引き続きシンガポールGP / フェラーリチャレンジのコーチングWEEKです。
当然ながらF-1も走っているのをコースサイドで見れる機会もあるのですが、GTカーやカップカーとフォーミュラーカーって走らせ方が結構違う。
速く走る為にコースの幅を使い切るという意味では一緒だけど少し高めの縁石とかGTカーだったら跨ぐようにカットするよう縁石でもF-1は触りもしないで通過するってコーナーがある。
車高が違うからボディ下面を打ってしまわない様に・・・って事もあるけど、車速の高いコーナーほどその違いの傾向は強いのは、やっぱり縁石をカットしてでも距離を稼ぐより車の姿勢変化によるボディ全体でのダウンフォースが減ってしまう事による旋回性能低下を抑えたいって言う方が大きいのでしょう。
コースの4輪脱輪の話だってWECでもLMP1-2はあまり関係なく、GTEプロ/アマの方が多い。
ここで気になるのは「クリップに着く」という擦り込みの話。
皆さんも「クリップに着かないといけない」って思っている人多くありませんか?
実際には”着いた方が良いけど”って言うのは大前提としてあるけど、ほとんどのアマチュアの方がINに着くまでに操作や速度コントロールの方にまず問題があって、その代表である”切り遅れ”症状なのに、それでもINに着こうとすると進入速度を必要以上に落とさないといけない。
更に”縁石にしっかり乗せよう”なんて思ったら車速が落ちる、他のパターンで言うと・・・それでもINに着こうとすると今度は進入のラインが浅くなるっていう問題も良くあるパターン。
騙されたと思って、INに着くのも大事だけど、車速を保ってコースの幅の半分より内側のINに近い所を走れれば大体OKだろうって感じで走ってみて下さい、その方が進入速度を必要以上が遅くならずに返ってタイムが良い場合がありますよ。
プロのレース見ていても全車、必ずしも各コーナーでINに付いてないし、鈴鹿のスプーン2個目とかFSW 100RとかだとGTカーでもINに無理に着くより旋回速度を保つ為のラインを重視しているマシンも見かけるほど。
速度が低くてしっかり向きを変える事、距離を無駄に多く走らない事がタイムに直結するコーナーはINにしっかり着いた方が良い率上がるけど、車速が高いコーナーほどINに着くことに拘りすぎなくていい率が高まる。
車速を必要以上に下げない = 旋回速度は今までより高くなる = クルマの旋回エネルギーは高まる事で曲がろうとする力も高くなる、そこで問題になるのが操作によって車の挙動を乱してしまう人。
INに着かなくても良いと思うと進入時の操作が少しマイルドになるからきっとそれも”怖さ”を低減させてプラスになるでしょうが、実はそれでタイムが上がって喜んでいては行けなくて、その先にその車速と操作の状態でよりINに付けた方が距離も稼げて更に速いのよ!っていう領域がある事を忘れない事です。
”INに着かないといけない”とか”教えられた良いラインを通らないといけない”という正解を先に知ってしまう事による”走らせ方の本質から少しずれた走り”で収まってしまう事が実はあと〇秒って部分がなかなか削れない問題だったり、本当の意味でのハイスピードでの車の挙動を崩さない操作に繋がらなかったりする。
INに着こうとする事よりもギリギリの速度で走る事、その状態で上手に曲げられる事、加速がそれらを重視する事によって著しく鈍らない事のバランスが取れる人の方が実は良かったりする。
F-1マシンの走りをコースサイドで見ていてふとそう思った澤圭太 @ シンガポールでした。
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2018/09/16 11:13:10