この所、電動工具を修理するのが趣味と化しているが、タイトルを【修理】とするか【レストア】とするか迷う。
Wikipediaではレストアについてこう書いてある。
レストア(リストア、英: restore=回復する)は、老朽化などの理由により劣化もしくは故障した、自動車、オートバイ、鉄道車両、航空機、時計、ラジコンモデル、ゲーム機等を修復し、復活させること。
Wikipedia
海外の動画など見ると、古いもの、古くて機能を失っている物、古くて汚れ等がひどい物を復活させる場合にrestoreとしているように見える。
私が扱っているのは、現役製品からとっくの昔に販売が終わっている物まで様々だ。手持ちやヤフオクで、旧製品であり製造から20年程度以上経過した物を修理する場合にレストアと称することにしようかと思う。
実家の35年ほど経った家具は立派にレストアだし、マキタの掃除機は修理だ。
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マキタはかなり古い製品でも部品が出るようだ。さすがにルーター3600は供給が終わってしまったが、後継製品と共通部品が多く、マキタ内での汎用部品も多く使われているので、レストアしやすい。プロの現場で長く使われる【道具】であり、長く製品を使ってもらおうという【道具メーカー】の責任を自覚した姿勢なのかもしれない。
このあたりは性能保有部品が法律上の義務期間を経過したとたんに廃棄されてしまう日本製家電等とは大きく違う。特に、インクで利益を上げ、インクのモデルチェンジを繰り返すプリンタとかはひどい。
ボッシュは20年ほど前のオービタルサンダーの消耗部品が供給終了になっていた。実は、他の部品はまだリストにあるものが多い。要するに、部品の製造が終わっているから、なくなったらそれまでのようだ。消耗部品の在庫が尽きたと言うことらしい。
世界中に愛用者がいる製品なのだから、消耗部品の供給ぐらいしっかりやってほしいものだ。
日立のジグソーも同じ状態のようだった。在庫部品が尽きたらそれまでよと。
いずれもDIYモデルだから長く使ってもらおうとはしていないのだろう。
それでも古い製品の部品供給があるだけ、多くの日本製家電等よりマシだ。新製品を売るためにモデルチェンジを繰り返して旧製品を陳腐化し、旧製品の部品供給をさっさとやめて、部品を廃棄してしまう。いつまでも古いものを使ってないで買い替えろよ、と。それじゃないとうち儲からん、と言うわけだ。でもあなたのところに買い替えるとは限らないよと私は言いたいが。
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マキタ製品の整備性はすばらしい。
電動工具は単純なものが多く、修理もしやすいものが多いのだが、マキタ製品は電子回路を積んでいてもそもそもの整備性が良い。分解しやすかったり、脱着が容易だったりする。
無理に小型化したりせず、余裕を持たせている部分もあるのだろう。
マキタの掃除機は、見事にシンプルに作られており、多くの日本製家電が分解する時点で苦労するのと訳が違うし、個人では部品の入手も比較的容易だ。
問題のある部品を容易に切り分けて交換できる。展開図も請求すれば手に入り、多くの部品がマキタ代理店を通じて容易に入手できる。
部品改良も当然記録されており、互換性がチェックされている。旧タイプの供給が止まることもあるが、共に必要な安価な消耗パーツごとの交換で機能維持できるようになっていた。
大きな家電で、出張修理が前提となるエアコンなんかも整備性は良いようだが。
昔の家電は大体そんな感じだったように思う。
今どきはそもそも修理を前提としていない製品が身のまわりにあふれている。分解ができない、筐体の一部を破壊しないと内部にアクセスできない、そもそも部品が供給されていないものが結構多い。
某真空ポンプメーカーは、部品の変更をサポートが把握しておらず、互換性のない部品を案内し、つかないので問い合わせると本体側の大型部品も交換せよと返答するという、ちょっとあり得ないことをしてくれた。
少なくともマキタではあり得ない。
会社の規模が違うとは言え、基本ができていないと言われてもやむを得ない。
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私がLENOVOを使い続けているのは、製品の安定度、サポートのよさ、整備性のよさ、部品入手性のよさによるところだ。
パナソニックのLet's Noteは中古が潤沢ではあるけれど、モバイル性を追求しすぎているせいか整備性はあまりよくない。
どちらにしても部品供給は古いモデルはサポートが打ち切られる。あとは部品取りで何とかするしかないが。そうなると中古が潤沢であることが重要だ。
LENOVOの場合はモデル間の部品互換性が高く、中国から部品を取り寄せられるのもメリットだ。パナソニックはその点LENOVOには及ばない。
ドライバーの供給も打ち切られるが、LENOVOの場合はサポート外になっていても使えることが多い。使えるのにモデルでインストールを撥ねられてしまうと言うことがない。
日本IBM時代から、こう言うところは変わっていない。
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製品で利益を出せばいいと言うメーカーと、製品をしっかりサポートしながら長く使ってもらおうというメーカーでは、当然後者を支持する。
家電や自動車なども、長く使える製品であって欲しいのに、特に日本ではそれをメーカーが許さない。そんなメーカーこそ淘汰すべきなのだ。
シェーバーなどの消耗部品を長く供給しているブラウンやパナソニックなどは、信頼できると言えるかもしれない。
電動工具で高儀(EarthMan)は、安価で良い製品を作っているが、サポートが心配になる。部品が出るのか。いつまで出るのか。
その点で、どうしても実績のあるマキタを選びやすい。日立やボッシュも信頼できそうだ。
大切なのは、道具は使い手にとって良い物が長く使えるかどうかだ。
それを大切にする姿勢を持った企業を支持するし、支持される世の中であって欲しい。
追記:
電動工具の修理業の方の動画など見ると、古い電動工具の場合、部品供給がなくなっても修理できるケースはある。しかし、部品そのものを直す(たとえば、モーターの巻線をまき直すなど)場合、人件費が大きい。そうした場合、修理費多額につき修理不能(買い替えた方が全部が新しくなるし安いですよ)という返事をしているそうだ。
ほぼ同じ工程でも非常に高い製品なら当然修理をした方が安くつく。
金に糸目を付けないなら依頼で修理ができることがあるし、自分で直すならいくらでも時間をかけられる。
追記:
最近の電動工具は電子化が進み、高機能化の一方で脆弱になっているようにも見える。家電や自動車と同じ道をたどっているように見える。
ブラシレスモーターを積み、電子回路での制御を複雑に行う電動工具がいつまで使えるか。電子部品自体が生産終了になりやすい中、メーカーはサポートし続けられるのかどうか。
私は長く使うつもりのものなら、なるべく高度な制御を行う製品は避けたいと思っている。安価な使い捨てにできるものはその限りではない。