
忙しい。午前様帰宅が多い。今週は休みナシ(T_T)
なかなかビートのDIYでのECUイジリが進まない今日この頃。
先日、仕事でおつきあいのある
繁原製作所さんにお邪魔したところ、繁原さんところのEVレースカーを少し運転させて頂けた。
ダイハツ・ミラ(元々社用の営業車だったそうな)ベースの、EVコンバート車両。
オンロード車両(=要は公道走行可能なナンバー付車両)のEV体験自体がハジメテな上に、個人的に面白いと思える仕様の車両を運転させて頂けるとは、何たる幸運!貴重過ぎる体験!!(ありがとうございました!)
■繁原製作所 EVミラ
EV系のレースに出場し、好成績を納めている車両だ。
・2011 Ene-1 GP SUZUKA: EVパフォーマンスチャレンジ部門 総合2位
・SHIKOKU EV RALLY 2011: クラス優勝
・ロングランテスト(琵琶湖1周編): 321km(電池残量7.3%)
・ロングランチャレンジ(テストコース): 520.7km(平均時速44km/h)
鈴鹿のレースでは、他の車両は航続距離重視、低燃費重視でラップタイムは控えめだったりするのが、このミラはEVとしては圧倒的なラップタイムで周回しながら、きっちり完走されたとのこと。
鈴鹿フルコースでのベストタイムは3'16.336、平均車速:106.48[km/h]、最高速:140[km/h]
今度EVテスラとバトルされるらしい。
●諸元抜粋
車両重量: 970[kg](※ノーマルのミラは700[kg])
タイヤ: ネオバAD07 165/60R13
ホイール: パナスポーツ・フォーミュラ1
後続距離: 市街地320[km]、一定速巡航520[km]
搭載モータ: AZURE DYNAMICS AC24LS
最高出力: 47[kW](=63.9[ps])
最大トルク: 92[Nm]
搭載電池: リチウムポリマー 33.7[kW]
2速減速機
サスペンション: BILS製ネジ式車高調40段調整
ブレーキパッド: エンドレス MX72K
ブリッドのフルバケ、そしてロールケージ。
■運転してみて
エンジン車なのかEVなのか・・・・という以前に、
B4を失ってからフルバケに座ること自体が久々だったのでテンションが上がった。
ロールケージ入ってるし。
フルバケのタイトさは気持ち良いのだが、フルバケやのに、やたらとヒップポジションが高いのが不思議な感覚だった。
操作は独特。
●ドライブトレイン
ギアは、HiとLoの2速が存在するが、今回のストリートでの試乗ではHiに入れっぱなし。
耐久レースでは、状況に応じて切り替えるとのこと。
変速機構とは関係ないのだが、機械式LSDが入っているので、バキバキ言いまくってた(笑)
●ペダル、パワートレイン
ペダルはアクセルペダルとブレーキペダルの2ペダル。
ブレーキペダルを踏めば普通にディスクブレーキ(パッドはENDLESS MX72K)が効くが、回生ブレーキも存在するので、ブレーキペダルでの制動操作はほとんど不要・・・・とご説明を受けた・・・・・・が、短時間の試乗ではそれに慣れることができず、やっぱり左足ブレーキを多用してしまった。
アクセルが独特で、アクセル0%位置は回生ブレーキ、50%位置がフリー、100%位置が最大駆動力・・・という位置づけ。
つまり、アクセルを戻せば回生ブレーキが効く・・・という仕組み。
アクセルワークに対する、インバータの出力制限の切換スイッチがセンターコンソールに存在する。
乗り始めは25%に設定して頂き、ストレートで75%や100%に制限値を切り替えると「おおおお、トルクが~!!」。わかりやすい。
出力100%制限・・・・(別に繁原さんが100%「制限」といってたワケではない)
一見、「無制限」と表現したくなるが、もしこのミラに車載のインバータで過負荷が出せるなら、150%とか200%という設定もありうるので、「100%制限」は「100%制限」だと思うんだ。繁原さんに聞いたワケではないのだが・・・
エンジンの場合、「トルク制限」ってあんまし意味がないというか、ダイレクトにトルク制限するパラメータがなく、何らかの副作用を伴うが、モータだと単純に省燃費だよなあ。
逆に電流を多く流せばトルクは出るが、バッテリーの減りが早くなるのと、あとは熱的な問題か。
定トルクモータは、0rpmに近い低回転数から最大トルクを発揮するのがエンジンとの違いなのだが、そういうのは良くわからなかった。なぜなら、発進時、25%制限をかけてしまっていたから。
100%でも発進してみれば良かった。シマッタ。
そういえば、以前にフリーペーパ「Automotive Electronics Vol.9 2010 Spring」に「ドラッグレースを席巻する電気自動車」って特集記事があった。
そりゃEVはドラッグレースには強かろう。
●ボディ・足回り?
2座の後ろは巨大なバッテリースペース。
重心高いデメリットはあるが、交換等のメンテナンス性重視とのこと。
車重はバッテリーが重いので、通常のミラより200kg程度重く、これに耐えるよう、スプリングレートを上げた車高調と、MX72Kが投入されている。
重さよりも、シートポジションを含め重心が高いのが、レースカーとしては少し気になったが、バッテリー位置を下げていないのは交換等スピーディーなメンテナンス性を重視されたとのこと。
ロールケージが入ってるから・・・なのか、やたらと剛性感があり、それにより良い意味で、ダイレクト、インフォメーションが多かった。
ストリートを、ほとんど直線路を走っただけなので、ピッチングやロールがどうだとか、アンダーだとかオーバーだとか、そういうのは全然わからなかった。
●総合
EVスポーツなんかを取り上げると、まあ、それが良いか悪いか、面白いか面白くないか、だいたい議論になるよね。
いろいろ思うところはあるが、個人的な見解。
・音もなく、シュイーーンッと走るEVレーシングカーがあるとテクノでカッコイイと思う。クルマというより、ちょっとSF的なスタイリングだったらイイなと思う。
・最近の一般的なコンパクトカーの直4NAエンジンが好きじゃない。静かさを追求してるが、雑味が残っていて、それが血の通った振動・騒音ではなく単にチープな雑味だから。
ホンダの直4ですら最近は燃費重視=ダウンスピーディング思想に基づいた仕様で、高回転に向かって全く吹け上がらなく、とても残念。
スバルのEJ20→FB20もロングストローク化で同様の傾向なので、きっとFB16も退屈なエンジンになるんだろう。
ダウンスピーディングと低騒音・低振動を追求して、出来損なっているコンパクトカーの直4なら、いっそモータに置き換えてしまった方が良いと思う。
インフラとかそういうのを無視して、トルクと、フィーリングだけで話をした場合だが。
・でも、一部のエンジンはやっぱり特別だ。私はビートに乗ると、E07A+RSマッハN1マフラーの排気音にスゴく「救われる」気持ちになる。トルク細いし燃費悪いケド。
エンジンは吸気→燃焼→排気。人間と一緒。CO2を吐き出し続けることを含めて。
だからこそ、私を含め、クルマ好きはエンジンに心奪われるんじゃないかと昔から思ってる。
そういう観点から、吸気→燃焼(爆発)→排気・・・・をモロに感じることのできるエンジンじゃなければ、私個人としてはエンジンである意味がなく、そういうクルマならモータ駆動でも全然OKなのだ。
繁原さん、貴重過ぎる体験、誠にありがとうございましたm(u_u)m
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