昨日お客様のシャシン並走撮影で被写体になる車両を都内から回送したんですね。
25年前のスーパーカー ランボルギーニ ディアブロSV というクルマ。
もう、漢 の一言。
ドアを開ける時のボタンも固い、当然ガルウイング、乗り込みの際に「ここに手を掛けるとフェンダーが凹むから気を付けて」の部分がある、電源を入れて警告灯が全て消えるの待ってからエンジン掛ける、シートベルトは左ハンドルなのに右から伸びてくる3点式、ドア閉める時はここからこういう方向に力を入れないと半ドアになる、、、走り出すまでに注意点てんこ盛り(笑)
ギアを入れる為にクラッチを切るが凄く重たい、クラッチミートは特段難しくないが、これは女性には無理だ。
水温油音がある程度上がらないとアイドリングが安定しないから暖気が必要、タイヤが凄く太くてサスペンションもお世辞にも良くできてないから路面の凹凸やウネリなど全部拾うし車から何かゴンゴンと音もする(笑)、パワステはあるにはあるが遊び部分が多くてまっすぐ走るにも凄く神経使う(初めてシミュレーターやった人が真っすぐ走るのも最初大変みたいな)、ブレーキも重たい、一番重たいのはアクセル(笑)、しかも3つのペダルが凄く近くてクラッチ切ろうとして左足ブレーキ状態になりかねない、シフトチェンジはアップもダウンも一個一個の操作に全神経を集中して「変速の為の大作業を実施」する感、水温や油音も走行中は80度くらいをキープしてくれるけど、信号停止状態が続くとフ~っと100度近くまで上がってきて冷や冷やする(苦笑)
車線変更しようとサイドミラー見るも横しか見えず、後方視界はルームミラーからかすかに見えるエンジンルーム越しの景色のみ(これは将棋の駒のようなリアワイドボディーのせいでもある)。
もう怖くて東名でも100km + α が精いっぱい、いつもの様に大井松田で降りてR246で行こうなんて微塵も思わない、足柄スマートインターで降りてからの下道もボディの下面を擦らない様に細心の注意で車線の中で右側行ったり左側行ったり、FSW着いても施設路の路面の凹凸に気を付けて、、、目的地設定もそうだし、時間も何があってもいいように余裕を持った計画になるし、使うルートも道の状況を勘案して選択する。
到着してからが仕事なのに、もう到着する頃にはだいぶ心身疲労状態(笑)
車ってこの20-30年で凄く進化したんだと改めて思いました。
不便をお金で買うって感覚だし、その不便の塊の中に愛着が生まれ、誰でも運転できる代物ではないというものを所有する喜び、そういう一般人には理解できない悦楽がこの時代の車には宿っていたのだと思いました。
道具としての機能が重視される昨今の車では絶対にありえない(笑)
この危うさオーラがビンビン来る車を今のスーパーカーしか知らない人が気楽に乗ると色々と起きそう。首都高とかアクアラインとか、サーキットでさえ、アクセルを踏み込むことを躊躇させるクルマ、走りながら仕事の事を考えたり、音楽を掛けたり、ましてや携帯を持ってLINEの返事をするみたいな事を一切許してくれない、しようと思わせない、出来ると思えない、両手をハンドルから離したくない、逆方向に安全な車とも言える(笑)
丁度昨日はフェラーリチャレンジのコーチの仕事もあったので、同じイタリア産のスーパーカーでも25年前のロードカーと現代のレーシングカー、全然後者のほうが乗用車のような安心感。
(30年前のF-1と今のF-1を比べてもきっとそういう違いがあるのだろう)
クルマとの対話に100%集中して全身全霊で操作をする、、、それを楽しいと思える境遇でないと、、、と考えると私はまだ置かれている境遇はナマヌルイのかな~と思わせてくれる「クルマを操る」を考えさせてくれた1日でした。
ディアブロって雨漏りするって聞いていたけど本当にしていたらしいし、バックする時に後方が見えないから、ガルウィング開けてサイドステップに腰かけてバックをするという通称「カウンタックリバース」経験としてやっておくべきだった(笑)
誤解しないでくださいね、ディアブロSVってクルマに文句言っているんじゃなくてリスペクトしているんです!
Posted at 2020/06/19 08:46:49 | |
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