
ブログエントリ: 「
【試乗】ABARTH 595 COMPETIZIONE(ABA-312142) 前編」
の続き。
※高画質写真集(スマホだとうまく見れないかも)↓
PHOTOHITO スライドショー「ABARTH 595 COMPETIZIONE(ABA-312142)」
■ABARTH 595 COMPETIZIONE(ABA-312142) 後編
●インテリア
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硬派で凝縮感のあるインテリア。
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「せっかくイタリア車に乗ってるんだから、ブラウンとかレッドのシートカラーを選択すれば良いのに・・・・」
・・・と思わなくもナイけど、「コンペティツィオーネ」だし、私が選択しても結局黒を選ぶんだろう 笑
(Alfa 159なんかだと迷わず
ブラウンを選びます)
クルマに乗り込むとき、
「ウワッ、着座位置高っ!!!」
とリアクション。
座りたてと、走り始めはその着座位置の高さに残念感が強かったが、走りだしたらすぐに慣れた。
先日乗った
アルト・ターボRS
のように、座高の高さがいつまでもネガとしてつきまとわないのは、
単純に今回の試乗コースがワインディングじゃなかったからなのか、あるいはサベルトのシートのサイドのホールド性が良いからか?
このサベルト製のカッコ良いシートだが、
背もたれにクッション性がほとんどなく、カチコチ。
私はこの、
「ボッテリしていない」カチコチのシートのフィーリングは好きなのだが、
カチコチで成り立つのは、もっと背中の形状にフィットしていてナンボだと思う。
そういう意味では、
シートポジション、キマらなかった。背中が背もたれにベタ付けできない。。。
シートのリクライニングが、(昔の?)欧州車に多い、シート横の手回しダイアル式なのだが、
シートとピラー間がほぼゼロクリアランスなので、極めて回しにくい。
まともに操作しようと思うと、一旦、ドアを開けないといけない。
アバルト595コンペティツィオーネをスポーツカーだと、とらえれば、実用性なんかクソ喰らえなので、個人的にはそこにネガティブな印象はナイ。
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良くまとまったデザイン・コンシャスなダッシュボード、インパネまわり。
ココは、旧FIAT 500のインパネ回りをベースにしたデザインだが、再解釈(OK)されてて、良くも悪くもゴテゴテしている。
参考: 昔のFIAT500の内装(カコイイ!)(直リンク、スミマセン)
横一文字の樹脂の部分は、おおよそのチンクでは
赤だったり
水色だったり、白だったりカラード。
「せっかくデザイン・コンシャスなイタ車に乗ってるんだから、色付きにすれば良いのに・・・」
と思わなくもないが、コンペティツィオーネだからイイのか。
色付きだとガラスへの映り込みだとかで戦闘しにくくなるし。
自分が選択しても結局、黒になってしまうのだろう 笑。
メータは、S660のように、センターのひとつのメータに車速がデジタル数値表示、その周囲をタコメータが取り囲むレイアウト。
いろいろ表示切替できるみたい。
このメータ方式、視線移動が少なくて済むので、S660では本当に見やすく感心したが、595コンペティツィオーネに関しては、
私が試乗したときの表示モードがアカンのか、回転数がわかりにくかった。
慣れだけの問題かも。
ダッシュボードの一番上に付いているのはブースト計。
負圧は表示されず、正圧のみの表示。
ステアリングホイールはチルトはあるが、テレスコはナイ(普通だよね)。
ただし、この
アバルト595では、特に自分のシートポジションだと、ステアリングホイールが遠すぎて困った。
純正ステアリングホイールは撤去して、長めのスペーサとディープコーンのステアリングホイールに交換したい。(それこそ、昔のラリーのアバルトの直線的な2スポークにしたいですな、haji.くん)
ペダルがとてもカッコイイのだが、撮影するの忘れた。。。。
●エンジン、ドライブトレイン
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エンジン型式: 312A3
エンジン種類: 直列4気筒 DOHC 16バルブ インタークーラー付ターボ
総排気量: 1368[cc]
ボア×ストローク: 72.0 × 84.0 (結構ロングストロークなのね。イマドキだ)
圧縮比: 9.8
最高出力: 118[kW](160[ps])@5500[rpm]
最大トルク: 206Nm@2000[rpm]
最大トルク SPORTスイッチ使用時: 230[Nm]@3000[rpm]
燃料供給装置: マルチポイント式 電子制御燃料噴射
前方排気。
エンジンとバンパーの間に、
タービンがチラ見え、それに「IHI」のエンボスがチラ見えるのが誇らしい!
