお伝えしています。今回は 「その4・ロアサポート装着&強化ボルト流用(後編)」 になります(最終話)。
<作業内容 一式>
・スタビライザの径アップ(WRX&レヴォーグ用φ20 ←純正φ15)
・付随してスタビブッシュの交換(同上φ19、=スタビφ20用)
・リアショック・ロアサポート(オートプロデュースA3製)の装着
・付随して厚肉フランジボルトへの交換(スバル純正、強化品)
◎関連過去記事 →
リヤ・スタビライザの流用情報 覚え書き(自分用のメモ)
◎「その1・前編」 →
WRX&レヴォーグ用リヤスタビ(φ20)とブッシュ流用、前編
◎「その2・後編」 →
WRX&レヴォーグ用リヤスタビ(φ20)とブッシュ流用、後編
◎「その3・前編」 →
リアショックロアサポートと強化フランジボルトの装着、前編 : 前回のお話し
■強化フランジボルト(スバル純正)の流用
「その3」 で示した手順に則って、ダンパーストラット下部の固定ボルトをスバル純正の厚板フランジボルトに置換します。
<↓ダンパーのフリー位置で締結ボルトをムリ無く脱着させます(画像はフロント→リヤの矢視)>
本来ならば、ラテラルリンクのフロント側、すなわち(セルフロックナット側ではなく)厚板フランジ化された側に、オートプロデュースA3さんのリアショック・ロアサポート(または相当品)を装着したいところです。
# フランジの厚板化に相応した相手締結部位の強化を図りたいため。
あるいは、その目的のためには、ボルトとナットの位置を入れ替える(車両前方→後方にボルトを差し込むのではなく、後方→車両前方にボルトを差し込む)と良いことでしょう。ただし今回は、ノーマル同等の位置関係を保って締め付けることにしました。ボルト首下が接触する相手はラテラルリンクのままとなり、首下の摩擦係数μは相手部材(ラテラルリンク)がカチオンのままで不変となります。
# 実際にはボルトとナットの位置を入れ替えても、機能的な不都合は
# 無さそうですが。もしも入れ替えて不利になる点があるとすれば、
# ナットが(進行方向を向くので)錆びやすくなることかな。
■リアショック・ロアサポートの装着と確認ポイント
無事にスバル純正の厚板フランジボルトへの置換が済みますので、ラテラルリンクのリヤ側にオートプロデュースA3さんのリアショック・ロアサポートを 仮当て します。
<↓個人的には
緊張の一瞬・・・理由は、3カ所の締結点に浮きが生じないかどうかを見るため>
結論から書きますと、「その3」 で示した懸念(=1カ所を締めると他の2カ所が浮くようなことがあってはマズイ、という内容)は生じていませんでした。それぞれの締結点が、ほぼほぼ相手部材(ラテラルリンク)とゼロタッチしている感じです。細かく見れば、円環部のリンクに対する垂直度が不明ですが、まぁ問題ないことでしょう。
<↓いちばん外側の締結点は、ホイールとの工具クリアランス(回転ストローク)が少なめとなる>
リアショック・ロアサポートの円環部は、ちょうど12.7sqのソケットが干渉せずに入るサイズとなっています(右上画像)。このへんは、果たして意図したものなのか偶然なのか不明ですが、装着作業性で問題になる点は見当たりません。
ここまでの確認結果は順調ですので、次なる確認ポイントを見ていきます。今度は車両左側のラテラルリンクの画像で示します。
<↓左後輪も軽くジャッキアップし、ダンパーの伸びがフリーで釣り合う位置まで車高調整します>
<↓リアショック・ロアサポートを仮当てした状態。締結点の着座有無だけでなくズレ具合も確認>
<↓ラテラルリンク(純正)とリアショック・ロアサポート(A3さん)の締結点の同軸度のズレを確認>
オートプロデュースA3さんのリアショック・ロアサポートは、3カ所の締結点とも、円環部の底は(いわゆる)バカ穴となっています。位置決めのための基準穴(一般にはガタのないタイトな設定)は存在せず、3カ所とも公差を許容するため緩い穴(内径が大きめな穴)となっています。
この 「緩い穴」 が緩すぎると、今度は逆にナットとの接触エリアに偏りが生じたり、あるいは接触面積の低下により局所的な面圧上昇(→ 座屈)の恐れが生じてしまいます。結果は上の画像の通りですが、まぁこれは仕方のないところかな・・・と思います。直ちに危険(ナットが経年変化で緩みそうな)、というレベルではない、と判断しました。
# これらの確認作業を経て、やっと規定トルクによる本締めが可能になった・・・という話です。
■スタビ&ブッシュ、強化ボルト&ロアサポートの装着完了
