入手した中古TA150XCは手荒に扱われていた様子があり、中古で手に入れたのかもしれない前オーナーは素人補修をしていた。が、機能的に今は問題なくても、素人細工故に信頼性に欠けるといわざるを得ない。
サイズの違うOリングが入っていて、大きすぎるためによじれていたり、ドレンプラグにはOリングが入っていなかったりで、配線は圧着端子がついた旧配線に新配線をハンダで継いで、ビニールテープぐるぐる巻きにし、無駄に配線が長いために配線を収納しているケース内が一杯一杯になってしまっていたり。
基本的な知識や経験が少ないのであろう。
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電磁弁もビニールテープでぐるぐる巻きにされていたので気になっていた。それだけでなく、ヤフオク出品時の掲載写真にはなかった結束バンドで動きが規制されていた。
前オーナー曰く、「ポート部分に破損あった為、自己融着テープ巻き防水処理しています。」とのこと。
ビニールテープをめくり、自己融着テープを剥がそうとすると、電磁弁あたりのプラスチック部品の破片も一緒に出てくる。電磁弁周りの樹脂パーツがぼろぼろに壊れている。何とか自己融着テープで形を取り繕っていたわけだ。電源ラインが通っている部分だけに、これは不安がある。前オーナーもそこを不安に思って、送付時に動きを規制してストレスがかかりにくくしたようだ。
何とか破片を集めてプラリペアで形を作ってみたが、破片が足りなさすぎる。割れていたのは電磁弁本体ではなく、それにつながるコネクタだった。
回収した破片を接着。しかし破片が全く足りない。
黒いパーツが電磁弁。出ている端子がDINコネクタオスに当たる。
調べてみると、真空ポンプの電磁弁は配線直出しではなくDINコネクタ出しが多い様だ。業務用だから当然か。
いろいろ調べているうちに、これはエアバルブソレノイド用の規格コネクタ(そんな物があるのか)で、ドイツ工業規格(DIN)の物であると分かった。
DIN 43650 A
という規格で、3PIN+グランドと2PIN+グランドの物があり、内部の組換えで4方向に配線を引き出す向きを変更できるという優れものだ。
DIN 43650 A メスコネクタ
普通は防水ガスケットが付属しており、ケーブル引き出し部は規格ネジで、グロメットで防水になる。防塵防水規格IP65対応になっているらしい。
TA150XCで電磁弁の配線取りだし仕様で、直出しではなくDIN規格コネクタ出しを採用したのは、保守性を確保するためであろうか。おかげでサイズが大きくなり、ぶつけて壊すリスクが大きくなっているわけであるが。
TA150XCでは更に不思議なことに、コネクタのPG9ネジに大きなケーブルグランドを接続している。これだけでケーブルグランドとして売られている。
ケーブルグランド PG9ねじ
普通のコネクタならグロメットで防水ができるので、さらに別途防水ケーブルグランドを接続するのは過剰に思える。そう言う構成のパーツをたまたま選択したということなのかもしれないが。
ともかくも、規格コネクタで日本でも入手可能なので、適当なものを発注予定。
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海外製であり、日本ではあまり使われないパーツのせいか、はたまたほとんどが業務用途であるためか、5個単位でしか買えないことが多く、単価は安いもので200円ちょっとぐらいだ。
空気圧制御機器メーカーSMCでは、補修パーツとしての1個単位での供給があるが、DINタイプコネクタというだけで詳細が分からない。
どうせなら、動作中はモニター電照があるタイプにしようと思う。
5つセットで買うと残り4つは当面出番がないが、コネクタのオス・メスを一緒に買って、今後何かに使えるようにしておこう。
こうしたパーツはモノタロウで探すことが多かったが、今回は単価が安かったAXELで頼んでみることにする。3000円以上で送料800円が無料になるので、他の物も見繕ってみよう。
Posted at 2019/10/22 21:54:34 | |
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