いろいろとモヤモヤしててレポートを書く気になれなかった数日でしたがJ-Sportsの放送を見直す事でレースの展開が客観的に分かり、やっと納得しないと行けない・・・という雰囲気が出てきました。
遅くなってしまいましたが本日レポート各方面に配信させて頂きましたのでみんカラBlogをご覧の皆さんにも以下ご覧頂ければと思います。
コメント部分はどうしても長いです(苦笑)
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【今季限りでのWEC参戦中止を発表したチームと最後のレースに挑む】
関係各位
このレポートは澤圭太のレース活動を支援するパーソナルスポンサー様、個人支援システム『FORZA!! Keita 2018』のメンバー様、及びメディア関係者等に送りさせて頂いておりま す。
11/16-18(金-日)に中国 / 上海国際サーキットにて開催されましたWEC Super Season Rd.5レースのレポートをお送りしますのでご査収ください。
アウトライン:
5月のベルギー・スパ、6月のフランス・Le Mans 24h、8月の英国・シルバーストン、そ して前回、WEC挑戦終了のアナウンスと共に並々ならぬ決意で臨んだ澤の母国レースFSW 戦は熱い走りを見せたもののクラス7位で完走となった。
いよいよWECスーパーシーズンの2018年最終戦(Rd.5)であり、クリアーウォーターレ ーシングとしては来季も続くスーパーシーズンへの参戦は現状の体制ではしない事が決定 している為に澤もチームの一員として 2 年に及ぶ WEC 挑戦も今回の上海で一応の終了と なる。
“有終の美”を飾るべくFSW戦とはまた違う決意のもと澤は14日木曜日に現地入りをした。
公式練習&公式予選の経過:
今回は通常通りのチームの作戦に戻り、澤は予選アタックは担当しないと言う事で金曜日 はWET路面でのバランスチェック走行、土曜日はDRYでの満タン状態でのバランスチェ ックに終始し合計で計測 10LAP 程度の走行に留まる。
金曜日の澤の担当では路面が最後 DRY タイヤでも走れる状況になり、少し早めではったがレースでも同じような状況がある と想定した澤は DRY タイヤでも走行チェックを実施、クラス 3 番手の好タイムを出した。
またエース Dr のマット選手、チームオーナードライバーの Weng 選手も入念に走行を実 施、今回は性能調整(BOP)が少しFERRARI に有利な方向へとアジャストされ、その効果 もあって土曜日の公式練習3回目はクラス2位、フェラーリ1-2状態となった。
午後の公式予選はまず Weng 選手がアタックを実施し 2 分 3 秒台の好タイム、続いてエー ス Dr のマット選手が 2 分 0 秒台のタイム、2 名の平均タイムで争われる予選は FSW 戦に 続いてクラス 6 番手となったが 2 位から 7 位までがコンマ 5 秒以内に収まるという非常に 高レベルな内容となった。
決勝レース:
決勝日は朝から予報通り雨が降るコンディション、今回は最後のレースをスタートDrとし て迎えたいという Weng 選手の希望に沿ってスタートが進行。
しかし雨量が非常に多く、 SC ランでのスタートがされたものの数ラップでコースアウトする車両もあって赤旗中断、 約 30 分ののちに再スタート、SC ランは解除になってレースはスタートを切ったがほどな くして再度雨量が多く、スピンやコースアウト車両がまた多発してSCランに、そしてその 後2度目の赤旗が出され再度中断となる。
Weng選手は難しいコンディションの中、懸命に車をコース上に留めて3度目のSCラン後 の再スタート後にはクラス5位を走行、最低ドライブ時間を消化したためにエースDrのマ ット選手がドライブをすることになる。
SC ランのタイミングでドライバーチェンジを上手く実施した 61 号車はクラス 2 番手に躍 り出て、まだ雨は止んだがコース上の雨量は多い中、マット選手の激走によって Project 1 (ポルシェ)をコース上でオーバーテイク、いよいよクラス1位へと躍り出た。
その後残り 2 時間の所でセフティカーが出され、チームは澤へドライバー交代のタイミン グが迫っていたが2位とのギャップをより大きなものにする為に燃料が無くなる所までDr 交代を延⾧し、最後の澤のスティントも連続でゴールまで行くという作戦を選択、残り1時 間45 分の所でいよいよ澤の出番がやってくる。
