初年度登録から丸13年が経過したBP5D型レガシィ(2006年式)の、6回目の車検もユーザー車検で通しました。
主な整備は自分で行い、計測器で数値判断する検査項目はディーラーに依頼して、万全を期したつもりでした。が、陸運支局では予期せぬ指摘をいただき、その場で対処するという経験を重ねることに。
備忘録を兼ねた今回のブログは、ユーザー車検本番の「後編(最終話)」です。
◎「準備・その1」 は →
6回目(13年経過)のユーザー車検準備・その1(ヘッドライト磨き)
◎「準備・その2」 は →
6回目(13年経過)のユーザー車検準備・その2(フロントリップ外し)
◎「本番・前編」 は →
6回目(13年経過)のユーザー車検・前編(検査ライン当日の状況)
■前編までのおさらい
今回のユーザー車検では、
・陸運支局にて、これまで過去に一度も指摘されたことの
なかったウィンドウフィルムについて受審するよう指示された。
・それ以外の各検査項目については、問題なくクリアした。
という点がトピックスでした。
<↓検査ラインの3番レーンで、下回り検査を終えた直後の状況(後方を振り返り)>
<↓ここが掘り下げピットになっている部分(車両の下回りの検査工程)>
■検査結果の印字
ここまでの検査で不適合項目はありません。3番レーンの最終工程のあとに設置されている記録機に、自動車検査票(審査依頼書)を挿入して検査結果を印字させます。
<↓3番レーンでの検査工程を終えたあとの記録状態>
<↓この時点までの各検査項目にNGはない>
車両をいったん「3番ライン」から出したあと、あらかじめ追加指示されていた「0番ライン」に車両を並べ直します。運転席と助手席のウィンドウフィルムについて、計測器を用いた判定を行っていただくためです。
■透過率の測定
レガシィについては、かつて乗っていたBG(2代目)レガシィの頃からユーザー車検で通していますので、かれこれ20年間くらい(?)の経験があるのですが、フィルムの透過率の実測を指示されたのは、今回が初めてです。今まで一度も、そんなことはありませんでした。
<↓初めての「0番ライン」。建屋の一番端の奥まった場所にあり、目立たない>
<↓私の前の受審車は2輪。「0番ライン」は個別事情に沿って検査するラインのようだ>
順番が回ってきて、私は「ウインドウフィルムの透過率の計測をお願いします。」と申告しました。検査員は一瞬「?」という表情を見せたあと「あぁ、そうですか。」という感じで、ライン横の詰め所に消えていきました。
別の検査員の誘導に従い、レガシィをラインの先へと進め、パーキングエリアに停車させます。そこに先ほどの検査員が、計測機器を持参してやって来ました。
検査員は、発信側と受信側が対になった(2個セットの)円筒状のものをキャリングケースから取り出しました。筒状のものの直径は、目測でおおよそ10cmくらい。それを、レガシィの助手席ウィンドウを「外側と内側の両方向から」ガラスをサンドイッチする形で挟み込みました(※この間の画像は無し)。
結果、得られた測定結果は次の通り。
・運転席 : 52%(基準値=70%以上)
・助手席 : 59%( 同 上 )
<↓測定結果は、予想を遙かに下回る数値に・・・>
■検査員とのやりとり
検査員は透過率を測定する際に、実は少々手こずっていました。理由は、送信側と受信側の2つの円筒形センサ(の合わせ面)が平板であるのに対し、実際のドアガラスはカーブを描いており、曲面状に成形されています。そのため、重ね合わせ具合を何度かやり直して測定していたからです。
恐らく、理想的にカップリング(向かい合わせ)しないと正確な数値が出ないのでしょう。今回のレガシィでは、着色フィルムではなくほぼ透明のIRカットフィルムで透過率が左右で52~59%と出ていることも、測定バラツキが大きいように思えます(同じ経年変化に晒されている環境条件も考慮)。
そこで私は、その場で検査員に次のように話しかけてみました。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
私 :「車検対応と銘打ったフィルムにも関わらず、かなり数値が
低下していますね。決してクレームではなく、どうして
そのように低下するのか、教えていただけますか?」
検査員:「最新のクルマは、もともとメーカー純正のガラスだけの
状態でも、透過率がギリギリ70%とか72%なんですよ。
なので、フィルムを貼っただけでNGのことも多いのです。」
私 :「この車両は最新型ではなく、10年以上前のクルマですが。」
検査員:「あ~、いやいや、昔のクルマでも同様ですよ。」
私 :「経年変化でフィルム自体も劣化するからでしょうか?」
