
先月(12月)から御近所さん(徒歩20秒、7軒隣ぐらい)の駐車場に何故かテスラ・モデルSが・・・・。
気になって仕方ナイので、面識もナイのに無礼ながら、ピンポンして
「テスラ、見せて頂きたいのですが・・・」
とお願いしたら、快く応じて頂いた。
いろいろ御解説頂き、運転までさせて頂いた。
誠にありがとうございますm(u_u)m
「電気自動車の高級セダン」という、独自性から、いつもとは異なるレビューとなる。
試乗を終えて、諸元とか確認するのに、
テスラのサイトを見てみたのだが、至るところに
「注文する」
という大きなボタンがあった。
ネット通販かよ。
で、その割に諸元とか詳しく書いてなくて困惑 笑。
■TESLA MODEL S 85
●エクステリア
レクサスGS(初代)、Audi A5 Sportback、アストンマーチン ラピード、ジャガーXFなんかと同じ、4ドアクーペというか、ファストバック・セダンというか、ここ8年間ぐらいで増えたフォーマット。
テスラってアメリカのメーカだケド、あんまし押しの強いデザインではなく、どちらかというとイギリスっぽいデザインだと思う。
調べてみると、信ぴょう性は不明だが、
"デザイン担当は、マツダの北米デザインセンターでディレクターを務めていたフランツ・フォン・ホルツハウゼン"
とのこと。
特にリアは、アストンマーチン・ラピードなんかと良く似ている。
テスラはロータスをEV化したりしてるし、UKへの憧れとかあるのかな?
リアは、写真ではうまく表現できていないが、真後ろから見ると、ロー・アンド・ワイドで、カッコイイ。
ドアの取っ手は通常は「ツライチ」なのだが、近づくと、オートで手前に出てくる。
ホイールは基本が19インチで、オプションで21インチを選択されたとのこと。
(※21インチでも乗り心地は極めて良かった)
この写真は車高を上げた状態。
電動で車高の調整が可能で、実演もして頂けた。
●パワートレイン
モデルSには、
・60(60kWhバッテリー)
・85(85kWhバッテリー)
・85D(85kWhデュアルモータ)
・P85D(85kWhパフォーマンス)
の4グレードがある模様。
「kW」ではなく、「kWh」であり、モータスペックではなく、バッテリーのスペックがグレード名になっているのが珍しい。
拝見、試乗させて頂いたモデルSは「85」。
モータの出力は285kW!
モータはリアに搭載。
公式サイトのモデル図を見ていると、MRというよりRRと言えそうなレイアウト。
パワートレインはじっくり拝見したいが、リアトランクを開けても・・・
リアバンパー下から覗きこんでも・・・・
・・・空力の良さそうなフラットボトム。
パワートレインもバッテリーも全く見えない。
↑フロントボンネットの中も、収納だ。
運転してみると、
当然EVなので、パワートレインは極めて静か。
インバータノイズや、回生時の音も聴こえない。
だからと言って、無音であることにそんなに違和感は感じなかった。
エンジン車だって、この手の高級車はそんなにエンジン音大きくナイので。
で、登坂の直線なんかで、アクセルを踏み込んでみると、
ドカン!と加速する。
流石、0rpm近傍から最大トルクを捻出できるモータ+インバータ。
低中速域からは本当に鬼加速。
モータの定格出力が285kWということしかわからず、定格回転数がわからないので、
トルクが逆算できないのが残念。。。
また、高速道路やサーキットでの試乗ではないので、高回転域の特性はわからなかった。
プラグイン給電(充電)の実演もして頂けた。
テールランプ端に、わからないように給電ソケットが仕込んである。
↑充電する時間も設定できるようになっており、深夜とか、電気代の安い時間?などに設定できるようだ。
元々、マンションにお住まいだったのが、テスラSを御注文されてから、このクルマがマンションの駐車場には大きいこと、そもそも、マンションじゃ充電できないことから、テスラの納車までの1年3ヶ月の間に、一戸建てに引っ越されたとのこと!
恐ろしいケド、クルマ好きの鑑だな。
ご近所にテスラがある「ナゾ」について、
「自動車メーカまたはサプライヤ(電気系)の方が、評価用に乗ってるのかも?」
とも考えていたのだが、オーナーさんはそういうのとは無関係で、単に好きで選択、購入されたとのこと。
ある意味、かなりの
「人柱」だよなあ・・・。カッコイイ。
●インテリア
インテリア、めちゃくちゃカッコイイ。
↑どうしても、センターのとてもデカいタッチパネルに目が行くのだが、あまり写真を撮ってないのだが、ダッシュボードまわりも、ドアトリムなんかもとてもカッコイイ。
ホンダは良くインテリアでテクノを表現しようとして失敗して幼児向けの戦隊物っぽくなってしまうが、テスラのテクノ観はシトロエンのそれに通ずる、かなりソフィスティケートされたモノ。
シトロエンとの違いは、
テクノ、SFっぽさと「ミッドセンチュリーモダン」なテイストを違和感なく完璧にミックスしているところかな。
シッカリと写真撮影していないのだが(ゴメンナサイ)、個人的にはエクステリアよりインテリア、特にドアトリム(内張りネ)のデザインがお気に入り。
↑センターのタッチパネルは、もはや、「サポート」ではなく、どっちかというと
「タブレットPCに、タイヤとかモータ/インバータとか付属してきた感じ」。
膨大な機能を有してるし、Wi-Fiで夜中に勝手にファームウェア・アップデートされるし、こんなに立派なモニターなのにナビの機能が将来対応でGoogleマップ表示だし 笑。
●ステアリング、操作系、操作感
ステアリングホイールは普通にスポーティーで触り心地、握り心地の良いモノ。
車速感応式の電動パワステは、低速域ではとてもソフトで軽い。
で、車速がそれなりになると、それなりに重くなる。
低速域のステアリング操作が軽すぎる「車速感応式EPS」は苦手なのだが、高級セダンとしては当たり前なんだろう。
で、
低速域→中速域のパワステの重さ変化に違和感が全くなく、とても自然だった(意識しないとわからない)ので、ネガティブな印象を受けなかった。
ああ・・そういえば、この
車速感応式EPSも、タッチパネルで設定変更が可能で、助手席のオーナーさんが、
「今、特に軽い設定になってますね」
と切り替えてくれたんだった。
何でもアリだあ・・・。
↑
慣れるのに時間がかかるのと、ヘタすると事故の原因になりそうなのが、シフトレバー。
外車は、
・左のレバーがウインカー、ランプ操作
・右のレバーがワイパー
というのが定番だが、テスラ モデルSは、
・右のレバーがシフト操作
なのだ!!!