コースインするとセフティカー中にドライバー交代と給油をした車両が前に出て見た目上 はクラス 6 位で復帰をするがコース上の雨の量が減ってきた状態でフルウェットタイヤを 装着した澤のペースは想定より平均で 1 秒ほど遅く、ライバルの車両のピットのタイミン グでクラス4 位~6 位を行ったり来たりの混沌とした状態が続く、残り 20分の時点で燃料 が底をつき、給油スプラッシュの為に61号車は最後のピットイン、その際にタイヤの交換 を求めていた澤だったが、今後雨は降らずにコース上の濡れ具合も少ないとの判断でドラ イウェット(浅溝レイン)に変えての巻き返しを試みた。
しかし、タイヤ交換直後から無情にも雨足が再度強くなり、今までのペースから浅溝タイヤ で3~6秒もペースが鈍る澤、ゴールの午後5時も近づきコースは暗闇のほぼ夜間走行、し かも雨量が増えてコース上は浅溝タイヤ装着マシンがコースアウトなどする事も多い非常 に危険な視界とコース状況。澤はコースアウトを 2 度喫しながらも執念で懸命にマシンを コース上に留めて何とかチェッカーを受けたがFSW戦に続いてクラス7位でチームの最後 のWECチャレンジを終える事になった。
2018 年シーズンは 5 回のレースで表彰台は 1 回(開幕戦のスパでの 3 位が最上位)、その 後の4戦は全戦完走となったがル・マンはクラス8位、シルバーストンはクラス5 位、FSW と今回の上海はクラス 7 位とポルシェやアストン勢と対等に戦うのは非常に厳しい状況が 続いたシーズンと言えた、最終戦の上海戦はBOPが改善され練習走行では決勝の好走を期 待させる内容だったが、雨に翻弄された週末となってしまった。
2017 年からの WEC 挑戦の中ではトータル 14 レースに出走、2017 年開幕戦のシルバース トンでのクラス優勝デビューが鮮明だが、澤はトータルで9回のスタートDrを果たし『必 ず上位で帰ってくる男』としてチームからの信頼を得ていた、チームとしては14戦中6回 表彰台獲得、全戦完走という成績だった。
澤圭太 / Keita Sawa コメント:
FSW戦に続いて「本当に終わっちゃいました」って言うのが正直な感想です。
FSW 戦は自分のパートはしっかり戦えてのクラス 7 位だから納得していた部分はあったの ですが、今回の7位は本当に最後の最後に悔しさ山積みまくりの1戦でした。
練習走行では WETも DRYも、そして WETから DRYへの変わり目の見極めも上出来、決勝 は自分のおもいをしっかり走りに表現する意気込みで決勝スタート後はモニターで見守っ てました。
クラストップに躍り出てチームも盛り上がる中、少し緊張しましたがしっかりやりきれる 自信はありました。
結果論ではありますが今回の敗因は完全に残り2時間の時点で出たSCランの時にドライバ ーチェンジをしなかった点に尽きます。
あそこでドライバー交代をしたチームが結局上位5 台でしたから、あそこでピットに帰って私に交代し、残り私の最低ドライブ時間を消化する ゴールまで残り40分の時点で再度マットに変わって、その時に一番路面に適したタイヤで 戦っていればそのまま勝てたか、少なくとも表彰台圏内でゴールし今年の苦戦のうっ憤を 晴らす有終の美になっていたハズだと思うと悔しさ100倍です。
深溝レインで雨の少ないコースを走る、浅溝レインで雨の多い暗いコースを走る、どちらも 私の与えられた 1 時間 45 分の走行は非常に困難な環境でした。
最後の 40 分は本当にこれ が最後になるかと思うと余計に苦痛で、クラッシュ車両の破片を前の車両が跳ね上げてそ のパーツが落下する際に避けるために変えたライン上に他のパーツが落ちていて車両がヒ ットしてしまったり、浅溝レインで豪雨の中を走った残り20分では裏ストレート後のブレ ーキングで前の LMP 車両に追突しそうになりコースアウトさせて回避したり、本当にひや ひやものの走行でした。
振り返ると、10 年このチームの一員として(コーチとして、WENG と一緒に組んでドライ バーとして)GT-Asia、Asian Le Mans、MMER(マレーシア・メルデカレース)、そして念願 夢の Le Mans 24h にも3回行けたし、WEC のこの2 年は特に・・・本当に思い出ばかりで す。
WEC に参戦したのも WENGの引退をしっかり最初から最後まで傍で見届けるため、だから WENG が引退を決意した今、私も WECへの挑戦は“一旦”の終了と決意しました。
“一旦”なので Le Mans もWEC もまたチャンスが合ったら戦いたい、知ってしまった世界選 手権の凄さ、自分が戦えるという自信、本当に宝物ばかりの貴重な夢のアドベンチャーでし た。
想い出深いのはやはり WEC デビュー戦のスタートでド緊張してた中でのヘルメットから の景色、そしてデビュー戦の優勝、またWECシーズンではありませんが2016年のル・マ ン初参戦の決勝スタートグリッドでの万感こみ上げる瞬間の景色、今年2018年のル・マン の自身最終スティントのG.フィジケラが近づいてくるル・マンの景色です。
