
昨夜は遠方の現場より9時間運転で深夜帰宅だったので、今日は14時ぐらいに会社を早退した。
で、帰宅してビートに乗り換えて大阪スバルへ新型STIの試乗に!
(※たまの休みを全く家族サービスしてへんようだが、ちゃんと夕方、家族で天体観測に行きました)
■Subaru WRX STI (CBA-VAB)
話題のVAB STI。
●エクステリア
何度も書いているように、私は歴代のインプレッサ・・・の中ではGC、GFが好き↓
ただ、GC/GFほどではないが、先代のGRB、GVB↓も結構好き。
・・・・で、このVAB。
レヴォーグ顔。
先日レビューしたレヴォーグ評でも「ランエボ顔」と書いたが、
STIはセダンで、かつ、ボディがカクカクしている分、よりランエボ色が強い。
ランエボが絶滅したから、スバルが引き継いで
「ランエボXI」をリリースした・・・・と言ってしまえるようなデザインだと思うし、
ランエボというライバルと比較されないから、堂々と「ランエボXI」っぽいデザインした・・・とも言ってしまえる。
・・・と言いたい放題だが、
なんだかんだで、良くまとまっていてカッコイイと思う。
それまでのインプレッサのSTIは、ベースのインプレッサをゴテゴテと(あるいは後手後手に)武装した感じだったが、
今回のVAB STIは最初から、この帰着点をシッカリと見据えてデザインされた感があり、顔から全体フォルムにまで、「とって付けた感」があまりナイと思う。
サイド~リアにかけても、先代
GVBをベースにシッカリと洗練された感があり、個人的には好感度大。
最近のスバルのデザインは、随分とツッコミどころが減ってきて、かと言って、「無難にまとめました」というほど没個性でもナイと思うので
(もう一癖あっても良いとは思うが)、イイんじゃないかと思う。
●インテリア
GRB、GVBの頃からあまり変わらないインテリア。
個性的ではナイが、スバルは奇をてらうと必ず失敗するので、もうこのリピート路線での地味なクオリティUPを続けたら良いのではないかと思う。
個人的には十二分に完成度の高いインテリアになっていると思う。
ちなみに、運転席は電動だったが、正直重いだけの無駄装備だと思った。
昔から変わらないスバルのペダル。
レガシィB4(BL5A)に乗っていた頃は、他のスバル車に乗って、クラッチペダルがどうだとか気になったことがなかった(※途中で、強化クラッチに換えて少しだけ重くなったこともあるので評価基準は滅茶苦茶・・・)が、今回は
「あれ?クラッチペダルって重くなりました?このモデルですか?それとも先代もこんなもんでしたっけ?」
と感じて質問したら、
「BM/BRレガシィはやたらと軽かったですが、STIは先代もこんなぐらいです」
とのご回答。
ふむふむ。変わったのは自分の感覚か。
ビートも、会社のプロボックスもクラッチ(ともに純正)ペダルはもっと軽いので。
●エンジン~パワートレーン
エンジン型式:EJ20
エンジン:2.0L DOHC 16V デュアルAVCS ツインスクロールターボ
ボア×ストローク: 92.0×75.0
圧縮比:8.0
最大出力:308[ps]/6400[rpm]
最大トルク:43.0[kg・m]/4400[rpm]
トランスミッション:6MT
・・・・。
スペックだけ眺めていると、先代GVB STiと、エンジンスペックから、ギア比まで、全くUPDATEされていないのだな・・・・。
もっとも、ECUの適合により、マッピングなんかは変わってるんだろうが。
例によってサンデン製のインタークーラ。
赤で「STi」って書いてないのネ。
↑なんか良くわからんかったのがバッテリー近傍のこの補機。
営業さんに訊いたら、メカさんに訊きに行かれて戻ってきて
「2次エアです」 と回答されたが、
EJ20にもミスファイアリングシステムが付いたのか???(※私のプジョー307SWには付いているが、トラブル源にしかなっていない)
じゃあ、EGRバルブなのか?というとあんまし良くわからないのだが、有識者の方、コメントください。
繰り返し、WOTを試してみて、
「イマドキ」、結構ドッカンターボだよな・・・・と思った。
2速ではなく3速で、低い車速からベタ踏みしてみると、
3500rpmか4000rpmぐらいまでモタツキ、タイムラグがあり、そこから一気にワープ航法に移行する。
イマドキのエンジンとしてはNGなんだろうし、MFiの「ダウンサイジング過給厨」あたりには叩かれたりしそうだが、
スバルにはDITもあるワケだし、現在のEJ20は「スポーツエンジン」としてコレぐらいの色分けがある方がむしろ好ましいと個人的には思ってしまう。
街乗り主体でこのクルマを乗る人には、低回転域のモッサリ感にイライラするかもしれないが、パワーバンドを外さないようにシフト操作をするのがスポーツエンジンの醍醐味のひとつだと思うので。(そして、モッサリ領域をOpenECUで改善していく余地・楽しみも十分に残されている証拠)
4000rpm以上は気持よく、一気にレッドゾーンの8000rpm付近までもっていける。
オーバースクエア万歳!ショートストローク万歳!EJ20万歳!