オートプロデュースA3さんのリアショック・ロアサポートは、構成単品部品を溶接して一体化する際の姿勢保持治具(→ 寸法精度)に注意を払っているのか、装着に際して自己強度的な懸念は生じませんでした。この工程の後に、クランプの爪部を引っかけただけで締結保留していたスタビ(φ20)&ブッシュ(φ19)を締め付けていきます。
<↓スタビ&ブッシュの換装、強化ボルトの換装&ロアサポートの装着が完了した状態(右後輪)>
<↓さらに近接して撮影した画像。太くなったスタビが目視上からも実感されます>
<↓車両右側から左側方向に撮影したときの画像(スタビの断面積は77.8%アップ)>
<↓リヤサスペンション周りを、引いたアングルから全景を写した画像>
手を加えた部分の点検(閉め忘れは無いかetc.)を行い、一通りの作業は終了です。その後、街乗り程度しか試せていませんが、車両の挙動がシャキッとした感じになり、狙いの効果は得られているように感じます(※高速走行など、まだいろいろな走行シーンを試せていませんが、いずれ機会をみてスタビφ20化(←φ15)のインプレッションをブログアップするつもりです)。
■備考:スタビリンクについて
「エクシーガのコーナリング時に、車両のロールを低減させる」 という目的達成のため、今回は格安かつ懸念の少ない純正流用という手段を選択したのですが、今回の一連のブログの中で、私はスタビのφ20化(←φ15)に際して次の跳ね返り(懸念)を挙げていました。
# 個人的には(跳ね返りとして)スタビリンクの強度は大丈夫か?
# と思ってしまいますので、今後のDIY点検項目に加えますよ。
(※「
その2・WRX&レヴォーグ用リヤスタビ(φ20)とブッシュ流用、後編」 より。)
懸念が生じたのなら調べてみよう・・・ということで、手持ちのパーツリストで色々と調べてみました。
(1)エクシーガ純正のリヤ・スタビリンクについて
(2)WRX&レヴォーグのリヤ・スタビリンクについて
<↓まずはエクシーガ純正のスタビリンクについて、部番を確認します>
<↓エクシーガのリヤ・スタビリンクは、クロスオーバー7を含めて共通部番であると判明>
私のエクシーガtS(tS=STI 限定車)は年改区分E型ですが、A型からクロスオーバー7になってからのJ型(!)まで、スタビリンクは 「20470AJ000」 で共用部品であることが分かりました。唯一の例外は、A型の最初期(~2009年3月)のみ 「20470FG000」 でした。
◎エクシーガのリヤ・スタビリンク
・「20470FG000」 : A型の~2009年3月まで
・「20470AJ000」 : 上記以外のすべて
<↓次にV系(WRX&レヴォーグ)のリヤ・スタビリンクの部番を調べます>
<↓WRX&レヴォーグのスタビリンクは各年改区分とも共用部品で、S207のみ異なると判明>
◎WRX&レヴォーグのリヤ・スタビリンク
・「20470FG000」 : A型~D型で共用部品(S207を除く)
・「20470AJ000」 : S207
何と!
エクシーガ純正のリヤスタビリンクは、S207と共用だったのでした!
(さらに追加確認すると、エクシーガもレヴォーグもスタビリンクの径はφ8mmで同じ。)
そのため、エクシーガのスタビリンクは、スタビをφ20化しても強度的な懸念は無いだろう、と判断した次第(今後も ”念のため” スタビリンク周りの点検はしますが、一応はひと安心)。
■余談:おまけ
エクシーガ乗りで 「A3」 と聞くと、多くの方々は 「オートプロデュースA3」 さんを思い浮かべることでしょう。恐らくこれは、レヴォーグ乗りの方々でも同様かと思います。ただし、我が家の子供にとっては、「A3 !」 と聞くと、ちょっと違ったことを思い浮かべるようです。
<↓これが、別の意味の 「A3 !」。スマホ向けの 「
イケメン役者育成ゲーム」 だそうな・・・>
もちろん、A4用紙よりも大きなサイズの紙(=A3) のことを思い浮かべたり、真っ先に アウディA3 のことを思い浮かべたり、人によっては 国鉄 A3 形蒸気機関車 が頭の中でヒットする方もいらっしゃるかもしれません。
このように、「自分にとっての常識は他人にとっての非常識」 になるかもしれません。
クルマの改造(モディファイとは呼ばず、昔から私はあえて改造、と表現)も、メリットばかりに目を奪われずにデメリットも考慮できる視野を。あるいは自分にとっての都合だけでなく、他者(他車)や法規にとっての立ち位置まで考慮できる視野・・・を持ちたいものですね。
Posted at 2019/02/13 23:31:43 | |
トラックバック(0) |
└レヴォーグの部品流用検討シリーズ | クルマ