
ブログエントリ: 「
【オーナーズレビュー】Mitsubishi i (三菱アイ) Turbo HA1W Part.1」
の続き。
■Mitsubishi i (三菱アイ) Turbo HA1W Part.2 メカ編
●エンジン+ドライブトレイン

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↑リアのハッチバックを開けてフロアをめくると、ビートで言う「メンテナンスリッド」がある。
蝶ネジ4つで取り外しができる。
ワンタッチで開閉できるボンネットよりはメンドクサイが、
それでも位置的にビートよりはかなりメンテナンス性が良い。(ビートもすっかり慣れたが・・・)
ご開帳。
型式:3B20 MIVEC インタークーラーターボ
DOHC 12バルブ 3気筒
総排気量: 659cc
ボア×ストローク: 65.4×65.4
(スクエアなのね!)
圧縮比: 8.8
(低い!当時のターボだなあ・・・)
最高出力: 64ps (47kW)@6000rpm
最大トルク: 94Nm@3000rpm
このエンジンは、三菱自動車の子会社
「MAE(三菱自動車エンジニアリング)」による設計。
昨年のMMCの燃費改竄不正で、問題理由とされている、
”軽自動車の不正では、三菱自動車は燃費目標達成業務を、子会社の三菱自動車エンジニアリング(MAE)に丸投げしていたほか、子会社が実施した試験方法が「高速惰行法」であったこと、さらに、試験結果が意図的に低い値を抽出した捏造であることを知りながら、その内容を承認していた。この件について、益子会長は力のない子会社に、レベルの高い車の開発を丸投げしたことが、事件の背景にあると述べている”
・・・・の
「MAE」である。

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本当に低い位置のマウントなんだよね。
ビートのE07Aと同じく、
傾斜マウント(アイは45度)だし。
で、アイは諸元上「MR」とされているが、いろんなソースで「RR寄りのMR」とか「RRじゃないのか?」と言われているが、議論になるのも当然だと思う。

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↑目一杯のロングホイールベースで、リアタイヤの位置は車体後方にハミ出すほどの「リア・オーバーハング」であるため、一応エンジン+ATは後輪軸の真上(そういう意味では「ミッドシップ」でもナイと思う)だが、
- あまりにエンジン位置が車体の後端寄りであること
- 傾斜マウントにより、エンジンヘッドが更に車体後方にあること
から、RRだと思われる方が多いのも当然・・・・というか、MRかRRかの議論なんて全く意味が無いステキなレイアウトだと思う。
・・・ちょっと掃除しないと。。。
エンジンルームの奥底に水冷式オイルクーラ的なモノが見えるが、なんだろう?
↑ターボチャージャーは、エンジンより更に車体後方、エンジンヘッド下、マフラー直近に位置する。
いろいろググると、
MHIのTD02M らしい。
オーナーズレビュー Part.1で、三菱はグループ内の仲が良くないイメージだから・・・と書いたが(コメント欄でEPSは三菱電機製ではなくKYB製だと情報を頂いた)、ここは三菱重工業サマなのね。
勝手なイメージだケド、ターボサプライヤのMHIにとってMMCは「お客様」なハズだケド、グループ内のヒエラルキー的に、MMCからMHIには何も要求を聞いてもらえそうなイメージが沸かない。
「オレ(MHI)が供給してやるから黙って使え」的な・・・。(本当に勝手なイメージだケド)
音が静かなので(※ターボだから排気音が小さい上に、エンジンが非常に運転席から遠い位置にあるため、実際のエンジン音よりも遥かに小さく聞こえていると思われる)・・・
・・・そんなにパワフルに感じない(迫力がナイ)のだが、実際には
シッカリとパワーがあり、結構あっと言う間に・・・というか「気づいたら」、制限速度、法定速度に達している。
↑助手席側後方からの撮影。
写真下部(手前)にあるのはブローオフバルブ。
写真左部にあるプレート式熱交換器状のモノがインタークーラらしい。
↑ナゾのファン。
ブローオフバルブ部を冷やしているように見えるのだが、いったいなんだろう??
ブローオフバルブの奥のあるターボチャージャーを冷やしているワケでもないし(タービン側はむしろ断熱した方が性能が出るし)、インタークーラを狙っているワケでもないし・・・
ファンが回っている状態で目視していないのでわからないのだが、ひょっとしたら送風ではなく、掃気の方かも?
このファンの存在理由が良くわからないので、詳しい方、教えてくださいm(u_u)m
↑ラジエターはフロント下部。(見えているのは大きいラジエターの下半分)
マフラーエンドの形状はカッコ悪いケド、このクルマにはコレでいいと思う。
あえて換えたいとは思わない。
前述のように、ターボなので排気音は小さいし、エンジンが運転席から遠いので、メカニカルノイズも小さく、
とても静か。
ただし、
アイドリング時に車室内に低音がこもる傾向があるのと、「耳をすませば」、エンジン音自体は美音じゃなく、直3特有の雑で安い音。
(※ときどきある「パンチのある雑味」じゃなく、単に雑音。ターボだし)
更に言うと「耳をすませば」、
ヒュイーンとターボの音が聴こえる。
最近のターボから「ヒュイーン」音が消えたのは、「ヒュイーン」音が動バランスが取れていないための回転一次音で、最近のターボチャージャーの品質が上がったからだ・・・・という話を本で読んだことがある。
個体の問題か、2007年時点(結構最近)のMHIサマのTD02Mの品質なんてそんなものなのか・・・?
↑車底。ローマウント!
経年劣化をなんかキレイにしてやりたいところ。
ATは
トルコンのフィーリングが悪くない(
比較的カチッとしている。制御でロックアップを多めに取っていると昔聞いたことがある)が、
変速制御はダメ。
街乗りはOKだが、
スポーツ走行では、かしこくない制御でパワーバンドを外しまくる。
あと、LSDがあったらさぞかし楽しかろう・・・と思う。
↑フロント・ボンネットの中。
ヒューズBOXかな?
●ボディとか足回りとか