ターボチャージャーはIHI RHF3-P。
ちなみにアバルト695はギャレットのGT1446型で、20psアップの180ps。
エンジンはやたらと元気!
モロに、小径ターボならではの特性で、それこそEV(※つい先日のBMW i3など)のように、
かなり低速域からトルクフルで、軽い車体と合わせて、徐行状態からの加速は暴力的!
※
車重: 1120[kg] (160[ps]、206~230[Nm]のクルマとしては軽い!)
※ファイナルは3.353と案外低めだが、変速比の1速、2速なんかは高めに取られている。でも以外とトータルの減速比は低い方だなあ。(ハイギヤード)
低速域が元気なのはOKとして、「上に伸びるか?」「上まで軽く回るか?」・・・・は、今回の試乗では確認し忘れた。
低速域の加速が暴力的だから上まで引っ張らない・・・というのもあったと思う。
残念ながら、空吹かしでの吹け上がり、針落ちも確認していない。
純正とは思えないほど、ブローオフバルブがパシュー、パシュー鳴りまくる。大気開放なのかな???
S660
は演出としてブローオフバルブを「無駄に」慣らしているが、そのS660よりも、アバルト595コンペティツィオーネの方がずっと派手なブローオフバルブ音。
↑ラジエターからの排熱はタイヤハウス内に・・・というタイプ。
マフラーは、純正ではなく交換品(
純正オプションの「レコードモンツァ」?)ので、純正マフラーの音はわからないのだが、
この排気音は太さとヤル気感のあるエエ音だった。
もちろん高回転型NAの「エエ音」とは異なるのだが、わかりやすいターボカーらしい「エエ音」。
エンジンの特性、フィーリングは極めて
S660
に近いのだが、S660の純正マフラーの排気音はあまりにプアなので、排気音だけで言えば、
skmodeのアバルト595コンペティツィオーネ >>> S660
だが、交換マフラーと純正マフラーの比較なので・・・・。
マフラー交換したS660に乗ってみたい♪
トランスミッションはF1マチック(フェラーリ)やセレスピード(アルファロメオ)なんかと同じく、シングルクラッチのAMTとのこと。

Motor Fan illustrated vol.52 ~MT/DCT完全理解~
↑バックナンバーに載ってないか、パラパラと見てみた。
あんまし大した情報は載っていなかったが、
"Magneti Marelli AMT
アルファロメオのセレスピードをはじめ、ランボルギーニ、アストンマーティン、フェラーリなどにAMTのユニットを供給しているのはイタリアのマニエッティ・マレリ社だ。"
と書かれている。
アバルトもやっぱりマレリなのかな?
で、このAMT、名前を
「ABARTH-MTA」というらしい。ベタに「Manual Transmission Automated」の略なのかな?(もう、AMTでエエやん・・・)
DSG(VW)、Sトロニック(Audi・・・ちゅうかDSGと同じ)、i-MMD(ホンダ)と同じく、
停車状態からの発進時の挙動が不自然。
坂道発進とか、タイヤの前に段差があるようなシチュエーション(コイン駐車場など)は試していないが、やはりイマイチらしい。
走り始めてから・・・・は、DCTとは異なるシングルクラッチのAMTならではの作法があるのだなあ・・・と感じた。
アクセルベタ踏み状態で、シフトアップすると、ガツンとシフトショックがある(skmode、ゴメン。。。)。
ただし、Alfa 147やAlfa GTの頃のセレスピードの、
シフトアップ時の恐ろしく長く不安になるトルク切れはABARTH-MTAでは感じなかった。
慣れれば結構良いモノなのではなかろうか。
パドル操作しててそこそこ楽しい。(結構忙しい)
●足回りとかボディとか?
