シミュレーターの効果の話を過去にも何度かしていますが、先週のWECシルバーストン戦の前に行ったシミュレーターでのコース慣熟と実際に金曜日に現地で走行をスタートさせた時の様子を今日は紹介し、プロDr的なシミュの効果をおさらいしたいと思います。
まずシミュトレで気をつけていた事は最初5-10LAPと決めてスタート。
本当に冷えたタイヤで初めてのコースINをする”つもり”でスタートします。
アウトラップはゆっくりコースのレイアウトを確認して景色の流れを確認し、縁石も行ってしまった仕方ないけど基本は踏まないで舗装されている部分だけで走行。
計測1~3Lapは徐々にペースアップ。
結局2分11秒台→9秒台→最後8秒台で終了の6Lapでした。
自分の中で今の自分のイメージではこの辺が95%以上だという所まで行ったら一旦休憩。
リプレイを見て外からの自分のマシンの走りからもう少し行ける所はないか?ここはこういう走り方があるかも?というネタ探しをします。
例えば・・・
T1は高速の右、ここが4速に落とすのか?5速のままブレーキのみなのか?
出口で外目いっぱい使っても次のT2を全開のままT3まで行けるか?
T3のブレーキングは真っ直ぐ止める事ときっちり左に寄せてT3を高い速度で走れる事を重視するか?
またそれによって続くT4のヘアピンのアプローチが外から行けるのと距離重視で小回りなのか?
このT1からT4までのバランスが色々とありそうなんだな~というのが1個目のセクターポイント。
次のT5を全開で通過する時どの位全開ギリギリ感があるのか?
T6→T7のバランスも奥にクリップを取るT6がどの位コース幅使ってもT7に影響ないのか?
T7はWクリップのライン取りなのか? T7の旋回ブレーキはミスをし易いな~とかも。
T8はオールドコースの最終コーナーなので特に全開でも問題ないな~と。
T9は速度域ではT1と同等か少し遅い位、ここは5速なのか?4速なのか?迷うかもしれないな~というポイント。
T10からT14までの高速S字は1個目5速全開で2個目がフットブレーキのみ、3個目でやっと4速に落とし、4個目は更に1個落として3速、出口の5個目は加速しながら通過してその先の裏ストレートに続く・・・という部分、どこのコーナーを犠牲にしてどの縁石をより活用するのか?などここがコースの中での3個目のセクターポイント。
裏ストレートの先のT15はここもまたクリップが少し奥目なのでどの位奥目にするのがタイムに影響するか?意外と侵入でクリップを奥に取ろうとし過ぎない方がいいのか?等。
最後のT16-17のシケインもどちらを重視するのか?縁石の使い方など、行き過ぎた時に1速まで落として止めるなどが効くか?その時のタイムロスはどの位あるのか?
最終のT18の出口は全開で行けそうなのかどうか?
こういった実際に走り出した時のネタだしです。
実際に走ってみるとT1は最初は4速だったけど5速のほうが良さそう、T3は行き過ぎになり易い、T4は1速使用するから距離重視でOK、T5はイージー全開、T6は行けそうで行けないが3速で通過してT7で2速に落とすのが理想、T9は4速でシミュよりも出口が広く使える、T10以降のS区間はコースWalkした時にMattさんが言ってた事を重視したほうが速い、T16-7は1個目抑えて2個目アクセルをフルOFFしないで行けた方が速い、T18は全開で通過するのがギリギリでマシンの状況次第では上手くOFFする必要アリ・・・
などなど実際に走った時に最終のすり合わせをするわけです。
シミュでも上手く行った時の区間タイムを気にしたり、ミスった時にどういう事が置きやすいか?のケーススタディをしておく事が重要で、要するにシミュはシミュなのでここは実際よりもコーナーとコーナーの距離感が違う・・・みたいな事も細かい部分でよくあるので割り切る事が大切。
実際にシミュのベストタイムは2分8秒、実際のコースは最初の練習走行で2分2秒台、次に1秒台、決勝のベストも0秒台でしたからシミュで設定しているマシンの仕様でもギア比やタイヤグリップ係数、パワー係数などで大きく違うという事もあるのでしょう。
帰国してから再度シミュで走ってみましたがやはり8秒台でしたから・・・
(そういうプレイバック&振り返り行動も次に繋がります)
シミュのリアルさ機能の高さも大切ですがそれよりもこのハードを上手く使いこなすソフトの部分(手法)も大切でそれなしでは宝の持ち腐れなんだという事ですね。
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Posted at
2017/04/23 07:41:54