
これは、Wikipediaにあった空中配線の項の写真。バリコンが見えるのでおそらくラジオだろう。
真空管時代には空中配線が普通だった。
その後もプリント基板になっても空中配線は結構あり、メインテナンス性を大いに損なっていた。
プリント基板が多層化する、最適化技術が向上するなどの要因、部品の小型化、コネクタの多用、配線をまとめる方法の改善などで、現代では極端な空中配線が見られなくなっている。
我が家の機械類でも、空中配線が目立つのはジャンクで購入した古めの測定器や電源類に限られる。
そういう古い機械では、修理の為にプリント基板一枚外すにも、多数の配線のハンダ付けを取り外さねばならなかったりする。しかもそこにハンダごてが入らないから配線を切るしかないとか。ボリュームやスイッチ類などの可動部品が基板とケースの両方に固定されていたりするし。
昔の修理技術者は、さぞや大変な思いをしながら修理をしたことだろう。
しかし、機器が高価であることもあり、手間をかけて問題のある部品を特定し、確実に修理した。
現代では非常にシンプルな構成になっていて、コネクタをいくつか外すだけで取り外せるのが普通だ。しかも、基板修理などまずやらず、基板交換で修理が完了する。微小部品の交換は手間がかかりすぎるし、その特定の時間もかかりすぎる。メーカー修理では基板上の部品を取り替えるなど、パワーICとかパワートランジスタ/FETを除けば一般的な修理ではまず考えられないだろう。
フローチャートで故障部品や故障基板を特定して丸ごと交換するので、修理者にほとんど技量がいらない。自動車のディーラー修理と同じだ。効率性を重視して、現場の技量を問わない。その分資源は無駄に浪費される。
そのあたりは、パソコンとかIT機器のサポートと同じで、マニュアルで対応するオペレーターにほとんど知識がないのと同じようなことになっているようだ。
大工の仕事、内装職人の仕事、屋内電気工事の仕事もみなメーカーが用意したものをつかって簡単施工になっている。
技能のある人間が育たないし、技能のある人間を重用することもない。
非常にいびつな世界になってしまっている。
かずさんみたいなリフォームの現場は全てが違い、工夫の積み重ねで処理をしなければならない。ただ、施工の段階で修理不可能全交換みたいなものが増えていて、そういう仕事自体が今後どんどん少なくなっていくのかもしれない。
自動車もブラックボックスが増えすぎて、しかも半導体による制御がほとんどなので、長持ちしないし部品供給が終われば即車毎ごと捨てるしかなくなる。
日本企業のような目先の利益ばかり追うところは、早期に部品供給を止めて買い換え需要を促す(その結果、アジアメーカーにシェアを奪われ続ける)。
世界は資源を浪費し続け、搾取をし、一方で借金で回し続ける経済システムがいつか破綻し、文明が大きく後退する時代が遠からず来る。
何のかんのと言って有機物の固まりで工業資源として欠かせない石油を取り尽くせば、一気に衰退する。
やがて木材も切り尽くし、草を利用することになる。
莫大なエネルギーを使う現代の工業は当然維持できず、鉄すらも材料として使えない時代が訪れるかもしれない。
地球の歴史では鉄以上を使うようになっても木を切り尽くして石器時代レベルまで逆戻りした例がいくつかあるらしい。
いずれ世界がその状態に陥ることになるのだろう。
ソーラー発電?
その電気では十分な有機物を生産することが難しく、ソーラーパネルの再生産のエネルギーすらまかなえない。
いずれ最後のソーラーパネルが息絶える。
人類の繁栄は石油と共にあり、地球の歴史の中で膨大な時間をかけて太陽エネルギーを元に生産された有機物の塊を短期間で一気に使い尽くそうとしている。
それを他で代替するのは今のところ極めて困難だ。
宇宙の資源を利用?
利用したくても、その往復の燃料は莫大で、時間もかかる。持ち帰る資源より往復で使う資源の方が多くなるらしい。
Posted at 2024/03/25 12:10:44 | |
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