私の中学時代から現在に至る、クルマ好きとしての変遷と、クルマ歴を語った
「上がりのクルマ」連載。
「上がりのクルマ」 その23 Alfa Romeo 159 前編の続き。
■Alfa Romeo 159 続編
↑カッコイイ!!(冴え渡るポストプロダクションby mistbahn)
Alfa 159を間近で見て、触れて、試乗してから、私はすっかり159の虜になってしまった。
何冊もAlfa Romeo系の書籍、雑誌を買い漁った。
自分には高すぎる買い物だけど、マジメにローンも計画した。
先に書いたように、FFなのが多少の懸念事項で、その検証のため、4WDモデルの試乗をさせて頂くことになった。
159のV6 4WDモデルは試乗車がなかったため、兄弟車のブレラの3.2L V6 4WDモデルを試乗させて頂いた。
■Alfa Romeo Brera 3.2 JTS Q4 (V6 / 6MT / 4WD)
試乗車はツーリング グレー。ダークなシルバー。この色、かなりクルマに合っていて相当カッコ良かった。
ブレラって、エンジン・駆動方式・価格設定とか、モロにAudi TTクーペのコンペチだと思うんだけど、なんでTTはやたらと売れて、ブレラは全然売れないんだろう?
そりゃTTは工業製品としてはブレラより良く出来てるけど、この手の「スペシャリティーカー」って、そういう基準で選ぶ人は少ないと思うんだけど。
やっぱり日本人は「目立ち過ぎるブレラじゃ・・・」という保守派(「おくゆかしい」と言うべき?)が多いんだろうか?
そういうウチの実家もTTなんだけども(笑)
↑ブレラはケツのデザインが魅力的だとされているが、私はブレラの重そうなお尻が嫌い。
全体的なシルエットや顔のデザインとの相性を含め、私はブレラよりも159の方が好き。
↑個人的には、ピニンの手が入ったアルファ・スパイダーの方がスマートな感じで、ブレラよりイカしてると思う。
どうせ伊達車なんだから、オープンで!
↑Brera Concept。
良く、ブレラは「コンセプトモデルとほぼ同じデザインで製品化された」と言われるけど、個人的には「ほぼ」に含まれなかった要素が残念ながらスゴくスゴく重要な要素に思える。
ブレラ・コンセプト、カッコ良すぎ。
・・・脱線しすぎた。
●Brera 試乗
さて、ブレラの試乗。
2006年8月20日。
159を試乗して魅了されてから1ヶ月後。
試乗車はやはり左ハンドルの6MT。
エンジンは3.2L V6だけに、低い音でトルク重視な感じ。雑味はない。
高回転までスムースに吹け上がるタイプじゃないけど、これはこれでアリだと思う。
ただ、ちょうどこの時期、ポルシェ ケイマンSやMINI Cooper S、ホンダ S2000などに乗った後なので、スポーツカーのエンジンとしてはちょっと大人し過ぎて退屈にも思えた。いいんだけど。
試乗は、モロにオーバルコースのような一般道(空港外周)。
割と高速なコーナリングテストが行える。
4WDは配分が可変式だけど、通常は前40:後60ぐらいだとのこと。
実際に運転した感じ、4:6以上にFRっぽい感じがして、とても好み。
「うぉぉぉ、トラクション!」って感じでは決してないけど、ナチュラルでイイ感じである。
ただ、全体におとなしい感じだった。
スポーツカーっぽくはない。まったり。
デートカー、伊達グルマとしては最高だと思うけど。
で、ブレラの後で、再度以前試乗させて頂いた159の4気筒 FFモデルを運転。
■Alfa Romeo 159 2.2 JTS (FF/6MT)
●試乗再び
3.2L V6 4WDのブレラと比較すると、159の方が大きいにも関わらず、ライトウェイトスポーツのようだった。エンジンも足も。
エンジン音は軽く、トルク感も線が細い。
ほとんど2速で事足りる3.2L V6と違い、ギンギンに回して3速までフル活用しないと走ってくれない2.2L 4気筒の方がある意味楽しい。
ちょっとかつてのホンダエンジンっぽい。
ただ、車格・車重(1570[kg]・・・重い)に対しては、非力。プアな感じ。