エンジン音、排気音はいつものEJ20ターボの音。
直4のような安っぽい雑味(掃除機音)ではないが、美音でもないし、水平対向のクセに澄んだ音でもない。
美音ではないが愚音でもない。
気に入らなければ、排気系を換えて好きにすればイイと思う。
長期に渡ってFA20を使うかEJ20を使い続けるか悩んだ挙句、結局、FA20を諦めてEJ20を採用したスバル。
FA20のボア×ストロークは86×86のスクエアで、ホンダのシビック・タイプRやインテグラ・タイプR、アコード・ユーロRなんかのK20Aと同じ。
かつ、
FA20は直4ではなく水平対向なので「キレイに回す」上ではK20Aよりアドバンテージがあるハズだが、
少なくともNAのFA20は10年以上前に登場したK20Aとは比較にならないぐらいプアなエンジンだった。
で、結局、スバルはFA20DITは低燃費用途のダウンサイジングターボという位置付けとし、スポーツエンジンとしては諦めたワケだが、
ここはホンダとスバルの露骨な技術差だと個人的には思っている。
ただ、86×86のスクエアという同一条件でデッドヒートを繰り広げる必要はなく、
結果として、ハイパワー、高回転型のステキなフィーリングのスポーツエンジンが出来上がれば良いワケで、
そういう意味ではオーバースクエアの古いEJ20を使い続ける、という選択をしたスバルに、個人的には好印象。
十分に速いエンジンだが、「シュパッ」と日本刀で切れるようなフィーリングは欠落している。
世の中では「モリモリとトルクが・・・」などと表現されることが多く、昔は私もそう誤解していたが、実際にはトルクUPすると、「切れ味鋭い」感じになるな・・・というのが個人的な所感。
たぶんVAB STIのEJ20は、歴代のEJ20ターボと同様に、そこは敢えて抑えているのだと思う。
ちょっとバルタイをいじったり、少し過激にブーストアップしてやると、燃費と引き換えに、切れ味鋭い加速を得られるんだろう。
ワクワクするな。
ギア比と、エンジン~フライホイールのイナーシャの関係について、ヒール・アンド・トゥをしていて気になった。
6速というトランスミッションだが、意外とギアが離れているな・・・という印象。
で、
ギアが比較的離れてるにも関わらず、シフトアップ時の回転落ち、ヒール・アンド・トゥのブリッピング時の吹け上がりのレスポンスがイマイチ遅い気がする。
これに関しては
BL5Aレガシィが最低だった(※純正フライホイールと軽量フライホイールの比較動画。面白いので是非ご覧ください)が、レガシィほどではないにせよ、VAB STIもフライホイールのイナーシャは高め設定なのかもしれない。
もっとも、運転の仕方と慣れで済む程度の問題だと思うケド。
●ボディとか足回りとか
エンジン、ドライブトレインはほとんどUPDATEがなかった分、「ボディ剛性UPは徹底した」とのことだが、実際それはそういう印象。
「剛性UP」をあまり工夫せずに行うと、当然、重量増となり、近いバネレートだと固有振動数が下がってモッサリしたフィーリングとなり、一般的にはその傾向が強いと思う(E90 BMW320iあたりとか)。
でも、このVAB STIは、どんだけ剛性UPしたのか知らないが、
「重い」印象は全くなかった。
(とは言っても、
以前カリカリに軽量化して乗っていたBL5Aレガシィなんかと較べると、決して「軽快」というフィーリングではないが)
「剛性UPと、バネレートのバランスが絶妙なのかな?」とか考えながら乗っていたのだが、
先代GVB=1490kg に対し、VAB=1480kg・・・と、わずかに軽くもなっているのだな。
感心。
ハイテン材なんかを多用したんだろうか?