それ以外にもスパ(オールージュ)に驚愕、ニュルの歴史深い環境、USA コタのコースの 面白さ、メキシコなんてそうそう行けないし、雨のFSWでGTプロカーも抜いての激走の 末に勝利がスルりと手中から落ちた悔しさ、上海の難しさ、チームの戦い方が固まっって自 信を持って戦えたバーレーン、今年に入ってからのスパの表彰台(結果的にあれが最後の表 彰台の景色でした)、力走しても5位にしかなれない無念のシルバーストン、意地を見せれ たFSW最後の母国での世界選手権など数え切れません。
全 14 回の WEC 戦でスタート Dr を 9 回も任せてくれたチームにも感謝ですし、9回のスタートDrを務めた時の表彰台獲得率は全7回の表彰台獲得中5回となる50%以上は自分の役割をきっちり果たせた証拠でもあるし、いまだにまだまだドライバーとして成⾧をしていて、澤のド ライバーとしてのキャラクターも完成形になりつつあると感じています。
チームからは来季のクリアーウォーターレーシングの WEC 参戦体制発表が間もなくさ れるでしょう。私は来季以降何をするかまだ決まっていません、少し休んでから考えようか な?と思っています。
どなたか国内海外を問わず、チャレンジしがいのあるレースに誘って くださる関係者の方からの連絡を待ちたいと思います。
来年以降のレース活動が決まり次第改めて発表しますが、一つの節目を迎えた今、改めて 沢山の支援者の方に応援を頂いてWEC挑戦が実現できました、逆にWECに連れてきてく れて、Le Mansに連れてきてくれてありがとう!って言って頂けて本当に嬉しかったです。
アジアに主戦を移し、そこで掴んだチャンスで日本人ドライバーだけど日本のメーカー路 線ではなく世界選手権に出場し、普段は国内中心にドライビングレッスン事業も進めなが ら、“究極の二足のわらじ”状態でしっかり戦って結果を残せた事、誇りに思います。
最終戦 を終えてから何だか納得できない自分と数日戦ってましたが終わってみて改めて、プロド ライバーなら誰でも羨む環境で私の様な雑草系ドライバーでも戦えた事、本当にすごかっ たんだな~と思います。
胸張って次のステージへ進みたいと思います。本当に応援ありがとうございました。
澤圭太公式戦通算成績:
公式戦 187 戦 うち表彰台獲得 77 回目(獲得率 41.2%) 優勝回数 21 回(優勝率 11.2%)
PP獲得11回、ファステストラップ4回
その他の情報:
フォトギャラリー (撮影協力:Prescott Motorsport、株式会社シャシン、細田雅紀) https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2108376722516624&type=1&l=03a56d3923
FIA WEC Official HP >>> https://www.fiawec.com/
FIA WEC Result >>> fiawec.alkamelsystems.com/
協賛各社の皆様のご紹介(順不同、敬称略):
澤圭太のレース活動、ワンスマ業務は以下の企業様、個人様に支援を頂いております。
改めまして皆様のご理解ご支援に感謝申し上げます。
パーソナルスポンサー様(12社):
Lion Sight Forex Trading Ltd(LSFT)
富士森内科クリニック
FK / 藤井工務店
UPLIFT アップリフトモデル
Regalo
ABEX
KCN / 子安脳神経外科クリニック
@working / アットワーキング
有限会社 青山恒産
Toshida Holdings
クレア薬局
服部クリニック
FSWワンスマラウンジ協力企業(2社):
Scuderia 46 アースコンシャス株式会社 / スワロー
テクニカルスポンサー様(4社):
STBP / 東京ベストプラン
Djac
Arai HELMET
ROCKPORT
FORZA!! Keita 2018(個人協賛21名、企業協賛10社):
企業協賛枠:
延命酢 / 有限会社マルヤス
八王子税理士事務所
医療法人三栄会
Industrial Development Center Clinic : IDCC
Spinning Garage
ライン企画工業株式会社
DABS
Power Profit Japan
魚のへそ
医療法人社団明悠会
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
今後ともご支援の程、宜しくお願 い致します。
ワンスマ主宰 / レーシングドライバー 澤圭太