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重心高そうに見えるが、特にヨレない。
かと言って、「ドッシリ」って感じの剛性感アピールの強い味付けではなく、
どちらかというと軽快なテイストだが、剛性不足は感じない。
軽量・軽快感と剛性感のバランスが素晴らしいと思う。
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先述のように、重心の高さのネガはあまり感じなかったのだが、試乗路が直進→信号で曲がるの繰り返しで、ワインディングなどを走ったワケではないから・・・かもしれない。
FFだし、もっと容易に手アンダーを発生させられるかと思っていたが、そうでもなかった・・・というか、そこまで走らせることができなかった。
EPSは(電動パワステ)はこのクルマも良くできている。自然なフィーリング。
エンジン同様、パワステの感じもS660と似てるかも?
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ブレーキシステムは交換品と聞いているが、
オプションカタログを見ていると、ホイールも含めて
「
ESSEESSE BREMBO KIT FOR 595」ってヤツなのかな?
ホイール: 7.0Jx17インチ
タイヤ: ミシュラン(銘柄?)205/40R17
ブレンボの4POTキャリパーはともかく、2ピースのディスクはウラヤマシイなあ・・・。
サーキットを走っていても、ビートのブレーキを強化する必要性は感じないし(だから大きいキャリパ流用とか興味ナイ)、むしろオーバークールに悩まされることの方が多い。
でも、バネ下は少しでも軽くしたいので、2ピース・ローターはウラヤマシイ。
「
ESSEESSE BREMBO KIT FOR 595」を見ていると、
強化しているブレーキはフロントだけのようだが、バランス崩れないのかな?
あるいは、交換前のバランスが悪いとか・・・?
今回の試乗では、あんましガッツリブレーキ踏んだりしなかったので、ブレーキの特性は良くわからなかった。
●総評
前編のエクステリア編で、乗る前の偏見に付いて、ウダウダ書いたが・・・・
・・・実は、走りの方も、乗ってみる前は少し心配だった。
500万円未満のイタ車って、経験上、
・直4エンジンは上まで回るが、線が細く、極めて安っぽい雑味。
・新車のときはバリッとしていても1ヶ月で剛性感の低下するボディ。
・ステアリングはラック・トゥ・ピニオンの設定で、無駄にシャープな演出で怖い。(ステアリングホイール操作に対して、タイヤの切れ角は鋭いが、クルマがついてこないので、結果ドアンダー)
・・・と、ロクなイメージがナイので。
乗ってみて、オーナーskmodeや、以前乗っていたhaji.、みん友のs a d aさんなどに、とても失礼なレビューになるのではないか?・・・と。
でも、
実際に乗ってみて、エンジンのフィーリングも良く、実際速いし、軽快で、楽しいクルマだった。
十分な試乗ができたとは言えないが、
「もういいや」
ではなく、
「またワインディングなんかを走ってみたい!」
と思えるクルマだった。
日本メーカを応援している私としては、
「フィアット?アバルト?ああ、あんなのダメダメ。ファッションで乗るクルマ」
と言いたいところなのだが・・・残念。
エンジンの特性、全体の完成度など、
S660
にとても近いものを感じた。
S660との違いは、
S660
・重心が低い
・着座位置が低い
・595よりドッシリ感がある(ボディ、重心とトレッドのバランスなど)
・ホンダ
595コンペティツィオーネ
・着座位置が高い。
・S660より軽快感あり(「軽いだけ」感や、「軽薄感」はナイ。素晴らしい)
・アバルト、フィアット
かな。
一度、オーナーのskmodeにS660(6MT)を試乗してみて欲しい。
良い経験をさせて頂きました。
skmode、ありがとう!
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