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調布市のKAZのブログ一覧

2017年08月18日 イイね!

[エクシーガtS] トラブル速報&工具を使わないトラブルシューティングの実例

[エクシーガtS] トラブル速報&工具を使わないトラブルシューティングの実例今年の夏も 「東京→青森→函館→札幌」 の片道1000km超を、家族を乗せてクルマで帰省(お墓参り)しました。

今年は家族全員のスケジュールがそろったため、レガシィではなくエクシーガで帰省したのですが、その道中でメカニカルトラブルが発生。今回は帰省記の掲載前に、その症状と、実家の札幌で行った 「工具を使わないトラブルシューティング」 を速報します。


■異変の巻
往路(東京→札幌)の帰省ルートは、外環道から東北道に抜けて一気に青森まで北上。津軽海峡フェリーで函館に上陸してからは、下道で道の駅に寄りながら札幌に向かう・・・というものです。

高速道路をしばらく走ったあと、追い越し車線で加速する際に 異音 を認知しました。「シュー」 という感じの音 です。自宅(都内)を出発したときや、高速に入ってからしばらくの間は、まったくそういった音は感じませんでした。周辺を走っているトラックなどからではなく、自車のエンジンルームから聞こえます。アクセルを少し強めに踏むと、音もやや大きく聞こえます。

このとき、インパネにはチェックエンジンランプが点いていません。また、急激なパワーダウンや減速感もありません。東京の自宅を出発してから、約540kmを走行したあたり(青森まで、あと約190km)での出来事でした。


■症状確認の巻
最寄りのパーキングエリア(矢巾PA ← 紫波SAの次)まで多少の距離があったため、周囲の交通状況に注意しながら、異音の発生条件について確認したところ、次のようでした。

(1)異音を表現すると、「シュー」 という音である。
→ 何かが こすれ合うような金属的な摺動音ではなく、
  例えて言うなら圧縮空気が漏れたような音に聞こえる。

(2)ブーストがかかっているときに異音が発生する。
→ 後付の Defi ブースト計で確認すると、吸入管圧力が
  負圧のときは聞こえず、正圧に転じたときに聞こえる。

(3)アクセルペダルの踏み込み量に連動する。
→ アクセルを強く(深く)踏み込むと、異音も大きくなる。

(4)車速、トランスミッションギヤ段、SIドライブには鈍感。
→ 車速を80km/h~100km/h強に振っても、音質に変化なし。
  ATのギヤ段を4速・5速に変えても、あるいはSIドライブを
  Iモード・Sモード・S#に変えても、音の大小の感度は低い。

(5)エアコンのON・OFFにも感度がない。
→ エアコンの作動・非作動で音質や音の大小は変化しない。


<↓異音が発生する運転条件を確かめている時点で、”広義の” トラブルシューティングではありますが・・・>


運転しながらも上記(1)~(5)を確認できた時点で、「ターボチャージャのコンプレッサハウジング出口からシリンダヘッド入口までの間の、吸入管経路の圧力漏れ」 の可能性がありそうだ、と分かります。次の矢巾PAにたどりついた際には、吸気系の点検 を行うことにしました。

■目視確認の巻
矢巾PAに入り、左右両隣に車両がいない駐車スペースにエクシーガを駐めて、エンジンルームを確認します。

<↓手を入れたレガシィではなくファミリーカーのエクシーガなので、残念ながらDIY工具は積んでいない・・・>


レガシィならば、いつも工具類を荷室に積んでいるので(本当に必要とあらば)出先でも簡単な整備ができるのですが、今回はファミリーカーのエクシーガ。しかも、出発の前日にディーラー車検を受けたばかりでしたので、DIY用の工具を積んでいません(積んでいるのは、もしもの際の全自動バッテリー充電器のみ ← これは復路の燃費対策も考慮していたため)。

たとえ工具が無くても、このエクシーガのEJ20ターボエンジンで目視確認すべき箇所は、次のようになります。


(A)ターボのコンプレッサ出口~インタクーラ入口のフランジ(可能性あり)
(B)インタクーラ出口~樹脂ダクトのバンドクランプ(可能性あり)
(C)樹脂ダクト~ETC(スロットルボディ)のバンドクランプ(可能性あり)
(D)ETC(スロットルボディ)~樹脂インマニの接続(可能性は低い)
(E)樹脂インマニ~シリンダヘッドの接続(可能性は低い)

※圧漏れの場合、実質的には(A)~(C)の3箇所が可能性として挙げられる。

<↓エンジン右バンク。主にターボチャージャからインタクーラまでの吸気系の接続状態を目視確認します>
 

<↓エンジン左バンク。主にインタクーラ出口からスロットルボディまでの吸気系クランプ締付を確認します>
 

・・・目視確認では、吸気系(の接続状態)に明らかな緩みなどの異常は見受けられません。DIY工具もなく、また青森発フェリーの乗船手続き時刻(夏場は出航の70分前までが目安)も迫ってきたので、やむなく再出発することにしました。

■工具を使わないトラブルシューティングの巻
青森発のフェリーに乗船したあと、函館から札幌(距離:約300km強)まで、慎重に運転した甲斐あって、無事に実家に到着しました。荷物を降ろし、さっそくエンジンの点検作業にかかります。まずは、車載工具を改めて確認しておきます。

