ネットで不思議な主張があったので紹介しておく。
[追記]
あまりにむちゃくちゃなのに、ツイッターで次々拡散しているので、やはりはっきり書いておく。
ここだ。(
ここも。)苫米地英人という人、わかってないのにとんでもないことばかり書いている。
[追記終わり]
URL等はあえて書かない。が、なにやら学者の肩書きがあって有名な人らしく、ネットメディアが投稿記事として載せていた。
内容をかいつまむと、
・3/11に原子炉は緊急停止しており、核分裂反応は停まっている。
・故に、あらたにヨウ素131は作られていない。
・ほうれん草などからヨウ素131が見つかっているが、すでに半減期の8日を過ぎている(3/19時点)。
・ベータ崩壊していくので、半減期を過ぎると指数関数で減衰するからすでに非常に少なくなっている。
・故に、もうほとんど残っていないので出回る頃にはほうれん草は安全である。
なによりおかしいのは
・半減期の8日をすぎているからもうほとんどがベータ崩壊して、出回る頃にはもうほとんど残っていない。
という部分だ。
半減期というのは、その放射性物質が崩壊し、量が半分になるまでの期間を示す。ご本人もそれはよくご存じ。
だが、ほうれん草から検出された放射性ヨウ素131の量が半分になるのに8日かかることを忘れている。
規制値2000ベクレル/kgに対して、先日の発表では15000ベクレル/kgなので規制値の7.5倍。8日で7500ベクレル/kg、16日で3750ベクレル/kgにしかならない。出荷済みのほうれん草を2週間以上も保存できない(傷んでしまう)。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015iif-att/2r98520000015jpm.pdf
緊急停止した結果ヨウ素131の生成がすべて止まっていたとしても、半減期を過ぎたからほとんど無くなるわけではない。最初の量が多ければ、半分でもかなりの量が残っているわけだ。
こういう妙な主張で人を危険に追いやることがあってはいけない。
追記
同じ人が、放射性物質の風での運搬についてももっともらしいトンデモを披露。ネットで調べてきたのかそれらしく書いているから一見もっともらしく見えるけど(パーツ単位では正しいことも書いてある)、専門外で基本的なことを分かってないまま自分は正しいと信じ込んで書いているトンデモの典型。政府の陰謀論的で弱者の味方であるかのようなことを言っているので、始末が悪い。
肩書きもあってそれを鵜呑みにしたコメントが山ほど。影響力があるだけに怖い。
さらに追記
放射線=中性子線だと思っているし、Svが生物効果だと言うことも分かってない。放射性物質は上空を結構早く拡散せずに運ばれるのに距離の3乗に反比例して濃度がさがりゆっくりはこばれるとか、再臨界になっても首都圏は平気って茨城/栃木は首都圏じゃないと思っているらしい。間接被曝って意味も確かめずに使っているし。生物濃縮をしらないようだし。他にも。あまりにひどすぎる。こんなのを拡散させないで欲しい。
追記
「ヨウ素131はすでにほとんど崩壊しているのか?」を改題した。
これは有害なデマだ。
追記終わり
Posted at 2011/03/23 00:25:03 | |
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放射性物質・放射線 | 日記