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↑リアタイヤの少し前方に、「ぶら下がるように見える」ブツが、パワートレインの一部かと思っていたが・・・
↑フレームの一部?だった。
なんか知らんケド、妙にカッコイイ。
10年前のアイ試乗記にも書いているが、軽自動車で、10年選手だケド、
剛性感がある。
車両重量 910kg ・・・とクソ重いのだが、その重さはシッカリと剛性確保に使われているのかな?
(ガラスも重そうだなあ)
↑フロントサス。
↑リアサス。
このリア車底写真からも、エンジンが
「一応車軸の上だケド、傾斜マウントによりエンジンヘッドはリアオーバーハングに位置」
・・・していることが良くわかる。
↑メンテナンスリッドからエンジンルーム(?)を覗くと、エンジンヘッドの右奥「前方」に、リアサスのスプリングが見えるのだ。
ステアリングについて箇条書きすると・・・
・
ガソリンタンク残量が少ないとちょっと落ち着かない。(そういうクルマあるよね)
・足が
適度に「締まっている」。
「硬め」だが「ゴツゴツ」じゃなく「締まっている」。
大きいロールや、ノーズダイブがない。
だからとても運転しやすい。
応答性が高いが、乗り心地は良い。
大きいロールやノーズダイブがないのは、
低重心の恩恵も大きいと思うし、ノーズダイブに関しては
ロングホイールベースの恩恵もあるのだろう。
この手の軽自動車の割には硬めの足なのに、乗り心地を損なっていないのは、ボディ剛性が高いのもあるのでは?・・・と思う。
・
着座位置がクソ高いにも関わらず、
ワインディングを流していても、重心が低く、ハンドリングが素直だから全然怖くない。
タイトなS字の連続で、右に左に切り返しても、変なお釣りも出ないし素直に曲がる。
もちろんビートのようにガンガンに攻めることはできないが、
運転していてとても楽しい。
以前に同じワインディングをアルト・ターボ・RS(HA36S)で走ったときは、とにかく重心の高さにより怖いばっかりで、「数字の上で軽ければ良いというモノではない」と痛感したものだったが、アイは対照的に怖くないし、楽しい。
・旋回時はリアにウエイトがあるのがわかる。楽しい。
「大きいロールが少ない」と前述したが、実際には、
フロントやドライバー着座位置はあまりロールせずに、後輪サスだけが、コーナーの外側輪が沈んでいるのがわかる。
後輪は旋回時に姿勢変化しているのだが、それによりしなやかにグリップ確保できているのがわかるし、ドライバ位置が大きくロールしないので怖くない。
・アクセルを戻さず踏みっぱなしだとアンダーも作れるし、軽いアクセルオフで素直なハンドリングにもできる・・・ので、
コントローラブル。
基本的に本当に素直なハンドリング。
・上
り坂だとフロントの接地感がやや希薄になる。
・こさとうさんから買い取っての帰阪の道中は、新東名も伊勢湾岸道も極悪に強風で、横風に弱いのを痛感した・・・・が、その日の横風は特別だったみたいで、アイに限らず、周囲のプロボックスやフィットやデミオなんかも総じて、フラフラと車線をまたぎまくって蛇行していた。
ブレーキは奥で効くタイプ。
コントローラブル・・・・なのだが、
目一杯奥まで踏み込んでも、制動力の限界は低いので、もしスポーツ走行するなら(私はしないケド)、もっと効くブレーキパッドが欲しい。
「大きいノーズダイブがない」と前述したが、フルブレーキング時は、フロントエンジンのクルマほどじゃないが、前荷重にはなる。
ただ、「ノーズダイブ」っていう感じではなく、車体が塊として前荷重になる感じ。
「ダイブ」というより、「大きくレーキ角が付く」イメージ。
これはこれで、きちんと必要に応じてフロントタイヤに仕事をさせることができて良い感じ。
前荷重後に揺動(ピッチングの繰り返し)はなく、一発で収まる。
この手の軽ワゴンで、特に10年選手モノだと、ダンパーが抜けている、あるいはそもそも戻り側の減衰が低すぎて、荷重移動の後、急激に荷重が戻り、ハンドルを取られて危ない思いをするクルマが多いが、このアイは問題ナイ。
本当に良くできた足だと思う。
●まとめ

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自分が買ったクルマを褒めちぎっていたら世話ナイが・・・
(みんカラには、買ったクルマを褒めて、褒めて、褒めて・・・・・そのクセ、リセールを考えた維持をして、案外すぐに手放して、次に買った別のクルマを褒めて、褒めて、褒めて・・・・・というタイプの人も散見する。人それぞれだなあ・・・と思うが、個人的には胡散臭いことこの上ナイと思う。
・・・・ので、なんかこのアイ・ベタ褒めオーナーズ・レビューは我ながら少しイタイ)
私にとってはひとつの完璧なデザインで、それだけでも十二分に満足できるのだが・・・
運転してみて、こんなにイケているとは正直、記憶、期待していなかった。
(「イケてる」と言っても、軽自動車のワゴン・・・というジャンルの中での話だが)
正直、もっと爆発的に売れても良かったのではないか?と思う。
(オーナーになってから意識すると、案外たくさん走っているケド。大阪ではそんなにたくさん見ないケド、宇都宮でやたらめったら見る)
こさとうさん、ステキなクルマを譲って頂いてありがとうございます!
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