<↓グローブボックスの中から取りだした純正の車載工具・・・これでは車上整備はできない(ガックリ・・・)>


純正の車載工具はリヤのスペアタイヤ収納スペースにもあるのですが、残念ながら、今回の用途としては使い物になりません。しかし、だからといって落胆する必要はありません。「吸気系の過給圧漏れの可能性がある」 と判断した時点で、工具を使わないで済むトラブルシューティングの方法はある からです。

以下、その具体的な手法を画像で説明します。

<↓準備するもの・・・まずは、家庭用の台所で使う食器用洗剤(何でも可)。これで石けん水を作るのです>


吸気系を構成している各部品の接続部分に、石けん水(あるいは洗剤を溶いた水)を塗布させた状態でストールテスト(※)をします。もしも 圧縮空気が漏れているならば、部品と部品の接続口から石けん水が気泡(あぶく)となって吹き出る ハズです。気泡の出る場所が、圧漏れを起こしている不具合部位 になります。

(※)ストールテスト:
Dレンジにてブレーキペダルをしっかりと床に踏みつけた
状態をキープしながら、約2~3秒間、アクセルを全開に
保つ操作を、インターバルをあけて数回、繰り返す。
   
<↓今回は、実家にたまたまスポイトもあったため、これを吸気系の構成部品の接続フランジに塗布します>








エクシーガのターボ車では、ターボのコンプレッサ出口フランジがアルミ製であるのに対し、インタクーラ入口フランジが樹脂製です。そこでもしも、熱履歴による経年変化で樹脂フランジが変形(口開き)してしまっていたならば、O-リングがシール不良となって圧漏れに至る可能性があるかもしれません。・・・あくまで可能性ですが。

<↓最近の台所用洗剤も進化しています。こちらの製品は、プッシュするだけですでに泡が出るタイプです>






エンジンルームの奥まった部位など、スポイトで石けん水(洗剤を溶いた水)の直接的塗布が難しい場合には、このようなスプレータイプの洗剤を塗布しても良いかと思います。

下準備が済んだ段階で、即座にストールテストを実施します。「Dレンジ・ブレーキ踏み込み・アクセル全開」 であっても、吸入管圧力はやや正圧に達しますので、わざわざ車両を走行させなくても圧漏れの簡易リークチェックは可能です。

「吸気系の圧力漏れ(エンジンから外部へのブーストのリーク)」 の場合は、「石けん水で漏れ箇所を探ることができる」 と覚えておくと良いでしょう。なお、「吸気系の負圧漏れ(外部からエンジン側への吸い込み)」 の場合は、パーツクリーナを噴くことによって、アイドリングが不安定になる箇所があれば、そこがシール不良でエンジン内部へと(エアフロメータで計量されない空気が)吸い込まれていることになります。


■仮判断の巻
上記のように、工具を使わないトラブルシューティングを出先(帰省先の実家)で行いました。その結果、「外部への明らかな圧漏れ箇所は特定できなかった」 という結果になりました。

※このブログをお読みの方々は、「えっ?」 ・・・と お思いでしょうけど。

<↓石けん水によるリークチェックの結果、明らかな圧漏れ箇所は特定されず・・・という意外な結果になった>


その後、慎重に実走を繰り返したところ、運転席&助手席のウィンドウを閉め切った状態でも、車内に 「シュ~~」 という音がハッキリと聞こえてしまうのですが、
 ・ターボの過給圧(安定値)は、約1.0(×100kPa)で保持。
 ・過給圧ピークは、約1.1~1.2(×100kPa)まで上昇する。
 ・「シュー音」はしても、通常の走行には特に支障は感じない。

こと、さらに
 ・数日前にディーラー車検を受けて、保証延長も契約した。
 ・ヘタにDIYで整備を試みて、症状が再現しなくなってしまうと
  保証が効かず、部品の無償交換もできなくなってしまう。
 ・現状を維持し、異音がいつでも再現する状態を保ったまま
  ディーラーに入庫した方が、本職のメカニックにとって好都合。

ということも考え合わせて、そのまま帰路(札幌→函館→青森→東京)に就く、という仮判断をしました。これが先日、札幌滞在中に書いた 「何シテル?(8/15 12:34 付け)」 の経緯となっているのです。

なお、「吸気系の(エンジン内部から外部への)明らかな圧漏れ」 が見あたらないにも関わらず、「シューという異音がする」 という 症状の詳細や解決手段 については、準備が整い次第、順を追って、後日ブログアップする予定 です。いましばらく お待ちください。



(2017年・夏・帰省記 につづく予定)
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2017-08-20(Sun.) : 更新
[エクシーガtS] トラブル続報・ディーラー診断速報(過給時にシュー音・その2) をアップロードしました。
(※「北海道 帰省記」 よりも先に、異音トラブルシリーズをブログアップすることにしました。)
Posted at 2017/08/18 00:32:52 | コメント(4) | トラックバック(0) | 【エクシーガtS】 | クルマ

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「CBR250Fourが高スロットル開度にて#4が失火気味。要求電圧が高くなるときに3気筒になってしまう模様。低中回転速度でth開度が低いときは失火は発生しない。原因の切り分けのため、#1と#4の点火プラグを入れ替えて様子見します。」
何シテル?   06/13 18:56
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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