↑でR(バック)
↓でD(ドライブ)
普段、プジョーに乗ってるので、ここの誤操作は比較的少ない方だと思うのだが、
交差点での右折時に、このレバーを操作してしまい、
D→N
に切り替わってしまったことに気づかず、アクセルペダルを踏んでもクルマが動かないことに、短時間、理解が追いつかなかった。
R←N→D の操作もわかりにくいが、
サイドブレーキがなく、このレバーの右端を押すとPに入るという設定も分かり難い。
そういえば、左足ブレーキもクルマから良く叱られた。
左足をブレーキペダルに触れていると、エラー音とともに
「アクセルペダルとブレーキペダルの両方を踏まれてます」
的なメッセージが・・・。
●足回りとかブレーキとか
ボディ剛性「感」はあんましわかんなかった。
これみよがしに剛性「感」をアピールする演出じゃないことは確か。
高級セダンとして、極めて良くできている印象の足。
とてもとてもソフトなのだが、例えばレクサスLSや、V37スカイラインなんかのように、ブレーキング時や加速時に、ピッチングで大きく沈み込む・・・というソフトさではナイ。
なんだか、ストローク量が少なく感じるのだ。
でもBMWや、レクサスGSやレクサスISのような
「硬めだけど往なす足」、というワケでもなく、本当にソフトな足。
「硬めだけど往なす足」のクルマは、重い車重を、硬めのバネで支えて、ダンパーの減衰でなんとかしている印象だケド、
テスラ・モデルSだって重い(1735kg?)のに、ソフトで、にも関わらずストロークを感じさせず、極めて「フラットライド」な印象。
どういう仕組みだとこういう足になるのか、メカニズムを連想できない。
フロントはダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンクみたいだが・・・。
ロングホイールベースとか、ワイドトレッドとか、そのあたりってどれくらい影響あるんだろ?
21インチ履いてるのに。
レクサスLS、クラウン、日産の高級車あたりはコレを見習って欲しい。
もっとも、ガツン!とハードブレーキングを試してみたワケではないし、強い横Gをかけての旋回も試してないので、限界挙動は良くわからない。
あと、コレはリアにパワートレインを積む後輪駆動車だケド、BMWや、レクサスのように、後輪駆動車感をアピールするためにリアを意図的に柔らかくして、加速時にリアを沈ませるようなことは、テスラ・モデルSではやっていない。
意識すれば、加速時に後輪で蹴ってることはわかるが、基本的にフラットライド。
フロントの立派なブレーキキャリパ。
サプライヤは不明。
リアはキャリパが2つあった。
回生ブレーキがかなり効いていて、アクセルを戻しただけで、かなり減速する。
私のEV試乗記って、
レース車両のEVミラと、このテスラ・モデルS・・・・という、かなり偏ったものだが、アクセルペダルを戻すと、すぐ回生・・・という特性はEVミラと同じだな。
アクセルオフですぐ回生すること、ブレーキペダルに足を触れると回生してしまうことから、左足ブレーキで、アクセルペダル操作と同時にブレーキペダルを触れるのはNGなのか。
●まとめ
流石に、クルマの成り立ちとか、普通のクルマと異なり過ぎて、いつものようにレビューできなかった。
なんかいつも以上にグダグダ。
でも、
本当に貴重な体験をさせて頂き、感激した。とても楽しかった。
誤解を恐れずに言うと、
「乗ってみると、特にEVっぽさのない、良くできた高級車」
でしかなく、爆発的な加速があるにも関わらず静かでクールなこともあり、変な高揚感を煽られるワケでもナイ。
でも、この存在自体がまだまだ「非日常」で、「非日常=スーパーカー」なんだよなあ。
日産がGT-Rは後部座席があるからスーパーカーではないと言ってたが、スーパーカーか否かって、私としては「非日常」を得られるか否かなんだよな。
でも、テスラ・モデルSの場合、私には「非日常」であっても、オーナーさんにとっては日常の足であって、「非日常」ではないワケだ。
う~ん、なんともまとまりのナイ話。
オーナー様、この上なく貴重な体験をさせて頂き、本当にありがとうございましたm(u_u)m
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