↑ヤフオクでの画像
ご記憶の方もあるかと思うが、ちょっと前に砥石径150mmのつもりで205mmのどでかい卓上グラインダーを、同じ型番で格安故間違って買ってしまったのだ。
が、動作確認後整備しようと一度分解し、ベアリングを交換して戻したところから回転しなくなってしまった。
症状としては通電してもジーと音がするだけで回らない。
コンデンサの不良かと思い、劣化があったので交換してみたが変わらず。ここまで以前投稿している。
普通、単相交流モーターの場合、コンデンサの不良では手で勢いをつけると回り始めるものだ。と言うのも、コンデンサーは主コイルと90°ずれた向きにつけられた始動コイルの交流位相を遅らせて始動トルクを得るためのものもので、外部から回転を与えてやっても同じことなのだ。
しかしこの個体はジーと言うだけで回ろうとしない。
不思議なことに、軸が磁力で吸い付けられて回ろうとしないのだ。電源を落とすと手で回るようになる。磁力で回転が阻害されている。
コンデンサを外し、起動コイルをカットしても症状は変わらず。
あたかも直流を流しているかのようにローターがコイルに引き寄せられて動かない。交流なら引き寄せる方向が変わり続けるのでこんなことは起こるはずがないのだ。
直流抵抗計のみならず絶縁抵抗計でも調べたが漏電なし。
論理的には全く納得できぬまま、コイルの直流抵抗を測ると、0.9Ωと一般的な単相モーターと比較してかなり低い。一方、始動コイルは2.2Ωだ。始動コイルは始動方向を決めるだけなのでコイルはあまり電流を消費しないものになっている。
全く訳が分からないが、ステータコイルにレイヤーショートが起こったのだろうととりあえず納得させて、一旦この個体から離れた。
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その後、ステータコイルをハウジングから叩き出し(ハウジングを叩き続けると抜けてくる)、詳細にチェックしたが、コイルに発熱あとは見られず、どうみてもレイヤーショートしているとは思えなかった。
再度組み立て、始動コイルに電圧をかけて回転させることを試みようと思った。
ここでスライダックの登場である。
直接100Vかけてもよいのだが、ちょっと怖い。低い電圧で様子を見ながらやりたいと思ったのだ。まあ、スライダックを購入するいいわけでもあるのだが。
先ほど試してみると、始動コイルだけでは当然回転を始めないが、手で勢いをつけると90V位では電源周波数に応じた誘導回転をした。電流も3Aちょっととあまり大きくはない。
ならばと主コイルにつないで見たら、先日と違いローターがコイルに吸い付くことがなく、手で回しても軽い。勢いをつけてみると何と回り始めてしまった!
この状態ではスライダックが過負荷で燃えてしまうので、すぐにやめた。
だが、正常に回るであろう事が示唆されたので、直接AC100Vをつないぐ次のステップに移った。
始動コイルに新品コンデンサをつけた本来の構成につなぎ直し、電源を入れると、なんと普通に軽く回り始めてしまったのだった。
ちょっと、なによこれ。
脱力感が…。
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直流抵抗がかなり低いのは、205mmホイールなのでモーターの出力がかなり大きいためなのだろう。工場などで使う三相モーターの場合、1Ωより低いものはよくあるらしい。
結局あの直流を流したような挙動の理由はわからないまま。どう考えてもコイルに交流が流れれば磁界の向きは反転し続けるので、1箇所に吸い付けられるなどと言うことは起こらないのだ。
全分解し組み直したら正常に戻ってしまった。
理解不能。起こるはずのないこと、まるでポルターガイストである。
きっと何か見落としていることがあるのだろう。
まあともかくもモーターが復活したので、とりあえずハウジングのサビ落としを再開し、錆止めに色をつけて、つかえるようにしよう。
ディスクサンダーの動力にすることを考えていたが、何か他に有効な使い道はあるだろうか。
やたらにでかいので、置く場所にも困る。
Posted at 2024/03/10 16:48:28 | |
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