ちょっと頑張り過ぎというか余裕なさ過ぎる気がする。
限界が低いと、面白いのは最初だけで、すぐに頭打ち感がある=飽きるんだろうなあ・・・・と思った。
4WDモデルと較べると足回りやステアリング特性も、ライトウェイトっぽい。
とにかく軽い感じがするのだ。
駆動系もエンジンも軽いから当たり前か。
ブレラとのタイヤの違いもあると思う。
一ヶ月前に運転したときはそんな風には思わなかったんだけど。
オーバルコースのコーナーをブレラと乗り較べてみたのだが、FR寄りの4WDを体験した後では、やっぱりFFのフィーリングは苦手だなあ・・・・と強く感じてしまった。
●[2.2直4 + FF] VS [3.2V6 + 4WD]
エンジンは、
・元気だけど線が細くて非力な2.2L直4。
・トルクフルだけど、スポーティーでない3.2L V6
・・・と、両方体験すると、どっちもイマイチに思えた。
駆動系は圧倒的に4WDが好み。
でも、3.2L V6 4WDは、2.2L 直4 FFよりも120万円も高い。かなりムリ。特に妻には理解不能な価格差。
2.2L 直4 4WD設定があっても良いのに。
●問題?
そんなことよりも、実はこの「2回目の試乗」で問題が。
前回乗ったときと、2.2L 直4 FFモデルの159のフィーリングが激変したのだ。たった一ヶ月間で。
なんか剛性感がガタ落ちした。
エンジンも悪い意味で雑な感じになった。
クルマが傷んだのか、その一ヶ月間でいろんなスポーツカーに乗ったからなのか、或いはV6 4WDのブレラの直後だからなのか?
クルマのフィーリングなんて、タイヤの空気圧、潤滑油の古さ、吸気温度なんかでも露骨に変わるので、今考えると、そういったパラメータが原因だったようにも思える。(でも、エンジンはともかく、剛性感ガタ落ちはなあ・・・・)
「試乗」に備え、ベストな状態を保つのもディーラーの使命なんだろうなあ・・・。
当時の私にはそういった「コンディション」という概念は希薄で、クルマが短期間で劣化したようにしか思えず、
「なんだ、『ドイツ車以上の剛性』とか書かれてたけど、やっぱりイタリア製品のクオリティってこんなもんなんだ」
なんて思って、一気に159が色褪せてしまった。
そうこうしているうちに、159のMT設定はあっという間に廃止され、セレスピード設定、トルコンAT設定へと移行してしまった。
159は私の購入候補から外れた。
●現在の視点
購入候補から外れた159だけど、やっぱりルックスは最高にカッコ良いと今でも思う。
B4を購入した当初は、性能とフィーリングは圧倒的にB4が好みだけど、スタイリングの側面から159にはちょっぴりコンプレックスが残っていたもんだ。
現在の私のB4は、自分の好みの見た目にゴテゴテと武装され、私自身の159へのコンプレックスは皆無となっている。むしろ積極的に横に並べたいぐらい(笑)
どの道、今考えると方向性が違い過ぎた。
159で内装やカーぺットを剥がしたり、トランクリッドに穴を開けてGTウイング取り付けたり・・・とか、ちょっと想像できない。(レガシィもBL型では普通しないみたいだけど)
もっとも、この数年間で方向性がすっかり変わってしまったのは私自身なのだが・・・
・・・続く。
ここまでの「上がりのクルマ候補」
・
Lancia Delta Integrale
・
Ferrari F40
・
VW Golf ?
・
Honda CR-X(EF系)(所有したので候補から除外)
「上がりかどうかペンディング。でも所有したい」
・Subaru Legacy B4 2.0GT Spec.B
「上がりというワケじゃないけど所有したい」
・
Honda Beat
「永遠の憧れ」
・
Alfa Romeo SZ・RZ(ES30)
「死ぬまでに一度は運転してみたいクルマ」
・
Nissan Skyline GT-R (R32)
「上がりというワケじゃないけど好きだなあ」
・
Subaru Impreza(GC・GF)
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