検査員:「そうですそうです、フィルムも劣化するからです。」
私 :「それでは今ここでフィルムを剥がしますから、剥がした
あとの純正ガラスだけの状態で、透過率を再計測して
いただけないでしょうか? 」
検査員:「いやいやいや、それはしません。」
私 :「そうすることで、剥がす前後の数値の差分を比較すれば、
純粋にフィルムだけが寄与した透過率低下分がわかりますよ?」
検査員:「いやいやいや、それはできません。」
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これは単に私の想像の域を出ませんが、
・透過率についての質問(やクレーム)が来るのは想定内。
・その理由についても、経年劣化とすべきことも想定内。
・ただし、フィルムを剥がすからその場で純正ガラスだけの
状態で比較測定してほしい、というコメントは想定外。
だったのではないか、という気がします。
私としては、クレームを付けるのが目的ではなく事実を正確に把握したかったのですが、それは叶いませんでした。個人的には「検査員は歩く法律」と私は解釈しているので、0番ラインからレガシィを出して、素直にフィルム剥がしにかかります。
■応急措置
「ディーラーの事前検査でも指摘されなかったのに」とか「陸運支局でも、今まで一度も指摘されなかったのに」とか言っても仕方ありません。ユーザー車検を予約している、午前中の2ラウンド(10時半~12時の枠)の中で、すべての作業と手続きを終わらせる必要があります。
<↓人間の感覚としては、この程度の差でハネられるとは残念>
<↓剥がす際に、フィルムが途切れ途切れにブツ切れにならなかっただけマシ>
<↓運転席、助手席とも剥がします。さらば、断熱IRカットのシルフィードFGR-300>
「フィルムを剥がしたあとは、元の検査ラインの係員にお伝えください」との指示を受けてたため、3番ラインの下回り検査工程のあとの最終検査員にその旨を申告したところ、「今、身動きが取れないのでもう一度、検査ラインに並び直してください。」との再指示を受けました。
■再検査
気を取り直して、再び3番ラインの最後尾に付けます。時刻は11:40頃。書類手続きを含めて12時前には終わらせたいところ。手の空いている検査員(先ほどは別の検査員です)に「フィルムを剥がしたので再検査をお願いします。」と話しかけます。
<↓剥がしたフィルムの現物を検査員に見せながら、これまでの経緯を説明します>
検査員は「運転席だけですかね?」と聞くので「助手席もです。」と答えましたが、運転席のウィンドウにも助手席のウィンドウにも目もくれず、自動車検査票(審査依頼書)に押印いただきました。
先ほどの検査員には、なめ回すようにレガシィの室内をのぞき込まれたのに対し、今回の検査員はウィンドウに一別もくれずに押印。もしもここで「フィルム剥がしました」とダミーのフィルム(ニセモノのゴミくず)を見せても押印するんじゃないか?と思われるほどアッサリと押印いただき、逆にこちらがビックリしたほどです。
<↓かくして、最終的には無事にすべての検査項目をパス>
<↓保安基準に適合した車両であることが証明されました>
<↓透明フィルム、という予想外の指摘がありましたが、最終的な結果は問題なし>
まぁ客観的に見れば、このタイミングで運転席&助手席のフィルムを貼り替えしても不思議ではないことでしょう。そのキッカケを与えていただいた、と前向きに捉えた方が吉ですね。
■備考
さて、新しい車検証を発行いただいた際に、窓口で次のようなA4用紙もいっしょに配布されました。受審した車両に対するリコール実施情報です。
<↓意訳:「あなたの車両には次のリコールが出ている。対策がまだなら急げ」>
<↓良く見ると、燃料ポンプのハーネスに関するリコール(の注意喚起)>
しかし、実際にはすでにディーラーでこのリコール対策は実施済みです。
<↓ちゃんとメンテナンスノートにも、リコール対策済みの印が押されている>
これは、ディーラーでリコール対策を実施いただいたときからあまり日数が経っておらず、処置済みであることの車両情報がサーバに反映されていなかったからでは? と思いました。アップデートされるまでには、タイムラグがあるのでしょう。
以上、ユーザー車検の当日に、陸運支局(現場)で予想外の指摘をいただきましたが、最終的には無事に「有効期間が今後の2年間」の車検証を手にすることができました。
長文になってしまいましたが、一連のブログが何らかの参考になれば幸いです。
Posted at 2019/07/29 22:49:43 | |
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