前述の重複するが、剛性UPが「ドーン」というフィーリングではなく、
「締りのある」感じで、剛性によりシッカリとビル足が動いて仕事をしている印象で、乗り心地も良かった。
極めて良くできている印象。文句ナシ。
ダンロップのSPORT MAXXという知らない銘柄。
最近スバルの純正タイヤは多様化しているが、昔から何度も本ブログに書いているように、私はBSのRE-050がとても苦手なので、
ダンロップの採用はちょっとウレシイ。
最近、FF車とMR車にしかあまり乗らないからか、
「スゴく、フロントタイヤが仕事をして、フロントでグイグイと巻き込むように曲がっている」印象(※巻き込む=オーバーステアではナイ)。
FFのそれとは全然違う。
レガシィに乗っていたときには全然感じなかったフィーリングなので、このクルマだから・・・なのか、私の感覚がだいぶ変わってしまったのかは不明。
気持ちの良いステアフィールだった。
ダルな遊びがなく、ダイレクトで、初期応答性に優れる印象。
アクセル操作が低回転域でターボラグによりややダルなのに対し、ブレーキペダルには全く遊びがなく、ほんの少し踏み始めたところから効く。
「良く効くブレーキ」の演出かもしれないが、低速域だと、気をつけないとカックンブレーキになる。
・・・が、ネガティブな印象はナイ。
●総評
好き勝手書いてるが、
「現行車種からセダンを選べ」と言われたら、このクルマが欲しい。
なんだかんだで、とても良く出来ていると思うし、面白いし、スタイリングも嫌いじゃないし。
エンジン~ドライブトレインを代表として、スバル車のフルモデルチェンジって大きな改革がナイ(※EJ→FA、FBは大きいUPDATEだったが、コレはEJやし)のだが、その分、地味な「正常進化」で着実にクオリティUPしていっているのが好印象。
私はあんまし懐古趣味がなく、先進技術による大規模なUPDATEネタも大好きなのだが、スバルにはある意味残念ながら技術革新がナイ分、大規模UPDATEにより失われているモノ(インフォメーションとか)もナイよな・・・と思う。
FF車にも最近は慣れたケド、やっぱりFF車は自分には合わないし。
他社のセダンは重いのばっかりだし。
敢えて言うと、AWDでも良いので、もちょっとリア駆動寄りの演出だと自分好み。
このあたりに限って言うと、BMWとかレクサスGSなんかの方が好み。
それでも
総合的にはVAB STIが欲しいなあ。
できればSpec.Cで。(電動シートとかマジで不要)
ヨダレが出るほど欲しい・・・・というワケではなく、あくまで「現行車種からセダンを選べ」と言われたらの話だが。
試乗後、ビートに乗って帰宅したが、特にビートが色褪せることはなかった。
ただ、ビートはステアリングもペダルも、結構遊びが多いな、と感じた。
その後、家族で307SWでお出かけしたが、全てが無駄にソフトでダルだった。コレでもトヨタ車や日産車よりも結構あれこれ硬めなんだケドな。
・・・・もっとも、ビートは23年落ち、307SWは14年落ちなので、あんましまともに比較評価はできないか。
大阪スバルさん、ありがとうございました。
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