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2005年07月07日 イイね!

福祉車両について考える

福祉車両について考える福祉車両のハイテク化や
それにまつわる話。

個人的に興味のある分野に、福祉車両がある。福祉車両とは、簡単に言うと身体の不自由な方々や高齢の方々を対象としたクルマのことだ(決して障害者専用ではなく、高齢化社会をにらんだ設定のものもあることが、従来との相違点だ)。

自動車メーカーによって、その名称がウェルキャブとかトランスケアなどと異なるが、そういった方々の生活を支援するためのクルマであることには違いがない。以下、福祉車両に関する各メーカーの取り組み、その代表的装備の例、そして最後に私的な雑感を簡単に述べてみる。

今日の自動車技術の進歩には目を見張るものがある。エンジンではバルブの開閉タイミングが連続可変となったり、気筒休止システムによって燃費と出力とを両立させたり、ハイブリッドシステムが量産化されたり、前後輪だけでなく左右輪にも駆動力を配分するシステムが実用化されたり、制御マネジメントが緻密になったりと、枚挙にいとまがない。だが進歩はそうした技術に留まらず、福祉車両に搭載される支援システムにも、各社各様の知恵と工夫が凝らされるようになってきた。

かつて福祉車両というと、車種も非常に限定され、アシスト装備も限定され、車輌価格も非常に高価で納期も日数のかかるものだった。ところが現在では、ベース車輌として数多くのモデルを選ぶことができるようになり、また装備も(要介護の程度に応じて)多少は選ぶことができるようになった。私見だが、こうした取り組みでリーダーシップを発揮しているのは、やはり企業体力と底力に優れるトヨタ自動車だと思う。

例えばトヨタの公式WEBサイト (~ウェルキャブへの取り組み~) を見ると、自動車を通じて社会に貢献するという真摯な企業姿勢が見えてくる。また、同じくトヨタの学童・児童向けサイト (人にやさしいクルマづくり) を見ると、いかに多くの車種で多くの支援システム(※)が得られるかが分かるだけでなく、それらの福祉車輌それぞれについて、「おりるとき」と「のるとき」のムービーが見られるように配慮されていることにも、トップ企業としてのあり方を垣間見ることが出来て驚かされる。もちろん、学童・児童向けではなく 大人向けのサイト の中でも、アイシスを例にとったムービー を見ることもできる。

(※)助手席・・・・回転シート、回転スライドシート、同・全自動式、サイドアクセス、リフトアップシート
   後席  ・・・・回転スライドシート、同・全自動式、サイドリフトアップシート、スロープ、
   支援  ・・・・フレンドマチック(パワステ操作力半減など)

日産自動車(株)でも、関連会社のオーテック・ジャパン(株)が運転支援システムを架装している。例えば、下肢障害者向けにスロットルペダルを手動式としたものは従来から存在したが、最新式のものではその手動式レバーをエンジン電子制御システムと連動させ、微妙な操作感が手で感じ取りやすくなるよう、改良されている。このシステムは、現在ではスカイラインを初めとする12車種に搭載することができる。その他、ホンダ技研工業(株)も足だけで操作が可能な「フランツシステム」を開発し、シビックだけでなく最多量販車のフィットにも2005年4月から搭載可能としている。富士重工業(株)でも、サンバー・トランスケア・電動リフト車に「自動ガイド機能」なる音声ガイダンスを付加するなど、各社それぞれに、(制約はあるだろうが)現状で持てる力を投入しているように思われる。

そうした企業努力も手伝ってか、福祉車両の登録台数は年々増加し、2004年度は約41,600台が販売されたとされる。これは5年前の実績比で約17,000台増だそうだ(2005年7月3日付け 読売新聞より)。こうした現象の背景には、少子化・高齢化という社会現象(介護が必要な高齢者や障害者を看る者が少ない)が陰を落としているとも考えられるが、今後は車輌価格をどこまで引き下げることができるか・・・どこまで購入対象者の門戸を広げることができるか・・・が課題であると思う。

福祉車両ではない通常の車輌であっても、いわゆる 「ユニバーサルデザイン」 が普及し始めているので、将来は福祉車両とユニバーサルデザイン車の垣根が低くなるであろうことを考えれば、福祉車両の価格はもっともっと下がって良いハズだ。ハイブリッド車が表向きはCO2の削減を狙って(実際には企業イメージアップを狙って)大幅な赤字覚悟の価格設定をしているのだから、生活に密着した福祉車輌だって実際の障害者&高齢者ユーザーへの実利(負担軽減策)を打ち出したって良いはずだ。

我が家を振り返ると、私の父は、生前、身体障害者手帳(肢体不自由)の交付を受けていた。等級(不自由の程度)が軽かったこともあり、クルマの運転が好きだった父は自営でクルマを使う仕事に就いていた。しかし当時は現在のような身障者支援システムを搭載したクルマなど、ほぼ皆無だった。だが泣き言ひとつ言わずに、毎日運転を続けていた。そんな父が、もしも現代の福祉車両を見たならば、そのハイテクぶりに目を見張ったことだろう・・・「クルマも人に優しくなったな」と。

確かに「クルマは人に優しくなった」。だが、クルマを運転する「人」についてはどうだろう?
果たして「人は他車(他者)に優しい」と言えるかどうか、私には少々疑問に思えるのだ。

我々健常者は、やれドレスアップだ、チューニングだ、などとアフターパーツの装着や流用に興じてしまい、ややもすると純正状態で釣り合っていた車両のバランスを自らの手で崩してしまいがちだと思う。恵まれた自動車環境の中に身を置きながら、何ともったいない(愚かな?)ことであろうか。あるいは、たとえドレスアップやチューニングに興味の無い者であっても、公共の施設で身障者専用の駐車スペースを勝手に使ってしまうような、そんなマナーに欠ける健常者もいることだろう。

身障者にとっては、クルマの運転自体が文字通り死活問題に直結する場合もある。モータースポーツ、あるいはドレスアップやチューニングを楽しむ以前に・・・「クルマを運転する」という一見単純に見える動作にたどりつくまでに、多大な苦労をしている人々が存在すること。そして健常者のマナーに欠けた仕打ちによって多大な迷惑を被る人々がいるかもしれないということを、日々忘れないようにしなければならない・・・と思っている。

<更新情報 7/10(Sun.) 8:50頃、追記↓>

自動車メーカー以外の取り組みとしては、ニッポンレンタカーサービスが
  ◎今夏までに福祉車両を全国に100台配備する。
  ◎身体障害者やその介護者には、従来通り利用料金を割引する。
  ◎そして新たに介護保険受給者にも、優待料金制度を導入する。
となっている(2005年7月3日 読売新聞より)。
いずれ他のレンタカー会社でも、同様な取り組みが進むと思われる。

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「CBR250Fourが高スロットル開度にて#4が失火気味。要求電圧が高くなるときに3気筒になってしまう模様。低中回転速度でth開度が低いときは失火は発生しない。原因の切り分けのため、#1と#4の点火プラグを入れ替えて様子見します。」
何シテル?   06/13 18:56
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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